やる夫で学ぶ「法学者の統治論」

レス数:908 サイズ:1431.27 KiB 最終更新日:2025-07-03 19:44:54

816  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/06/29(Sun) 23:42:15 ID:d4163f78


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ではイスラームはどうなのか?

―「独創的な試みに満ちたイスラーム史は、以上のことの最大の証左である。イスラームは、
 人間のために取り戻した自由や威厳によって、血統・親族関係・地位・経済力とは無関係に、発展や創造に適した空間を全人類に準備することを可能にした。
 そして、ジャーヒリーヤ社会において奴隷や半奴隷であった多くの者たちは、平等に人類の指導者になることが可能となった。
 つまり、思想生活・政治・軍事の様々な分野において創造力のある卓越した指導者になったのである。
 なんとなれば、イスラーム国家においては、個人が適切に発展できるかどうかは、個人の潜在力やその特別な能力によってのみ決定されるからである。」
山尾2007 p184

―「イスラーム国家の政治的意味は、国際関係においてイスラーム国家が協調〔する姿勢を見せる〕ことも含んでいる。
 つまり、イスラーム国家とは、西洋文明のように、弱者の搾取に立脚して強化されるわけではない。
 また、西洋文明が主張するように、交換によって生じる利益を基礎として成り立っているわけではない。
 そうではなく、権利と公正、そして地上の抑圧された者たちを救済することによって成立している国家に他ならない」
山尾2007 p186

―「イスラームの方法論が潔白であるというのは、ウンマの内面において、敵の歴史と連動せず、
 むしろ自己の栄光の歴史と結合しているからであり、植民地主義者の指紋に拠らずに起源の正当さを表出しているからである。
 また、イスラームが持つこの清潔さに対するウンマの自覚とイスラームそのものこそが、内面的にその清潔さを表出しており、歴史的な個性の所在であり、
 栄光の鍵である。そして、植民地主義がその清潔さを破壊するためにあらゆる手段を用いて尽力しているのである」
山尾2007 p193

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

              -―-
          //:..:..:..:..:..:..:..:\
        _ /::/:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..丶
.         {ニニ|:/:..:../:..::⌒/^|:..: |:..::|
.         {ニニ|:ト| :..|x=ミ/   ノ⌒|:..::|
.       ∨//::VΛtり `  x==ミ::ノ         ここまで、サドルは散々欧米が本質的にダメと批判したわけですが
.         〈ニ/:..:|:..:..:|''     ⌒イノ
        /:..:: |:..:..:ト  ` _ノ^〉ヽ         なぜ、イスラームはそれに代わる教えなのか?という答えも用意しています。
.      //::/V人|  T/ ┌‐┘:..|
    / /:..|二二\//|_|ニニ∨         最初の文では①イスラームとは公平な宗教で、個人の実力で将来が決まる
   /  /:..: |ニニニ(__/[ ̄ ̄]ニ| 
     /:..:: Λニニ∨二 |ニニ|二|          次の文では②資本主義とかいう弱者搾取世界観ではなく、公正を重視し
.    ∨ :..:..:: Λニニ∨__.|/ ̄Τ⌒\ _|              抑圧者を救うイスラームこそが国際関係でも理想的である
      |:..:..:..:..:: Λニニニニニ 厂\  |  ´ - _
      |∨\:../ Λニニ厂 ̄ ∨   リ」    --―┐  最後に③このような公平さが歴史的に実践してきたものだからこそ本質的だ!と主張するんです
---==ニニニ/┼┼/    |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| 
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼‐/| /     |     |┤i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|┼/‐| |   Λ   |┤i:ニ==-- ┴ _
.___ 二ニニ==-|‐/┼| |   / |    |┤         _´ - _
.          |/┼lノ |  ./ーく|    |┘==ニ二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
==ニニニ二└―<┼|  |ー┼|   /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i ̄|  |  ̄ |  〈:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|乂_,ノ、 Λ__ノ|:i:i:i:i:iニニ==---     ̄
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iニ==--| ニニ V 二二|
==--         \ニニ{ ニニノ

.