やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
801
名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 22:58:40 ID:14663fdb
何処となく共産主義っぽいけど無関係なのか
802
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:01:14 ID:1510259f
>>799
社会主義は滅びたけど一応イスラーム金融は健在だしムスリム同胞団とかサドル運動みたいな強力な政治運動もあるし
何しろマドラサが生きてるから調子ええんとちゃうか?
803
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:01:31 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎では具体的に人々はどうすればいいのか?
―「イスラームの光と、この偉大な使信の灯灯を世界全体に示すこと」
―「国際問題においては心理と公正の側に立ち、それを通じてイスラーム的な模範を示すこと」
―「世界の被抑圧者や虐げられたものを助け、植民地主義と圧制者に抵抗すること。
これはイランがその分割しえないイスラーム世界についてとりわけそうである」
小杉.1992.p92
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───┐
│┌─┐│
└┼─┘│
│┌─┘
└┘ ''^~~"''  ̄~^''
[ ̄] /:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.::.: /:.::.::.::.::/ Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:.:
. /:.:/ :.:/:.::.::.::.::/ | |⌒|\ |:.::.::.::.:
|: /|:.:.:| : |::|⌒| |Λ:.:|:.::.::| :.::.: |:.:: |__
| :: |:.:.:| /|::|::|::| ,x=ミx| :.::.: |:.:: |二-〉
|Λ|:.:.:| : |x==ミ 〃:{:r'ハ Y :.::|:.:: |ニ/
| |:.:.:| 〃 {:r'ハ V'り ノ :.:.:|^!::|∨
|:.:.: 人 V'り 、 ,,, 7:.:.:|ノ:.:|〈 帝国主義VS反帝国主義という世界観が分かったうえで、
. Λ:.::.:Λ ,, イ:.::.: |:.:: |Λ
. 〈ニ|\:.:八 { ) |:.:.: / :.: |ニ〉 じゃあどのように戦うべきか、これについてサドルは曖昧ながら
|:.::.:\仝 イ |:.::/ :: |Λ
|:.::|:.:: ∨ ::|ニ=- < ||八{:.::.:.:|:.::| このように述べています。
|:.::|:.::.: | :.::|___} 乂:.::.::.::.: |:.::|〉
|:.::|:.::.: | :.::| ―<|:.::|Λ
/ ̄{ ̄ |:.:/ ̄ ̄` ´ ̄/ |ノ __)
乂_ |/ \____,/ _ノ |
| { } |
| |  ̄{__人__} ̄ ̄ | |
.
804
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:04:13 ID:eff3e962
西洋にも東洋にも従属しない自立したイスラーム共同体、でしかね
805
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:04:21 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎では具体的に人々はどうすればいいのか?
―「イスラームの光と、この偉大な使信の灯灯を世界全体に示すこと」
―「国際問題においては真理と公正の側に立ち、それを通じてイスラーム的な模範を示すこと」
―「世界の被抑圧者や虐げられたものを助け、植民地主義と圧制者に抵抗すること。
これはイランがその分割しえないイスラーム世界についてとりわけそうである」
小杉.1992.p92
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
______
/:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄\
//:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/ |:.:.∨:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
{ |--:|:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.: 人:.:.:Λ:.:.:.:.:.:|
{ |:.:__|:.:.:.:.:.:/:.: /|/ |/ ̄|:.:.:.:. |
.. ̄{__|「ヽ|:.:.:.:|/:.∠__ __|:.:.:.:. | これは何を言っているのか、言い換えるとこうなります。
|l |:.:.:.:|  ̄∩ ∩ ̄ノ:.:.人|
|:\NV:| ∪ ∪ イ/ ①イランのようなイスラーム的な政体のあり方を世界に示すこと
八:.:.:|:.:.:.:.ヽ j:〈
./:.:.:.: 人 :.:.:.:| イ:.:.| ②イスラーム的な観点から、欧米諸国に抑圧された側の見方に立つこと
/:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|) ≧=≦ :.:.: |:.:.:|
./:.:.:.: __/ {∨ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ③イスラーム関係なく植民地主義・圧制者と戦うために助け合うこと
/:.:.:./ : :: :{ \ / p / 特にイスラームは
./:.:.:./ :: :: ::l! \ / ( ̄) /
{:.:.:./ : :: :: ::{ / /
{:.:./: :: :: :: :弋、 ./ /
|: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/ /
|/ \ /: :/: { 二 ノ {  ̄\
.
806
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:07:11 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎では具体的に人々はどうすればいいのか?
―「イスラームの光と、この偉大な使信の灯灯を世界全体に示すこと」
―「国際問題においては真理と公正の側に立ち、それを通じてイスラーム的な模範を示すこと」
―「世界の被抑圧者や虐げられたものを助け、植民地主義と圧制者に抵抗すること。
これはイランがその分割しえないイスラーム世界についてとりわけそうである」
小杉.1992.p92
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-< ̄ ̄\――
. / :::::::::::::::::::::::::::\::::::::::\
. /::::::::::::/::::::::::::::::::::::: ∨::::::::::',
. /:::::::::::/|Λ::::::::::::\::::::::::|―::::::::|
{::::::::: /八 \<⌒\::: |::::::::/| \
{::::::::::⌒ x==笊ミ|::::|::/ : ノ二 |
人:::::::y'笊 Vリ八N'⌒V::::|二ノ ようは、イスラーム的原理に従いながらも
\::ハ リ ,, ,/:::::::|,ノ ノ::::::|/
/::{' ′ / :::::: 厂::::::::::|\ 欧米諸国やその協力者たる現地政権に搾取・抑圧されてきた人々と協力して抵抗しろ
. /:::人 - /::::/:: ノ|:::::::::::::|二}
/::::::::/^丶 _/::::// |:::::::::::::| ̄ そう述べているに過ぎません。
. :::::::::′ ___{:::/-< |:::::::::::::|\
. 人:::::| / 人{ `|:::::::::::::|:::::::. この著作ではそれ以上の具体的な方策は書かれていません。
ヽ|. 〈 / 八:::::::::::::::::::::|
ノ//⌒ \:::::::::::::::|
/ / ∨ ∨:::::::::| 法学者の統治論でもそうですが、彼は運動論などにはさほど関心がないせいかもしれません。
/ / / | :::::::::|
{ { / .| :::::: ノ
.
807
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:10:20 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎『イスラーム共和国憲法草案に関する法学的考察』編まとめ
現代のシーア派地域は植民地主義者が支援する現代の圧政者が支配する世界である
植民地主義者は物質主義的な狙いをもって、イスラーム世界を支配してきたし、全ての人々は西洋世界の搾取を受けてきた。
イラン・イスラーム革命は、このファラオと植民地主義者を打倒する革命である
世界中の搾取された人々を助けるために、植民地主義者や圧政者に抵抗すること!!
特に、イスラーム世界を救出するために、イスラーム的な光を示し、模範を示すこと!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___,,,-―--、_
/::. ::. ,,-――::. ̄ー、
/::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
.|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
|::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/ ヽ::. :i:: ::|
r-‐Tミ|::./::. /::. /// ヽ_|:: ::|
.く ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′ ,,-'´ !|:λ}
ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ ィ=テyレ′ それでは、まずこの『イスラーム共和国憲法草案に関する法学的考察』編まとめです
. |:!(t |::.i 《 tしソ もノノj|
|::|:ゝ|::..k , |::| 植民地主義者・圧制者/搾取されてきた被抑圧者という世界観
/λ入|::. :〉、 _ ノ::.:|
/::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/ それを打倒したイラン・イスラーム革命への評価
. /::/i'、 ゙ーV「VUUj ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
/::.i:: k、 / | .| これを見倣って皆も植民地主義者や圧政者に抵抗するために協力しよう!!
. {: :.|::.|  ̄/. i |
ヽ::ri:| r'i. | .| というだけですねこれは。
`t:| / !. |______rfヽ{ヽ__.」
.
808
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:12:37 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎『イスラーム国家における力の源泉』編
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
_::::::::::::::::::::::::__
/::::/´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`\
. /::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
_____/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::::::.
. /i:i:Ⅳ\::∨:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::八::::::::::::::::::::.
{:i:i:i:i:i:|::::::::: |:::::::::::::| ::::: /::::::::::::|: / ::::::::::::::::::::
∨:i:i:i:| \:: |:::::::::::::|:::: /|_\::/ |/ |::Λ:::::::::: |
〉i:i:i:|〉::::::::|:::::::::::::|::x俘=ミ \| jr ⌒::::::::: |
. {i:i:i:i:|Λ: 八:::::::: 人( {:::(_ ヽ _笊~゚Y|:::::|:::|
\_:j|::::l〉{ (\|\{ 乂ツ {(::ノ ノ八:八|
. 八:|:人辷}::::::| '`´ /|::/ ノ
/ :::::|:/: `¨|::::::| _ ;゙ |/ では、2冊目の「イスラーム国家における力の源泉」行きましょう。
. / :::::: |:::::::::: |::::圦 ( ) 人
/ ::::::::::::::::::: 八::::::| >  ̄ イ::::::: こちらは、よりなぜ欧米が植民地主義者なのか
. /::::::::::::::::::::::/:::::|\|. {>-< |:::::j
/::::::::::::::::::::::/ ::::::| ..._\ ...⊥..._ | :: / そして、イスラーム国家はどうするべきかを詳細に語っていますので
. /::::::::::::::::::::::/:::: |:人__  ̄ _.j>、 |: / /ニ=- _
/:::::::::::::|::::::::/::::::::|:::|⌒ __jノニ=-‐㍉ |/ //  ̄ -=ニニ=-
. イ:::|:::::::::::|::::::::::::::::: |:::|__jノ⌒:ア´ ´_ //  ̄ 7/
|:: |:::::::::::|::::::::::::::::: |::八:i:i:i:iァ′ ´_ // //
| 人:::::::::|:::::::::::::::::: /:i:i:i:i:i:7 ...,, __}_ // //
\:::|::::::::::|:::: /:i:i:i:i:i:i:{ } // //
.
809
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:18:40 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎欧米人とは何者か?
―「ヨーロッパ人は、東洋の人間と大きく異なっている。つまり、ヨーロッパの人間は本質的に、常に地上を眺め、天上を見ようとはしない。
キリスト教――ヨーロッパ人が何百年間も信じてきた宗教である――ですら、ヨーロッパ人の地上を〔重視する〕傾向を克服できないできた。
キリスト教は、彼らヨーロッパ人の視線を空に向ける代わりに、キリスト教の神を天上から地上へと引きずり下ろし、
その神を地上的な存在に具現化することができたのである。
―「生物の分類と人間の関係について研究するという知的試みや、
地上の環境に人間が実際にどのように適応してきたかということから人間性を説明するという知的営為は、
神を地上へ引きずりおろす行為に他ならない。地上に存在する力をはじめとした〔神以外の〕創造力に基づいて、人間の構造を説明するという知的営為は、
精神的意味において、また、ヨーロッパ人の精神に内在する地上への洞察と、
この視点との道徳的で密接な関連において、神を地上へと引き下ろす試みに他ならない。
これらの営為は、その方法と知的性格、神話の点で〔イスラーム的なそれとは〕異なるものであった」
山尾 2007 p196
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,.....::::::::: ̄ ̄:::::`ヽ、
/-、::---:、:::::::::\:::::::\
,.:´::::::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::ヽ
/:::/::::/\::::::ヽ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::.
.':::::|:::/ \::::∨:::∨:::::、::|:::::::|_
|:::,::|/__ ヽ::{、:::::∨:::{Ⅵ::::: | `ヽ
{:イ::|' ` イ}´\::∨:|:::|::イ:| '
从{ィ雫ミ、 ィチ雫ヽⅥ:,_::::|::| 、/ まず、少々長くなりますが、欧米人との宗教観について述べた文がこれです。
|. 、Vリ V(ソ ノ':::::|) }:|::|ー'
|:: , /:::::|ノ::|::| 長々と書いていますが、欧米人は神をあまり重視しない(=世俗的)
|人 _ _ ィ{:::::/_}:::|:::.
人::::>.. _``「Yヽヽ='|::/イハ:j::::l 重視しないからこそ、進化論のような説明そのものがイスラームとは異なる
∧::}`┼╋+ヽ/\/Y/╋┼}:::::|
〈╋`┼╋┼{´{_/∧/⌒ヽ::::| ……と述べているわけです。
/ 「>、ー― ∧ '. }::|
,: |/r、//> 、 ∧ , |::|
l |/| Y 7ア/// ∧ ∨ ,:/
.
810
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:21:51 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎欧米人の思想とは?
「地上に対するこのような視座によって、ヨーロッパ人は、この考え方と調和する物質主義や富、個人所有の価値体系を作り出すことができた。
ヨーロッパ人の精神に長い間根付いていたこれらの価値観は、
西洋における哲学的・道徳的思考が獲得した快楽主義や功利主義に、どっぷり浸かっていると言うことができるのである」
山尾 2007 p196
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
''^゚~ ̄ ̄~゚^'' 、
/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::\
//:.::.::.:: /:.::/Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.:/:.::.::.::.:::|:.:/ |:.::.::|:.::.::.::.::.::.::.: |_
| :.::.::.::.::.::.: |::| |:.:::|:.::.::.::.::| :.::: |:i:i:i\
|::| :.: |::\:Λ| \::\/:.:|:.:::|::|:i:i:i:i:i冫
|::| :.: |::/|/\_ ,_/ \::|:.:::|::|\/
|::| :.: |Y灯下ミ 灯下ミY|:.:Λ|i:i:i:\ こうして、神を重視しない世俗的な思考だからこそ
|/\::人 Vソ Vソ ノ/:| ノ|:i:i:i:リ
. 乂 {|\| '' ´ ''/|:.::.:| : | ̄ 物質主義……金銭至上主義の資本主義を生み出し
/:.:八 ┌ , ノ:|:.::.:|:.:::',
. |:.::.::|个:... ..::个 |:.::.:|:.::.: ', その資本主義が、快楽主義や功利主義という毒に漬かっていると指摘するのです。
. |:.::.::|:.::.::.::.::|>r< |:.::八:.::.::: | :.::.:: ',
Λ :.::|{Τ \__::\ト|:.::.::.::.::',
/ \|{ \_,. ―┐| }\ノ:.::.::.::.::.:| こういう刹那的な思考が西洋の哲学・道徳だとまで言い切っています。
/ />''´ ノノ_ノ \:.::.::.::.:|
. / / /⌒´ \:.::.:|
{ ∨ ,、丶゛ ∨ ∨ノ
\ / / } }
.
811
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:22:37 ID:1510259f
イスラームもキリスト教みたいに進化論信じるてる度合いにグラデーションあるだろうけどどうなってるんやろね
アッラーが人間の創造に関与したっていうのが主流なのかしら
812
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:26:10 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎欧米人の物質主義のもたらす物とは?
「つまり、これらのイデオロギー――ヨーロッパ思想的のレベルで重要な成功を獲得した
ヨーロッパ的思想としてのもの――は、ヨーロッパ的精神の一般的な気質を示すものであり、
精神的重要性を持っている。物質・富・個人所有に特別な評価を与えるということは、
ウンマの個人の潜在能力を発揮させ、この指針に適合する建設活動や発展の目標を掲げることにおいて、
大きな役割を果たした。このようにして、ヨーロッパの近代的経済の台頭に伴って、活発で一貫した運動がウンマの連帯関係に深く侵入してきた。
その〔西洋的価値を帯びた〕運動は、倦むことなく贅沢品を獲得しつづけるが、そこから潤いを得ることがない。
「ヨーロッパ人の地上に対する視線が、建設作業で潜在力を発揮することが可能なのと同じレベルで、
その視線は、地上の贅沢品を求めて多様で熱狂的な競合を生み出した。
そして、人間の人間に対する搾取形態を作り上げた。なんとなれば、この被造物が地上とその富に固執することによって、その同胞を犠牲にし、
パートナーを〔自らの利益を獲得するための〕装置へと変えることになるからである」
山尾 2007 p196
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
____ __
/ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.\
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.\
. / .:.:.:.:.:.:.:.: //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.\
. / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \:.:.:.:.
/ .:| :.:.:.:.:.: / :| |:.|\ :.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.: |:.:.:.:}――┐
|: /|:.:.:.:.:. /|:.:.| |/ \―|―:.:.|:.:.:.:.: |―‐〉ニニ|
|:.|||:.:.:.:.|―― \|\:.:.|:.:.:.:.: |:.:.:.:|二二| では、こうした物質主義・資本主義的価値観を持った欧米人は何をもたらすのか?
|Λ|:.|:.:.:.||/ イ^丁⌒>Λ:.:Λ|― |\二│
| |Λ:.:.| イ^丁 Lノ /∨:|:.:.:.:.:.|ニl\ノ 世界中のあらゆるものを求めて搾取し続けて飽きることはない
\:| Lノ , , /:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.|ニ|
/:.:| , , /:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|ニ| しかも、それが同じ人間に対して構造的に行われると指摘します。
/:.:.人 〈⌒ヽ |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|⌒
/ :.:.: /|\ |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.:l
. ;.:.:.:.:/ :l:.:.:.\__ |:.Λ:ノ:.:|:.:.:.:.:.:.l
|Λ/ l:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.|:.:|Y^Y^|/^7:.:.:|:.:.:.:.:.:.:l
l:.:.:.:.:.:|:.:.:|r<X{__/X/⌒\:.:.:.:.:.:.:l
.
813
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:27:29 ID:d320552a
はえー
814
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:31:17 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではなぜ西洋人の物質主義=植民地主義は駄目なのか?
「イスラーム世界のウンマは、西洋の白人が武器・思想・活動様式を振りかざして我々の土地に足を踏み入れて以来、
植民地主義から様々な裏切りや謀略などの被害を受けてきた。
そして、この根の深い傷跡は、植民地主義に対する、疑惑と懐疑といった独特の精神的感情を作り上げた。
そしてその感情によって、ウンマは、ヨーロッパ人の制度的遺産に深く足を踏み入れることになった」
「また、植民地主義者の祖国の社会〔状況〕を〔背景に〕作り出された制度に対して不安を抱くようになり、それに対して激しい反感が生まれたのである。
そしてこの反感によって、それらの制度が――たとえそれらの制度が正しく、
政治的に植民地主義とは無関係なものであったとしても――ウンマの潜在力を発揮することを妨げ、
〔国家や政治制度の〕建設という苦闘において指導力を発揮することを不可能にする。
それゆえに、植民地主義時代に形成され実現された精神状態を巧みに統制することによって、
ウンマは、植民地主義国とは比較的無関係な社会制度の基礎と文明的道標に立脚した新たな覚醒を確立しなければならないのである。」
山尾2007 p193
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-―――-
/::.::.::.::.::.::.::-‐v‐-:. \
/ ::.::.:: /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\
//::.::.::.::/::./::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\
. /二r=ニ ::/::./::.::.::/::.::.::. Λ ::|::.::|::.::.:
〈ニ二[-=ニ:| : |::.::.:/::.::/|: / 斗::.:|::.::|::|
. ∨二[ ::.::.::|:|::|::.:/}/`|/ jハ|::.::|::|
∨-| \>N::|::.:r'T灯ト ィTY::.::.ハ|
Lニ|::.::.:{ |八人 Vり tりノ:/ 丿 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
|::.: 人 ┤::ヽ ' 「\ 欧米人は本質的に搾取する人々だと定義した上で、
|/::.: | >|::.::.:| , 人::.:|
/ ::.:: |::.::.:|::.::.:|> _´ イ \::.:| 彼らの物質主義・搾取は、イスラーム世界の(イスラーム的な)発展を奪った。
// ::.::.::.::. ノ/∨、 }\:|__ ∨ r…‐-ミ
//::./ ̄|※ \__/ ※| // ̄ ̄ ̄ ̄~~゚"''<⌒ \ 武器・思想・活動様式的侵略はその手法であると批判し、
//::.::|  ̄|※ /Λ\,厂 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:\\
///::.::|.  ̄|/|i:i:i:ic:i∨//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:./// 欧米とは違う価値観の文明・国家・社会を作るべきだと指摘するのです。
/ :|::.::.:| 〈|i:i:i:i:i:i:i:i//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(\ /:.:.:.:.:.:.:.:.///
{ |::.::.:| | [|i:i:i:i_/┐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :\\:.:.:.:.:.:. //
|::.::.:| 丶 | 〈|i:///:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /⌒ |:.:.:.:.: //
::.::.:| \| [|i:|  ̄|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. {_ |:.:.:.:./
\| \_) 〈|i:| /(ノ| ̄| ̄~゚"'' 、 /\ ノ\/
| ―┴―‐┬ |i:ci:| | ̄ ̄( ̄ | /
| く※ |_ノ:i:i:iノ__,ノ > ∨
人 >XLノ ̄ ̄ ̄\___/
`¨7¨¨¨¨¨¨¨´ \
′ { \_ >――-
; { \ __>┐
| /※厂  ̄ヽ
| /※厂 | |
/人 /※厂 | 厂
.
815
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:36:15 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎国内の圧政者や植民地主義はなぜダメなのか?
「イスラーム世界の多くの政治勢力は、哲学として、あるいは文明の拠り所として、そしてまた社会制度の基礎として、
イスラーム世界の多様な大衆に対していくつものナショナリズムを取り入れることを考えたということは、明白な事実である。
そして、植民地主義の思考様式から完全に乖離した革命的なスローガンの確立を熱望し、
民族的起源が存在するという〔スローガンを〕煽動するというプロジェクトに尽力した」
「しかしながら、ナショナリズムは、歴史的・言語的紐帯でしかなく、理念ある哲学や基礎ある信仰ではなかった。
そうではなく、ナショナリズムの性格上当然のことながら、哲学・社会的イデオロギー・宗教的イデオロギーに対して中立的な立場を取った。
それゆえに、被造物や生活に対して〔既存のイデオロギーのいずれの立場にも与しない新たな〕特定の考え方、
つまり、文明の道標や覚醒、社会制度を形成するために、拠って立つ特別な哲学が必要なのである」
「たとえいかなる表面的な枠組みや多様性が付与されていたとしても、
植民地主義大陸の人間である西洋のヨーロッパ人が用いる方法論と、この〔植民地主義という負の〕側面において完全に無垢である
イスラームの方法論との間には、ウンマの〔人々の〕記憶の中で大きな乖離が顕在化するのである」
山尾2007 p193
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_ ____
___ /:::/::/::::::::::::::::::\ /)
. {二 /_/::/::/ :::::: /^|:::::: _ //L _ 本質的に欧米人は駄目だと論破した上で
. {- /\/::/::: /:::⌒/ |:::::: | _、 ''゛ ̄/ / _ノ厂>―┘
∨ー/::::|:::: |::/=={ ノ⌒: | _、 ''゛ { { 〔__/ そうではない、現地の協力者はなぜ駄目なのか?
|::::: |:〈(|人乂 tリ =ミ:::ノ| ___、 ''゛ {_{  ̄
|::::: |:Λ|::::::| 、tリノ::::ノ/_、 ''゛ _、 ''゛
|::::: | ::: |::::::| {__ノ }ノ/ _、 ''゛ これをナショナリズムという世俗的・西欧的方法から批判します。
/:::::::|:::::ノ__,ノ> イ/__} / _、 ''゛
/::::::::/:::: /:: }/只___//厂 /_、 ''゛ ナショナリズムには西洋発祥の理念なき運動であり、
/:::::::::::/:::::::::/|/ //」 /-''゛
|Λ:::::::::::::/{__,{ //_厂 // それでは文明や社会を作ることはできない。
. \|∨| L><_厂 /
|/ / ナショナリズムは所詮植民地主義という負の側面と揶揄して否定します。
| /|
_| Λ
. //Λ 厂>
//'///Λ / `\
//////// Λ ___/ \ \
\厂ヽ////// {_/ \ \ 丶
└く_ノ///////| | \
.
816
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:42:15 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうなのか?
―「独創的な試みに満ちたイスラーム史は、以上のことの最大の証左である。イスラームは、
人間のために取り戻した自由や威厳によって、血統・親族関係・地位・経済力とは無関係に、発展や創造に適した空間を全人類に準備することを可能にした。
そして、ジャーヒリーヤ社会において奴隷や半奴隷であった多くの者たちは、平等に人類の指導者になることが可能となった。
つまり、思想生活・政治・軍事の様々な分野において創造力のある卓越した指導者になったのである。
なんとなれば、イスラーム国家においては、個人が適切に発展できるかどうかは、個人の潜在力やその特別な能力によってのみ決定されるからである。」
山尾2007 p184
―「イスラーム国家の政治的意味は、国際関係においてイスラーム国家が協調〔する姿勢を見せる〕ことも含んでいる。
つまり、イスラーム国家とは、西洋文明のように、弱者の搾取に立脚して強化されるわけではない。
また、西洋文明が主張するように、交換によって生じる利益を基礎として成り立っているわけではない。
そうではなく、権利と公正、そして地上の抑圧された者たちを救済することによって成立している国家に他ならない」
山尾2007 p186
―「イスラームの方法論が潔白であるというのは、ウンマの内面において、敵の歴史と連動せず、
むしろ自己の栄光の歴史と結合しているからであり、植民地主義者の指紋に拠らずに起源の正当さを表出しているからである。
また、イスラームが持つこの清潔さに対するウンマの自覚とイスラームそのものこそが、内面的にその清潔さを表出しており、歴史的な個性の所在であり、
栄光の鍵である。そして、植民地主義がその清潔さを破壊するためにあらゆる手段を用いて尽力しているのである」
山尾2007 p193
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-―-
//:..:..:..:..:..:..:..:\
_ /::/:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..丶
. {ニニ|:/:..:../:..::⌒/^|:..: |:..::|
. {ニニ|:ト| :..|x=ミ/ ノ⌒|:..::|
. ∨//::VΛtり ` x==ミ::ノ ここまで、サドルは散々欧米が本質的にダメと批判したわけですが
. 〈ニ/:..:|:..:..:|'' ⌒イノ
/:..:: |:..:..:ト ` _ノ^〉ヽ なぜ、イスラームはそれに代わる教えなのか?という答えも用意しています。
. //::/V人| T/ ┌‐┘:..|
/ /:..|二二\//|_|ニニ∨ 最初の文では①イスラームとは公平な宗教で、個人の実力で将来が決まる
/ /:..: |ニニニ(__/[ ̄ ̄]ニ|
/:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二| 次の文では②資本主義とかいう弱者搾取世界観ではなく、公正を重視し
. ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _| 抑圧者を救うイスラームこそが国際関係でも理想的である
|:..:..:..:..:: Λニニニニニ 厂\ | ´ - _
|∨\:../ Λニニ厂 ̄ ∨ リ」 --―┐ 最後に③このような公平さが歴史的に実践してきたものだからこそ本質的だ!と主張するんです
---==ニニニ/┼┼/ | |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼‐/| / | |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼/‐| | Λ |┤i:ニ==-- ┴ _
.___ 二ニニ==-|‐/┼| | / | |┤ _´ - _
. |/┼lノ | ./ーく| |┘==ニ二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
==ニニニ二└―<┼| |ー┼| /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ̄| |  ̄ | 〈:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|乂_,ノ、 Λ__ノ|:i:i:i:i:iニニ==---  ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iニ==--| ニニ V 二二|
==-- \ニニ{ ニニノ
.
817
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:45:25 ID:d320552a
イランって公平な国家と言えるかね
818
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:45:53 ID:1510259f
まあ資本主義が発展してる国ほど格差が終わってるから
819
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:46:30 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
―「イスラーム国家の人間は、この偉大な目的に見出すことができる完全なる公正を求め、不正者の不正や
独裁者に対する終わりなき戦いに燃料を注入されることを希求しているのである。そのことは、イスラーム国家の中の小さなコミュニティーのみならず、
また、特定の半島のみならず、さらに個人や民族のみならず、現世の全てに当てはまる」山尾2007 p181
―「ムスリムは、例えば自らの村や国、民族の中に見出される不正に対して抵抗するとき、
〔自らの問題としての〕その不正を、圧制者が地上に持ち込んだ他のあらゆる不正と区別すべきではない。
そして、自らのコミュニティーの不正を排除することを最終的で絶対的な目的としてはならない。
なんとなれば、身近な不正を排除することを最終目標とすることで、世界の中で行われている不正を〔暗黙裡に〕認めることになるからである。
周囲で〔他の人間が〕直面している不正と闘うことは、兄弟である人間に対する不正と闘争することである。
それによってのみ、ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達を解放するために、
アラブの半島から同胞達と共に出発したイバーダ・ブン・サーミトの役割に立ち戻ることができるのである。」
山尾2007 p181
―「イスラームは、統治者に以下のことを教えている。つまり、統治とは現世の喜びを享受するための方法ではなく、
実生活や贅沢品において他者と差異化するための道具でもない。統治は、抑圧された者たちの諸問題に責任を持つことである。
そして、抑圧された者たちの代理となり、抑圧された者たちと協調することこそが、統治に他ならないのである。」
山尾2007 p186
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
/::.::.::.::.::.::.:: /|::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.',
/::.::/::.::.::.::.::. / |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
/::.::/::./::.::.::.::/ .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
::.::.::.: /_Λ/ |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
|::.|::.::|::.:|/ ̄` ´ |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
|:人::.::.ィ灯)心 ィ灯)下\|::.: :ト|/「 / イスラームこそが、欧米の資本主義に代わる哲学で、抑圧者の味方だ
_ \::.: 乂ツ 乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
{i:i:i:i, _ノ::} ''' ' ''/ ::.::/ }::./\ノ ここまで論証した上で……では具体的にどうすべきか?
∨i:i:i, ⌒>::.::.::.{ /::.::.::.:/ヒソ:/|
. ∨i:i:i, /::.::.::/\ └ ' /::.::./:.ノ:: |::.::.::.| やはり、ここでも抑圧されてきた人々と協調しろ!というのですが
. く∨i:i:i,厂| {/:/::.::.::.:个: . 斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
厂つi, | Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\ 注目すべき点はいくつかあります。
. 〈厂つi:i:, \ /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「  ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\
〈 Vi:i:i:) }― /::.::.::.::./ 辷;′;辷「 ∨::.|::.::.\::.::\
. \ ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
/| ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「 | { _ -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
/::.::.| V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _ -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
. {/::.| ∨::.::/ | | r辷 ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ
/::.::.::| / ̄ ̄} | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
{::.:/〈 /' |, -ニニニニ|| \ノ \/ /ニニニニニニニニニニニニニ}
∨ ∨ 八二ニニニ└\ /ニニニニニニニニニニニニニノ
{ {_\ニニニニニニニ\ ノ >ニニニニニニニニニニニ-
\__ _/ {_ ,. \ニニニニニニニ> (C)  ̄}⌒\ニニ‐
/ \ニニニニニニニニニ\ _ノ }
/ / ‐‐ニニニニ‐‐ { ノ
.
820
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:50:35 ID:d320552a
そうかも
821
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:50:43 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
―「イスラーム国家の人間は、この偉大な目的に見出すことができる完全なる公正を求め、不正者の不正や
独裁者に対する終わりなき戦いに燃料を注入されることを希求しているのである。そのことは、イスラーム国家の中の小さなコミュニティーのみならず、
また、特定の半島のみならず、さらに個人や民族のみならず、現世の全てに当てはまる」山尾2007 p181
―「ムスリムは、例えば自らの村や国、民族の中に見出される不正に対して抵抗するとき、
〔自らの問題としての〕その不正を、圧制者が地上に持ち込んだ他のあらゆる不正と区別すべきではない。
そして、自らのコミュニティーの不正を排除することを最終的で絶対的な目的としてはならない。
なんとなれば、身近な不正を排除することを最終目標とすることで、世界の中で行われている不正を〔暗黙裡に〕認めることになるからである。
周囲で〔他の人間が〕直面している不正と闘うことは、兄弟である人間に対する不正と闘争することである。
それによってのみ、ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達を解放するために、
アラブの半島から同胞達と共に出発したイバーダ・ブン・サーミトの役割に立ち戻ることができるのである。」
山尾2007 p181
―「イスラームは、統治者に以下のことを教えている。つまり、統治とは現世の喜びを享受するための方法ではなく、
実生活や贅沢品において他者と差異化するための道具でもない。統治は、抑圧された者たちの諸問題に責任を持つことである。
そして、抑圧された者たちの代理となり、抑圧された者たちと協調することこそが、統治に他ならないのである。」
山尾2007 p186
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
_::::::::::::::::::::::::__
/::::/´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`\
. /::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
_____/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::::::.
. /i:i:Ⅳ\::∨:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::八::::::::::::::::::::.
{:i:i:i:i:i:|::::::::: |:::::::::::::| ::::: /::::::::::::|: / ::::::::::::::::::::
∨:i:i:i:| \:: |:::::::::::::|:::: /|_\::/ |/ |::Λ:::::::::: |
〉i:i:i:|〉::::::::|:::::::::::::|::x俘=ミ \| jr ⌒::::::::: |
. {i:i:i:i:|Λ: 八:::::::: 人( {:::(_ ヽ _笊~゚Y|:::::|:::|
\_:j|::::l〉{ (\|\{ 乂ツ {(::ノ ノ八:八|
. 八:|:人辷}::::::| '`´ /|::/ ノ まず、独裁者に対する終わりなき戦いは
/ :::::|:/: `¨|::::::| _ ;゙ |/
. / :::::: |:::::::::: |::::圦 ( ) 人 イスラーム国家全部に当てはまることだと言っていること。
/ ::::::::::::::::::: 八::::::| >  ̄ イ:::::::
. /::::::::::::::::::::::/:::::|\|. {>-< |:::::j 植民地主義者や圧制者への抵抗はイスラームの義務だから…なのではなく
/::::::::::::::::::::::/ ::::::| ..._\ ...⊥..._ | :: /
. /::::::::::::::::::::::/:::: |:人__  ̄ _.j>、 |: / /ニ=- _ 欧米人が本質的に搾取される人々だから、全世界的な課題だということ。
/:::::::::::::|::::::::/::::::::|:::|⌒ __jノニ=-‐㍉ |/ //  ̄ -=ニニ=-
. イ:::|:::::::::::|::::::::::::::::: |:::|__jノ⌒:ア´ ´_ //  ̄ 7/
|:: |:::::::::::|::::::::::::::::: |::八:i:i:i:iァ′ ´_ // // やはり、ここでも「反帝国主義」思想が極めて強い
| 人:::::::::|:::::::::::::::::: /:i:i:i:i:i:7 ...,, __}_ // //
\:::|::::::::::|:::: /:i:i:i:i:i:i:{ } // //
.
822
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:54:56 ID:d4163f78
.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
―「イスラーム国家の人間は、この偉大な目的に見出すことができる完全なる公正を求め、不正者の不正や
独裁者に対する終わりなき戦いに燃料を注入されることを希求しているのである。そのことは、イスラーム国家の中の小さなコミュニティーのみならず、
また、特定の半島のみならず、さらに個人や民族のみならず、現世の全てに当てはまる」山尾2007 p181
―「ムスリムは、例えば自らの村や国、民族の中に見出される不正に対して抵抗するとき、
〔自らの問題としての〕その不正を、圧制者が地上に持ち込んだ他のあらゆる不正と区別すべきではない。
そして、自らのコミュニティーの不正を排除することを最終的で絶対的な目的としてはならない。
なんとなれば、身近な不正を排除することを最終目標とすることで、世界の中で行われている不正を〔暗黙裡に〕認めることになるからである。
周囲で〔他の人間が〕直面している不正と闘うことは、兄弟である人間に対する不正と闘争することである。
それによってのみ、ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達を解放するために、
アラブの半島から同胞達と共に出発したイバーダ・ブン・サーミトの役割に立ち戻ることができるのである。」
山尾2007 p181
―「イスラームは、統治者に以下のことを教えている。つまり、統治とは現世の喜びを享受するための方法ではなく、
実生活や贅沢品において他者と差異化するための道具でもない。統治は、抑圧された者たちの諸問題に責任を持つことである。
そして、抑圧された者たちの代理となり、抑圧された者たちと協調することこそが、統治に他ならないのである。」
山尾2007 p186
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. _____
. ,.、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. _
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:''^~ ̄ ̄:.:.:.:.: ̄~^'' 、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:./ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
|:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/:「\_:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `
ニニ|:.:.:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /|: / .| :.:./ | Λ| .:.:.:.:.: |
ニニ|:.:.:.:./:.:.:/|:.:.:.:.:.: |ー/‐|/―|: /  ̄|:/ ̄|.:.:.:.:.:|:.|
ニニ|:.:.:/:./:.:.:.| :.:.:.:.:.:|:./ | / __|.:.:.:.:Λ| 2つ目に不正は見逃すなといっていること。
ニニ\{/__八:.:.:.:.:|____ ィ77TT| :. / |
Τ二|:.:.:Τ/⌒|\:.:.Τ^广V777ド |//八 |/ 内面の反対では何の意味もない。行動に出て初めて行動主義ということなのです。
|二|:|:. 八( |:.:.:.\| └ ,,∨/ノ ''':.:.:\
└‐<|:|:/:.:.:.\」:.:.:.:. \ 丶 |:.:.:.:.:.:. これはシーア派で良く使われるタキーヤへの批判と言えるでしょう。
|:.:.:.:.:.:.:. 八:.:.:.:.:.:. `、 八:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.: /:.:.:.\:.:.:.:.:.: ', , /:.:.',\:.: |
. / :.:.:.:. /:.:.: / ̄\:.:.:. | ゝ /:.:.:.:.:.:.', ∨
/ :.:.:.:. /:.:.: / / ∨:.| ≧=ー--く ̄`\_:.:.:', ※タキーヤ 共同体・家族・生命・財産の危機時に自身の信仰を秘匿すること
. /:.:.:. /^ ̄/ \ |:.| / \ \ Vヘ ', 例えば、ISIL支配地域で自分はシーア派ではなくスンナ派で偽る
/:.:.:.:./ \ \|.ノ | \ ' | |: ', 日本において自分はイスラームではないと言って酒を飲むなどが該当する
:.:.:.:./ \ `、 _ノ\ ', | |:.: ',
:.:.:.√ \ `, Λ ', | |:.:.: ',
.
823
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:57:33 ID:d320552a
なるほど
824
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:58:48 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
―「イスラーム国家の人間は、この偉大な目的に見出すことができる完全なる公正を求め、不正者の不正や
独裁者に対する終わりなき戦いに燃料を注入されることを希求しているのである。そのことは、イスラーム国家の中の小さなコミュニティーのみならず、
また、特定の半島のみならず、さらに個人や民族のみならず、現世の全てに当てはまる」山尾2007 p181
―「ムスリムは、例えば自らの村や国、民族の中に見出される不正に対して抵抗するとき、
〔自らの問題としての〕その不正を、圧制者が地上に持ち込んだ他のあらゆる不正と区別すべきではない。
そして、自らのコミュニティーの不正を排除することを最終的で絶対的な目的としてはならない。
なんとなれば、身近な不正を排除することを最終目標とすることで、世界の中で行われている不正を〔暗黙裡に〕認めることになるからである。
周囲で〔他の人間が〕直面している不正と闘うことは、兄弟である人間に対する不正と闘争することである。
それによってのみ、ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達を解放するために、
アラブの半島から同胞達と共に出発したイバーダ・ブン・サーミトの役割に立ち戻ることができるのである。」
山尾2007 p181
―「イスラームは、統治者に以下のことを教えている。つまり、統治とは現世の喜びを享受するための方法ではなく、
実生活や贅沢品において他者と差異化するための道具でもない。統治は、抑圧された者たちの諸問題に責任を持つことである。
そして、抑圧された者たちの代理となり、抑圧された者たちと協調することこそが、統治に他ならないのである。」
山尾2007 p186
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――――<
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::\
//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ ___
. /:::/:::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. }
/:::/:::::::::::::/ ::::斗―::、:::::|::::::::::::|:::::: | /
:::::::::::;::―-、 \::::\:::::::|::::::::::::|:::::: | ./
. |:|::::::::::::Λ{ ≫==ミ:::|:::|:::::: |:::::: |/\ 3つ目に世界中の人々と連携をといいつつも
. |:|::|::::::≫=ミ " );;;ハ 》::::|::::::ノ::::::::| \
八|::|::::《 );;;ハ 乂'ソ ,, |八イ⌒ヽΛ /⌒ ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達…ということで
|人::: 乂ツ ' /:::| ノ ::::'、
|::ト'' ,:::::::| イ:::::::::: '、 優先すべきはイラク、湾岸諸国などのシーア派地域の革命重視であることが
|:八 ┌  ̄) |:::::::|::::|::::::::::::: '、
|:|:::::.. ヽ |:::::::|::::|:::::::::::::::::'、 透けて見えること
|:|::::::::::> < 八::::::|::::|:::::: \::::::'、
|八 ::::::::::::::: Τ \|⌒''<_:\::'、
|\|::::::::ノΛ / / ) ̄ ̄`>┐ 植民地主義というキーワードも使いつつ
|::::」斗 { /\ / ∠ノ / ̄
__┌( ∨ / ∠ノ / 自国(=イラク)における革命を正当化するものとしても使っているんですね。
__/ ∨ \ ∠ノ | //
_厂 ┌( \_∠ノ |
. _,、-''"/ { | \> \/ ∨ ∠_,,.. ---
_,、-''" Λ | <> _ \ \/::/::::ノ
\ | └―<◯ヽ} /::::://
.
825
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:07:28 ID:dcb86ecf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
「すなわち、民主主義・社会主義・物質主義・共産主義などのイスラーム世界外部の人間が作り上げ、
様々な形で具体化され、異なった形態をとるイデオロギーや社会潮流は、個々のムスリムにとって、厳格で明確な形の標識とはならないのである。
ムスリムはむしろ、最も厳しい独裁・専制体制をとる政府が、
あたかも国家の名称の一部であるかのように「民主主義」という言葉を掲げていることに注目することになる。また、社会主義圏の中でも最も厳しい
社会主義体制をとる政府が、制限のない差別を行なっていることに気づくであろう」
「つまるところ、それらの概念やスローガンがいかに多様なバリエーションで実行されようとも、その実行者がいかなる試みに腐心しようとも、
ムスリムが自らの血と汗、命をかけて貢献しようとする構築作業に、明確なモデルや精緻な像を確立することにはならない。
反対に、イスラーム国家は、個々のムスリムに明確なモデルを提示する。そのモデルは、太陽のように明確で、
ムスリムの精神に近しく、ムスリムの最も深い感情と調和し、最も崇高で純粋で偉大な輝きに満ちた歴史的段階から導き出されたものである」
山尾2007 p192
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
/::.::.::.::.::.::.:: /|::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.',
/::.::/::.::.::.::.::. / |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
/::.::/::./::.::.::.::/ .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
::.::.::.: /_Λ/ |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
|::.|::.::|::.:|/ ̄` ´ |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
|:人::.::.ィ灯)心 ィ灯)下\|::.: :ト|/「 /
_ \::.: 乂ツ 乂ツノ 八八|Y::.::厂∨ さて、>>801の方が指摘している件ですが
{i:i:i:i, _ノ::} ''' ' ''/ ::.::/ }::./\ノ
∨i:i:i, ⌒>::.::.::.{ /::.::.::.:/ヒソ:/| サドルは、「民主主義・社会主義・物質主義・共産主義」は
. ∨i:i:i, /::.::.::/\ └ ' /::.::./:.ノ:: |::.::.::.|
. く∨i:i:i,厂| {/:/::.::.::.:个: . 斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八 イスラームに合わねーよ それどころかお題目と実態が違いすぎる……
厂つi, | Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\
. 〈厂つi:i:, \ /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「  ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\ そのように批判して、イスラームこそが最良の在り方としています
〈 Vi:i:i:) }― /::.::.::.::./ 辷;′;辷「 ∨::.|::.::.\::.::\
. \ ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
/| ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「 | { _ -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\ 外見上の一致はともかく
/::.::.| V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _ -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
. {/::.| ∨::.::/ | | r辷 ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ サドルの中では搾取する以上は社会主義・共産主義は同列
/::.::.::| / ̄ ̄} | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
{::.:/〈 /' |, -ニニニニ|| \ノ \/ /ニニニニニニニニニニニニニ} そのような判定になるようです。
∨ ∨ 八二ニニニ└\ /ニニニニニニニニニニニニニノ
{ {_\ニニニニニニニ\ ノ >ニニニニニニニニニニニ-
\__ _/ {_ ,. \ニニニニニニニ> (C)  ̄}⌒\ニニ‐
/ \ニニニニニニニニニ\ _ノ }
/ / ‐‐ニニニニ‐‐ { ノ
.
826
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:11:38 ID:dcb86ecf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎『イスラーム国家における力の源泉』編まとめ
西洋人は、東洋の人間と違い、真の意味で宗教的ではなく、快楽主義、功利主義、物質主義に毒されている。
このような西洋人の性質上、彼らは常にあらゆる人々を搾取するという性質を持つ。
これは多少の宗教的要素を入れた(西洋由来の)ナショナリズムであっても同様である。
イスラームはそのような弱者の搾取に立脚したものではなく、むしろ個々人の自由を尊重し、救済する宗教であり、抑圧された人々と協調する宗教である、
そのために、イスラームは圧政者や植民地主義者と闘争をする必要がある。これは地域を問うようなものではない!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
''"~ ̄ ̄ ̄~"'':..__
. /.:.:.:.:.:.:/ ̄:.:.:.:.´:.:.:.:.:.\
. ,:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:._:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | \:.:.:.:.:.:.:.:.
. √-=ニ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.| \:.:.:.|:.:.|
/ {:.:.: ―:.:.:.:.:.:.:/ : //|:.:| '⌒:.:.八:|
. (二八:.:.:.-| :.:.:.:.:// /'⌒ |:.ノ 仍うV:./ノ
. {ニニニ|\:.:|/!:.:./|__笊示ミ ヒツ {:/
. {ニニニ|:.:Λ|人/ :| 〈 ヒツ | さて、この『イスラーム国家における力の源泉』のまとめです。
. \ニ/|:/:.:{( 人:.:.\ 人
/:./:.:.:.|:.|>-\:.:.\ ' ´ ⌒` バーキル・サドルは、西洋人は快楽主義、功利主義、物質主義に毒され本質的に搾取的
. // /:.:.: 人|:.:.:.:.:.:.:.>- \ー―く \
. /:.:.:. /:.:/:. 〈\_彡'´ ) ) _ これは民主主義、社会主義、資本主義 いかなる形態であっても同じ
/:.:.:.:.:.://:/:.:.:.:{\__  ̄ ̄~^'  ̄ }‐┐||
//:.:.:.:.:.:./:.:.:./: |:.:.:.{ ァ=-‐''~⌒\___ノrヘ:||
./ {:.:.:.:.:. /{ :.: |:.:.:|:.:.:八______ ,.イノ / ∨/⌒ } イスラームはそのような弱者の搾取に立脚ではない
{ 八:.:.:.|人:.:.:. |:.:.:|/{. . ./ / / {/⌒ 〉
\( \:.|:.:.:| {. ./ / { ∨⌒i| 世界中の抑圧されてきた人々を救う必要がある…がサドルの思想エッセンスといえましょう。
人:.:| {.// } | |i||
/( \ /Λ } } } |i||
. ( \ / / } } V} |i||
. \ / / 〈 人 } |i||
.
827
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:11:48 ID:95d31499
道徳的であることが評価項目なのはいいことよね
828
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:15:55 ID:dcb86ecf
_ _
,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
/:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/ ヽ::、:::::∨::.
,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/ }:∧:::::|::|:{
{ ,.|:::{':::/::::/⌒/' ⌒∨:}::|リ
\, |::r∨:::イィ斧ミ、 ィ斧ヽ}:,::/'
乂 _;::{ Ⅵ:| Vり Vリ 'イ|「
/::乂ム:::} ' ム} さて、ここまでサドルの話を見て……反欧米の所以が
,:::/:::/:::}::|::.、 ,., イ:::|
/::/:::/:::::j:/::::|> イ::::l::∧ 植民地主義=経済的・文化的搾取=イスラーム切り離しとまで読めたでしょう
/::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ
/' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::} では、この欧米とは具体的にだれか?と考えるときに
{ {::::/∧ ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ Ⅵ
| |:::{/ \ ` ー r----- ´ }'
{ |::::| ヽ | ∨ | イスラエルのことがまったく言及されていないことに気づくでしょう。
Ⅵ l |={_}= } |
| , | ,: |
| { | {
| | |={_}= } |
.
829
名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:17:08 ID:aac8942a
もうこんなの西洋人絶滅させるしかないじゃない
830
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:21:41 ID:95d31499
そらもう西洋そのものやし
831
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:23:49 ID:dcb86ecf
,...::''"゚~ ̄~゚^' ̄~"'':...、
/:.::.::/:.::.::.:.:/⌒:.::.::.::.:\
/:.::.::.:/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\
. /:.::.::.:/:.::.::.:.: /::/:.::/:.::Λ:.::.::.::.::.:.: \
. __ /:.::.::.:/:.::.::.:.: /::/:.::/:.::/ Λ::|:.::.::.::.::.::.:.::.
{二√ :.:.: |:.::.:.:|::/|__|_,ノ |::|:.::.::.:: |:.::.::.::.
{二| :.::.::.: | :.: _|≫==x/:|/ |Λ:: | :.:|::|::| |
{二| :.:.:/:.:|:.::.:Y _)(:.:「 二|⌒:.::|::||ノ
. V/|:.:i"⌒|:.::.::| 乂ツ ,ノ灯Y:|:.:.:|Λ|
{//:八 |:.:.:|'' ヒソ ノΛ ノ | これは決して、サドルのミスではないでしょう。これらの著作が書かれた1979年
{/:/:.:: \|:.:.:Λ ' ''/::|:.:.:| ノ
/::/ :.::.:.: 人 :.::.::.: , , 八:|:.:.:|〉 既に第四次中東戦争、PLO(パレスチナ解放機構)の闘争は彼も見知っているはず。
. /:.::.::.:/ :.::.::.:: \::ト イ:.::.::|:.:.:|∧
/:.::.::.:/ :.::.::.:.:|:.:.:| \, > <:|:.::.:| :/ :|:.:.:|: ∧ そして、今後紹介していくヒズブッラーもホメイニーもイスラエルやパレスチナの言及がある
. /:.::.::.:/ :.::.::.::.: |:.:.:|::| 乂|:.::.:|/:: Λ :| :: ∧
/:.::.::( ̄ ̄ }―|:.:.:|┴ .,_ r――‐/:.::/<:.::.::.::.:.: | にもかかわらず、サドルは何も書いていない これはどういうことでしょうか?
:.::.::.::└┐ \\| /:.::/ )\:.:.: |
:.::.::.:/ └┐ >‐┐ ┌<|:.:.:| 厂 Λ∨|
.
832
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:27:43 ID:10617785
なんでやろ
イスラエルも中東系ユダヤ人たくさんおりゅけど
833
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:29:46 ID:dcb86ecf
____
,...::::::_::::::::::::::`:::..、
,..:::´ ̄::::,::::::::::`ヽ、:::::::::::::ヽ
/::::::::,::::/ヽ:::::::、:::::::\::::::::::::',
/::/:::/:/::/ Ⅵ:: |::{:::::::::\:::::::::
,:::,::::/:/-/、 {::{斗ム::::::::|:::|::::::::|、
|::{::::Ⅳ _{ ヾ \}\:::}:::}::::::::}_ ヽ
{:∧:::l,ィ雫ミ、 ィ雫ミ, Ⅵ/-、:::, \)
从l ゝVソ V(ソノ /::}'/ ,::::| 〉 まず、前提として、著作以外の声明などを探ってみると
/:::. ' /:::/_ノ:::: | {
{:::人 、__, /:::/::::::::::Ⅵ\_ノ 生前「イスラエルと和平を結ぶ者はイスラームを捨てたのだ」というのが見つかります
|::/ |::::... イ{::/:::|:::::::::::\ }
|:{ 「 ̄┼`´╋┼ 从-、:::::::::::::::::∨ 特別、バーキル・サドルが親イスラエルだったという線はなさそうです。
ゝ} 乂╋┼╋┼╋┼╋ 、::::::::::::::::.
/ / \╋┼╋┼╋イ ∧:::::::::::::::}
Ⅳ /` ー―― ´ / ,::::|:::::::::|
,:′ l{={}= , |::::|:::::::::|
{ / / ,:::::|:::::::::|
| ,′ / /::::/::::::::/
: 〃={}= ,: /::::/::::::::/
{ {l / /::イ::::::/
∧ || / /´/::イ
, \ l{ / /  ̄´
/ ` |! / ∧
/ ∧ / / \
______
/:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄\
//:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/ |:.:.∨:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
{ |--:|:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.: 人:.:.:Λ:.:.:.:.:.:|
{ |:.:__|:.:.:.:.:.:/:.: /|/ |/ ̄|:.:.:.:. |
.. ̄{__|「ヽ|:.:.:.:|/:.∠__ __|:.:.:.:. |
|l |:.:.:.:|  ̄∩ ∩ ̄ノ:.:.人|
|:\NV:| ∪ ∪ イ/ となれば、推測される答えは1つで、パレスチナ=イスラエルへの闘争に
八:.:.:|:.:.:.:.ヽ j:〈
./:.:.:.: 人 :.:.:.:| イ:.:.| さほどの価値を見出さなかったからでしょう。
/:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|) ≧=≦ :.:.: |:.:.:|
./:.:.:.: __/ {∨ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 バーキル・サドルは運動論より、思想・制度面に興味があるため
/:.:.:./ : :: :{ \ / p /
./:.:.:./ :: :: ::l! \ / ( ̄) / 記述とは裏腹に世界レベルでの被抑圧者の連携に関心がさほど高くなかったのでしょう。
{:.:.:./ : :: :: ::{ / /
{:.:./: :: :: :: :弋、 ./ /
|: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/ /
|/ \ /: :/: { 二 ノ {  ̄\
.
834
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:30:34 ID:10617785
思想家か
835
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:36:36 ID:dcb86ecf
┌───┐
│┌─┐│
└┼─┘│
│┌─┘
└┘ ''^~~"''  ̄~^''
[ ̄] /:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.::.: /:.::.::.::.::/ Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:.:
. /:.:/ :.:/:.::.::.::.::/ | |⌒|\ |:.::.::.::.:
|: /|:.:.:| : |::|⌒| |Λ:.:|:.::.::| :.::.: |:.:: |__
| :: |:.:.:| /|::|::|::| ,x=ミx| :.::.: |:.:: |二-〉
|Λ|:.:.:| : |x==ミ 〃:{:r'ハ Y :.::|:.:: |ニ/ 法学者の統治論では、あれほど革命後の統治機構を論じたのに
| |:.:.:| 〃 {:r'ハ V'り ノ :.:.:|^!::|∨
|:.:.: 人 V'り 、 ,,, 7:.:.:|ノ:.:|〈 これらの部分では、被抑圧者の連携の具体的組織を論じていないことはその証拠です。
. Λ:.::.:Λ ,, イ:.::.: |:.:: |Λ
. 〈ニ|\:.:八 { ) |:.:.: / :.: |ニ〉 サドルにとって運動面で価値があるのはイランおよび周辺のシーア派地域であって
|:.::.:\仝 イ |:.::/ :: |Λ
|:.::|:.:: ∨ ::|ニ=- < ||八{:.::.:.:|:.::| 彼らの敵は、シーア派を弾圧する政府とその支援者(=欧米の植民地主義者)
|:.::|:.::.: | :.::|___} 乂:.::.::.::.: |:.::|〉
|:.::|:.::.: | :.::| ―<|:.::|Λ
/ ̄{ ̄ |:.:/ ̄ ̄` ´ ̄/ |ノ __) その系譜から外れるパレスチナ=イスラエルの重要度が高くないのは
乂_ |/ \____,/ _ノ |
| { } | 彼の中では一貫しています。
| |  ̄{__人__} ̄ ̄ | |
.
836
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:42:40 ID:dcb86ecf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※バーキル・サドルの世界観
植民地主義者の搾取をする欧米人 ←←世俗的がゆえに物質主義快楽主義に染まり本質的に搾取
それに協力する現地政権、不信仰者 ←←欧米の影響を受けて搾取に協力
↑
対立
↓
反欧米の搾取されてきた人々(当然ムスリム含む) ←←イスラームは公正平等な宗教で被抑圧者の味方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
______
/:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄\
//:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/ |:.:.∨:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
{ |--:|:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.: 人:.:.:Λ:.:.:.:.:.:|
{ |:.:__|:.:.:.:.:.:/:.: /|/ |/ ̄|:.:.:.:. |
.. ̄{__|「ヽ|:.:.:.:|/:.∠__ __|:.:.:.:. |
|l |:.:.:.:|  ̄∩ ∩ ̄ノ:.:.人| というわけで、バーキル・サドルの反欧米思想は
|:\NV:| ∪ ∪ イ/
八:.:.:|:.:.:.:.ヽ j:〈 搾取する西欧+アメリカ+現地政府に向けた哲学的な考察と言えるでしょう。
./:.:.:.: 人 :.:.:.:| イ:.:.|
/:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|) ≧=≦ :.:.: |:.:.:| そこにイスラエル要素はないとはいいませんが薄いと言えます。
./:.:.:.: __/ {∨ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉
/:.:.:./ : :: :{ \ / p /
./:.:.:./ :: :: ::l! \ / ( ̄) / では、不世出の天才バーキル・サドルは1980年に死亡します
{:.:.:./ : :: :: ::{ / /
{:.:./: :: :: :: :弋、 ./ / その後の、イラクの欧米・イスラエル観はどのように変化したのでしょうか?
|: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/ /
|/ \ /: :/: { 二 ノ {  ̄\
.
837
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:46:05 ID:dcb86ecf
''^゚~ ̄ ̄~゚^'' 、
/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::\
//:.::.::.:: /:.::/Λ:.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
/:.:/:.::.::.::.:::|:.:/ |:.::.::|:.::.::.::.::.::.::.: |_
| :.::.::.::.::.::.: |::| |:.:::|:.::.::.::.::| :.::: |:i:i:i\
|::| :.: |::\:Λ| \::\/:.:|:.:::|::|:i:i:i:i:i冫
|::| :.: |::/|/\_ ,_/ \::|:.:::|::|\/
|::| :.: |Y灯下ミ 灯下ミY|:.:Λ|i:i:i:\ それは、次回のEX1-2 バーキル・サドルの後継者編でお話ししましょう。
|/\::人 Vソ Vソ ノ/:| ノ|:i:i:i:リ
. 乂 {|\| '' ´ ''/|:.::.:| : | ̄ 1970年代の思想が、反欧米に由来する反植民地主義ならば
/:.:八 ┌ , ノ:|:.::.:|:.:::',
. |:.::.::|个:... ..::个 |:.::.:|:.::.: ', その後継者たちの考えはどのように保ち続けたのか、あるいは変化したのか?
. |:.::.::|:.::.::.::.::|>r< |:.::八:.::.::: | :.::.:: ',
Λ :.::|{Τ \__::\ト|:.::.::.::.::',
/ \|{ \_,. ―┐| }\ノ:.::.::.::.::.:| ここに、イラク戦争後のイラクと欧米関係が見えてくることでしょう!
/ />''´ ノノ_ノ \:.::.::.::.:|
. / / /⌒´ \:.::.:|
{ ∨ ,、丶゛ ∨ ∨ノ
\ / / } }
.
838
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:46:32 ID:95d31499
ちょうど1980からはイライラ戦争よね
839
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:47:37 ID:dcb86ecf
というわけで、今回はここまでになります。
次回は1980~2000年代のイラク バーキル・サドルの後継者編をお届けします。
いつも通り質問等受け付けております
840
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:49:25 ID:95d31499
アメリカ自体は中東政策失敗しまくってるけど本当にまともに研究する気あったの?
841
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 00:49:34 ID:95d31499
乙です
842
名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 12:37:53 ID:0246ce00
イスラーム最高みたいなノリだけど当時のイランって経済格差とかどんなもんだったんだろ
843
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 13:04:39 ID:10617785
確か白色革命で相当格差が広がったはず
今のイランのジニ係数は国連だと40.9世銀だと34.8(2022)とそこまで途上国にしては悪い数字ではない
ちなみにアメリカら40ぐらい
844
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 13:06:41 ID:10617785
数字ミスったから訂正
イランは0.409 と0.348
アメリカは0.4ぐらい
845
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/06/30(Mon) 13:18:00 ID:10617785
ただし経済的状況は悪くインフレ率は高く、若者失業率もまあまあ高い、ジニ係数はあくまで相対的な貧困を図る指針でインフレや経済制裁によって絶対的貧困は高くなっているらしい
846
名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 22:16:26 ID:52731bc8
っし
847
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 23:40:44 ID:dcb86ecf
>>842
1960年時点のジニ係数は0.46ほどで、革命前もほぼ同じ水準を保っています。
これが1979年のイランイスラーム革命、1980年のイラン・イラク戦争後を経て、0.4程度に1990年代にはなったとされています。
では、これがイラン政府によるイスラーム的な政策による配分がうまくいったと考えるべきなのか?
多くの研究はそう指摘していません。単に時代的な状況が結果的にそのように見せているだけと示しています。
例えば、Salehi-Isfahani(2017)やFarzanegan et al.(2021)は、革命と戦争は、イランという国の所得そのものを減らし、資本家と高技能労働者が亡命した。
つまり、国全体が貧乏になり、高所得者層が国から出ていったから、一見所得格差が縮まったに見えるだけと指摘しています。
その後、2010年にジニ係数が改善しているのですが、これは2010年にイランが大規模経済制裁を受けた結果、
上層部の資金が失われ結果として平等に見えるだけなのではないでしょうか?
1990年代に絶対的貧困が低くなったのも、原油高を活用してレンティア国家的に配分しているからそう見えているだけではないのか
Salehi-Isfahani(2017)は、原油価格が低下した1984~1989年に絶対的貧困が増加したことを指摘していますので、大いに可能性があります。
つまり、経済的なデータと状況証拠から見るに、イランの貧困率や経済格差は確かに改善はされている部分はある。
ただし、それはイスラームの公平さや政府の配分政策が上手くいったからではなく、その時々の国際情勢が結果的にそう見せているにすぎないといわざるをえません。
参考文献
Salehi-Isfahani.2017."Poverty and income inequality in the Islamic Republic of Iran" Revue Internationale Des Etudes Du Developpement 1:113-136
Farzanegan et al.2021."Effect of oil revenues on size and income of Iranian middle class" Middle East Dev J 13:27-58.
.
848
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/30(Mon) 23:48:03 ID:dcb86ecf
投下は明日か明後日にやらせていただけば
849
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2025/07/01(Tue) 00:04:10 ID:cf4ae6f3
たしかに貧富の差は縮小したが金持ちが逃げただけか
850
名前:普通のやる夫さん[] 投稿日:2025/07/01(Tue) 12:52:37 ID:23854a2f
貧富の差より底辺が低い方が問題だと思うわ