やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
819
名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:46:30 ID:d4163f78
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうすべきなのか?
―「イスラーム国家の人間は、この偉大な目的に見出すことができる完全なる公正を求め、不正者の不正や
独裁者に対する終わりなき戦いに燃料を注入されることを希求しているのである。そのことは、イスラーム国家の中の小さなコミュニティーのみならず、
また、特定の半島のみならず、さらに個人や民族のみならず、現世の全てに当てはまる」山尾2007 p181
―「ムスリムは、例えば自らの村や国、民族の中に見出される不正に対して抵抗するとき、
〔自らの問題としての〕その不正を、圧制者が地上に持ち込んだ他のあらゆる不正と区別すべきではない。
そして、自らのコミュニティーの不正を排除することを最終的で絶対的な目的としてはならない。
なんとなれば、身近な不正を排除することを最終目標とすることで、世界の中で行われている不正を〔暗黙裡に〕認めることになるからである。
周囲で〔他の人間が〕直面している不正と闘うことは、兄弟である人間に対する不正と闘争することである。
それによってのみ、ペルシアの周縁地域において抑圧されている農民達を解放するために、
アラブの半島から同胞達と共に出発したイバーダ・ブン・サーミトの役割に立ち戻ることができるのである。」
山尾2007 p181
―「イスラームは、統治者に以下のことを教えている。つまり、統治とは現世の喜びを享受するための方法ではなく、
実生活や贅沢品において他者と差異化するための道具でもない。統治は、抑圧された者たちの諸問題に責任を持つことである。
そして、抑圧された者たちの代理となり、抑圧された者たちと協調することこそが、統治に他ならないのである。」
山尾2007 p186
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
/::.::.::.::.::.::.:: /|::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.',
/::.::/::.::.::.::.::. / |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
/::.::/::./::.::.::.::/ .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
::.::.::.: /_Λ/ |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
|::.|::.::|::.:|/ ̄` ´ |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
|:人::.::.ィ灯)心 ィ灯)下\|::.: :ト|/「 / イスラームこそが、欧米の資本主義に代わる哲学で、抑圧者の味方だ
_ \::.: 乂ツ 乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
{i:i:i:i, _ノ::} ''' ' ''/ ::.::/ }::./\ノ ここまで論証した上で……では具体的にどうすべきか?
∨i:i:i, ⌒>::.::.::.{ /::.::.::.:/ヒソ:/|
. ∨i:i:i, /::.::.::/\ └ ' /::.::./:.ノ:: |::.::.::.| やはり、ここでも抑圧されてきた人々と協調しろ!というのですが
. く∨i:i:i,厂| {/:/::.::.::.:个: . 斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
厂つi, | Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\ 注目すべき点はいくつかあります。
. 〈厂つi:i:, \ /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「  ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\
〈 Vi:i:i:) }― /::.::.::.::./ 辷;′;辷「 ∨::.|::.::.\::.::\
. \ ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
/| ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「 | { _ -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
/::.::.| V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _ -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
. {/::.| ∨::.::/ | | r辷 ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ
/::.::.::| / ̄ ̄} | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
{::.:/〈 /' |, -ニニニニ|| \ノ \/ /ニニニニニニニニニニニニニ}
∨ ∨ 八二ニニニ└\ /ニニニニニニニニニニニニニノ
{ {_\ニニニニニニニ\ ノ >ニニニニニニニニニニニ-
\__ _/ {_ ,. \ニニニニニニニ> (C)  ̄}⌒\ニニ‐
/ \ニニニニニニニニニ\ _ノ }
/ / ‐‐ニニニニ‐‐ { ノ
.