やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
251
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/01/05(Sun) 08:26:33 ID:ead4ec29
法学者がコーランと現代的な倫理をすり合わせた理屈に、唯々諾々と従ってくれる人ばかりだったらいいが、
ネットでコーラン原文を読んで独自解釈するyoutuberや、それに影響されてテロを起こす人が出てくる以上、
コーランに基づいて事件を解説できる飯山氏や池内氏や中田氏は需要があると思う
252
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/04(Sat) 23:09:40 ID:ceffecc0
わぁ、めちゃくちゃ知りたかった内容がてんこ盛りやわここ
論文だとくっそ難読強いられる部分をありすのAAが解説してくれるなんてお得やわ
253
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/05(Sun) 09:34:37 ID:37d590ab
色々聞きたいことあるけど作者さんもいつ来るかわからないから一つだけ
スンニ派のナクシュバンディーもシーア派のサファヴィーも教主は世襲だったけど
世襲の勢力がウンマも率いることはジュワイニー見地からするとどうだったのかしら
254
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/10(Fri) 02:05:10 ID:b2dd2941
>>253
まず質問に例に挙げられているナクシュバンディーにせよサファヴィーにせよ
彼らはカリフではなく、あくまでタリーカ(スーフィー教団)や教団の主であります。
そのため、彼らがなぜ教主であるのかは、スーフィズムの議論及びシーア派のイマーム論を参照にする必要があります。
少なくとも、カリフ論の射程範囲を超えた内容です。
それを脇に置いた上で、一般的に世襲のカリフについてジュワイニーの議論を考えると
>>174で候補がいる場合、選挙が必要だと述べていると思います。
ここでいう選挙とは、一義的には、複数のカリフ選挙人によって、カリフ有資格者を指名しバイア(忠誠の誓い)を行うことです。
※カリフ選挙人とは、カリフを指名するためにウンマから選ばれた人々のこと
初代正統カリフアブー・バクルの事例を思い浮かべると容易かも
255
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/10(Fri) 02:06:28 ID:b2dd2941
ただし、中世スンナ派法学者の視点からは、選挙とは前任者による後継者指名も含まれます。
ジュワイニーよりも、20年近く前にいた法学者マーワルディー(シャーフィイー学派)がこの議論について定式化しています。
彼によれば、「選挙及び前任者の指名はいずれも有効である。ただし、前任者の指名は、選挙人の同意がなくても有効である。」
つまり、指名だけでもカリフになれるとしています。
ジュワイニーの議論もこうしたマーワルディーの考えを基本的に継承しています。
今回紹介したジュワイニーの言うところの「カリフ条件を満たし能力もある」ならば、永遠とこのように指名によって世襲されるでしょう。
ただ世襲の場合は、必ずしも「カリフ条件を満たさない」場合があると思われます。
ここで>>174の「能力だけもつ候補がいる場合の」議論が生きてきます。
その議論によれば、「カリフ条件は満たさないが能力がある人間いる場合、その人間が権力を独占し、他の追随がない場合
彼はカリフに推戴されなければならない」となります。つまり、能力さえあれば世襲カリフは論理的にありえるわけです。
また、世襲とはいえ、候補が複数いる場合も>>174の「完全な候補がいる場合の」議論が応用できます。
王と複数の王子を想定した場合、「選挙と服従の誓いが必要」とは、王による1人の王子の指名と家臣の服従の誓いと読みかえることができます。
つまり長々と説明しましたが、ジュワイニーの議論からは条件付きながら、世襲のカリフは正当化されるということになります。
.
256
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/10(Fri) 09:53:44 ID:0e5702da
ん、んにゃぴ
257
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/10(Fri) 10:46:57 ID:80edfb59
>読みかえることができます
>条件付きながら~正当化される
(事実上)憲法を変えられないから「解釈」という手段で
「専守を旨とする郷土防衛隊は軍隊ではありません」という建前を押し通してる某国のようだ
258
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/10(Fri) 13:19:18 ID:b3ca578f
>>255
すごい!
丁寧な回答ありがとうございます。だいぶイメージしやすくなりました。
普段物語としてしか読んでなかった世界にこんな理論が働いていたとは
興味深いなあ
259
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2020/04/10(Fri) 13:35:55 ID:b3ca578f
中世オアシス都市で政権の交代が発生した時
大きな混乱が起こらず住民が新しい統治者を受け入れがちなのが昔から疑問だったんだけど
カリフ選挙が行われたか、あるいは行われたとみなしたかの過程を経てたのかもしれないと考えるとちょっと腑に落ちた
260
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/12(Sun) 23:30:26 ID:fcddb941
24:00から投下開始させていたきだます。
よろしくお願いします。
261
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:01:11 ID:7d52629b
今日の投下内容
・20世紀初頭までのシーア派宗教界
・1920年代以降のシーア派宗教界
・1970年代のシーア派宗教界
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
.| (__人__)
| ` ⌒´ノ 今日の投下内容は、ホメイニーが法学者の統治論を発表する前の
.| }
.ヽ } イランやイラクがどうだったか、そしてそのシーア派を取り巻く環境ががどうだったか見ていくぞ
i .ヽ '' ,,, ノ !
li _>\ ( li
/⌒ ̄" ゛ ヽ !
/ ノ、 }\
< < | ` '{.> )
\ , ーっ ),,、/
ガタッ `ー=ミ} (彡 }
.
262
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:01:22 ID:7d52629b
―2019年 2月 普通大学イスラーム学部キャンパス―
,.ィ=t.、 i! i! i!. ,.ィ=t.、
| | | |_i!i=i!i=i!i_| | | |
| | | | |!l>=<l l | | | |
| | | | |<:○:>| | | | |
| | | | |!l:TT:l!| | | | |
| | | | |!| | | |i| | | | |
| | | | |!| | | |i| | | | |
i‐┬┬┬┬┬┬┬┬:| | | | |!| | | |i| | | | |
|‐┼┼┼┼┼┼┼┼:| | | Eヱ夲オヨ | | |
. ___|‐┼┼┼┼┼┼┼┼:| | | | |_i_从i_|_| | | |
|E| |ヨ|‐┼┼┼┼lニニニ二:| | | | | |!| |i| | | | | |二ニニニl
|E| |ヨ|‐┼┼┼┼`△ | | | | |_|!|_|i|_| | | | | △´
|E| |ヨ|‐┼┼┼┼‐| |_.il._.i!_.| | | | |_|!|_|i|_| | | | |_.i!_.il_.| |
|E| lニニニ二二二二| | |i| |i| i| | | | | |!| |i| | | | | | |i| |i| | |二二二二ニニニl
lニニニニニ二△ △. | |_|i|_|i|_i| | | | | |!| |i| | | | | |_|i|_|i|_| | .△ △二ニニニ
r┤.i! i! r=i | |_i!_i!_| |_i!_i!_.i!_| |_|i|_|i|_i! | | | | |!| |i| | | | | |_|i|_|i|_| |_.i!_i!_i!_| |_i!_i!_| | .r=i. !
| .|_|i|_l|_| |_i!_ .| | i! i! | | || || ||..| | |i| |i| |r=ffli==、r==t==jj=i| ̄|| |i| | |..|| || || | | l| l| | |. _i!_| |_|
| .|_|i|_l|_| |_||_|.| |_l|_l|_| |_||_||_||..| |_|i|_|i|_|. |l l| |.l l.| |l l| ||_|i|_| |..||_||_||_| |_l| l| | |. _l|_| |_|
| .| |i| l| | | || |.| | l| l| | | || || ||..| |_|i|_|i|_|. |l l| |.l.,.、l.| |l l| ||_|i|_| |..||_||_||_| |_l| l| l木木木. |_|
| .|_|i|_l|_| |_||_|.| |_l|_l|_| |_||_||_||..| | |i| |i| |. |l l| /.:: \ |l l| || |i| | |..|| || || | | l| l.z木木木木.|
| .|_|i|_l| | |_||_|.| | l| l| | | || || ||..| |_|i|_|i|_|. |l l|〃.::::::::::::ハ.|l l| ||_|i|_| |..||_||_||_| |_l|z木木木木木
| .| |i| l| | | || |.| |_l|_l|_| |_||_||_||..| | |i| |i| |. |l l|{{::::::::::::: : }}|l l| || |i| | |..||_||_||_| |_林林林林林林
森森森森森森森森森二二二二二二二二L._|l_l|{{::::::::::::: : }}|l_l|_二二二l森森森森森森森|i|森森森
森森森森森森森森森森森森森森森森 .; ,,, .:':' ,:,:,:,:,:,:,:,:,:,.... ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙
.
263
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:01:32 ID:7d52629b
―とある講義室―
::|| :| : l ̄~| ̄|.:| :| |__| . . . .:::::|:| :|:|:| || | | :||
 ̄ |_____| : |─┤| ̄|‐┘.:| . . .::: .: |:| :|:|:| || | | :||
:┌‐┐:r‐┐ : |‐「二l‐ r‐‐ュ :| .: .:: .: :|:| :|:|:|______,|| | | :||
: |__|:└‐ | ̄|___|__|_」 .:__|:|_:|:|:| ̄ ̄~ || | | :||
: : : : .  ̄. . . .:| |斗=ミ___||zzzzzzzzzz| |zzzzzzzzzz:||zzzzzzz
: : : . . . . |二||_r=ミ二二|コ______ ,.ィ __
-‐rr ┯=ミ | ̄|三「| . . .: : :|灯|‐‐\__ヽ. '´ ,. '´ ,ィ ::/// /〉. . .
:::::i{::::::i{:::: |二二二二ニ:l . .: : :||::ハ ̄r≦zzzzzz≦zzzzzzzァ'´|:|__////__//: : : :
 ̄i{ ̄i{ ̄| |IIIIIIIIII::|─--,. _,,-=-||/__',_,|:|二二i|:|:|:l__,|l_,|:|∠二7///:_://_:_:_:_:_:_:_:_
::::__{:::-i{:: :|二二二二二ア|'´ |=ニ=‐¨: : : : : :::::::/,|:|マ:,: Ⅵ:|:|:| ̄~||~|:|=:ニ二// ̄~,ィ: : : : : : : : :
'´::::{::::_jI斗‐-::::::::;;;__:: |:::| |´: : : : : : ://,|:| マ:,.ィ:|:|:| : : : :::|:|: ://:/∧:, ̄ マ:, : : : :
s≦::::::::::::::::::::::::::: :。s≦|:|:::|/´ __: : : : : : : ::|:l==== |:|:|:|_:_:_:_:,,|:|::::::://:::/ハ:, : マ:, : : :
:::::: ̄^^~、。s≦::::::: 。s|:|:::| ,. '´  ̄ ̄ ,.ィ |:|............|:|:|:| ̄:: ̄|:|:::::///::::::マ:, ,.ィ‐-: :_
::::::><::::::|::::::。s≦>''レ '´ ,.ィ㌻|´/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/'/,::::::::::::::`''´
'´::::::::::::::。s≦::。si(>'´ ,.ィ㌻: ::| |: : :||^'ヽー-:::::::::::_/: / '/,: `y'7
:::::。s≦:::,.ィ升-_{二 ─-- ...,,,___,ィ㌻ ,.イ_|: : ...||/: : : : : : : : : : : : :/ ̄^'/,ー'ヘ
'´:::。s≦-_-_--..││ ̄”“''' T:T´___//|:|──-- ..,,_: : : : : /..,,_ '/, ':,
'´-_-_-_-- |::::| _ -_-_-_..|:::|-_-_-_-_-_-_- ⌒^^''=-- 二_::ー- ..,,,_
-_-_- |::::|-_-_-_-_-..|:::|-_-_-_-_-_- :::::::  ̄⌒^^'=--
-_- └┘-_-_-_-_-|:::|-_-_-_-_- .::::::
/:::::::::::::/i::::::::::::::::::ヽ _
/::/::::::::::/ .|:::;:::::::::::::::::::ヽ !!!!!
/:/::::─--/ !::|ヽ--─:i::::::::!、 i.i.i.i.i
|::|::::::::::/|/ ヽ! ヽ:::::::::|:::::::::| | | | | |
|:ヽ::::::/=二_ _二=ェ_::|::::::::! !.!.!.!.!
|::::ヽ|!´「 .! .! / i:|::::::イ iiiiii
`i(.`i:ヽ."-' _ "-' ∥´)::| (⌒ヽ さて、3時間目に入りますが
/::ヽ|::::i /::|_ノ::::\ /つ )
/::::::::|::::|ヽ、__ ⌒ __ /:::|:::::::::::::::::\ ./ |(__ノ その前に、デーツで頭に糖分を補給しましょう
>彡:::::::::::::|::::|;;;;;;;;;!  ̄ .!::::::::::|:::::::::::::::::::::::> | |
///:::::::::::::i´|::::|>< ><{`‐、::::::::::::/ !-!
∥´./:::::::::::::::/ .ヽ:|><><><{ i::::/メ、 /_
|| |::::::::::::/ _||.--─  ̄ ─-- _. ∨ ヽ-‐7
` !、:::::::/ ( ) / /
\/ `ヾ ─-- __ --─ フ / /
| ヽ ノ / /
.
264
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:01:42 ID:7d52629b
____
/ ― \
. / (● ) ヘ\
| (⌒ (● ) |
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | デーツ?
, へ、 _/
. | ^ヽ
. | 1 |
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) |
. | (__人__) | ナツメヤシの果実のことだな
| ` ⌒´ ノ
. | } 中東地域では主食って聞いたことがあるような……
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く. \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
265
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:01:52 ID:7d52629b
. ,. 二二二丶、
/ / \
/ / } \
. /ー/ / \ ,
. /|ー; / / )ハ ′
. ノ(_/|ー! /⌒メ '⌒ , l|
. { |;|l /〃テhミ、 ィhミ、} 从
. {\ | {乂| 从t::り tり 从/ 主食というと、ちょっと言い過ぎかもしれませんね。
\__八\| \.:.:.:. , .:.:.:./|ノ
// 八 :. 、_, ノ | 酒やジャムに使われたり、ソースみたいに使われたり色々ありますが
.. //,; \ }ト _,,. イl| |
. // ,; \)八 {ーrヘ丿人 現在では、お茶請けのような感覚で食べるのが一番多いでしょう。
... // .′ /⌒ Yニ\__ノニ人( :, ノ)_
.... 〃 ; ; ⌒丶 } |(⌒(_艾_) )}( 八 /ノニヽ}
. |l | i { ノ人\_〈八〉/ノ Y ^, / (r、ヽ}ノ
、 | | :, { `ー―‐ ´ | L ; /
\| | ′ , ノへ、 } / / ̄
... 乂八 } \ ′ /| / 二Y/ /
)ハ| \:, / ノ_,ノ( -、} /
. | /⌒ニ=‐ ⌒Y )ノ(ノ /
\__ | ) \_/
266
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:02 ID:7d52629b
γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
| イランはデーツの生産量ナンバー2の国であります。今回はサーヤ種を食べてみましょうか .|
ゝ________________________________________,ノ
__
∠三≧
f'三三三≫ュ
{三三三三三ヽ
∧三三三三ヲ/A
レ∧三三三ムイ三≧ュ
|!三≧=ニ三ア三三≫ュ
{i!三三三三Ⅳヘ三三A ttps://imgur.com/a/QaugRpN
三三三三Ⅳ三.心.Ⅳ三ト、
E三三三Ⅳ三三三》、三Ⅳi:.
{三三三不三三三/三Ⅳi:i:i:i:.
Ⅶ≧≠≡≡≡彡生ニУi:i:i:iλ
Ⅶ三三三三三/三/:i:i:i:i:/ 〉
Ⅵi三三三三/_/i:i:i:i:i:/ /
Ⅵ三三≧´i:i:i:i:i:i:i:i:/ .′
-=ニニ三三>τ´ ̄ ̄¨¨¨¨¨´ /
-=ニ二二三三三≧==--=ニニ二 ’
 ̄  ̄  ̄ ̄ ̄
.
267
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:12 ID:7d52629b
___
/ \ /
/ ─ ― \ /
/ ̄ ̄\' (● ) (● ) \ /
/ _ノ\ (__人__) | / あ、種無しだお これ
| ( l ` ⌒´ //
. | (__) ⌒ヽ l´/
| `ノ ヽ ヽ'´
. | } \_ ̄⌒)
. ヽ /l /  ̄ ̄ なんだろう黒糖みたいな味だな……
ヽ ノ l ./
.> < ヽ/
| \ /
| ト、 \_r--、
| /ヽ___ノ
-‐……‐-
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\
. /::.:/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: \
/::.::.:/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.::.::\
/:. ̄Λ::. /::.::.::.::.::.::.::.::.::/|::.Λ::.|::.::.::.::.::.::
. { |::.:∨::.::.::.::|::.::.::.::.:/ .|::.| :|::.| / ::.::.::.|
\.... l:\|::.::.::.::.:|::.__|: / ノ:/ |/ |Λ::.::.|:|
{.... l:\|::.::.::.::.:|:/|/^ー ィ灯゙Y::.::Ν
. \/l:\|::|::.: _ァ'笊うミ {ソノ ノΛノ
. 八::.|人::.::.人 乂ソ ´ {::.|
/::.::.::.: : |\ト ` 八| デーツは、食物繊維、糖分、ビタミンC、カリウムなどが豊富です。
. /::.::.::.::.::.::| ::.:人 r _y イ::.::|
/::.::/::.::.::.::.|:|::.|::.:| ≧- _, ィ::.:ノ|::.:| とても甘いので、砂糖加えずともそのままジャムにすることが出来るぐらいです
. /::.::/::.::/::.::.:|八|:ノ {\´^'<|:ノ
/::.::/::.::/::.:/ \ { ∨ \ イスラーム圏ではラマダンの時に、最初に食べる食事でもあります。
. {::.::.{::.:/::.::/ \ー― | }
.
268
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:22 ID:7d52629b
※デーツには400種以上あるといわれていますが、イランのピアロム種が最高級品種といわれている。
ただし、歯ごたえがあるので、子供や老人がいる場合は注意
___
''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
/::.::.::.::.::.::.:: /|::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.',
/::.::/::.::.::.::.::. / |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
/::.::/::./::.::.::.::/ .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
::.::.::.: /_Λ/ |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
|::.|::.::|::.:|/ ̄` ´ |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
|:人::.::.ィ灯)心 ィ灯)下\|::.: :ト|/「 /
_ \::.: 乂ツ 乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
{i:i:i:i, _ノ::} ''' ' ''/ ::.::/ }::./\ノ
∨i:i:i, ⌒>::.::.::.{ /::.::.::.:/ヒソ:/| デーツに関しては、日本でも輸入しているところが多く
. ∨i:i:i, /::.::.::/\ └ ' /::.::./:.ノ:: |::.::.::.|
. く∨i:i:i,厂| {/:/::.::.::.:个: . 斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八 品種も色々あります
厂つi, | Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\
. 〈厂つi:i:, \ /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「  ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\ 甘いお茶請けを探している人 探してみては?
〈 Vi:i:i:) }― /::.::.::.::./ 辷;′;辷「 ∨::.|::.::.\::.::\
. \ ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
/| ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「 | { _ -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
/::.::.| V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _ -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
. {/::.| ∨::.::/ | | r辷 ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ
/::.::.::| / ̄ ̄} | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
.
269
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:32 ID:7d52629b
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
第3話 20世紀のシーア派の状況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
__「¨!
/.::::::.\
/:/.::;::::::::,::ハ
{〈::: {:::::::::}::::}
匚二ヽ{___}∠二]
{====} __
/^:., { } ムハ
,:'゙{ ム::::ハ >=-< ,f:::{: ハ
,.' '; ,:-、:::::ハ //;{^{;i^i /:::y::\} ,.-,
{ '; {__Y_ノ! //f1:,::r| {,/タ{゙ー- -‐:i ,r:、::ハ
. ,:⌒:, {,:rヘ ,; 、__,,ノ //イ|.|,{,:|.|∧'{ ー--‐'’ ,:、:::::ハ::ハ
. /::ヽ;:ハ ‘:,vム,'’ ⊆ニ//〃,|.|キ;|.|;y∧、 ,::::::y⌒y:}
/ヽ:::::⌒jハ vム //〃/,|.|/;,|.|ム:r∧\ {`ー--‐''’}
. {::::Y⌒Y:::::} vム 〈/〃//,|.| ,.:|.|,ノムf∧ヽ\三ニ∋ `ー- -‐'
{`ー--‐ ´j vム 〃,//tコ.|,:; |.|fZムィ:∧ケ\> ...-、
. ー‐-‐ v-、 / 〈/ ,iノ,'/iノ;、:vムコi〉 .イ{::::::::}、
/::::::::, vV イ::::゙r:::::''´:}
,r‐-、:::::, v〉 /::{ー-{_;;::::{
/::::::::::j:::::ハ { 、{:::::::::::}:::::::}
ハ::y:::´ ̄`y:, { `ー=ニ:::__ノ
{、:::::::::::i´::::: ィ ゙ ...,,__ノ
. { ー--‐ }
. 乂___ノ
.
270
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:42 ID:7d52629b
''"~ ̄ ̄ ̄~"'':..__
. /.:.:.:.:.:.:/ ̄:.:.:.:.´:.:.:.:.:.\
. ,:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:._:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | \:.:.:.:.:.:.:.:.
. √-=ニ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.| \:.:.:.|:.:.|
/ {:.:.: ―:.:.:.:.:.:.:/ : //|:.:| '⌒:.:.八:|
. (二八:.:.:.-| :.:.:.:.:// /'⌒ |:.ノ 仍うV:./ノ
. {ニニニ|\:.:|/!:.:./|__笊示ミ ヒツ {:/
. {ニニニ|:.:Λ|人/ :| 〈 ヒツ |
. \ニ/|:/:.:{( 人:.:.\ 人 それでは、デーツを食べたところで
/:./:.:.:.|:.|>-\:.:.\ ' ´ ⌒`
. // /:.:.: 人|:.:.:.:.:.:.:.>- \ー―く \ 今回の内容である20世紀のシーア派の状況を見ていきましょう。
. /:.:.:. /:.:/:. 〈\_彡'´ ) ) _
/:.:.:.:.:.://:/:.:.:.:{\__  ̄ ̄~^'  ̄ }‐┐||
//:.:.:.:.:.:./:.:.:./: |:.:.:.{ ァ=-‐''~⌒\___ノrヘ:||
./ {:.:.:.:.:. /{ :.: |:.:.:|:.:.:八______ ,.イノ / ∨/⌒ }
{ 八:.:.:.|人:.:.:. |:.:.:|/{. . ./ / / {/⌒ 〉
\( \:.|:.:.:| {. ./ / { ∨⌒i|
人:.:| {.// } | |i||
/( \ /Λ } } } |i||
. ( \ / / } } V} |i||
. \ / / 〈 人 } |i||
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 確か前の話だと、法学者が国を支配するという発想は中世からあったって話だよな。
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| `⌒´ノ─ ー\
. | } ●) (●)\ それなら、もうホメイニーの話をしてもいいんじゃないかな?
. ヽ }⌒(__人__)⌒ |
ヽ ノ /
/ `ーー/⌒^)(⌒^ ー )
| 、 _ __,,/ヽ / \
.
271
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:02:52 ID:7d52629b
______
/:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
. /:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄\
//:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/ |:.:.∨:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
{ |--:|:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.: 人:.:.:Λ:.:.:.:.:.:|
{ |:.:__|:.:.:.:.:.:/:.: /|/ |/ ̄|:.:.:.:. |
.  ̄{__|「ヽ|:.:.:.:|/:.∠__ __|:.:.:.:. |
|l |:.:.:.:|  ̄∩ ∩ ̄ノ:.:.人|
|:\NV:| ∪ ∪ イ/ いいえ、そうはいきません。
八:.:.:|:.:.:.:.ヽ j:〈
. /:.:.:.: 人 :.:.:.:| イ:.:.| 前回のラストでお話した 先人の発想とホメイニーの発想の違い
/:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:|) ≧=≦ :.:.: |:.:.:|
. /:.:.:.: __/ {∨ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 これが生じたのは、20世紀のシーア派世界の変容と関わります。
/:.:.:./ : :: :{ \ / p /
┏━━━━━━━━━━┓\ / ( ̄) /
┃ 資料を確認中。 ┃ . / /
┗━━━━━━━━━━┛ / /
|: 八:.|.: : : :. :. :. :.__/ /
|/ \ /: :/: { 二 ノ {  ̄\
/ ̄ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ
(( | ( ●) | ____
| (__人). / \ 確かに……なんでウラマー達が国家を統治するのが義務となったのか
| ⌒ノ. / ─ ─\
ヽ } / (● ) (● )\
_ > } | (__人__) | それは気になるお イランやイラクで何かあったのかな?
 ̄ ̄` 、__ノ \ ` ⌒´ /
 ̄`'‐- 、 > ー‐ <
ヽ / / ̄彡ミヽ、
V ヽ / / ヽ ヽ
ヽ Y / | |
入 ヽ ノ ヽ ノ
.
272
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:02 ID:7d52629b
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
①20世紀初頭までのシーア派宗教界
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-< ̄ ̄\――
. / :::::::::::::::::::::::::::\::::::::::\
. /::::::::::::/::::::::::::::::::::::: ∨::::::::::',
. /:::::::::::/|Λ::::::::::::\::::::::::|―::::::::|
{::::::::: /八 \<⌒\::: |::::::::/| \
{::::::::::⌒ x==笊ミ|::::|::/ : ノ二 |
人:::::::y'笊 Vリ八N'⌒V::::|二ノ
\::ハ リ ,, ,/:::::::|,ノ ノ::::::|/ というわけで、まず、20世紀以前 つまりペルシャ地域を支配し
/::{' ′ / :::::: 厂::::::::::|\
. /:::人 - /::::/:: ノ|:::::::::::::|二} シーア派を国教化したのはサファヴィー朝(1501年~1736年)から
/::::::::/^丶 _/::::// |:::::::::::::| ̄
. :::::::::′ ___{:::/-< |:::::::::::::|\ ガージャール朝(1779年~1925年)の時代までのシーア派はどうだったのか。
. 人:::::| / 人{ `|:::::::::::::|:::::::.
ヽ|. 〈 / 八:::::::::::::::::::::| それを4つのポイントに纏めましたので見ていきましょうか。
ノ//⌒ \:::::::::::::::|
/ / ∨ ∨:::::::::|
/ / / | :::::::::|
{ { / .| :::::: ノ
.
273
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:13 ID:7d52629b
, -――- 、
/三三三三=ヽ
/三三ウラマー三ヽ
l三三三三三三三}
l三三 三三三三/
ヽ=三三三三三{
∨ニ三三三三/ じゃあ、俺は裁判官として働こうかな
__/三三 三三/
_, - '" ´三三三三三 ヽ、_
/三三三三三三三三三三三三三三ヽ、
/三三三三三三三三三三三三三三三三ヽ
/三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三三三,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三 / ヽ三三三三三三三三三三三三三三三!、三三三三ヽ
三/ ヽ三三三三三三三三三三三三三三| `ヽ、三三三 \
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
①シーア派ウラマーによる官僚や裁判官による国家の官職就任
まず、当時ウラマーは王朝のイスラーム法廷や官僚として働いていました。
ある意味当然ですが、ウラマーとは知識人もありますし
この頃のイスラーム世界には科挙のような制度はないので、当然知識の源泉でもあるわけです。
サファヴィー朝はシーア派を国教として認めていましたので
軍の事を除けば極めて大きな影響力を持っていたわけです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
274
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:23 ID:7d52629b
i ゙i i
.i /'j
,- 、__ ヽ //
i'''''‐-、` ヽ 、 `ヽ、,,,,,,,-‐''´
ヽ `ヽ、 ゙\
`ヽ 、 ゙ヽ、〉
`'''‐'''´ ,-'''''''‐-、
i ヽ、 \
,,,-‐'''''‐- 、 .ヽ ヽ 、 ヽ
/ ヽ、 \ \_ ノi
.i j、 `''‐-二フ'
.i、 ij
ヽヽ、 //
`ヽ、、___,-'/ ,==、───---,,,,,__
,,-''''''ヽ-、___ _,,--'''''''''''< ,,,,,‐- 、 i‐-`_'''''''''''‐----‐‐''''i
/ j .j───'''''i /´,,,-‐'''' ゙̄ヽヽ- 、 .i 〈 ` ヽ、 i‐-,,,_ ''''''''''''''''''''''''''''''i''
./ ./ ./ ̄ ̄ ̄ ̄i / / // 'ヽ、\ニニニニニi‐‐-ヽ ヽ ヽ  ̄i_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄''''''''''i
.i' / / ̄ ̄ ̄ ̄jj ヽ〈_ ,,,-''‐-ji. i ゙ヾヽ──j j二 >-ヽ-‐‐‐‐‐゙─、 i二二二ニフ ̄ニフヽ
/二>-‐''''' ̄二二ヽ ̄ヽ二二二'''''<二二-===========-i二二二二i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i,, i二<-‐‐''''''''´ ,,,-'''
..-‐‐i'´,,-''''´ ̄ ̄ ̄ ヽi ̄‐、 ` ヽ 、`''''ヽ、i二j、____,,,,,,,,,,j-、-‐‐‐‐‐‐i‐------------i=ニニi─ゝ---‐<ニii-‐‐
‐-‐゙゙i´ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄二二i‐-ヽ∠-‐‐i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐‐''ニニニニニニニi‐-------‐‐.i‐''‐--------------i二
ニ二''ヽ‐--‐'''''j二二二二二---‐i ヽij二二i____,,,,,,,,,,j二二二二二i_____,,j‐-,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,j_,,,,,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
②国家から独立した独自の資金源
次に、彼らは国家の官職に基づく収入に関係なく
ウラマーの多くは別途財産を持っていました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
275
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:33 ID:7d52629b
, -‐ー''"フ
/ __,,ィ′
. ノ~ヽ、 / __,,ィ′
./,/,/ `ゝ,,_ ノ _,ノ
.ム,イ,イ,イ,ノ__,,. ~r-‐‐‐riー ''""~|l '´
. l $ |:| $ || アディオース
l_ _....l_!__ ..__,」!
( ( ` ̄  ̄ ̄  ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
具体的に彼らの財源とは以下の6つになります。
いずれもイスラーム法上、国家が手出しできる財源ではなく
全てをあわせれば国家予算の10倍もあった時期もあるとか
1、フムス税―共同体維持のために指導者に戦利品の1/5を払う制度。一般の人々から献金。
半分はサイイド(預言者の一族) もう半分はウラマーが学生の奨学金や、聖地維持管理のために使用。
2、不正の釈免―サファヴィー朝時代に出現した税金。人々の悪事や罪に対する償いとして
ウラマーに支払い。フムス税の代用としても用いられる。
3、聖廟や墓地管理に対する献金―主にバザールの商人から
4、巡礼者からの献金―聖地巡礼者から献金
5、埋葬産業関連収入―地元の人間のみならず、聖地で死にたい人に場所の用意やクルアーンの読み上げ。
6、ワクフ―寄進された土地や建物の管理収入。 イスラーム法上税金の対象外であり、国家に収用されない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
276
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:43 ID:7d52629b
,、 _
`、`ゝ.、 ./三三ミ..、
,ゝニミ` 、 ,'ニアヤトッラーニ.ヽ
.`ヽ三三三.=‐ ._ ヽ三三三三三.l
 ̄`-、ニ三三ミ- ._ .',三三三三ミi
`ー 、三三三三=- .._ ',.ニ三三三,' 金と権威を持っている 俺だけが解釈できるんだ
"'''.ミ三三三三三ニ`.ニ三三ミヽ- 、
"' 、ニ三三三三三三三三三`、
` 、ニ三三三三三三三三ミ',
` 、三三三三三三三三.l
/ニ三三三三三三三ニ,'
,'三三三三三三三三ミ,'
.,'ニ三三三三三三三ニ,'
iニ三三三三三三三ミ/
,'三三三三三三三ミ,'
,ンヘn ,'三三三三三三三三.i
.ヽミ三.ヽ_'ニ三三三三三三三三',
.`ー.、三三三三三三三三三三.',
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
また、このことは、シーア派階層化に伴って財源と権威を握る上位者の存在
つまり、>>208で述べたような
シーア派宗教界の中央集権化と影響力の担保を促進しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
277
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:03:53 ID:7d52629b
_
./.ニ三ミ\
,'ニウラマー三.ヽ
ヽ三三三三三.l
r-、_ . ',三三三三ミi
.ィ´ニニ`i ',ニ三三三.,' よし、お前俺の代わりにインドいってこい
.!ニ三ニノ `._三三三ヽ,,_
`、ニミヽ .ノニ三三三三ミ -、
.〉ニ三ニYニ三三三三三三ミ`
.`、ニ三三三三三三三三ニl え~~~>
',ニ三三三三三三三三ミ.,'
.〉ニ三三三三三三三ニ/
.,'ニ三三三三三三三ニ,.'
iニ三三三三三三三ニ/
,'ニ三三三三三三ニ,'
. ,ンヘn ,'三三三三三三三三.i
ヽニニヽ_'ニ三三三三三三三三',
`ー.、三三三三三三三三三三.',
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
③ワキール制度の確立
ワキール制度とは、高位のウラマーが弟子を世界のあらゆる地域に代理として派遣すること
この制度はサファヴィー朝成立以降確立されました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
278
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:03 ID:7d52629b
_
/ニ三ミ.\
,'ニウラマー三三ヽ
'、ニ三三三三ミ}
.ri `,ニ三三三ミ,' 師匠が王様に迫害されているんで助けてもらえませんか?
._,-、!.| '、ニ三三ミ,'
.〈~三ミ,' '、ニ三三ミ`、._
._f三ミノ ._ ,, .-''ニ三三三ミニ=‐- .,
.,'ニニ〈 ,r."ニ三三三三三三三三三三ミ`, よしわかった>
i三三./ .,.-'ニ三三三三三三三三三三三三ミ',
,'三三i_/´ニ三三三三三三三三三三三三三三.',
.,'ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.',
iミ三三三三三ニ. ,三三三三三三三三三三三三三ミ',
.`.-.=.-‐.''"´ ',三三三三三三三三三三三三三ミ',
.l.三三三三三三三三三三ニ,'',ニ三ニ.',
l.ニ三三三三三三三三三ニ,'...iニ三三',
l.ニ三三三三三三三三三ミ,' .!ニ三三i
lニ三三三三三三三三三ニ| |ニ三三|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このワキール制度がなんだって?と思うかもしれませんが
この制度が以下の3つによって、国家のレベルを超えて
シーア派ウラマーが影響力保持し、国家が手を出しにくい状況を作ったといえます。
1、各地でシーアの伝達及び教育によって国家の枠組みを超えて一般信徒へ影響力行使
2、宗教税の実質的な取立てることで、全世界から資金集め
3、ウラマー間のネットワーク構築によって国際的な影響力と圧力
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
279
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:13 ID:7d52629b
__
//ハ、
////;ハ
//////リ
./////E!/
////>E}¨ ‐ ミ
/// ヽ
//' 部族 ‘,
//;| , -‐  ̄ ヽr;',
///{ / _,.ィ∧
f///ハ_ ト廴_,. z‐tヶァ !iハ
|//八ヾヾム ゞ'′i ', .!リ‘,
'"´ ヽ _ヘム. λ .i!へ`} ……シーア派をシンボルにして
ノ丿ヘ'ム '´_ ;!K㌢
'<圭i`、ミ、'_ニ´イ'/: :\ー-tっ.-.-.- 部族争いを避けるか
,. ヘ/: :`:ー>-二イ : : : : }ヽ=----:-:
_,. .<: :0: ト:、: : : : ,ヘ:|<\/:У:| マニニ!: :
/:´: : : : : : :/: : :\: /: : :l!:,.:-: ヘ/: : ! !ニニ!: :
./: :_:__:,.:ィ≦i\: : : : :´: :`┐ : : : : : : : i_,.斗マ=!: :
:/:i: : : `iニム. \: : : : : : :i: :_; =- "´ ヘ ノ oヾ、
: : : i : : : ヤニ=ト _,.斗‐ '"´ \∨``
: : : :ヽ: : : У'"γ/ j ', >ー
: : : : : \∧∠、゚〈 / ', _,. '"
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
④アラブ部族との同盟及び改宗(主にイラクについて)
最後に重要な点は、18世紀~19世紀にかけて
シーア派ウラマーは都市民だけでなく、現在のイラク南部居住のスンナ派部族を
シーア派に改宗にさせて、シーア派地域を作っています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
280
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:23 ID:7d52629b
ウラマーのメリット 部族のメリット
・聖地巡礼における通り道の治安維持 ・部族紐帯に変わる宗教的紐帯の導入による分裂回避
・国家に対して武力による示威 ・定住化による部族組織の弱体化によるウラマー権威の保障
・サウジアラビアのワッハーブ派への対抗 ・サウジアラビアのワッハーブ派への対抗
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
彼らが改宗するに至った経緯というかメリットに関しては上記のとおりです
それで、結局どういうことかというと、部族という武力を得ることで
ウラマーは政治的・社会的影響力をますます強めたということですね。
国家に対していざとなれば武力を持って反乱を起こせる。
例えば、1920年イラクのナジャフで起きた反英暴動は、こうしてシーア派化した部族の武力が使われたとか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
281
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:33 ID:7d52629b
,. -‐……‐- .,
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
/:::::::::::::::/|:::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::: / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::. __
/:::::::::::::|:Λ| |::人:::::\::::::::::::::::::: | |
:::::::::::斗|‐-ミ イ\⌒\:|::::::::::::| |
::::|::::::Λ| ィてぅミx|::::::::::::| /
|: |::::::__笊てハ トハツ 〉|:::::::::Λ\/
|八:::::::〈 Vツ 、 |/|/ } \_〉
. \Λ /:::::::/ノ ……と、ここまで 見てきましたが
|:::::| , 、 /:::::::/:::::|
|:::人 /:::::::/::::::::| 簡単に纏めると以下の4つが20世紀以前の状況だったわけです。
/:::::::个 :::::::::/:::::::::::|
/::::::::::/|:::|::::::|≧≦ {::::::/::::::::::::::| ①国家の官職就任による国内的影響力
/::::{::::::::/_ノ:::|::: ノ /\{ ̄ ̄⌒\
/:::::: /\:::{ ̄ 〈 / / | ②独自財源による豊富な資金(=バザール商人との同盟)
. {:::::::/ { 只 ̄ / __ |
. {:厂{ {_ /⌒ |⌒\ /´ /〉 ③ワキール制度による地方や国際的な影響力
/ //  ̄`\_ノ / ̄ニつ /:::::Λ
__/ ( / \_/ ⌒\> /::::::::::Λ ④アラブ部族改宗による実力保持
〈/  ̄ ̄\ \  ̄ ̄\ /:::::::::::::::::|
/ \ \ /:::::::::::::::::: |
. { \ / ::::::::::::::::::: |
\___>'''^` ̄ ̄ \__ /:::::::::: /Λ:::::|
. / \__/::::::::::::: / }::ノ
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l
. / \. (__人_) | 金!暴力!権力!の3つがあるってことだな……
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l
/ (●) (●) \ { / こりゃ国家も手出せないわ
. | (__人__) | ヽ /
\. ` ⌒´ /. / `ヽ
> <. /. <⌒ <)))\ l しかも、国際的なコネもあるから厄介だお……
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
.
282
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:43 ID:7d52629b
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
②1920年代以降のシーア派宗教界
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. _____
. ,.、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. _
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:''^~ ̄ ̄:.:.:.:.: ̄~^'' 、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:./ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
|:.:.:.:.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
/:「\_:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. `
ニニ|:.:.:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /|: / .| :.:./ | Λ| .:.:.:.:.: |
ニニ|:.:.:.:./:.:.:/|:.:.:.:.:.: |ー/‐|/―|: /  ̄|:/ ̄|.:.:.:.:.:|:.|
ニニ|:.:.:/:./:.:.:.| :.:.:.:.:.:|:./ | / __|.:.:.:.:Λ|
ニニ\{/__八:.:.:.:.:|____ ィ77TT| :. / |
Τ二|:.:.:Τ/⌒|\:.:.Τ^广V777ド |//八 |/
|二|:|:. 八( |:.:.:.\| └ ,,∨/ノ ''':.:.:\
└‐<|:|:/:.:.:.\」:.:.:.:. \ 丶 |:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:.:. 八:.:.:.:.:.:. `、 八:.:.:.:.:.| しかし、こうした強い力と影響力を持つ
|:.:.:.:.:.: /:.:.:.\:.:.:.:.:.: ', , /:.:.',\:.: |
. / :.:.:.:. /:.:.: / ̄\:.:.:. | ゝ /:.:.:.:.:.:.', ∨ シーア派ウラマーは近代化の過程で徐々に力を失います。
/ :.:.:.:. /:.:.: / / ∨:.| ≧=ー--く ̄`\_:.:.:',
. /:.:.:. /^ ̄/ \ |:.| / \ \ Vヘ ', 具体的には1920年代以降の話です
/:.:.:.:./ \ \|.ノ | \ ' | |: ',
:.:.:.:./ \ `、 _ノ\ ', | |:.: ',
:.:.:.√ \ `, Λ ', | |:.:.: ',
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
| ( ●)(●) ___
. | U (__人__) / \
| |r┬-| /─ ─ .\ 1920年代って何かあったけ?やらない夫?
. | `ー'´} \ / (●) (●) \
. ヽ } \ ...| (__人__) |
ヽ ノ \ \ ` ⌒´ _/ え、……そうだな第一次世界大戦の終了とか?
/ く. \ \ ノ \
| \ \ (⌒二 |
| |ヽ、二⌒)、 \ | |
.
283
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:04:53 ID:7d52629b
,.....::::::::: ̄ ̄:::::`ヽ、
/-、::---:、:::::::::\:::::::\
,.:´::::::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::ヽ
/:::/::::/\::::::ヽ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::.
.':::::|:::/ \::::∨:::∨:::::、::|:::::::|_
|:::,::|/__ ヽ::{、:::::∨:::{Ⅵ::::: | `ヽ
{:イ::|' ` イ}´\::∨:|:::|::イ:| '
从{ィ雫ミ、 ィチ雫ヽⅥ:,_::::|::| 、/
|. 、Vリ V(ソ ノ':::::|) }:|::|ー' やらない夫さんの言うとおりです。
|:: , /:::::|ノ::|::|
|人 _ _ ィ{:::::/_}:::|:::. 第一次世界大戦の前後の国家の混乱と近代化が
人::::>.. _``「Yヽヽ='|::/イハ:j::::l
∧::}`┼╋+ヽ/\/Y/╋┼}:::::| イランではパフラヴィー朝(1925年~) イラクではイラク王国(1921年~)
〈╋`┼╋┼{´{_/∧/⌒ヽ::::|
/ 「>、ー― ∧ '. }::| といった国家がウラマーの影響力を削ぐ政策を行ってきたのです
,: |/r、//> 、 ∧ , |::|
l |/| Y 7ア/// ∧ ∨ ,:/
,.. -‐<~ ̄ ̄ ̄~^'':..,
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\__
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Λ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨-\
:.:.:.:.:.:. |:.:.:.|:.:. / |:.|:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.|----}
.:.:.:.:.:. : |:.:.:.|Λ| |人:.:.:.| :. |:.:.:.:.|---/
|:.:.:.:.:.:.:. Λ|\__ _><|\|:.:.:.:.|--/
|:.|:.:.:.:.:.:芋芋芋 芋芋芋:.:.:.:.|ー,′
|Λ:小:. | 乂ツ 乂ヅ |:.:.:.ノ}-j
. Λ|\| ' |/|_厂
/|:.:.:.:| ― |:.:.:.|〉 というわけで、イランとイラクに絞って
. /: |:.:.:个:.... └‐‐‐┘ ....:个:.:.|Λ
/:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.}≧=≦{_:.|:.:.:|:.:.:.|: Λ そのあたり6点ほど見ていきましょうか。
. /:.:___:.:.:.:ノ/´ノ 乂}`\:.:.___:.:Λ
:.:./ニニニ{ \__ __/ }ニニニ∨:
{:.:.{ニニニニ乂 \./ ノニニニ|:.:}
.
284
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:04 ID:7d52629b
||{}i i{}||
||{}i i{}||
||{}i i{}||
||{}i i{}|| ,. '"´ ̄ ̄``ヽ、
||{}i 〃`'''ヽ i{}|| /.:.:.:./```ハ.:. :. :.:. ``ヽ
||{}i {{ ` ,'' }} . {}|| ,.イ.:.:.:.ノノ /ハハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
||{}i ,.ハ`ニ' ノノ i{}|| jハ.:.:,ィイ ′ ヾ.: . :.: .: .:ヽ
,. '"´  ̄`ヽ  ̄`ヽ ||,r‐‐ ' li.:.:.:.:./ム i{}|| ヾ{ 二ヽ ー='´__ ヽ.: .:.lii.:.:.i
/ \ \ / VハハV  ̄`ヽ /:,′ ¨7 ``  ̄`` V.:lii.:.:.:l
/ ヽ ヽ / ,.ィつハハハ リ '、 ,'.:.{ 〈 .. .,、 ハ:.:.:.:.:.ヽ
/ / ,r'ニミ彡ミヽヽ. / _,ム/ ソll: :::ll / i {.:.:.! ,r=== 、_, ハl.: .: .: .:.ヽ
/ / ,.ィ彡' ', ', L ____ノ´ ll::::::ll,. イ l l.:.:.l ヽ ___ノ , ' _ ノ.:.:.l.:l:.:l:.:l!
.:/ ,.ィィ彡'′ l l l l ( () /.:.:ハ.:/ Vノノ イ ',.:.:.', /,.: .:. :l .:l :. :/
/.:/.:/.:.:./ 乍彡'、、、,,_ ,,,,,iソノノ /.:.:.:.:`V:.:.:.:.:./ハハ/.:.:.:.:.:! ヾ.:ヽ __ / i.: l:l :l: :l: /
VV/.:.:.:ヽU〈 ==`′ ,r==イjjjj! l.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ヾ「¨¨¨´ .: .: .l :/
``ヾ彡'ゝ1 "´ l! ノソソ ヽ.:.:.:.:.:ノ`Y´YY ハ.:.:.:.:.:ノ / L ,. '´ ``く
, .ィ 〈 { ,__」 / l ',.:.:ノ________/⌒7 _ _,.. イ /⌒ヽ"´ /```'''''
.:.:.::l ヽ ヽ r---ァ/ l l ,.ィ "´. :. :. :. :.: .:l/ ヽ / . :. :.: .: .: .
.:.:.:.:l \. \ `ニ./.:.:.`丶、 ', l /:./. :. :. :. :. :. :. :./ ヽ /. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.::.:l \ ヽ __/.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:`丶、 i. l. /.:/. :. :. :.: .: .: .:/ ,. イ. :. :. :. :. :. :. : .: .: .:
.:.:.:.:.:l \_/ l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:lヽ l l /.:.,′.: . :. :. :. :. :.`7~~~~~~~~~~~~ト、/.: .: .: .: .: .: .: .: .: . :.
.:.:.:.:.:.ト、 ,.イ(( ハ l.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.r==== ∩、 /.:.:,′.: .: .: .:. : .:. `7ーー ー ー ーー ーV.: . :. :. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.:.:.:.:l \/// `ー' V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ l lノ.:.:.:.:.i .: .: .: .: .: .: .:.:7ーー ー ー ー ー ーV. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :
.:.:.:.:.:.:.l // ト、..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:( ̄`ヽ ,.イl.:.:.:.:.:.:l. :. :. :. :. :. :. :. :7~~~~~~~~~~~~~ V.: .: .: .:. :. :. :. :. :. :.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
①国家の中央集権化によるシーア派ウラマーの排除
この時代欧米や国内で非宗教的な教育を受けた世代が大きく増えたわけですが……
それは、これまで知識人であったウラマーの必要性がなくなるってことです。
国王も気にせず、ウラマーの代わりの人材を官職に据えることができるようになった。
つまり、国家の決定にウラマーが関われなくなった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
285
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:14 ID:7d52629b
:.: :.: . . . . . . . . . . .  ̄ ̄  ̄─── .!_____| |____.. |
_:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.: . . . . . . . .  ̄ ̄
: .  ̄ ̄Λ_Λ──______:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:.i ̄ ̄i:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:::::::::: /:彡ミ゛ヽ;)ー、::::::::: Λ_Λ. .  ̄ ̄ ̄ ̄─‐. ⊂ニニ⊃ ______:. :.:. :.:. :.:. :.: Λ_Λ:.: :.: :. :. :.
::::::.../ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i:::::....(-д-::: )ー、::::::....... ( ゚д゚ )ー、 Λ_Λ:: .. . ̄ ̄ ̄─(-д-::: )ー、::..
::. . / :::/;;: ヽ ヽ ::l::: . /i ;: :::i:::.::::::..... . /i ;: ::. i /:彡ミ゛ヽ;)ー、:::::::... . /i ;: :::i::..
: . (_,ノ⌒\;; ヽ、_ノ:l: . (:: ;;__/ :::./ |:::::...... (:: ;;__/ :::./::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i::::.... . (:: ;;__/ :::./ |:: .
i⌒\)i⌒\ /:: .. / ____/ :|:::::::::.... . . / ____/::/ :::/;;: ヽ ヽ ::l:::::...... / ____/ :|::..
| :::| ::;;_| :::| ::;;ノ: . i⌒i_ノ :i⌒\ /::::::...... . i⌒i_ノ :i⌒\(_,ノ⌒\;; ヽ、_ノ:l::::... i⌒i_ノ :i⌒\ /::..
| :::| | :::|:::: .... | :::| ::;;_| :::| ::;;ノ::::::::::... .. | :::| ::;;_| :::| ::;;ノ i⌒\)i⌒\ /:::::::.... | :::| ::;;_| :::| ::;;ノ::::...
(___/ (___/::..... | :::| | :::|:::::..... . | :::| | :::|:: . | :::| ::;;_| :::| ::;;ノ::::::.... . | :::| | :::|:::: ::...
(___/ (___/:::.... .. .. . (___/ (___/:: : | :::| | :::|:::::::.... . (___/ (___/:::.... ..
(___/ (___/:::.....
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
②中央集権化による税制度構築と財政難
中央集権化すると税制度も色々整うわけですが……
そうなるとこれまで不可侵であった宗教界の財産及びその後ろ盾のバザール商人にも税金が
さらに、場合によっては宗教界による財産管理そのものを拒否もあります
これによって、シーア派界は財力も失うことになります
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
286
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:24 ID:7d52629b
|| ∧ ∧
|| (*゚ー゚)
||_ (o o_______________________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
||三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
_ __ ∧∧ ___ ∧,,∧
|\  ̄ ̄ ̄\ |\ ̄( ,,)\ |\ ミ ,ミ
|ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ| |ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ| |ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ|
| |──| | | |──| | | |──| |
___ ∧_∧ ____ ∧∧ .___ .∧_∧
|\ (, .)\ |\ ( .)\ |\ ( )\
|ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ| |ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ| .|ヽ|ニ| ̄ ̄|ニ|
| |──| | | |──| |. | |──| |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
③世俗教育システムの構築とウラマーの排除
①の点とも被ることですが、宗教的な教育から世俗的な教育へ変化の時期でもあります。
イランやイラクでは、多くの世俗的な学校が作られるようになりました。
これにより、イスラーム教育自体の意義喪失及び教師であったウラマーの影響力喪失が起きます。
しかも、教育からウラマーが排除されることで、若手のリクルートすらできなくなったのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
287
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:34 ID:7d52629b
_
/三三ニヽ
./ニ三三三ニ`、
{ニ三三三三ニノ
',三三三三ミ/ ト
',ミ三三三ミノ |.l,.-、_
_.,/ニ三三ミ/ ',三ミ~〉
_,,.-‐=ニ三三三三`- .,,._ ヽ三ミ〕 やっぱナショナリズムがナンバーワン!
,'三三三三三三三三三三三ミ` 、 〉ニミ',
,'.三三三三三三三三三三三三三`-、 `、ニニ', イスラームとかださいわww
,'ニ三三三三三三三三三三三三三三ミ\_〉ニニ.',
.,'ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三ニ.',
,'ニ三三三三三三三三三三三三ミ.,- .,ニ三三三三ニ〉
.,'ニ三三三三三三三三三三三三三.l ~"''ー-.=.-'
. ,'.ニ三ニ,'',ニ三三三三三三三三三三',
.,'ミ三三ミi ',ニ三三三三三三三三三三l
i三三三i .',三三三三三三三三三三ミl
|ニ三三| |ニ三三三三三三三三三ミ.l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
④民族主義の台頭とイスラームの周縁化
そして、この時期は宗教ではなく民族主義が盛んになった時期です。
アラブであればアラブ民族主義、ペルシャであればペルシャ民族主義と……
その主張に差異はあれど、おおむね宗教は民族的文化程度として扱う傾向にありました。
そうした世代が増えていくにしたがって、イスラーム自体の価値が低下していきました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
288
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:44 ID:7d52629b
|┃三 , -.―――--.、
|┃三 ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
|┃ .i;}' "ミ;;;;:}
|┃ |} ,,..、_、 , _,,,..、 |;;;:|
|┃ ≡ |} ,_tュ,〈 ヒ''tュ_ i;;;;|
|┃ | ー' | ` - ト'{
|┃ .「| イ_i _ >、 }〉} _________
|┃三 `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-' /
|┃ | ='" | < 話は全部聞かせて貰ったぞ!
|┃ i゙ 、_ ゙,,, ,, ' { \ 全員共産党送りだ!
|┃ 丿\  ̄ ̄ _,,-"ヽ \
|┃ ≡'"~ヽ \、_;;,..-" _ ,i`ー-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃ ヽ、oヽ/ \ /o/ | ガラッ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
⑤共産主義の伸張と一般民衆の共産化
イラクであれば、イラク南部のシーア派地域やバクダットの貧困地域
イランであれば、テヘランの労働者や北部の小規模農家など
こうした人々は 共産主義に同調してシンパになる人が多かったのです。
なぜかというと、これらの地域の人々は、政府の進める発展から取り残されていましたからです。
一方で、共産主義の伸張は、シーア宗教界への幻滅と影響力減衰につながるわけです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
289
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:05:54 ID:7d52629b
,.ィミ、
/彡巡}
ィ彡' Y イ _,,...,_ /}
'"rX二〉! / jⅥ彡ミミヾ〈
_,. ィベ _ィヘ 入_!/'/' ̄マミヽ
/: Tヘ: ヽ':`イィ/;'/ // ̄ 、'イトマヽ
ノ: γfァ┴-/イ'/ / 、 .:! ヤ` 王様にゴマすりしなきゃ……
/; ィ´、_>=,イ// ル! ∧ 込 ヽ:.:i:/ }
ノ: { ヽィヘ イ巛'{ /!.' ヘ ∨, ┴-、f
`ー,≦┤∧"{iリ ./:;:{、. ヘ / ,. -- 、}
f:´メ /'" ‘, / :;:;:;:ヽ、// ! !
_r:'"〈/ ‘,/ :;:;:;:;:;:;>;ヘ / ト
_У⌒' ‘, :;/´ /,イ' 、.,.,ヽ',.ィ〉
> ./ / / `ー===イリ ヽ\"`` ノ
__}心{ : : : ヘ / / / メ:廴 ̄
}ニニ〈 \ : : : ! ‘, / 入_メ; : : :ヽ,
,仁ニ/\. \: : : }/ / / ヘ: : : : >
|ニ'/ \ `ヽ、_, -、_,. < / ,'{ : : 〈
lニ' { `ヽ、 //¨、∨_>" ,. i i: : : :〉
レ ハ LT二fチ/ 二/ }.マ: :f
ノ {ニ{ ヽ | !' / /,. .! マ;i;!
/仁、マ! \;'; ! .!/ ,:;:' !ミ マ;!
ゞ三≧.i `ヾ;.! .! ,:;: /∠ミヽ
ヾニ! ./ i ! ;:; λ'ニニ∨
.Y . . / ヘ ト、、 ヾ ,i;i;「¨¨´
/ . : :/  ̄ ナ≧イ\ /;i;i;!
{ . : : ィ圭/``! ,ィミ!ヾ`
! /圭Ⅳ .! i ,佳ミ{
/ /./ Y圭ミ{、 ヽ| 佳圭i、
\ ヽ. l圭ミ/ / .{ Y圭/
ヽ { !圭f / ヽ!圭!
ヘ \圭|,、 ハヽ:, 〉i;i;!
ヘ ヾ ヽ } ;:' f
{ _ ,ノ. ,′ .!
`¨´ `
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
⑥政府による部族の取り込み
ウラマーの権力の源泉であった部族ですが、1920年代以降部族は同盟を破棄することになります。
なぜならば、力を失ったシーア派宗教界と手を組むよりも、新しい国家で
議会や警察や地方自治などを通じて、自分の権益を確保する必要性が出てきたからです。
こうして、ウラマーたちは武力さえ失ったことになります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
290
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:04 ID:7d52629b
______
―――:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\__:.:.:.:.
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.:.:.:.:.:.
. /:.:.:.:.:.:.:.:Λ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.
| :.:.:.:.:.:.:. | |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.: ̄
|:.:|:.:.:.:.:.:.:| :.:.:.:.:l\:.:. \ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨:.:.:.:
|:.:|:.:.:.:|:.: | \:.| \_:.:.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
|:.:|:.:.:.:|⌒ヽ ^\ ̄ \「 \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:
|:.:|:.:.:.:| _ ___\: | :.:.:.:. |:.:.: ……というような変化が起きたわけです。
|八:.:.:.|{⌒{㍉、 广¨{:し勹⌒j| :.:.:.:. |:.:.:
| \{\ V:.:} V;ン ノ:.:ノ:.人|:.:.: 簡単に纏めると、以下の6つになります。
|:.:〉  ̄ '' ″ イ:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.| ` u /|:.:. /.:.:.:.:.:
|:.人 _ /:.:.:.:/.:.:.:.:.:.: ①国家中枢からの排除による政策決定の関与外
|:.:.:.[\ ~⌒^~ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
|:.:.:.| |\ _ -≦ |:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.: ②徴税制度による財政難
|:.: ノ 人:.:.:.:.:.:.:.: | |:.:.:l\.:.:.:.:.:.:
|/ \>⌒ /\| \:.:.:.: ③教育システムからの排除
/-/ / _/ニニ:.:.:
/ニ∨ / _/ニニニ\: ④民族主義勃興によるイスラームの周縁化
[ニニ/ / _/ニニニニニニ
. /[ニ∨__/ _/ニニ/ニニニニニニ ⑤シーア派一般民衆の共産化
/-[ニニ| /ニニニ√ニニニニニニ
/-[ニニ| /ニニニ√ニニニニニニ ⑥部族との同盟消滅による武力喪失
/ ̄ ̄\ ____
/ \ / \
|:::::: U | / ⌒ ⌒ \
. |::::::::::: | / (ー) (ー) \ さっきまで強みだった部分が弱点になっているんだな
|:::::::::::::: | /| (__人__) |\
. |:::::::::::::: } \\_ ` ⌒´ _// ……それで、この時期宗教界はどうしたんだお?
. ヽ:::::::::::::: } \ //
ヽ:::::::::: ノ // ⌒\ / ./
/:::::::::::: く _./ /ヽ ` ,ノ ../
-―――――|:::::::::::::::: \――(⌒ 、 ,/、 ,/⌒ヽ―――――
\_)/ \l 丿
` ´
.
291
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:14 ID:7d52629b
_ ....-‐………‐-... _
/__::.::>''´__::.::ニ- _
/ ̄::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.::\
/ ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:: \::.::.::\
. /::.::/::.::.::.::.::.//|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::Λ___
/::.::.::/::.::.::.::.::./ |::.::.: |::.::.::.:\ ::.::.::.::.::.::.: ∨::Λ |
. /::.::.::/::.::.::.::.::./ ::.::.::.|::.::.::|::.::.:\::.::.::.::.::.:: ∨ ::| |
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.:| ::.::、|::.::.::|::.::.::.::.:\::.::.::.::.::.|/| /
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|ノ \: \::.|::.:\::.::.::.::.::.::.::.::.| :: | く
|::.::.::.:|::.::.:┼ベ~| \::.`ー―:\::.::.::.::.::.::.|/|__)
|: {::.::.|::.::.::.|__≫=ミ ≫===ミ_∨::.::.::.:Λ:/ 「
|八::.::.::.::.:: Υ {(:::ハ 〃 { (::::ハ Y | ::.::.::./::./| |
{ \::.::.::|八 乂;;ノ 乂;;;ソ ノ |::.::. /^i/::| | 何もしませんでした
|\{乂_ 、 八Λ{ ノl ::|、_|
|i:.::.:八 Λ::.::/ イ八::| γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
|i:.::.::.:: \ , /::.::.:/::.::./ ::.: |i | はい? .|
|i:.::.::.::.::.:个 └ イ/::.::.:/::.::./::.::.::.:i|i ゝ________,ノ
ト|i::.::.::.::. | ::.::}> -=≦ /::.::.:/::.::./ ::. | ::. i|i
|i::.::.::.::.:厂/ ̄ノ / ::.: /::.::./::.::.::.|i:.::. i|i 国家と社会から排除されたウラマーは
Λ ::.::.:/// /::.::.::.: /}/~^''<|i:.::.::.i|i
. / \::.{ / /::.::.::.::.// \::.::.i|i 政治非介入路線をとることになりました。
___
/ \ /
/ ― ヽ /
/ ̄ ̄\' ( ●) '、 /
/ _ノ\ (__ノ_) / ……いやいや、普通そこは反発するところでしょ
| ( l `_⌒/
. | (__) ⌒ヽ l´/
| `ノ ヽ ヽ'´ というか、政治非介入路線なんでとるんだよ
. | } \_ ̄⌒)
. ヽ /l /  ̄ ̄
ヽ ノ l ./
.> < ヽ/
| \ /
| ト、 \_r--、
| /ヽ___ノ
.
292
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:24 ID:7d52629b
※例えば、19世紀末にイスラーム高等教育を受けていた人数は1万2000人いたとされるが
1918年には6000人 1957年には1954人まで減っている
____ __
/ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.\
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.\
. / .:.:.:.:.:.:.:.: //|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.\
. / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \:.:.:.:.
/ .:| :.:.:.:.:.: / :| |:.|\ :.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.: |:.:.:.:}――┐
|: /|:.:.:.:.:. /|:.:.| |/ \―|―:.:.|:.:.:.:.: |―‐〉ニニ|
|:.|||:.:.:.:.|―― \|\:.:.|:.:.:.:.: |:.:.:.:|二二|
|Λ|:.|:.:.:.||/ イ^丁⌒>Λ:.:Λ|― |\二│
| |Λ:.:.| イ^丁 Lノ /∨:|:.:.:.:.:.|ニl\ノ
\:| Lノ , , /:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.|ニ| ……することは、ひたすら象牙の塔に篭って宗教研究ですね
/:.:| , , u. /:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|ニ|
/:.:.人 〈⌒ヽ |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.|⌒ するとますます宗教界の影響力は減少していくことになります。
/ :.:.: /|\ |:.:.:.:. |:.:|:.:.:.:.:.:l
. ;.:.:.:.:/ :l:.:.:.\__ |:.Λ:ノ:.:|:.:.:.:.:.:.l 当たり前だよなぁ?>
|Λ/ l:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.|:.:|Y^Y^|/^7:.:.:|:.:.:.:.:.:.:l
l:.:.:.:.:.:|:.:.:|r<X{__/X/⌒\:.:.:.:.:.:.:l
( . -──- /⌒\
\_,/_::::::-‐…‐-ミ::\xixixixiハ
>''"¨::::::::::::::::::::::::::::::::\::\xixix |
/:::::::::::/:/::::::::::::::::::::::::::::::\::|`Yixi|
/::::::::::::::/:::/{::::::::{::::::::::\:::::::::::::V:::|h∧
.:::::::/::::::::/:::/ l::::::::{\::::::::::\::::::::|_ノノ:}x|
|:::::/::::::::/|:::| \:::. \-─::|::::::√Y⌒^丶、
|:::/:::::::/:::|:::| \/ ≧=ミ::::ハノ\::::::::::::\
V::::::::::|::-|:┼… ヽィf爪_ } メ':::::::Y .}::::::::::}:::::\ こうした政治非介入路線をとったのは
\::::::乂:::.,,ァf弌, 乂rン/::::::::::::|__ノ__::::::ノ::::::::::}
\( ::込 乂r') /:::::::::::::/j'j'j'j'{/:::::::::::ノ 当時ウラマーでも上層にいた人たちです。
/::::)i:, ' _jI:::::::::::://¨ ̄ ̄\/
__/::::://^>。, 广 ̄ 乂:::::::/.. . ./⌒¨\} / 政治をみだりに混乱させないことが理由だったようですが
γ´__彡'′/\ `¨{ { \弋. .//⌒\. .∨ /
Y⌒ ̄__/ハ、 ≧=‐ } ノ /⌒∨. . ./⌒. . ∨/ 彼らを「伝統派」と呼びましょう。
_、-‐…=ニ二 ̄:::::::::::/. .|\__ノ / /. /∧. . . . . . . . . .〈
...:::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::/..ヽ|. . \\{ / | ' /. ∧. . . . . . . . . .}
/::::::::::::/:::::::::::::::/:::::::::/. . . .|. . ./ / jン゜ ∧〈. . /. ∧. . . . ... . ....}
.::::::::::: /:::::::::::::::/::::::::::::/. . . ...l. . .\/ / ./. . . ./. .\. . . . ..../
|::::::::::/::::::::::::::/:::::::::::::::/. . . \{. . . / //. . . . . . . . .|i \__/
.
293
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:34 ID:7d52629b
: .: .: .: .: . |
: .: . |
: . |
| ___
| /´::::::::::::::::::`\
|/ ::::::::::::::::::::Λ:::::::丶
|::::::/:::::::: /:/ |::::::::::::|
|:::::::::::::/:/. |Λ::::: |
|Λ|/fう rッ‐yΛ|\
|八|:::| 丶 /:: /:i:iノ 一方で、何が起きても我関せずの態度を取る伝統派に反対して
|:::::: 个 . - . .个/| ̄
|:::: |八-i-i-i-i-i-i}从 政治や社会的問題にももっと関われという動きも出てきます。
「 ̄\i-i-i-i-i-i-iΛ
|  ̄\ 厂∨ } これが「改革派」と呼ばれる人たちでして
| ]====I ', 〉
:.| | | | 以後1970年代に至るまで、伝統派と改革派は激しく争うことになります。
: . | ]====I | |
: .: .: . | | | |
: .: .: .: .: . | ]====I | |
.
294
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:44 ID:7d52629b
___
/ \ /
/ __ノ ヽ、__ \ /
/ ̄ ̄\' (● ) (● ) \ /
/ _ノ\ (__人__) | /
| ( l ` ⌒´ // 伝統派VS改革派?
. | (__) ⌒ヽ l´/
| `ノ ヽ ヽ'´
. | } \_ ̄⌒) 政治非介入と政治介入路線ってことだな
. ヽ /l /  ̄ ̄
ヽ ノ l ./ どこにでもそういうのはあるんだな。
.> < ヽ/
| \ /
| ト、 \_r--、
| /ヽ___ノ
___
''^~ ̄::.::.::.:´"''::.:´"'::...,
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\::.::.\
/::.::.::.::.::.::.:: /|::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.',
/::.::/::.::.::.::.::. / |::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::':,::.:',
/::.::/::./::.::.::.::/ .|::| ::.: |::.::.::.::.::.::.::.::'::.::'
::.::.::.: /_Λ/ |人_|_::.::.::.::.::.::.|\|
|::.|::.::|::.:|/ ̄` ´ |人::.:: |::.::.::.:|二| ̄\
|:人::.::.ィ灯)心 ィ灯)下\|::.: :ト|/「 /
_ \::.: 乂ツ 乂ツノ 八八|Y::.::厂∨
{i:i:i:i, _ノ::} ''' ' ''/ ::.::/ }::./\ノ
∨i:i:i, ⌒>::.::.::.{ /::.::.::.:/ヒソ:/|
. ∨i:i:i, /::.::.::/\ └ ' /::.::./:.ノ:: |::.::.::.| こうした改革派の活動が大きくなるのは
. く∨i:i:i,厂| {/:/::.::.::.:个: . 斗::/ ̄ :|::.::| ::. 八
厂つi, | Χ::.::.::./::.:ノ::.:{辷辷<|/ ̄}::.::.:|::.::|::.::.::.::.\ 1950年代からになりますが
. 〈厂つi:i:, \ /::.::.::.: ;斗ー辷;′;辷「  ̄ ̄~^'く::.::.::.:\::.::\
〈 Vi:i:i:) }― /::.::.::.::./ 辷;′;辷「 ∨::.|::.::.\::.::\ その前提には、イスラーム教育の改革にあります。
. \ ノ::.::.::.::.::.::.::.:/''^゚~~辷;′;辷「~゚厂~^'Y |::.::|::.::.::.::.::.::.::.:}
/| ∨::.::.::.::.::.::./ / r辷′;辷「 | { _ -=ニニニ- _::.::.::.:ノ\
/::.::.| V::.::.::.::.:/| | r辷′ 辷[ ┌、 _ -ニニニニニニニニニニ\::.::.::.::.}
. {/::.| ∨::.::/ | | r辷 ニノ)-┤ |ニニニニニニニニニニニニニニニ\::.ノ というのも伝統派のイスラーム教育は
/::.::.::| / ̄ ̄} | | r辷 -||( 二| |ニニ/⌒〉ニニニニニニニニニニニ\
{::.:/〈 /' |, -ニニニニ|| \ノ \/ /ニニニニニニニニニニニニニ} イスラーム学だけをやっていました。
∨ ∨ 八二ニニニ└\ /ニニニニニニニニニニニニニノ
{ {_\ニニニニニニニ\ ノ >ニニニニニニニニニニニ-
\__ _/ {_ ,. \ニニニニニニニ> (C)  ̄}⌒\ニニ‐
/ \ニニニニニニニニニ\ _ノ }
/ / ‐‐ニニニニ‐‐ { ノ
.
295
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:06:54 ID:7d52629b
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l
. / \. (__人_) | それの何が問題なんだ?
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l
/ (●) (●) \ { /
. | (__人__) | ヽ / イスラーム学をやるからウラマーなんじゃないか?
\. ` ⌒´ /. / `ヽ
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
...:::::::: ̄ ̄ ̄ ̄:::::...
/:/:::::::::::::::::|:::::::::::::|\:::\
r― /ー/:::::/::⌒::::::ノ \:::⌒ ∨::::
{ニニ|ー/:::::/ }ノ }/ ∨__ И::::j
. )ニ|ー!:::ィV/( )メ 〃( ノミメ |/
{ニニ|::::|::{ {/////} l////} |::|
( |::{ 乂 ⌒ソ 乂⌒ン |::|
|ヽ|::::ヽ (__,、__, L| ええ、それに関して当時の高位ウラマー ムハンマド・カーシフルギターは
|:::八::::} ノ|
|:: / ∨ >‐- _ --‐< |:ノ 「真のウラマーは、イスラーム学だけでなく現実の政治社会に応じた見解を」
|:/ /⌒\ ______ |:| 出すべきだ」と述べています
|′しuu-‐  ̄ _ノ--、|:|
| { / ノ::::| つまり、イスラーム学だけでは、現在の問題解決はできないということです。
.
296
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:07:04 ID:7d52629b
-< ̄ ̄\――
. / :::::::::::::::::::::::::::\::::::::::\
. /::::::::::::/::::::::::::::::::::::: ∨::::::::::',
. /:::::::::::/|Λ::::::::::::\::::::::::|―::::::::|
{::::::::: /八 \<⌒\::: |::::::::/| \
{::::::::::⌒ x==笊ミ|::::|::/ : ノ二 | そうした言葉を反映するように、イランやイラクでは
人:::::::y'笊 Vリ八N'⌒V::::|二ノ
\::ハ リ ,, ,/:::::::|,ノ ノ::::::|/ 1930~50年代にかけて教育カリキュラムの変容が起きました。
/::{' ′ / :::::: 厂::::::::::|\
. /:::人 - /::::/:: ノ|:::::::::::::|二} 具体的には以下の3点が重視されました。
/::::::::/^丶 _/::::// |:::::::::::::| ̄
. :::::::::′ ___{:::/-< |:::::::::::::|\ ・英語や社会学などの世俗教科の創設
. 人:::::| / 人{ `|:::::::::::::|:::::::. ・イスラーム学において現代的な問題の盛り込み
ヽ|. 〈 / 八:::::::::::::::::::::|
ノ//⌒ \:::::::::::::::|
/ / ∨ ∨:::::::::|
/ / / | :::::::::|
{ { / .| :::::: ノ
,__..::--*-- ---*--- 、
,__ ...:-y^::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>y--:..,,____.,
7:,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::゚´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
|:} リ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、ノハ
}< ハ::::>::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ~ ^::}
7:::::γ:::::::::::::::::::::::::::::::::i}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::i
/::::::/:::::::::::::::::::∨}:::::::::/ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ::::.ハ
i/::::::/:::::::::::::::::::::/ 1:::::/ ヘ:::::i ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::i
/::::::/:::::::::::::::/:`/- 、}:::/ ヘ::{,-ヘ/iヘ:::::::::::::::::1::{>:{ そうした改革によって目指したのは以下の2点になります。
l::::i/マ::::::::::::/ィi/=ミ i/ }i <ヘ::} iヘ:::::::::::::::}:::}:::::::i- 、
イ}:/:::::}:::::::::/i }ィ ハ ,ィ^ハ ハ::::::::::/i/:::<} i ①世俗的学校とイスラーム学校の両立
{ :|>-i:::::::::{ :| {つ i {つ i i}:::::::′<:::::| / →宗教教育、世俗教育を受けた人の社会的統合
,ヘvy マ{::::::::::マ::::|八 ,ー:イ ー:イ ∨}:/:::::::::::::::::i_/
{ マ ノ:::::::::::::ハ/::::::} /:::::ヘ::::::::::::::::ハ ②政治・社会問題に精通した人材育成
ヘ::::::::ー<::::::::::::/::/::::::人 。 /::::::::::}::::::::::::::::::ハ →ウラマーの政治社会への介入の意図
>::::::/:::::::::/i:/::::::/^->s。........ ..........,yt^ー<::::/::::::::::::::::::::::ハ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }::::::<゚ー-<~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ¨ー<}/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
297
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:07:14 ID:7d52629b
''"~ ̄ ̄ ̄~"'':..__
. /.:.:.:.:.:.:/ ̄:.:.:.:.´:.:.:.:.:.\
. ,:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:._:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | \:.:.:.:.:.:.:.:.
. √-=ニ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.| \:.:.:.|:.:.|
/ {:.:.: ―:.:.:.:.:.:.:/ : //|:.:| '⌒:.:.八:|
. (二八:.:.:.-| :.:.:.:.:// /'⌒ |:.ノ 仍うV:./ノ
. {ニニニ|\:.:|/!:.:./|__笊示ミ ヒツ {:/
. {ニニニ|:.:Λ|人/ :| 〈 ヒツ | このような教育は伝統派の当初反対にあいつつも
. \ニ/|:/:.:{( 人:.:.\ 人
/:./:.:.:.|:.|>-\:.:.\ ' ´ ⌒` 1950年代以降は、こうした教育カリキュラムが主流になります。
. // /:.:.: 人|:.:.:.:.:.:.:.>- \ー―く \
. /:.:.:. /:.:/:. 〈\_彡'´ ) ) _
/:.:.:.:.:.://:/:.:.:.:{\__  ̄ ̄~^'  ̄ }‐┐|| こうした教育を受けた世代が次に狙ったのは
//:.:.:.:.:.:./:.:.:./: |:.:.:.{ ァ=-‐''~⌒\___ノrヘ:||
./ {:.:.:.:.:. /{ :.: |:.:.:|:.:.:八______ ,.イノ / ∨/⌒ } 実際に政治・社会問題に参画することでした。
{ 八:.:.:.|人:.:.:. |:.:.:|/{. . ./ / / {/⌒ 〉
\( \:.|:.:.:| {. ./ / { ∨⌒i| それは以下の3点に要約することができます。
人:.:| {.// } | |i||
/( \ /Λ } } } |i||
. ( \ / / } } V} |i||
. \ / / 〈 人 } |i||
.
298
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:07:24 ID:7d52629b
._
. ./ニ三ミ.\
,'ニ三三三三ヽ
.'、ニ三三三三ミ}
.`,ニ三三三ミ,'
'、ニ三三ミ,' 反米!反共!
.'、ニ三三ミ`、._
._.,,.-''三三三三ミ"'.‐ .,
.r''三三三三三三三三三三ニ`,
. .,'ニ三三三三三三三三三三三ニl
. ,'ニ三三三三三三三三三三三ニ|
.,'ニ三三三三三三三三三三三ニl
.,'ニ三三三三三三三三三三三三,'
!三三三三三三三三三三三三三,'
. l三三三三三三三三三三三三三,'
|ニ三三三三三三三三三三三ミ,'
└-‐i.三三三三三三三三三三ニ,'
. .l三三三三三三三三三三三|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
①ファトワーによる政治的影響力の行使
ファトワーとは宗教権威による法学解釈ともいうべきものですが
これを利用して、共産主義や植民地主義への反対を訴え、人々の信頼をある程度勝ち取ります
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
299
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:07:35 ID:7d52629b
__ ,-‐-、
. / ヽ'ニニニニニ|_!_!ュX二二二二二二二二二二コ
/ ソ連 `、 `'}‐┴、
i______i , - ─‐- 、 { ̄`{ 反対 / 反対
} | r} ` / -' | |`i/ 革 命`、 }_, ,! __ / /
{ 'ァ' `ー'/,_ )!_______lノ`i, / ヽ ─ - 、 /
,-ソ||、 .ノ/ニ|`i∥ / - r {⌒ / | 粉 砕i . / 斗争ヽ ,-rrr、
/' \`ミ.、_ `='ノ iニij ,ニ゙ l `i /Lr、___| !____j iっ,!,!,!
\. \  ̄,ノ`i ヽ |r┼-、 i' v{_ (__ハ_! | { ノ^i'_フ'i,! `i { 反対
\. |\==|/`|\\`ー| ´|ニ、ヽ | i ` ,.-i ! }、|- ,-'i |\_|>
\|ヽ } ノ i \ | 〉' `ー'/ ,<.j 二ノ /ソ ヽ._`ファ-ァr{`ー-1
O|/ |l/ i ノ´| / /_ノ\\ "{ヽ/''''ヽ ゝ/|ヘ! /ノ |
| リ /∧ V_i/ ヽ_|\ノ「ヘヽ |/ |-── '
|0` | / ヽ_/|\ 、 `| {∧ | |
| | /ノ | \ リ | ノ i ヘ | | 反対
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
②政治組織化による訴え
国家の中枢から排除されたウラマー達が、影響力行使するには
政治的な組織を構築して、政策を訴える必要があります
そうした受け皿が政党であったり、青年組織であったりしますが……ともかくもそうした組織ができたわけです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
300
名前:◆0SmFBoNV9I[] 投稿日:2020/04/13(Mon) 00:07:45 ID:7d52629b
_ _ (◯
,..:'.:.:.:.:.:. :ヽ、 ,イ7´
/;;;:;:.r─‐-、jlノ\ /;:;:i
|;;;;:;:;{ ,,_ `ヾN /;:;:;:.!
l;;r、/ rェテ rz< リ /;:;:;:;:;|
r‐j uj. , _j 「 /;:;:;:;:;:;:|
〉フ^8、 ' r -, / /;:;:;:;:;:;:;:;|'
二二二 二_ _,, ィ´/ \ `´ /二二 二二二 二二,/;:;:;:;:;:;:;:;:;:|二二 二二 二二二
, r‐'"´ / lト、 丁´ /|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
/⌒ヽ. / ハ \__/| ト、 / |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
,! ゙、 \ / ', O ト、! \ / |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
| ', 〈 , l ヽ l! / |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ,.-─- 、
| ゙i/ ゙、. ゙、 / 〉| l ,/ !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| /,^ヽ _,、 !
| !リ ゙、 V / ! | ,/ |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|. リ,,,,_ ,,,,_ ! |
| l! \ l / ,! | / !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| /´~7 `~'`{ j
.! } \!/ ,' | /i |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| ! /^ニヽ ソ
! | | / │ ,/.::| |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| 」  ̄``,イ
| ! ! | / | /.:.::l| ,ィ´.:.:.:.:.::,、 -‐ ''7.:l `\二7 ハヽ,, _
| ! / |,イ | /:.:.::::|| /.:;;/ /. .:. : .:. :./.:.:.ト、_ ,イ;;;;;V^!.: i.:.:.:`
ト、 V / l |/.:.::::::::|;! |:;;;;i / .:. :.: .: .: .:..|_.:_.:! 〉;;;{ l.:.:.|.:.:.:.:
/ ト、 \ / l !:.:.::::::::|;;| |;;:;;;!! .: .:. :. :. :. :.: /.:ヽ /;;;;;;|/:\.: .:.:.:
′/ \ \ /| | 」:.:.:::::::|;;;| \;;||. :.: .: .: .: .: .: \:.::.:\;;;;;;/ :.:./.: .:.:.:.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
③国際的なイスラーム会議とスンナ派との連帯
従来のワキール制度が国民国家の中でうまく機能しない中、広くイスラーム世界との連帯を求める動きも出ました。
特に画期的なのは、1959年のエジプトアズハル学院による、ジャアファル法学派の承認です。
これらによって、国際的なイスラーム世界との協力体制も構築されるようになったわけです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.