やる夫で学ぶ「法学者の統治論」その2

レス数:129 サイズ:259.05 KiB 最終更新日:2025-07-12 12:51:41

1  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/07(Mon) 23:08:27 ID:b0abe767


               / ̄ ̄\
           /  ヽ、_  \
          (●)(● )   |
          (__人__)     |      初回の投下から情勢が変わりすぎだろ……
          (      u.   |
              {          |
          ⊂ ヽ∩     く
    ⊂てヽ   ,,_ '、_ \ /  )
  {三_ ィ `´  /|_\  “ ./|
        .\__/   |  \_/  |


・世界史で習っただろう「法学者の統治論」に関して文献と共に紹介する学ぶ系スレです。
+現在はシーア派のイスラーム思想における反欧米・反イスラエル思想の形成についても紹介しています

・「法学者の統治論」に基づいて統治機構や政策がどうなっているか見るスレではなく、
 思想展開がどのようにされてきたかを中心的に見ていきます。主にイラク・イランの人たちが中心になります。
 といいつつも、レバノンやパレスチナも入っています

・投下は不定期

・前スレ
ttp://bbs.yaruyomi.com/test/read.cgi/ban/1546182272/



やる夫で学ぶ「法学者の統治論」の内容予定
0話 法学者の統治論の概要と基本的事項の説明
1話 政教一元論とイスラーム主義
2話 スンナ派のカリフ論とシーア派思想の展開
3話 20世紀のシーア派の状況
4話 ホメイニーの「法学者の統治論」
5話 ホメイニー以後のイランにおける「法学者の統治論」
6話 アリー・シャリーアティのイスラーム思想
7話 バーキル・サドルの「法学者の政治指導論」

※イスラーム思想における反欧米・反イスラエル思想編
EX1:バーキル・サドルとイラク編
EX2:ファドルッラーとヒズブッラー編
EX3:ホメイニーとイラン編
EX4:ハマース編

8話 サドル以後イラクにおける「法学者の政治指導論」の思想
9話 ファドルッラーの「組織化された法学権威の政治指導論」
10話 シーラーズィーの「法学権威たちのシューラ―」と スィースターニーの議論
11話 サーディク・サドルの「発言し闘争するハウザ論」戦略
12話 イラン・アラブ世界以外での「法学者の統治論」の事例


.

2  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/07(Mon) 23:09:49 ID:b0abe767
スレ立て終了

3  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/07(Mon) 23:19:58 ID:e089bf6f
立乙

4  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/07(Mon) 23:20:38 ID:7838f296
立て乙

5  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/07(Mon) 23:40:31 ID:43e6e4a6
立て乙

6  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:35:42 ID:b76c76be

※修正

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レバノン内戦のさなかに、イラン・イスラーム革命の影響を受けたシーア派のウラマーや民兵が、
イスラエルのレバノン侵攻に対抗するために結成した組織
目的として、イスラーム原理に忠実、イスラエルに対する抵抗を最優先、イランの最高指導者の指導下にあること

当時の駐シリアイラン大使や、シリア政府による資金的・軍事的支援を受けて具体化
レバノンに駐在する米仏軍やイスラエル軍に対する殉教作戦や誘拐事件を起こして有名に

内戦終結後も唯一民兵組織を維持しつつ、選挙に参加して対イスラエルを標榜。

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7  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:38:07 ID:b76c76be


              -―-
          //:..:..:..:..:..:..:..:\
        _ /::/:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..丶
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.         {ニニ|:ト| :..|x=ミ/   ノ⌒|:..::|
.       ∨//::VΛtり `  x==ミ::ノ
.         〈ニ/:..:|:..:..:|''     ⌒イノ           ヒズブッラーという組織はイランやシリアの支援を受けつつ
        /:..:: |:..:..:ト  ` _ノ^〉ヽ
.      //::/V人|  T/ ┌‐┘:..|          レバノンにイスラームの原理を広めて、ホメイニーを指導者として仰ぎつつイスラエルに抵抗する
    / /:..|二二\//|_|ニニ∨
   /  /:..: |ニニニ(__/[ ̄ ̄]ニ|           そのために、ファドルッラーが認めた自爆攻撃などを駆使する……そういう組織といえましょう。
     /:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二|
.    ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _|
      |:..:..:..:..:: Λニニニニニ 厂\  |  ´ - _
      |∨\:../ Λニニ厂 ̄ ∨   リ」    --―┐
---==ニニニ/┼┼/    |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|            思想面でも、財政面でもイランの影響が強いのは事実
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼‐/| /     |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼/‐| |   Λ   |┤i:ニ==-- ┴ _           しかし、必ずしもイランの外郭団体とまでいえるかは微妙でしょう。
.___ 二ニニ==-|‐/┼| |   / |    |┤         _´ - _
.          |/┼lノ |  ./ーく|    |┘==ニ二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
==ニニニ二└―<┼|  |ー┼|   /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ̄|  |  ̄ |  〈:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|乂_,ノ、 Λ__ノ|:i:i:i:i:iニニ==---     ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iニ==--| ニニ V 二二|
==--         \ニニ{ ニニノ

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8  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:40:14 ID:b76c76be


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『ヒズブッラーからレバノンと世界の被抑圧者たちへ向けた公開書簡』
1985年にヒズブッラーが世界に向けて出した指針・宣言書

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                    |:人::.::.ィ灯)心    ィ灯)下\|::.: :ト|/「  /
       _                 \::.: 乂ツ      乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
      {i:i:i:i,              _ノ::} '''  '        ''/ ::.::/  }::./\ノ          というわけで、今回紹介するのはこちら
      ∨i:i:i,           ⌒>::.::.::.{           /::.::.::.:/ヒソ:/|
.      ∨i:i:i,          /::.::.::/\   └ '   /::.::./:.ノ:: |::.::.::.|             秘密組織だったヒズブッラーが、1985年世の中に現れて出した声明
.       く∨i:i:i,厂|         {/:/::.::.::.:个: .    斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
          厂つi, |         Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\           ここから、ヒズブッラーの世界観、思想を探ってみましょう。
.         〈厂つi:i:, \     /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「   ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\
         〈  Vi:i:i:)  }― /::.::.::.::./  辷;′;辷「        ∨::.|::.::.\::.::\
.         \    ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y      |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
          /|  ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「  |    {   _  -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
        /::.::.|    V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _  -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
.        {/::.|     ∨::.::/ | | r辷  ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ
        /::.::.::| / ̄ ̄}    | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
         {::.:/〈    /'     |, -ニニニニ|| \ノ  \/  /ニニニニニニニニニニニニニ}
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                     /   /     ‐‐ニニニニ‐‐  {      ノ

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9  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:44:22 ID:b76c76be


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◎ヒズブッラーの立場と世界観
「自由人たる被抑圧者たちよ―われわれはレバノンにおけるアッラーの党派のウンマの子弟である」
「われわれはアッラーの党派のウンマの子弟である。われわれは自らを世界のイスラームウンマの一部とみなす」
高岡豊・溝渕正季2015 p10

「ここからアフガンであれ、イラクであれ、フィリピンであれ、ムスリムを害するものは、
われわれが不可分の一部となっているイスラームのウンマを害するもののに他ならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p12

「われわれの友は世界中の被抑圧者人民の全てである。
かれらは個人であれ、諸政党であれ、諸組織であれ、すべて我々の敵と戦っており、われわれを害さないことを望んでいる」
高岡豊・溝渕正季 2015p19


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       :.:.:.:.|:.:.:.:. |:.:.|:.:|    斗|Λ|⌒|:.:.:|:.:.:.|:|:.|ニ〉
        |:.:.:.:| :. |斗:.:|:.:|      |  | :/|___|:.:.:.|:|:.|∨
        |:|:.八:.:.|.:.|:.:.|:.:|      _xf笊芥灯:.:.:.ノ八:.:',
        |八:.: \:.xf笊芥ト   ´  乂ツイ|/|「 }}:.:.',        まず、ヒズブッラーは自身をどのように位置づけていたのか
        |  \:.:.:.:个乂ツ        /:/:|:.:.:.:|  ノ:.:.:.',
          八:.:/丶/:/:  丶        |:.:.:.:|イ :.:.:.:.:.'       ヒズブッラーは自身を以下のように位置づけています。
.         /:.:. /| :.人     { ̄^~┐   |:.:.:.:|:.| :.:.:.:.:.:.:
        /:.:.:.:.:.:|:.:.:ノ仝 ../ ̄~^''   ̄^┐:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.|       ①レバノンのムスリムである
         /:.:/:.:.:. |イ:. ノ/.: : : : :. :. :.\    ̄〉:.|:.:.:.:.:.|: |
.        /:.:. /´ 厂^>‐┐: : : : : : : : >┐  ̄〉`ヽ:.|: |       ②世界中のウンマの一員である
       /:.:.:/   /      |.: : :. :. :./ ̄   ̄┐ ̄} W:|
     :.:.: /   f     丿: : : : ./       〉、 〉 }:.ノ       ③世界中の被抑圧者の友である
      |:.:/   Λ     /: : : : :./      /: :/  八

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10  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:47:06 ID:b76c76be

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◎ヒズブッラーの立場と世界観
「自由人たる被抑圧者たちよ―われわれはレバノンにおけるアッラーの党派のウンマの子弟である」
「われわれはアッラーの党派のウンマの子弟である。われわれは自らを世界のイスラームウンマの一部とみなす」
高岡豊・溝渕正季2015 p10

「ここからアフガンであれ、イラクであれ、フィリピンであれ、ムスリムを害するものは、
われわれが不可分の一部となっているイスラームのウンマを害するもののに他ならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p12

「われわれの友は世界中の被抑圧者人民の全てである。
かれらは個人であれ、諸政党であれ、諸組織であれ、すべて我々の敵と戦っており、われわれを害さないことを望んでいる」
高岡豊・溝渕正季 2015p19


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           /:.:/:.::.::.::.:::|:.:/   |:.::.::|:.::.::.::.::.::.::.: |_
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            |::| :.: |::\:Λ|   \::\/:.:|:.:::|::|:i:i:i:i:i冫
            |::| :.: |::/|/\_     ,_/ \::|:.:::|::|\/
            |::| :.: |Y灯下ミ    灯下ミY|:.:Λ|i:i:i:\
            |/\::人 Vソ      Vソ ノ/:| ノ|:i:i:i:リ     レバノン民である、ウンマの民であるというのは比較的わかりやすいでしょう
.            乂 {|\| ''    ´     ''/|:.::.:| : | ̄
               /:.:八    ┌  ,    ノ:|:.::.:|:.:::',       ヒズブッラーの特徴はサドルやファドルッラーの意見と同じく、自分たち被抑圧者と位置づけ
.               |:.::.::|个:...        ..::个 |:.::.:|:.::.: ',
.               |:.::.::|:.::.::.::.::|>r< |:.::八:.::.::: | :.::.:: ',      その味方であると述べた点でしょう。
              Λ :.::|{Τ       \__::\ト|:.::.::.::.::',
               /  \|{ \_,.  ―┐| }\ノ:.::.::.::.::.:|
             /       />''´    ノノ_ノ  \:.::.::.::.:|
.          /         /       /⌒´     \:.::.:|      ここに、ヒズブッラーも 抑圧者/被抑圧者の構図を持つことがうかがえましょう。
         {         ∨    ,、丶゛       ∨   ∨ノ
        \    /   /             }    }

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11  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:51:03 ID:b76c76be


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◎ヒズブッラーの立場と世界観

「イスラームウンマは東西両方からの横柄で傲慢な攻撃に直面している。
その攻撃の目的はウンマからアッラーの啓典が与えたものを奪うことである
啓典はウンマの資源を人々にもたらし、勧善懲悪をなし、アッラーを信仰するために下された。
その攻撃の目的はウンマの資源を奪い、そのエネルギーと子弟の能力を利用し、ウンマのあらゆることを支配することである」
高岡豊・溝渕正季2015 p11

「レバノン全土のあらゆる思想の政党人、組織人よ―中略―あなた方はイスラーム以外の思想を報じているかもしれないが、
 このことはわれわれの協力を妨げることではない。
 ―中略―同期の根源はあなた方に対する暴君からの打ち続く不正と抑圧である」
高岡豊・溝渕正季2015 p19-20

「自由人たる被抑圧者たちへ―われわれはイスラームを強制しようとは思わない。われわれは他人から信条や制度を強制されることを憎む
 われわれはレバノンにおいて現在政治的マロン派統治しているのと同様な力ずくのやり方で、イスラーム統治を行おうと思わない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p20

「われわれはレバノンが米国、世界的傲慢、世界的シオニズムに対抗する政治地図の不可分な一部となるよう願う
 この願望はウンマの願いであり、党派の願望ではない。そして人民の選択であり、小集団の選択ではない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p22

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       {    |:.:__|:.:.:.:.:.:/:.: /|/   |/ ̄|:.:.:.:. |
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             |:\NV:|   ∪     ∪ イ/           では、ヒズブッラーは抑圧者はどのような存在だと述べているか
           八:.:.:|:.:.:.:.ヽ            j:〈
           ./:.:.:.: 人 :.:.:.:|          イ:.:.|            第一に、東西両方のウンマの資源を奪い支配を目指そうとする存在
          /:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|)  ≧=≦ :.:.: |:.:.:|
         ./:.:.:.: __/ {∨    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉      つまり、アメリカなどの西側諸国、ソ連などの東側諸国だと述べています。
        /:.:.:./ : :: :{   \    /       p       /
      ./:.:.:./ :: :: ::l!    \ /      ( ̄)      /       これはサドルのいう所の植民地主義者と捉えていいでしょう。
      {:.:.:./ : :: :: ::{       /                /
       {:.:./: :: :: :: :弋、   ./                /
        |: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/                /
        |/  \ /: :/: {  二 ノ        {  ̄\


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12  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:54:21 ID:b76c76be


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◎ヒズブッラーの立場と世界観

「イスラームウンマは東西両方からの横柄で傲慢な攻撃に直面している。
その攻撃の目的はウンマからアッラーの啓典が与えたものを奪うことである
啓典はウンマの資源を人々にもたらし、勧善懲悪をなし、アッラーを信仰するために下された。
その攻撃の目的はウンマの資源を奪い、そのエネルギーと子弟の能力を利用し、ウンマのあらゆることを支配することである」
高岡豊・溝渕正季2015 p11

「レバノン全土のあらゆる思想の政党人、組織人よ―中略―あなた方はイスラーム以外の思想を報じているかもしれないが、
 このことはわれわれの協力を妨げることではない。
 ―中略―同期の根源はあなた方に対する暴君からの打ち続く不正と抑圧である」
高岡豊・溝渕正季2015 p19-20

「自由人たる被抑圧者たちへ―われわれはイスラームを強制しようとは思わない。われわれは他人から信条や制度を強制されることを憎む
 われわれはレバノンにおいて現在政治的マロン派統治しているのと同様な力ずくのやり方で、イスラーム統治を行おうと思わない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p20

「われわれはレバノンが米国、世界的傲慢、世界的シオニズムに対抗する政治地図の不可分な一部となるよう願う
 この願望はウンマの願いであり、党派の願望ではない。そして人民の選択であり、小集団の選択ではない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p22

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    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「        第二に、レバノンの宗派体制およびその頂点に立つマロン派キリスト教徒の一部
         /::乂ム:::}       '     ム} 
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|         ヒズブッラーは慎重に、レバノンのあらゆる宗派との連携に言及しつつも
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}      暴君からの打ち続く不正と抑圧=他人から信条や制度を強制されることと述べています。
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'      宗派体制によってキリスト教徒優位を築き、それを制度として固定化する
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |      今のレバノンの在り方そのものが抑圧者だ……というのはヒズブッラーのオリジナルな点です。
       |     ,     |       ,:  | 
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |


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13  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 00:56:13 ID:b76c76be

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◎ヒズブッラーの立場と世界観

「イスラームウンマは東西両方からの横柄で傲慢な攻撃に直面している。
その攻撃の目的はウンマからアッラーの啓典が与えたものを奪うことである
啓典はウンマの資源を人々にもたらし、勧善懲悪をなし、アッラーを信仰するために下された。
その攻撃の目的はウンマの資源を奪い、そのエネルギーと子弟の能力を利用し、ウンマのあらゆることを支配することである」
高岡豊・溝渕正季2015 p11

「レバノン全土のあらゆる思想の政党人、組織人よ―中略―あなた方はイスラーム以外の思想を報じているかもしれないが、
 このことはわれわれの協力を妨げることではない。
 ―中略―同期の根源はあなた方に対する暴君からの打ち続く不正と抑圧である」
高岡豊・溝渕正季2015 p19-20

「自由人たる被抑圧者たちへ―われわれはイスラームを強制しようとは思わない。われわれは他人から信条や制度を強制されることを憎む
 われわれはレバノンにおいて現在政治的マロン派統治しているのと同様な力ずくのやり方で、イスラーム統治を行おうと思わない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p20

「われわれはレバノンが米国、世界的傲慢、世界的シオニズムに対抗する政治地図の不可分な一部となるよう願う
 この願望はウンマの願いであり、党派の願望ではない。そして人民の選択であり、小集団の選択ではない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p22

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          ,...::''"゚~ ̄~゚^' ̄~"'':...、
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   {二√ :.:.: |:.::.:.:|::/|__|_,ノ  |::|:.::.::.:: |:.::.::.::.
   {二| :.::.::.: | :.: _|≫==x/:|/   |Λ:: | :.:|::|::| |
   {二| :.:.:/:.:|:.::.:Y _)(:.:「      二|⌒:.::|::||ノ
.    V/|:.:i"⌒|:.::.::| 乂ツ      ,ノ灯Y:|:.:.:|Λ|
    {//:八 |:.:.:|''        ヒソ ノΛ ノ  |           そして第三に、シオニズム この3つに対抗するための枢軸を築く必要がある!
    {/:/:.:: \|:.:.:Λ      '    ''/::|:.:.:| ノ
    /::/ :.::.:.: 人 :.::.::.:    , ,    八:|:.:.:|〉            そうヒズブッラーは強調しているといえましょう。
.   /:.::.::.:/ :.::.::.:: \::ト       イ:.::.::|:.:.:|∧
  /:.::.::.:/ :.::.::.:.:|:.:.:| \, >  <:|:.::.:| :/ :|:.:.:|: ∧           あえて、シオニズムと明言していることから、ユダヤ・イスラエルとは別個の存在なのでしょう。
. /:.::.::.:/ :.::.::.::.: |:.:.:|::|      乂|:.::.:|/:: Λ :| :: ∧
/:.::.::( ̄ ̄ }―|:.:.:|┴ .,_   r――‐/:.::/<:.::.::.::.:.: |
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:.::.::.:/ └┐  >‐┐    ┌<|:.:.:| 厂  Λ∨|



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14  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:00:02 ID:b76c76be

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◎ヒズブッラーの立場と世界観

「われわれは、米国とソ連とのイデオロギー紛争は既に完全に終わったと確信している
 両当事者は、人類に幸福をもたらすことに失敗した。なぜなら両社は資本主義と共産主義という点で異なるものの、
 物質的な面のみを扱い、人道上の諸問題への対処に欠けていた―中略―
 米国とソ連はかかる事実を相互に認め、両陣営の争いがもはや思想上の紛争でないことを理解した。
 そして、両者はイデオロギー上の相違を隠れ蓑とした勢力争い、利権争いへと向かっている。
 以上の理解に鑑みれば、東西両陣営による思想上の紛争は終結し、傲慢な世界の諸国により利権と勢力争いが取って代わったと考える。
 現在の傲慢な世界の諸国は、米国とソ連が率いている」
高岡豊・溝渕正季2015 p27-28

「われわれは両大国の紛争は両国の物質主義的性質の当然の帰結と考える、しかしわれわれは被抑圧者の権益、
 資源、権利を犠牲にしたこの紛争を容認することはできない」
高岡豊・溝渕正季2015 p28

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.        八:|:人辷}::::::|         '`´ /|::/ ノ         そして、ヒズブッラーはこの抑圧者/被抑圧者の構図を
        / :::::|:/: `¨|::::::|      _     ;゙ |/
.       / :::::: |:::::::::: |::::圦    (   )   人             1980年代の東西冷戦にも適用します。資本主義者と共産主義者はイデオロギーではなく
      / ::::::::::::::::::: 八::::::| >    ̄    イ:::::::
.     /::::::::::::::::::::::/:::::|\|.    {>-< |:::::j              物質主義的な欲求に基づいた戦いを繰り広げているに過ぎない。
    /::::::::::::::::::::::/ ::::::| ..._\ ...⊥..._     | :: /
.   /::::::::::::::::::::::/:::: |:人__  ̄  _.j>、  |: /     /ニ=-  _             その争いは必ず、被抑圧者の権益を犯すものであり、
  /:::::::::::::|::::::::/::::::::|:::|⌒   __jノニ=-‐㍉ |/     //  ̄  -=ニニ=-
. イ:::|:::::::::::|::::::::::::::::: |:::|__jノ⌒:ア´     ´_      //        ̄ 7/         だから、冷戦にも抵抗しなければならないんだと主張します。
 |:: |:::::::::::|::::::::::::::::: |::八:i:i:i:iァ′       ´_     //         //
 | 人:::::::::|:::::::::::::::::: /:i:i:i:i:i:7       ...,, __}_   //         //
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15  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:05:35 ID:b76c76be


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◎傲慢な世界、欧米諸国、イスラエルとは何か?何者か?
「傲慢な世界は我々に対する戦争で一致している」
「自由人たる被抑圧者たちへ、東西の不正で傲慢な世界の諸国は我々と戦うことで合意している。
我々に対して彼らの傀儡どもを扇動し、われわれを中傷したりわれわれの虚言を広めたりしている
これはわれわれと善良な被抑圧者を引き離す有害な試みであり、米国とその同盟者に対する我々の重大な業績を矮小化するための努力である」
高岡豊・溝渕正季2015 p12-13

「われわれの全ての悲劇の背後に米国がいる」
「悪の第一の根本は米国である―ホメイニー師は米国こそが我々すべての悲劇の原因であり、害悪の母であると何度も確認している
われわれが米国と戦うことは、われわれのイスラームとウンマの誇りを防衛するという正当な権利行使することに他ならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p13


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             |l  |:.:.:.:|  ̄∩     ∩ ̄ノ:.:.人|           もう少し、欧米諸国についてみていきましょう。
             |:\NV:|   ∪     ∪ イ/
           八:.:.:|:.:.:.:.ヽ            j:〈             傲慢な世界=米国とその同盟者と認定し、世界中の悲劇は全部米国のせいとして
           ./:.:.:.: 人 :.:.:.:|          イ:.:.|
          /:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|)  ≧=≦ :.:.: |:.:.:|             傀儡=親欧米政権を使って、テロリスト認定しようとするが
         ./:.:.:.: __/ {∨    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉
        /:.:.:./ : :: :{   \    /       p       /        米国との戦いは、正当なウンマを守るための権利だと主張しています。
      ./:.:.:./ :: :: ::l!    \ /      ( ̄)      /
      {:.:.:./ : :: :: ::{       /                /
       {:.:./: :: :: :: :弋、   ./                /
        |: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/                /
        |/  \ /: :/: {  二 ノ        {  ̄\


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16  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:08:44 ID:b76c76be



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◎傲慢な世界、欧米諸国、イスラエルとは何か?何者か?

「米国およびNATO諸国からなる米国の同盟者、神聖なイスラームのパレスチナの地の強奪者であるシオニスト政体、
これらはすべて過去、現在においてわれわれを侵略しており、継続的にわれわれを侵害している。
それゆえにわれわれは侵略に攻撃し、宗教、存在、名誉を守るために、常時臨戦態勢にある」
高岡豊・溝渕正季2015 p14

「10万人の犠牲者数は、米国、イスラエル、カターイブの犯罪の数と同じである」
高岡豊・溝渕正季2015 p16

「この地域における基本的な敵とは、イスラエル、米国、フランス、カターイブである
高岡豊・溝渕正季2015 p16


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     {::::::::::⌒    x==笊ミ|::::|::/ : ノ二 |
     人:::::::y'笊     Vリ八N'⌒V::::|二ノ         もちろん、この傲慢な者は米国だけではありません。
      \::ハ リ     ,, ,/:::::::|,ノ ノ::::::|/ 
          /::{' ′     / :::::: 厂::::::::::|\          NATO諸国、フランス、シオニズム、カターイブ(マロン派の親イスラエル勢力)
.         /:::人  -  /::::/:: ノ|:::::::::::::|二}
        /::::::::/^丶 _/::::// |:::::::::::::| ̄          これらは全て同様に侵略者であり敵であり、戦わなければならない存在…というのです。
.      :::::::::′   ___{:::/-< |:::::::::::::|\
.       人:::::|   / 人{   `|:::::::::::::|:::::::.
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17  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:12:06 ID:b76c76be


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◎傲慢な世界、欧米諸国、イスラエルとは何か?何者か?

「(国連や国連安保理は)一般に被抑圧者の諸共同体を代表しておらず、実効性に欠けていると考えている
その原因は世界的傲慢諸国が、諸般の国際機関の決定や措置、活動の停止を支配していることである」
「一部の国々が持っている拒否権は、我々の言うことが正しいとの証拠に他ならない」
「われわれは権利を侵害されているすべての国に対し、傲慢諸国の拒否権を廃止する提案を支持するよう呼びかける」
高岡豊・溝渕正季2015 p43


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                     ,.  -‐……‐-  .,
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            :::::::::::斗|‐-ミ    イ\⌒\:|::::::::::::|   |
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             |: |::::::__笊てハ     トハツ 〉|:::::::::Λ\/
             |八:::::::〈 Vツ 、       |/|/ } \_〉         では、国際的な組織である国連ならば、どうか?
.              \Λ               /:::::::/ノ
               |:::::|     ,   、    /:::::::/:::::|            ヒズブッラーは国連に対しても手厳しい評価をくわえます
               |:::人            /:::::::/::::::::|
               /:::::::个          :::::::::/:::::::::::|            安保理を含めて、抑圧諸国(米、ソ、英、仏など)が支配している以上無駄だと。
          /::::::::::/|:::|::::::|≧≦  {::::::/::::::::::::::|
           /::::{::::::::/_ノ:::|::: ノ     /\{ ̄ ̄⌒\           本当に国際的な組織ならば、これらの拒否権を廃止しないと意味ないよと
         /:::::: /\:::{ ̄ 〈     /   /       |
.        {:::::::/  {    只 ̄    / __       |
.        {:厂{   {_ /⌒ |⌒\  /´      /〉                 日本やサウスグローバルの諸国にも響きそうなことを言っていますね。
       / //  ̄`\_ノ  / ̄ニつ       /:::::Λ
       __/ ( /     \_/ ⌒\>     /::::::::::Λ               いずれせによ、ヒズブッラーは米欧中心の組織はまったく信じていません。
      〈/  ̄ ̄\      \  ̄ ̄\       /:::::::::::::::::|
      /       \      \          /:::::::::::::::::: |
.    {         \             / ::::::::::::::::::: |
     \___>'''^` ̄ ̄ \__      /:::::::::: /Λ:::::|
.       /               \__/::::::::::::: /   }::ノ

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18  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:16:59 ID:b76c76be


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◎レバノン国内への呼びかけ

「われわれは、全ての野党は傲慢勢力が設定したレッドライン内で活動しているとみなす。
これは形式的野党であり、結局は現行の体制共々対決することが必須である。
被抑圧者の大衆の利益を実現することはなく、体制に奉仕する架空の野党に他ならない。」
高岡豊・溝渕正季2015 p23

「政治的マロン派の指導者たちが行っている政策は、レバノンのキリスト教徒に平和や安定をもたらさない。
なぜならば、現行の政策は党派心、宗派的特権、植民地主義、イスラエルとの同盟に基づいているからである」
「レバノンの悲劇は宗派的特権こそがレバノンに大爆発を引き起こした主要な原因であることを確定させた。
また、レバノンのキリスト教徒が支援を必要としたとき、米国フランスイスラエルとの同盟が無益だったことを確定させた」
高岡豊・溝渕正季2015 p25

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      ,.. -‐<~ ̄ ̄ ̄~^'':..,
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   .:.:.:.:.:. : |:.:.:.|Λ|   |人:.:.:.| :. |:.:.:.:.|---/
   |:.:.:.:.:.:.:. Λ|\__   _><|\|:.:.:.:.|--/
   |:.|:.:.:.:.:.:芋芋芋    芋芋芋:.:.:.:.|ー,′
   |Λ:小:. | 乂ツ    乂ヅ |:.:.:.ノ}-j        ここまで、抑圧者=傲慢者/被抑圧者の構図を打ち立てて、国内の人々に呼びかけます
.    Λ|\|       '       |/|_厂
     /|:.:.:.:|      ―    |:.:.:.|〉         まず、今の宗派体制を打倒しようとしない野党(マロン派以外の政党)は、全て宗派体制維持するならば抑圧者
.    /: |:.:.:个:.... └‐‐‐┘ ....:个:.:.|Λ
   /:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.}≧=≦{_:.|:.:.:|:.:.:.|: Λ        マロン派の特権階級の人々は党派心、宗派的特権、植民地主義、イスラエルとの同盟に基づいて
.  /:.:___:.:.:.:ノ/´ノ    乂}`\:.:.___:.:Λ       宗派的特権を産みだしているし、欧米諸国との同盟も無意味だ 宗派体制を厳しく批判します。
  :.:./ニニニ{   \__  __/  }ニニニ∨:
  {:.:.{ニニニニ乂   \./   ノニニニ|:.:}

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19  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:20:03 ID:b76c76be

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◎アラブ諸国・イスラーム世界への呼びかけ

「シオニストとの和解を急ぐアラブ所体制はウンマの願望や希望をかなえられない体制である――これらの体制は植民地主義の貢献によって作られた
彼らは、植民地主義者による資源の収奪と分配のための政策を実行している
彼らの一部はシャリ―アを擁護していると主張しているが、
これは裏切りの隠ぺいと米国に降伏したことを正当化する欺瞞である。彼らは革命的イスラームの書籍が自国に持ち込まれることを禁じている。

かかる敗北主義的政策を推進したのは、墓場送りになったサダトである、
彼は重大な裏切りを犯して、イスラエルに和解を提案し、屈辱的条約に調印した。
かかる敗北主義的政策はGCC,ヨルダン―エジプト枢軸、イラク、そしてアラファトで支配的である」
p34-35


「敗北主義政策による、反動的支配者たちは人々を愚民化し、
彼らのイスラーム的性質を解体し、米国とその同盟者に対抗するあらゆるイスラーム運動を弾圧した――
同様に被抑圧者の覚醒を恐れ、彼らの政治的参加を禁じた。
被抑圧者の政治参加は政府の腐敗と疑わしいつながりを意識し、世界における解放運動に共感することをもたらす」
p36

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     |:.:|:.:.:.:| _        ___\: | :.:.:.:. |:.:.:
     |八:.:.:.|{⌒{㍉、     广¨{:し勹⌒j| :.:.:.:. |:.:.:        その批判対象は、レバノン国内を超えて、世界のイスラーム諸国に飛び火しています。
     | \{\ V:.:}       V;ン  ノ:.:ノ:.人|:.:.:
           |:.:〉  ̄        '' ″ イ:.:.:.:.:.:.:.:.:        イスラエルと和解した国(ヨルダン・エジプトなど)は、イスラーム的ではない裏切り者で
           |:.:.|  `           u  /|:.:. /.:.:.:.:.:
           |:.人       _    /:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:         抑圧者たる米国などと手を組んでイスラームを弾圧してきた。
           |:.:.:.[\  ~⌒^~     |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
           |:.:.:.|  |\  _  -≦  |:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:
           |:.: ノ 人:.:.:.:.:.:.:.: |    |:.:.:l\.:.:.:.:.:.:         そのことを批判しつつも、彼らの弾圧が解放運動につながっていると皮肉交じりに述べます。
           |/     \>⌒   /\|  \:.:.:.:
               /-/     /   _/ニニ:.:.:
              /ニ∨    /  _/ニニニ\:
             [ニニ/  /  _/ニニニニニニ
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           /-[ニニ| /ニニニ√ニニニニニニ


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20  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:23:18 ID:b76c76be


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◎アラブ諸国・イスラーム世界への呼びかけ

「植民地主義は、ムスリム人民を行き詰らせて分裂させ、
スンナ派をシーア派に対して扇動することによってのみムスリムの富を支配することができたということを知れ
後に、植民地主義者は、ムスリムを分裂させる任務をある時には国の支配者、悪しきウラマー、奴隷管理のために据えた指導者たちに任せた」
高岡豊・溝渕正季2015 p39

「植民地主義者がウンマにおけるウラマーの立場の重要性を承知していることを知れ―中略―
御用説教師共は必要のないファトワーを発し、イスラエルとの戦闘を禁じ、イスラエルとの和解を許し、不正な支配者共の裏切りを正当化している。
もし、宗教学者に人々に対する影響力が重要でなかったら、植民地主義者は上記のようなことはしなかっただろう」
高岡豊・溝渕正季2015 p41-42

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         |Λ|:.|:.:.:.||/      イ^丁⌒>Λ:.:Λ|― |\二│      植民地主義者たる欧米諸国はムスリムを分断し、ムスリムの富を搾取し
         |  |Λ:.:.| イ^丁    Lノ    /∨:|:.:.:.:.:.|ニl\ノ
            \:|  Lノ       , ,  /:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.|ニ|         イスラエルと和解させ、その協力者の政権を存続させてきた……
              /:.:| , ,           /:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|ニ|
          /:.:.人     〈⌒ヽ     |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|⌒         ここにしつこく
            / :.:.: /|\         |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.:l
.           ;.:.:.:.:/ :l:.:.:.\__     |:.Λ:ノ:.:|:.:.:.:.:.:.l          被抑圧者の搾取=イスラエルの攻撃=イスラームの分断という構図を持ち出しています。
         |Λ/  l:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.|:.:|Y^Y^|/^7:.:.:|:.:.:.:.:.:.:l
             l:.:.:.:.:.:|:.:.:|r<X{__/X/⌒\:.:.:.:.:.:.:l


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21  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:28:10 ID:b76c76be


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◎なぜ抑圧者と戦うべきなのか?

「対抗する他に選択肢はない」
「われわれは侵略には犠牲によって反撃する以外にないと考える。名誉は血によってのみ存在する。
 自由は与えられるものではなく、命と魂によって奪取するものである」
「われわれは、宗教、自由、名誉によって不名誉な生活と米国その同盟者、シオニストその同盟者であるカターイブへの隷属を振り払った。
 われわれは国の解放と植民者、侵略者の追放、そして自らの手で運命を決定するために蜂起した」
高岡豊・溝渕正季2015 p15


「われわれは現行の(レバノンの)体制について以下の2つの基本的見解を持つ。
―現行の体制は世界的傲慢が作り出したものであり、イスラームに敵対する政治地図の一部である
―現行の体制は根本から不正であり、これについてのいかなる改革も無益である、むしろ現行の体制は根本から変革しなくてはならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p22


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                         |:::::|笊㍉/  、__|_:::::: |::ニノ 〉         では、なぜ抑圧者と戦わなければならないのか?
               __         \| Vソ    _ ノ::::::::::::/::/{/ 
.  ⊂ニニ⌒  ̄ ̄ ̄|   ⌒ ーへ ̄ 从   ,  てう㍉イ:/::::::Λ〉 /\       ファドルッラーは平和的手段を第一にといいましたが……
     Lとノ ̄  ―-只           |:::::\      ..:::/::|::::::::::|  / つし〉
               〈ノ∨  ̄ ̄ ̄\_  |::: Λ{\_   个/:::::|::::::::::|  |  ノ }       ヒズブッラーはこのように述べます。
                          | V|::/  {    / | |:::::Λ:::::八 /  /
                          |:::八{  \/  ノ |/  \:: /   /         ①イスラエルの侵略を前には命と魂と血によって抵抗するしかない
                      /      √ ̄   }<   ⌒/  /\_       →危機的状況では血を伴う抵抗しかない
                        /      ノc     / : \  〈 {    \::/⌒
                         {          / ::::::::::|\{\__ノ〉          ②宗派体制は抑圧者たる欧米諸国が作った構造であり
                     /{   |  \   Λ ::::::::::|::::::`ー<           その体制に基づく現政権は存在自体不正で、改革ではなく変革が必要
                       /   |   \   \::: ノ\:::::::/ ̄\
                        |             \:::: }\{
                      |      |        \   \


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22  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:31:45 ID:b76c76be


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◎なぜ抑圧者と戦うべきなのか?

「対抗する他に選択肢はない」
「われわれは侵略には犠牲によって反撃する以外にないと考える。名誉は血によってのみ存在する。
 自由は与えられるものではなく、命と魂によって奪取するものである」
「われわれは、宗教、自由、名誉によって不名誉な生活と米国その同盟者、シオニストその同盟者であるカターイブへの隷属を振り払った。
 われわれは国の解放と植民者、侵略者の追放、そして自らの手で運命を決定するために蜂起した」
高岡豊・溝渕正季2015 p15


「われわれは現行の(レバノンの)体制について以下の2つの基本的見解を持つ。
―現行の体制は世界的傲慢が作り出したものであり、イスラームに敵対する政治地図の一部である
―現行の体制は根本から不正であり、これについてのいかなる改革も無益である、むしろ現行の体制は根本から変革しなくてはならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p22


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        |:|:.八:.:.|.:.|:.:.|:.:|      _xf笊芥灯:.:.:.ノ八:.:',           ここからヒズブッラーは宗派体制に繋がる全ての組織国家を敵とみなします
        |八:.: \:.xf笊芥ト   ´  乂ツイ|/|「 }}:.:.',
        |  \:.:.:.:个乂ツ        /:/:|:.:.:.:|  ノ:.:.:.',          抑圧者=敵=欧米諸国=イスラエル=カターイブ=宗派体制
          八:.:/丶/:/:  丶        |:.:.:.:|イ :.:.:.:.:.'
.         /:.:. /| :.人     { ̄^~┐   |:.:.:.:|:.| :.:.:.:.:.:.:         元々この体制がフランスによって作られたものを考えると
        /:.:.:.:.:.:|:.:.:ノ仝 ../ ̄~^''   ̄^┐:.:.|:.|:.:.:.:.:.:.:.|
         /:.:/:.:.:. |イ:. ノ/.: : : : :. :. :.\    ̄〉:.|:.:.:.:.:.|: |        ヒズブッラーの言っていることはあながち間違いでありません。
.        /:.:. /´ 厂^>‐┐: : : : : : : : >┐  ̄〉`ヽ:.|: |
       /:.:.:/   /      |.: : :. :. :./ ̄   ̄┐ ̄} W:|        繰り返しになりますが、宗派体制=抑圧者はヒズブッラーのオリジナルです。
     :.:.: /   f     丿: : : : ./       〉、 〉 }:.ノ
      |:.:/   Λ     /: : : : :./      /: :/  八



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23  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:36:18 ID:b76c76be


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◎なぜ抑圧者と戦うべきなのか?

「レバノンとパレスチナにおいて我々はまず初めに米国と対決するものである。
 なぜならば、米国は世界的傲慢諸国の中でもっとも勢力が強いからである。
 世界的シオニズムの娘であるイスラエルについても同様である。
 NATO諸国は地域の諸人民と対決する米国を支援している。
 われわれはまだ米国支援に巻き込まれていない諸国に対し、
 我々のウンマの自由やウンマの利益を犠牲にして、米国の奉仕に引き込まれないよう警告する」
高岡豊・溝渕正季2015 p28-29

「イスラエルは消滅すべきである」
「われわれはイスラエルをイスラーム世界における米国の橋頭保とみなす。
イスラエルは強奪的な敵であり、強奪された権利を回復するまでこれと戦わなくてはならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p29

「イスラエルと戦うことは全世界の全ムスリムの責任である」
高岡豊・溝渕正季2015 p32


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.         {ニニ|:ト| :..|x=ミ/   ノ⌒|:..::|
.       ∨//::VΛtり `  x==ミ::ノ
.         〈ニ/:..:|:..:..:|''     ⌒イノ          では、抑圧者が存在自体不正、ヨーロッパ諸国はそれを助けた…から不正として
        /:..:: |:..:..:ト  ` _ノ^〉ヽ
.      //::/V人|  T/ ┌‐┘:..|         なぜアメリカやイスラエルは打倒されなければならないか?
    / /:..|二二\//|_|ニニ∨
   /  /:..: |ニニニ(__/[ ̄ ̄]ニ|          アメリカは傲慢者の中でももっとも勢力が強いからであり、被抑圧者を抑圧しているから
     /:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二|
.    ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _|     イスラエルはそんなアメリカのイスラーム世界における橋頭保として活動している。
      |:..:..:..:..:: Λニニニニニ 厂\  |  ´ - _
      |∨\:../ Λニニ厂 ̄ ∨   リ」    --―┐
---==ニニニ/┼┼/    |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|           つまり、アメリカもイスラエルもイスラーム世界を抑圧し搾取しているから
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼‐/| /     |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼/‐| |   Λ   |┤i:ニ==-- ┴ _          打倒しなければならない存在なのです。
.___ 二ニニ==-|‐/┼| |   / |    |┤         _´ - _
.          |/┼lノ |  ./ーく|    |┘==ニ二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
==ニニニ二└―<┼|  |ー┼|   /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
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i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|乂_,ノ、 Λ__ノ|:i:i:i:i:iニニ==---     ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iニ==--| ニニ V 二二|
==--         \ニニ{ ニニノ


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24  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:38:50 ID:b76c76be


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◎なぜ抑圧者と戦うべきなのか?

「この敵対的シオニスト政体の樹立と構成は、強奪した土地にムスリム人民の権利を犠牲にして成り立っているとの理解に至る。
したがって、我々とのこの政体の対決は、シオニスト政体の消滅によって消滅しなくてはならない。
われわれはシオニスト政体といかなる停戦合意もいかなる休戦もいかなる(個別的であっても)平和条約も認めない。

われわれは、イスラエルとのあらゆる仲介計画を非難し、仲介者を敵対者とみなす。
なぜなら、このような仲介行為はシオニストによるパレスチナ占領を合法化することに役立つのみである。

これに基づきキャンプデービット合意を拒否する、ファハド提案を拒否する、フェス提案を拒否する、
レーガン提案を拒否する、ブレジネフ提案を拒否する、フランス・エジプト提案を拒否する。
われわれはこのような降伏主義的解決行為を、パレスチナ・ムスリム人民の地と神聖なパレスチナの権利に対する裏切りとみなす」
高岡豊・溝渕正季2015 p29-30


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                    |:人::.::.ィ灯)心    ィ灯)下\|::.: :ト|/「  /
       _                 \::.: 乂ツ      乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
      {i:i:i:i,              _ノ::} '''  '        ''/ ::.::/  }::./\ノ        さらに、ヒズブッラーはパレスチナを持ち出し、
      ∨i:i:i,           ⌒>::.::.::.{           /::.::.::.:/ヒソ:/|
.      ∨i:i:i,          /::.::.::/\   └ '   /::.::./:.ノ:: |::.::.::.|           イスラエルの入植等をムスリム人民の権利を犠牲にしたものだとして、
.       く∨i:i:i,厂|         {/:/::.::.::.:个: .    斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
          厂つi, |         Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\         パレスチナ問題の解決は、シオニスト政体の消滅以外ありえない
.         〈厂つi:i:, \     /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「   ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\
         〈  Vi:i:i:)  }― /::.::.::.::./  辷;′;辷「        ∨::.|::.::.\::.::\      ……とまで強硬に主張します。
.         \    ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y      |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
          /|  ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「  |    {   _  -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
        /::.::.|    V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _  -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
.        {/::.|     ∨::.::/ | | r辷  ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ
        /::.::.::| / ̄ ̄}    | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
         {::.:/〈    /'     |, -ニニニニ|| \ノ  \/  /ニニニニニニニニニニニニニ}
        ∨  ∨        八二ニニニ└\       /ニニニニニニニニニニニニニノ
            {      {_\ニニニニニニニ\    ノ >ニニニニニニニニニニニ-
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                  /    \ニニニニニニニニニ\ _ノ   }
                     /   /     ‐‐ニニニニ‐‐  {      ノ


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25  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:41:58 ID:b76c76be


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◎なぜ抑圧者と戦うべきなのか?

「この敵対的シオニスト政体の樹立と構成は、強奪した土地にムスリム人民の権利を犠牲にして成り立っているとの理解に至る。
したがって、我々とのこの政体の対決は、シオニスト政体の消滅によって消滅しなくてはならない。
われわれはシオニスト政体といかなる停戦合意もいかなる休戦もいかなる(個別的であっても)平和条約も認めない。

われわれは、イスラエルとのあらゆる仲介計画を非難し、仲介者を敵対者とみなす。
なぜなら、このような仲介行為はシオニストによるパレスチナ占領を合法化することに役立つのみである。

これに基づきキャンプデービット合意を拒否する、ファハド提案を拒否する、フェス提案を拒否する、
レーガン提案を拒否する、ブレジネフ提案を拒否する、フランス・エジプト提案を拒否する。
われわれはこのような降伏主義的解決行為を、パレスチナ・ムスリム人民の地と神聖なパレスチナの権利に対する裏切りとみなす」
高岡豊・溝渕正季2015 p29-30


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                                 ''^~ ̄ ̄ ̄~゚^'' 、
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                      /: |:.:.:|:.:.:.:.| :.: |   |/斗―\: |:.:.:.:.:.:Λ|:.|-Λ
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                          /:.ノ\{    ´         ノ:.:.:. |イ:.:.:|     rへヘヘ_         ヒズブッラーにとってはイスラエルとの和解は
            _______/:./ :.:.Λ    V   )  /:.:.:.:. /:.:.:.:. |     ./:.:.:.}     |^}
         /⌒>:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : イ :.:.:. / :仝:..      /:.:.:.:.:.:.:/ :.:.:.:.: |    /:.:.:.: }     }\       ありえませんし、仲介者も敵です。
            /:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :/∨:.:.:.:|:.:.:.:.:.:ニ=-< |/|: //:.:.:.:.:.:.:.:|   ./ :. | ̄\_ /:.:.:.:.:\
          /:/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |/:.:.:.:.:.:. ノ :.:.:.Λ∨Λ   |/^~ ̄~^'<:.: |  /:.:.:.:.|     >:.:.:.:.:.:.:/     パレスチナを大義として掲げている以上
           { /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /´辷―{ ̄>{」< ̄}―辷     \. /:.:.:.: /    /:.:.:.:.:.:/
. //〉       /:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /[// / /|\辷┘       /:.:.:.: /    :.:.:.:.:.:.:/
///| /〉   |:. /:.:.:.:.:.:. /|:.:.:.:.:/  /   └辷 / / l | 辷┘   \    \:.:./     /|:.:.:./         パレスチナ自治区ですら降伏主義的解決行為なのです。
〈  |/ / \_  |:.:/ :.:.:.:.:.:.: /  |:.:/   |     └辷―辷┘      \   ,//       |/
. \  {   \ ̄>―――<⌒\     |                    /:.:.:.:\  ´       |            ヒズブッラーがパレスチナを重視していることが伺えます。
   \  ̄`ヽ}                   /|               /:.:/|:.:/\
    \_/                /:.:.:.|                //  }/   \__/
        |__ / ̄    ―――< \{\|                 〉  /
                        〈                  /



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26  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:46:55 ID:b76c76be



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◎どのように戦うべきなのか?

われわれの目的は以下の諸目的を実現するまで敵どもと厳しい対決状態にある。
―イスラエルをレバノンから最終的に排除する。これはイスラエルの存在を最終的に除去し、エルサレムを占領の爪から解放する第一歩である
―米国とフランスおよびその同盟者どもをレバノンから最終的に排除する。レバノンにおけるあらゆる植民地主義国の勢力に終止符を打つ
―カターイブ党員に公正な裁きをかける。かれらは全員米国とイスラエルの促進の元で、ムスリムとキリスト教徒に対して行った犯罪を裁かれる
―われら人民全員が運命を決定できるようにする。人民、完全な自由の元で望みの統治体制を選択できるようにする。
 我々はイスラーム体制を選択することを呼びかけることを隠しはしない。
 イスラーム体制は全員にとって公正で名誉があり、レバノンに新たに潜入する植民地主義者の試みを阻む唯一つの選択肢である
高岡豊・溝渕正季2015  p18

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            __ -‐……‐- .,
         /::.::./::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
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         /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::`、
.        /::.::. | ::.::.::.::.::.::.::.::.: | ̄ ̄~^''<_/^Y
       |::|::.:|:|::.::|::.::.::.::.::.::.::.:|      --{ }  |
       |::|::.:|八::|::|::.::.::.::.::.:: |      ノィ   |
       |::|:斗―:|Λ::.::.::.::.::.::.\    / |\_|
       |Λ:| _炸Y::.\::.::.::.::.::.::.::>:イ   Λ  \       では、どのように抑圧者と戦うか、ヒズブッラーはそのロードマップを用意しています。
.        _ノ リ , ::.: | \::._/::.:| /: Λ  |
       {  '' |::.::.:| ノ ::.::.::.::.::.:: |_ノ::.::. Λ_|       第一、レバノンからイスラエルを撤退させる これをエルサレム解放の足掛かりとする
       人   |::.::.:|イ ::.::. |::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
.          ヘ__|::.::.:|:|::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:\::.::.::.::.::.::、     第二、米仏をレバノンから撤退させ、欧米諸国の影響力を排除する
        /  |::.::.:|:|::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\::.::.::.::.:、
.        _{,.斗―|::.: ノ::.::|::.::.|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:、    第三、国内の一部のマロン派を裁く
       ;´    |/::.::.::|::.::.|::.::.::.::.|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::、
       {      /::.::/ :: | ::.::.::.::.::.: |::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.|    第四、新たな統治体制を築く。可能ならば法学者の統治体制が望ましい
      > .,  /::.::/::.::.::|::.::.:/::.::.:: |::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.|
        {   ∨:/|::.::.::.:∨:/::.::.::.: |::.::.::.::.::.::/::.::.::.::.::Λ|
        {   {/ |::.::.::.::./::.::.::.::.::|::.::.::.::./|::.::.::.:: /::.:ノ           ……となるわけです。
        {/     \::.::.:/::.::.::.::.::. |::.::./ /::.::.::.:://
      /          ̄| ::.::Λ::.::.:|/   /::.::.::.::/


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27  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:48:24 ID:b76c76be



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◎どのように戦うべきなのか?

われわれの目的は以下の諸目的を実現するまで敵どもと厳しい対決状態にある。
―イスラエルをレバノンから最終的に排除する。これはイスラエルの存在を最終的に除去し、エルサレムを占領の爪から解放する第一歩である
―米国とフランスおよびその同盟者どもをレバノンから最終的に排除する。レバノンにおけるあらゆる植民地主義国の勢力に終止符を打つ
―カターイブ党員に公正な裁きをかける。かれらは全員米国とイスラエルの促進の元で、ムスリムとキリスト教徒に対して行った犯罪を裁かれる
―われら人民全員が運命を決定できるようにする。人民、完全な自由の元で望みの統治体制を選択できるようにする。
 我々はイスラーム体制を選択することを呼びかけることを隠しはしない。
 イスラーム体制は全員にとって公正で名誉があり、レバノンに新たに潜入する植民地主義者の試みを阻む唯一つの選択肢である
高岡豊・溝渕正季2015  p18

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.|:.:/:Kく _)圦i|ヘ    ィ_)圦!¨ヾ|:.:.:./ /
:|/:.:∧ ヽ弋ニノ     弋ソ / j:/
/!.:.:.:.:.        `     イハ          このうち、第一~第三までは成功したと言えるでしょう。
:.:!:.:.:.:.i                 l:.:.:.!
__!:.:.:.:.!、     r'⌒      /!:.:.:l          第四については、現状修正されたとはいえ宗派体制が継続しています。
f 、:.:.:!ノ\     ` ノ    /:.:!:.:.ハ、
、  ヽ:!ヽ   ‐-   __, イ´ ̄ヽ!ノ:.i.:.         これが許容されているのかどうかについては、また次回お話ししましょう。
,(   ` `、   /   | 〉;';';i;';';';';ハ:.:l:.:.i
__、     、 ノ     } 〉;、';!;';';'/;'i:.:!:.:l
:/:(      ノ¨ヽ   ノ丶;';';l';';/;';';!/|:.j



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28  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:52:18 ID:b76c76be



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◎どのように戦うべきなのか?

「憎むべき宗派主義の沈殿物から施行を解き放て、理性から狂信と辺境のくびきを取りされ、
 イスラームを教宣する我々の訴えに目を開け――
この呼びかけはムスリムではない全ての被抑圧者に向けたものである。
宗派としてイスラームに帰属している者に対しては、実際にイスラームを遵守し、宗教が嫌う党派心を取り除くことよう訴える」
高岡豊・溝渕正季2015 p26

「全世界のムスリムはあらゆる支援、支持、連帯、参加を提供しなければならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p31

「われわれは諸人民に対し、戦列を一つにし、目的を定め立ち上がるように呼び掛ける。
このことは諸人民の意思を縛る戒めを破り、諸人民を支配する傀儡政権を打倒するためのことである。
また、われわれは世界の被抑圧者たちに対し、あらゆる解放運動を含む被抑圧者たちのための世界戦線を結成するための必要性を示す。
戦線の目的は、諸般の解放運動の有効性を確保し、敵の弱点に集中するための完全で包括的な連携である――
被抑圧者たちは、世界の傲慢勢力の陰謀に対するために結集しなくてはならない」
高岡豊・溝渕正季2015 p37-38

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              -―――-
           /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\\
              /::.::.::.:: Λ::.::.::.::.::| ::.: |:: |`\
          | ::.:: /|/  ∨Λ::.| ::.: |ミ|  /
          |::|::.::| n   n V| ::.: |ミ|_〉
          |Λ::.| l」   l」  :|::.::.八:|          そして、このロードマップを達成するために
               |:Y         И/_ノ:|
.        _rへ |人_ 匚 冫_|::.::.::.::.|          ヒズブッラーはムスリム・世界中の被抑圧者との連帯が必要だと主張します
         |  n|:/::.:: /厂 />|/ ::.::. |
         |  / | ∨/〈 {// ,ノ:\::.Λ         とにかく、連携して抑圧者と戦うことが重要だというようです。
         L  ノ /:( [>r<] ): : : :}::.::.|
         ]ニニ[/ : └く人> ┘ : : : :}::.::.|


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29  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:54:35 ID:b76c76be



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◎どのように戦うべきなのか?

「イスラームのウラマーたちよあなた方の重要な責任とは、ムスリムを宗教の支配に服するように育成する、
ムスリムに対して宗教の教えに沿った政治計画を明示する、ムスリムを高みに導く
 学業ハウザに関心を持つことである」
高岡豊・溝渕正季2015 p42

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                      __
               / ̄:.::.::.::.::.::.::.::.:`\
            /:.::.::.::.::.::.::.:: \:.::.::.:: \
              |: / :| :: |:.::.::.::.::.:|:.::.::.::.::.:|_
              |/Λ|⌒|:.::.::.::.::.:|:.::.::.::.::.:|二}
            ノΠ⌒|::Λ:.:: /:.::.:: _>|二}        イスラーム向けにはイスラーム教育を通じて、政治に覚醒したムスリムを育てること
             「  U,,, |/:: | :/^}:.::.::.::.:: |∨
          从 _   /:.::.:|/rノ::|:.::.::.::.:|ニ〉        それが重要だと指摘されます。政教分離違反?とも思うかもしれませんが
            /:.:Λ   |/| :/ 〈:.:: |:.::.:.: /
          ⌒|/  ̄ Λ|/  \|:.::.::/|          イスラームの政教一元論ならば、こうした批判は無意味でしょうね。
               /〉   /^\ 八
                 | /   /    ∨:\
                  Λ|⌒/      |:.::.:: \
              /  | ./      Λ:.::.::.::.:|
                /   .|/      /  ∨:.:.: |


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30  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 01:59:04 ID:b76c76be


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◎どのように戦うべきなのか?

「世界的傲慢が敵の撤退後に導入しようと図っている国際部隊は拒絶されるものである、
この舞台は、抵抗運動を妨害する治安障壁となり、イスラエルとイスラエルの侵略軍を守るものである。
我々は国際部隊をシオニスト侵略軍と同様に扱うことを余儀なくされるかもしれない」
高岡豊・溝渕正季2015 p34

われわれは全ての国に対しイスラエルを国連から追放する提案を支持するよう呼び掛ける。
イスラエルは人間的立場に敵対する存在であるのみにとどまらず、違法な強奪政体である
高岡豊・溝渕正季2015 p43

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                (    . -──-     /⌒\
                \_,/_::::::-‐…‐-ミ::\xixixixiハ
                >''"¨::::::::::::::::::::::::::::::::\::\xixix |
               /:::::::::::/:/::::::::::::::::::::::::::::::\::|`Yixi|
             /::::::::::::::/:::/{::::::::{::::::::::\:::::::::::::V:::|h∧
             .:::::::/::::::::/:::/ l::::::::{\::::::::::\::::::::|_ノノ:}x|
               |:::::/::::::::/|:::|   \:::.  \-─::|::::::√Y⌒^丶、
               |:::/:::::::/:::|:::|    \/ ≧=ミ::::ハノ\::::::::::::\
              V::::::::::|::-|:┼…   ヽィf爪_ } メ':::::::Y .}::::::::::}:::::\
             \::::::乂:::.,,ァf弌,    乂rン/::::::::::::|__ノ__::::::ノ::::::::::}       イスラエルを打倒するためには、外交戦も重要と考えているようで
               \( ::込 乂r')      /:::::::::::::/j'j'j'j'{/:::::::::::ノ
                 /::::)i:,    '   _jI:::::::::::://¨ ̄ ̄\/        イスラエルの味方になりがちなPKOやPKFなどは受け入れないし
             __/::::://^>。,  广 ̄ 乂:::::::/.. . ./⌒¨\} /
            γ´__彡'′/\  `¨{   { \弋. .//⌒\. .∨ /      イスラエルは存在自体違法な国家なのだか、国連からも追放すべきだと主張します。
           Y⌒ ̄__/ハ、 ≧=‐ }    ノ /⌒∨. . ./⌒. . ∨/
      _、-‐…=ニ二 ̄:::::::::::/. .|\__ノ  /   /. /∧. . . . . . . . . .〈
    ...:::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::/..ヽ|. . \\{ /   | ' /. ∧. . . . . . . . . .}      国連を別の場所で散々貶しているので、やや矛盾しているようにも思えますが
  /::::::::::::/:::::::::::::::/:::::::::/. . . .|. . ./ / jン゜   ∧〈. . /. ∧. . . . ... . ....}
  .::::::::::: /:::::::::::::::/::::::::::::/. . . ...l. . .\/    / ./. . . ./. .\. . . . ..../      それでも現状妥協しないといけないと感じたのかもしれませんね。
  |::::::::::/::::::::::::::/:::::::::::::::/. . . \{. . . /      //. . . . . . . . .|i \__/
  \::::/::::::::::/::::::/:: ::::::/. .⌒丶 |. . ./\   /\\. . . . . . . . . |i
    ∨::::::::/::::::::::/::: :::::.′⌒\__レ'⌒  \ .|. . . \\. . . . . . . .|i

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31  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 02:04:16 ID:b76c76be


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◎まとめ
ヒズブッラーはイスラーム及び世界の被抑圧者の味方であり、不正と抑圧のために戦う存在である。
世界は、アメリカ、ソ連、イスラエルなどの傲慢な世界が抑圧・侵略しており、被抑圧者を苦しめている。
これらの傲慢な諸勢力と組んだ敗北主義者的勢力が人々を愚民化している。
このような体制は根本からして不正である。レバノンにおいては宗派体制およびマロン派の一部が該当する。

そのために、犠牲によって反撃するしかない。米国やイスラエルを追い出すしかなく、仲介や停戦などは裏切り行為で意味はない。
イスラエルとの和解は無意味で、政体の消滅しか認められない。
米国やイスラエルと戦うために、全ての人々は連携して協力しなければならない。
つまり、ヒズブッラーという組織はレバノン国家における革命だけでなく、植民地主義による現行の世界秩序そのものの変革を目指すものである。

傲慢なものの陣営/被抑圧者の陣営→傲慢な者の利権・勢力争い
汎イスラーム主義+反植民地主義ではあるが、
反欧米・反イスラエルは宗教対立ではなく搾取する植民地主義の対応=抑圧者から批判的

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.       ∨//::VΛtり `  x==ミ::ノ
.         〈ニ/:..:|:..:..:|''     ⌒イノ            というわけで、まとめです。同じシーア派の人々の思想と
        /:..:: |:..:..:ト  ` _ノ^〉ヽ
.      //::/V人|  T/ ┌‐┘:..|           抑圧主義者=植民地主義者=欧米諸国の構図は一致しています。
    / /:..|二二\//|_|ニニ∨
   /  /:..: |ニニニ(__/[ ̄ ̄]ニ|            ヒズブッラーの独特な点はこれを国内の宗派体制やその支持者に拡大し
     /:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二| 
.    ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _|       反イスラエル・反欧米思想ともうまく繋げたところです。
      |:..:..:..:..:: Λニニニニニ 厂\  |  ´ - _
      |∨\:../ Λニニ厂 ̄ ∨   リ」    --―┐        これはイランやイラクではありえない発想で
---==ニニニ/┼┼/    |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼‐/| /     |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|         レバノン独自の宗派構成・宗派体制だからこそ生まれた考え方でしょう。
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼/‐| |   Λ   |┤i:ニ==-- ┴ _
.___ 二ニニ==-|‐/┼| |   / |    |┤         _´ - _
.          |/┼lノ |  ./ーく|    |┘==ニ二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
==ニニニ二└―<┼|  |ー┼|   /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ̄|  |  ̄ |  〈:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|乂_,ノ、 Λ__ノ|:i:i:i:i:iニニ==---     ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iニ==--| ニニ V 二二|
==--         \ニニ{ ニニノ


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32  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 02:08:46 ID:b76c76be


                  _ ....-‐………‐-... _
             /__::.::>''´__::.::ニ- _
           / ̄::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.::\
           / ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:: \::.::.::\
.        /::.::/::.::.::.::.::.//|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::Λ___
        /::.::.::/::.::.::.::.::./  |::.::.: |::.::.::.:\ ::.::.::.::.::.::.: ∨::Λ   |
.       /::.::.::/::.::.::.::.::./   ::.::.::.|::.::.::|::.::.:\::.::.::.::.::.:: ∨ ::|    |
      /::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|     ::.::、|::.::.::|::.::.::.::.:\::.::.::.::.::.|/|    /
    ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|ノ   \: \::.|::.:\::.::.::.::.::.::.::.::.| :: |  く
     |::.::.::.:|::.::.:┼ベ~|     \::.`ー―:\::.::.::.::.::.::.|/|__)
     |: {::.::.|::.::.::.|__≫=ミ      ≫===ミ_∨::.::.::.:Λ:/  「
     |八::.::.::.::.:: Υ {(:::ハ    〃 { (::::ハ Y | ::.::.::./::./|   |         と、かなり反欧米・反イスラエルが強い思想です
    {  \::.::.::|八 乂;;ノ        乂;;;ソ ノ |::.::. /^i/::|   |
       |\{乂_    、             八Λ{ ノl ::|、_|        この思想の下に、ヒズブッラーは米仏軍やイスラエル軍への自爆攻撃を繰り返しました。
       |i:.::.:八                Λ::.::/ イ八::|
       |i:.::.::.:: \       ,       /::.::.:/::.::./ ::.: |i          自爆・誘拐→その国に特定の要求や捕虜交換→要求をエスカレート
       |i:.::.::.::.::.:个  └      イ/::.::.:/::.::./::.::.::.:i|i
       ト|i::.::.::.::. | ::.::}>  -=≦   /::.::.:/::.::./ ::. | ::. i|i         これがヒズブッラーの弱者の武器だったわけです。
         |i::.::.::.::.:厂/ ̄ノ     / ::.: /::.::./::.::.::.|i:.::. i|i
         Λ ::.::.:///      /::.::.::.: /}/~^''<|i:.::.::.i|i
.        /  \::.{ /       /::.::.::.::.//     \::.::.i|i



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33  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 02:12:20 ID:b76c76be



     ┌───┐
     │┌─┐│
     └┼─┘│
       │┌─┘
       └┘     ''^~~"''  ̄~^''
       [ ̄]   /:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
        /:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
        /:.::.: /:.::.::.::.::/ Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:.:
.       /:.:/ :.:/:.::.::.::.::/   | |⌒|\ |:.::.::.::.:
      |: /|:.:.:| : |::|⌒|   |Λ:.:|:.::.::| :.::.: |:.:: |__
      | :: |:.:.:| /|::|::|::|     ,x=ミx| :.::.: |:.:: |二-〉
      |Λ|:.:.:| : |x==ミ   〃:{:r'ハ Y :.::|:.:: |ニ/
      |  |:.:.:| 〃 {:r'ハ       V'り ノ :.:.:|^!::|∨
          |:.:.: 人 V'り  、    ,,,  7:.:.:|ノ:.:|〈          とはいえ、これはあくまでレバノン内戦中かつ1980年代の思想。
.       Λ:.::.:Λ ,,          イ:.::.: |:.:: |Λ
.       〈ニ|\:.:八    {  )    |:.:.: / :.: |ニ〉         内戦が終結したあと、ヒズブッラーは考えを変化させる必要が出てきます。
          |:.::.:\仝         イ |:.::/ :: |Λ
          |:.::|:.:: ∨ ::|ニ=-  < ||八{:.::.:.:|:.::|           内戦の終結、選挙への参加、イスラエル軍の撤退、アラブの春とシリア内戦……
          |:.::|:.::.: | :.::|___}     乂:.::.::.::.: |:.::|〉
          |:.::|:.::.: | :.::|         ―<|:.::|Λ
        / ̄{ ̄ |:.:/ ̄ ̄`   ´ ̄/  |ノ __)          果たして、2020年代までにヒズブッラーの抵抗、反欧米・反イスラエルはどのように変容したか
           乂_ |/ \____,/   _ノ  |
       |     {              }   |          その点については次回見ていきましょう。
       |   |   ̄{__人__} ̄ ̄ |  |


.

34  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/08(Tue) 02:13:54 ID:b76c76be
というわけで、今回はここまでです。
次回は1990~2010年代までのヒズブッラーについてです。

なぜ、ヒズブッラーはイスラエル軍に壊滅的ダメージを背負ったのか?なぜハマースと関係を持っているのか?
それについて詳細に見ていきましょう。

質問等はいつでも受け付けています。

35  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/08(Tue) 06:41:28 ID:3d27ff55

36  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/08(Tue) 06:58:05 ID:d579b80d

37  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/08(Tue) 20:02:48 ID:2482a6f5
乙です

38  名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/07/09(Wed) 17:08:05 ID:d0218f1d
イスラーム勢力は宗派を超えて全世界の被抑圧者の味方って言うが、それならイスラエルの味方しないとダメなんじゃないの?
ユダヤ人たちはポグロムみたいな迫害されまくったからそれから逃れるために自分たちの国を作るぜ!って大義の元イスラエル作ったわけで、被抑圧者そのものと違うん?したら攻撃するのはおかしくない?
またイスラームは国境を越えるというが、イスラームだって(ヒズボラは自分たちはレバノンのムスリムだって表明してるように、イラクは自分たちの政局を優先したように)
結局は十字軍みたいに地域性に立脚した利害関係を宗教に持ち込んで利用してるようにしか見えんよ
そんなことしてたら資本主義に代替しうる社会なんて永遠に無理やで

39  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/09(Wed) 17:56:52 ID:7a6afe46
>>38
なかなか難しいところですが、いくつか彼らの観点でどのように考えているか見てみたいと思います


①全世界の被抑圧者の味方って言うが、それならイスラエルの味方しないとダメなんじゃないの?

大前提として彼らは欧米勢力=抑圧者、植民地主義者という発想を持っています。
そのため、途中でポグロムやホロコーストがあったにせよ、欧米の力を借りて建国したシオニストのイスラエルは被抑圧者にはなりません。
むしろ、イランのパフラヴィ―朝、イラクのバアス党政権、レバノンの宗派体制と同じく彼らの協力者という認定になります。

ただし、全てのユダヤ人が打倒されるべきか…というと、彼らの多くは慎重にシオニズムとユダヤを区別します。
そして、批判の対象になるのはシオニズム及びシオニストであり、一般のユダヤ人まで批判はしません。
ここで、批判されているのはパレスチナのムスリムを追い出したと主犯であるシオニズム・シオニストなのでしょう。

その証拠として、2006年にイランの首都テヘランで開催された学術大会「ホロコーストの再検討:地球的展望」があります。
大会に参加したメンバーとして、KKK(クークラックスクラン)、反ユダヤ的なイスラーム主義者、ナートーレー=カルター所属の正統派ラビ、その他否定論者がいます。
当然、この大会は始まりから終わりまで、ホロコーストは存在しない、虐殺は戦争の一環だ、ジェノサイドではないという論調でした。
ttps://www.theguardian.com/world/2006/dec/12/iran.israel

イスラームの中では、シオニズムとユダヤ人一般は明確に分離されるものなのだと思われますし、
そしてシオニズムに基づいたイスラエルは否定されるべき存在ということになるでしょう

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40  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/09(Wed) 17:57:53 ID:7a6afe46

>>38続き

②地域性に立脚した利害関係を宗教に持ち込んで利用してるようにしか見えんよ
これについてはある意味その通り、少々古い文献ですが酒井(2001)は宗教とナショナリズムの関係を以下のように述べます。
宗教とナショナリズムは原理的に別のように見えるが、実際には以下のように親和性も存在します。

         宗教の聖性                  ⇔            ナショナリズムの俗性
俗的な権威に聖性を付与して正当性を高める             再魔術化により共同体の精神的価値を高める

        宗教の普遍性                  ⇔            ナショナリズムの固有性
宗教的普遍性がカリスマ性を付与                     固有の信徒集団に対しての宗教的動員の可能性

       宗教の来世性                  ⇔           ナショナリズムの現世性
来世を保障するために現世での行動を働きかけ             来世までの行動への持続性付与


これをまとめると「西欧的理性を相対化する知」「グローバル化に対応した超国家性」「来世を保障するものとして現世への積極的な取り組み」になると言われます。
つまり、宗教とナショナリズムがある種の補完関係になるのは、当然といえましょう。
資本主義という西欧的理性を、イスラーム的ナショナリズムの時点で代替していると、イスラームの視点からは主張することもできましょう。

もっとも、この意見はイスラーム内部の物で、全世界の被抑圧者に響くものかといえば、答えはノーです。
彼らの世界観がイスラーム原理に立脚している以上は、おのずと限界があります。

酒井啓子. 2001. 「宗教とナショナリズム概論」酒井啓子編著『民族主義とイスラーム―宗教とナショナリズムの相克と調和―』研究双書514. 日本貿易振興会アジア経済研究

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41  名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/07/09(Wed) 21:29:42 ID:f025d07e
サンキューイッチ

42  名前:携帯◇sSLW7aecKk[sage] 投稿日:2025/07/11(Fri) 10:55:02 ID:e431c927
テスト

43  名前:携帯◇sSLW7aecKk[sage] 投稿日:2025/07/11(Fri) 10:55:57 ID:e431c927
出先でコテハン記憶していないのですが今から投下します。
内容で真偽を判断していただければ幸いです。緩やかなペースでいきます。

44  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 10:58:09 ID:e431c927


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レバノン編
EX2-3. ターイフ合意後のヒズブッラー

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                _ ____
            ___ /:::/::/::::::::::::::::::\                   /)
.           {二 /_/::/::/ :::::: /^|::::::                _ //L _
.           {- /\/::/::: /:::⌒/   |:::::: |          _、 ''゛ ̄/ / _ノ厂>―┘
           ∨ー/::::|:::: |::/=={   ノ⌒: |         _、 ''゛     {  {  〔__/           予告した通り、今回は内戦終結後のレバノンを舞台に
             |::::: |:〈(|人乂 tリ    =ミ:::ノ|  ___、 ''゛        {_{  ̄
             |::::: |:Λ|::::::|      、tリノ::::ノ/_、 ''゛       _、 ''゛                 ヒズブッラーの思想の変遷を見ていきます。
             |::::: | ::: |::::::|   {__ノ  }ノ/         _、 ''゛
            /:::::::|:::::ノ__,ノ>     イ/__}    / _、 ''゛                      彼らの反欧米・反イスラエルはどのようにかわったのか?
          /::::::::/:::: /:: }/只___//厂    /_、 ''゛ 
        /:::::::::::/:::::::::/|/  //」    /-''゛
          |Λ:::::::::::::/{__,{  //_厂  //
.           \|∨|  L><_厂    /
              |/             /
              |             /|
            _|           Λ
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        //'///Λ          / `\
        //////// Λ     ___/ \   \
        \厂ヽ////// {_/ \   \        丶
       └く_ノ///////| |     \

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45  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 10:59:27 ID:e431c927


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※参考文献
末近浩太.2013『イスラーム主義と中東政治 レバノン・ヒズブッラーの抵抗と革命』名古屋大学出版会

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          //:..:..:..:..:..:..:..:\
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.         〈ニ/:..:|:..:..:|''     ⌒イノ
        /:..:: |:..:..:ト  ` _ノ^〉ヽ           今回の参考文献はこちらです。後は適時ニュースサイトなどで補足する形で
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     /:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二|
.    ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _|
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==--         \ニニ{ ニニノ


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46  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 11:03:20 ID:e431c927


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レバノン内戦終結後のヒズブッラーの外的要因の変化

レバノン内戦終了(1990 ターイフ合意)→シリアによる介入で部分的武装解除、欧米人に対する誘拐戦術の放棄
ホメイニー死亡(1989)→イラン外交の穏健化とイランの支援削除
冷戦終結(1989)→国際的な闘争関心の低下

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                               ___
                               ''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
                        /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
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                     /::.::/::.::.::.::.::. /  |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
                       /::.::/::./::.::.::.::/   .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
                    ::.::.::.: /_Λ/   |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
                    |::.|::.::|::.:|/ ̄`    ´  |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
                    |:人::.::.ィ灯)心    ィ灯)下\|::.: :ト|/「  /
       _                 \::.: 乂ツ      乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
      {i:i:i:i,              _ノ::} '''  '        ''/ ::.::/  }::./\ノ         まず、ヒズブッラーの変化そのものを語る前に
      ∨i:i:i,           ⌒>::.::.::.{           /::.::.::.:/ヒソ:/|
.      ∨i:i:i,          /::.::.::/\   └ '   /::.::./:.ノ:: |::.::.::.|            ヒズブッラーを支える環境要因の変化を見ていきましょう
.       く∨i:i:i,厂|         {/:/::.::.::.:个: .    斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
          厂つi, |         Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\          ヒズブッラーにとって大きかったのは以下の3つになります。
.         〈厂つi:i:, \     /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「   ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\ 
         〈  Vi:i:i:)  }― /::.::.::.::./  辷;′;辷「        ∨::.|::.::.\::.::\       ①レバノン内戦の終結とパクス・シリアーナの到来
.         \    ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y      |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
          /|  ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「  |    {   _  -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\     ②ホメイニー死亡によるイランの支援停止
        /::.::.|    V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _  -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
.        {/::.|     ∨::.::/ | | r辷  ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ     ③冷戦終結による国際的な武装闘争への関心低下
        /::.::.::| / ̄ ̄}    | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
         {::.:/〈    /'     |, -ニニニニ|| \ノ  \/  /ニニニニニニニニニニニニニ}
        ∨  ∨        八二ニニニ└\       /ニニニニニニニニニニニニニノ
            {      {_\ニニニニニニニ\    ノ >ニニニニニニニニニニニ-
               \__ _/ {_ ,. \ニニニニニニニ> (C)   ̄}⌒\ニニ‐
                  /    \ニニニニニニニニニ\ _ノ   }
                     /   /     ‐‐ニニニニ‐‐  {      ノ

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47  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 11:08:11 ID:e431c927


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レバノン内戦終結後のヒズブッラーの外的要因の変化

レバノン内戦終了(1990 ターイフ合意)→シリアによる介入で部分的武装解除、欧米人に対する誘拐戦術の放棄
ホメイニー死亡(1989)→イラン外交の穏健化とイランの支援削除
冷戦終結(1989)→国際的な闘争関心の低下

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              -―――-
           /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\\
              /::.::.::.:: Λ::.::.::.::.::| ::.: |:: |`\
          | ::.:: /|/  ∨Λ::.| ::.: |ミ|  /
          |::|::.::| n   n V| ::.: |ミ|_〉      まず、①についてレバノン内戦終結を決めたターイフ合意により
          |Λ::.| l」   l」  :|::.::.八:|
               |:Y         И/_ノ:|        事実上警察や国軍が機能しないレバノンに代わり、シリア軍がレバノンに駐留することになりました。
.        _rへ |人_ 匚 冫_|::.::.::.::.|
         |  n|:/::.:: /厂 />|/ ::.::. |        いざこざはあったものの、なんとか治安を安定させたシリアによる平和
         |  / | ∨/〈 {// ,ノ:\::.Λ
         L  ノ /:( [>r<] ): : : :}::.::.|       これを「パクス・シリアーナ」と呼び、2006年まで続くことになります。
         ]ニニ[/ : └く人> ┘ : : : :}::.::.|



                      __
               / ̄:.::.::.::.::.::.::.::.:`\
            /:.::.::.::.::.::.::.:: \:.::.::.:: \
              |: / :| :: |:.::.::.::.::.:|:.::.::.::.::.:|_
              |/Λ|⌒|:.::.::.::.::.:|:.::.::.::.::.:|二}
            ノΠ⌒|::Λ:.:: /:.::.:: _>|二}
             「  U,,, |/:: | :/^}:.::.::.::.:: |∨
          从 _   /:.::.:|/rノ::|:.::.::.::.:|ニ〉        このパクス・シリアーナの中で、ヒズブッラーと関係のあったシリアは
            /:.:Λ   |/| :/ 〈:.:: |:.::.:.: /
          ⌒|/  ̄ Λ|/  \|:.::.::/|           ヒズブッラーに自爆攻撃や外国人の誘拐戦術の禁止、イスラエル国境付近を除いた
               /〉   /^\ 八
                 | /   /    ∨:\         部分的な武装解除を要求し、ヒズブッラーにのませました。
                  Λ|⌒/      |:.::.:: \
              /  | ./      Λ:.::.::.::.:|       これによって、内戦時のような全面的な武装闘争が不可能になりました。
                /   .|/      /  ∨:.:.: |


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48  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 11:10:19 ID:e431c927


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レバノン内戦終結後のヒズブッラーの外的要因の変化

レバノン内戦終了(1990 ターイフ合意)→シリアによる介入で部分的武装解除、欧米人に対する誘拐戦術の放棄
ホメイニー死亡(1989)→イラン外交の穏健化とイランの支援削除
冷戦終結(1989)→国際的な闘争関心の低下

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                            -‐……‐
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                           //:::::::::::::::::::::::::::\:::::::::\
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                       /:::::::/ ::::/ ::: / |:::::::::::::::::\|
                         |:::: / \::/:::/   |:::::::::::::|:::ニ|__        ②についても同様です。革命の輸出を唱えるホメイニーが死亡し
                         |:::::|笊㍉/  、__|_:::::: |::ニノ 〉
               __         \| Vソ    _ ノ::::::::::::/::/{/        イランは諸外国への積極的な進出を取りやめます
.  ⊂ニニ⌒  ̄ ̄ ̄|   ⌒ ーへ ̄ 从   ,  てう㍉イ:/::::::Λ〉 /\
     Lとノ ̄  ―-只           |:::::\      ..:::/::|::::::::::|  / つし〉    シリアの場合は欧米諸国への接近のためでしたが、
               〈ノ∨  ̄ ̄ ̄\_  |::: Λ{\_   个/:::::|::::::::::|  |  ノ }
                          | V|::/  {    / | |:::::Λ:::::八 /  /     イランも同様の意図があったとはされます。
                          |:::八{  \/  ノ |/  \:: /   /
                      /      √ ̄   }<   ⌒/  /\_
                        /      ノc     / : \  〈 {    \::/⌒
                         {          / ::::::::::|\{\__ノ〉
                     /{   |  \   Λ ::::::::::|::::::`ー<
                       /   |   \   \::: ノ\:::::::/ ̄\
                        |             \:::: }\{
                      |      |        \   \


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49  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 11:13:53 ID:e431c927



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レバノン内戦終結後のヒズブッラーの外的要因の変化

レバノン内戦終了(1990 ターイフ合意)→シリアによる介入で部分的武装解除、欧米人に対する誘拐戦術の放棄
ホメイニー死亡(1989)→イラン外交の穏健化とイランの支援削除
冷戦終結(1989)→国際的な闘争関心の低下

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                   ''^゚~ ̄ ̄~゚^''  、
              /:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::\
              //:.::.::.:: /:.::/Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
           /:.:/:.::.::.::.:::|:.:/   |:.::.::|:.::.::.::.::.::.::.: |_
            | :.::.::.::.::.::.: |::|  |:.:::|:.::.::.::.::| :.::: |:i:i:i\
            |::| :.: |::\:Λ|   \::\/:.:|:.:::|::|:i:i:i:i:i冫
            |::| :.: |::/|/\_     ,_/ \::|:.:::|::|\/      そして、③ ヒズブッラーは抑圧者/被抑圧者の構図を掲げていましたが
            |::| :.: |Y灯下ミ    灯下ミY|:.:Λ|i:i:i
            |/\::人 Vソ      Vソ ノ/:| ノ|:i:i:i:リ      冷戦の終結による東側諸国は、こうした構図への関心を失わせましたし
.            乂 {|\| ''    ´     ''/|:.::.:| : | ̄
               /:.:八    ┌  ,    ノ:|:.::.:|:.:::',
.               |:.::.::|个:...        ..::个 |:.::.:|:.::.: ',       そして、何よりソ連、ユーゴスラビアなどでの民族問題や東南アジアの権威主義体制崩壊
.               |:.::.::|:.::.::.::.::|>r< |:.::八:.::.::: | :.::.:: ',
              Λ :.::|{Τ       \__::\ト|:.::.::.::.::',      こうした国際情勢が、レバノンそのものへの関心を国際社会を失わせるには十分でした。
               /  \|{ \_,.  ―┐| }\ノ:.::.::.::.::.:|
             /       />''´    ノノ_ノ  \:.::.::.::.:|
.          /         /       /⌒´     \:.::.:|
         {         ∨    ,、丶゛       ∨   ∨ノ
        \    /   /             }    }



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50  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/11(Fri) 11:22:46 ID:e431c927


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レバノン内戦終結後の変化

                シリアの介入  イランの支援停止 冷戦終結
                  ↓          ↓         ↓
武装闘争、国際革命路線──────────────────→合法政党化・現実主義路線化(レバノン化)

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             -< ̄ ̄\――
.        / :::::::::::::::::::::::::::\::::::::::\
.       /::::::::::::/::::::::::::::::::::::: ∨::::::::::',
.     /:::::::::::/|Λ::::::::::::\::::::::::|―::::::::|
     {::::::::: /八  \<⌒\::: |::::::::/| \
     {::::::::::⌒    x==笊ミ|::::|::/ : ノ二 |
     人:::::::y'笊     Vリ八N'⌒V::::|二ノ       こうした、国際情勢の変化を受けて、対イスラエル・対米仏の武装闘争路線頼りをやめて
      \::ハ リ     ,, ,/:::::::|,ノ ノ::::::|/
          /::{' ′     / :::::: 厂::::::::::|\        レバノンの選挙・議会に参加する流れのことを、「レバノン化」と研究上呼びます。
.         /:::人  -  /::::/:: ノ|:::::::::::::|二}
        /::::::::/^丶 _/::::// |:::::::::::::| ̄        合法政党化し、議会を通じて自身の思想を実現するスタイルへの変化ですね。
.      :::::::::′   ___{:::/-< |:::::::::::::|\
.       人:::::|   / 人{   `|:::::::::::::|:::::::.
         ヽ|.  〈 /      八:::::::::::::::::::::|
             ノ//⌒      \:::::::::::::::|
           / /     ∨  ∨:::::::::|
         / /      /    | :::::::::|
          { {         /     .| :::::: ノ




      ,.. -‐<~ ̄ ̄ ̄~^'':..,
.    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\__
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Λ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨-\
    :.:.:.:.:.:. |:.:.:.|:.:. /  |:.|:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.|----}
   .:.:.:.:.:. : |:.:.:.|Λ|   |人:.:.:.| :. |:.:.:.:.|---/
   |:.:.:.:.:.:.:. Λ|\__   _><|\|:.:.:.:.|--/
   |:.|:.:.:.:.:.:芋芋芋    芋芋芋:.:.:.:.|ー,′
   |Λ:小:. | 乂ツ    乂ヅ |:.:.:.ノ}-j
.    Λ|\|       '       |/|_厂          とはいえ、彼らはレバノン南部に5万弱の兵士を展開していて
     /|:.:.:.:|      ―    |:.:.:.|〉
.    /: |:.:.:个:.... └‐‐‐┘ ....:个:.:.|Λ          この後もずっと対イスラエル武装闘争路線は継続します。
   /:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.}≧=≦{_:.|:.:.:|:.:.:.|: Λ
.  /:.:___:.:.:.:ノ/´ノ    乂}`\:.:.___:.:Λ        このことは、前回の公開書簡でも見たように、対イスラエル自体が組織の存在意義と考えると
  :.:./ニニニ{   \__  __/  }ニニニ∨:
  {:.:.{ニニニニ乂   \./   ノニニニ|:.:}       決して不思議ではないでしょう


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