やる夫で学ぶレンティア国家
351
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 13:59:06 ID:150c4a01
>>349
フランスやドイツだって天然資源に乏しいぞ。
ドイツで豊富なのは石炭ぐらいなもの。
シンガポールみたいに資源0でも先進国入りしている国はある。
352
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 14:01:31 ID:ee5cf467
日本の資源ないない詐欺は囲まれてる米中露とかに比べたらないって話だよな
353
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 14:14:34 ID:150c4a01
>>352
まぁ採算ベースにのる資源は少ないのは確かなんだけどな。
あと、自国で生産していないと、戦争や資源価格高騰に弱いというのはある。
逆にいうと、平時の経済成長において必須かというと全くそういうわけではないんだよね。
354
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 15:15:39 ID:04b6f2e1
乙
資源あっても革命前イランみたいに外国資本に持ってかれてる状態なら呪いは発生しないっぽいのもまた皮肉だなぁ
355
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 18:46:40 ID:f6888606
採算ベースには乗せれるけど外国のダンピングや産出量調整で取れなくなる
資源国の安定は経済まわす上で大切だから下手に手を突っ込む理由が薄い
海運押さえられると困るから理由が無いわけじゃないけど
356
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 20:20:51 ID:5e134ec1
乙でした
しかしジェンダーとかの話出てくるとは思わなかった、一般日本人からムスリマの大学教授にまでなったありすからすると色々思う事あんのかな
357
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/07(Sat) 21:22:40 ID:087d5326
>>356
そういう半生を送ってしまったがために、料理の腕前はイチゴパスタなわけですね・・・。
( 0w0)ウゾダドンドコドーン!
358
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/08(Sun) 09:52:03 ID:e0b8eb80
乙でした
359
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/08(Sun) 14:43:25 ID:1bcbd270
乙でした!
「資源の呪い」という単語自体は某アフリカのスレで知った
360
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/09(Mon) 18:08:46 ID:c3375593
>>359
あれみると資源があるのも良し悪しよな、という気がするね。
でも、教育、インフラ整備等について、
資源による安定的・豊富な財源がなければ、
発展の速度はもっと遅かっただろうと思われる。
元々の土台が、農耕には不向きな大地と、誠実で団結はしているけど教養はそれほどない40万の国民だからね。
「人こそが資源」の国はどこも発展しているとはいえ。
361
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/09(Mon) 18:19:36 ID:cbf614a2
日本は資源が少なくて自然災害が多いのが
プラスに働いてる部分があるのかもね
362
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/09(Mon) 18:39:31 ID:5a3aacd8
内向きの間にとりつくした結果藩や県の規模で収まったともとれる
資源国となれるほど無かっただけかもしれないけど
363
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/09(Mon) 19:50:28 ID:8f2cbfd0
金銀銅に関しては世界有数レベルの埋蔵量「だった」よ
この辺の資源は古代程度の精錬、採掘技術で取れる関係上、すぐになくなってしまう資源であるが、
それでも昭和くらいまで掘っていた程度に埋蔵量があった
364
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 06:02:33 ID:a91b6da7
江戸時代に鎖国して国内で自給自足できたのは、それもあったのかな
人間は易きに流れてしまうものだし、レンティア国家から脱却するのは、
政策立案者が意識的に国の舵取りしないと難しいんだろうな
365
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 06:41:02 ID:e819464f
>>363
日本の金のこれまでの総産出総量は、
世界の金の総産出総量の1%くらいらしい。
やはり、大陸国家の方がその辺は圧倒的。
366
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 11:24:48 ID:417bd880
後金を輸出してた当時では船による食料の大量輸出は難しかったとかかな?
現地の産業基盤をおかすにはコストとリスクが厳しいかも
やっぱり近代の物流と大量生産社会じゃないと発生しないのかな
367
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 13:50:15 ID:d69236c1
>>366
大量かはどうかともかく、
日本全体としては江戸時代の食料の輸出入としては、砂糖の輸入と干しアワビ、干し貝柱等の水産物の輸入かな。
対馬藩は水田が少ないから米は朝鮮から輸入していたようだが。
近代以前で輸入により農業の衰退が起きたのは、ギリシャ&ローマの植民地貿易が有名どころだが。
ギリシャは衰退というより、オリーブなどのより高付加価値の農産物を売り、安価な小麦を輸入、という形態だが。
368
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 16:35:25 ID:2bde9428
経済とは違い生物学の話ですが、
植物や細菌は無機塩類以外の必要な栄養素の多くを自分で合成できますが、
動物は、例えばアミノ酸20種類のうち半分程度しか合成できない(例えば人間は9種類の必須アミノ酸は合成できない)
より原始的な生物にはある能力がなぜ進化の過程で捨て去られたのか?
また、それがなぜ不利に働かないのか?という謎があります。
(類似例として、多くの哺乳類が生合成できるビタミンCを人はじめとする霊長類が生合成できない、など)
これは、却って足りない栄養素を得ようと動き回ったり他の生き物を食べたりしなければならないという動機づけになり、
このことが淘汰圧となって進化を促したのでは?という説を生物学者の福岡伸一氏が唱えています。
不便があり、淘汰されるからこそ向上進歩する、というのは
なんとなく資源が欠乏している国が発展しているケースが多々あることと類似してるように思えます。
369
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/10(Tue) 18:50:49 ID:2bde9428
>>364
というか、古代地中海国家などの例外を除いて、
近代以前は、基本的にその国内で生産される食料の量が、その国の人口規模を決定する。
江戸時代に自給自足でやっていけた、というより、
江戸時代は、国内で食料生産できる範囲までしか人口がいなかった(人口を支えれなかった)
というのが正しい。
370
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/12(Thu) 20:01:02 ID:1fb0f085
>>347 >>348
普通混浴はないです。
ただ一部のところは採用しています。
例えば、ウズベキスタンの古都ブハラ旧市街のハマムは混浴です。
371
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/12(Thu) 22:49:27 ID:b65efcba
>>370
つまり(外見幼女の)ありすと混浴するわけだな。
372
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/13(Fri) 08:33:12 ID:50c9c80a
>>368
因果関係が逆だと思う。
動物が栄養素を合成できないから動き回って他の生物を捕食してるんじゃなくて
他の生物を捕食して栄養素を得られるからこそわざわざ合成しなくてよくなった、とした方が合理的
霊長類がビタミンCを生合成できないのも
元々の摂取量が多いせいで合成酵素に選択圧がかかってないからって言われてる
(ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3145266/)
373
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:15:03 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
| ( ●)(● ) | 注意 今回の投下は本編に入れるには
| (__人__) │
| `⌒ ´ | 微妙な内容であるため、俺がボソボソと解説するスタイルを取るだろ
| |
ヽ /
ヽ 人
⊂てヽ / ヽ
{三_ ィ `´ /| ィ |
.\__/ | | |
.
374
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:15:46 ID:1d021abd
ほーん?
375
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:16:27 ID:6cbade4b
あれ、続きやるのってこっち?航海者スレじゃなくて
376
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:21:58 ID:d03d594c
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やる夫で学ぶレンティア国家論
第五・五話 レンティア・サイクル理論
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
377
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:23:02 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ
. | ( ●) ) ということで、今回紹介するのは
. | (__人)
. | ` ⌒ノ 「レンティア・サイクル理論」というものだろ。
. | r-‐、
ヽ ((三)
ヽ } 〈
. 〉 ,ィ⌒ァ ヽ
( .\/ 人__)
ト、 /|
|...\_/ |
.
378
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:25:04 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .| レンティア・サイクル理論というのは
! (__人__) |
, っ `⌒´ | ノレングと言う学者がレンティア国家論を元に組み上げた
/ ミ) /
./ ノゝ / 社会変動理論だ。
i レ'´ ヽ
| |/| | |
/ ̄ ̄ \
__ノ `⌒ \
(●).(● ) | まあ、簡単にいうとレンティア国家は4つ段階を経て
(__人___) |
, =二ニニヽ、 | 国家と経済基盤を持つ人々が変化していくと言う考えだ。
/ 二 ヽ、`,┘ ト、
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ これから、簡単にその4段階を紹介していくぜ。
/ /{_/_ ,/ }
/ ノ∧ ィ }
| | / i | |
.
379
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:28:19 ID:d03d594c
第1段階 レンティア国家の成立と新興階層の誕生
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) まず、第一段階 天然資源とか国際運河の開発が進んで国家がレントを手に入れた段階だな。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 元々中東とかはバザール商人が国の経済を握っているんだが、
| } \
/ヽ } \ その時に、それと関係ないレント産業(それに寄生する民間)が成立すると、どうなるかって話だな。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
.
380
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:31:17 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ 簡単に言うと この段階ではレント分配国家が成立し、以下のようなことが起こる。
| (__人__)l;;,´|
| ./´ニト━・' .l 国家の上層部→君主や大統領の下、テクノクラートと軍人が実権
| .l _ニソ }
/ヽ、_ノ / レント産業の発達→バザール商人の衰退 ※前回のオランダ病などによって
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. 国家の政策の中心→インフラ、住居、健康・衛生、教育の整備>富の分配になる
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
.
381
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:34:42 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ\
| (●)(●) | ……とまあ、レンティア国家が誕生すると、伝統的な商人に代わって
. | (__人__) |
| ` ⌒´ | レント分配を握るテクノクラートと軍人が「新興階層」として勃興してくるってわけだ。
. | }
. ヽ } イランの1960年代 他産油国の1970~1980初頭がこうした第一段階に当たる。
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
.
382
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:36:50 ID:d03d594c
第2段階 「新興階層」による貧困層救済
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) で、次の段階だが、天然資源の国際価格上昇によって
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ レントの分配を行っていた「新興階層」が商人層を犠牲にして、貧困層の救済にあたる時期だな。
. l^l^ln }
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.
383
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:41:50 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ この「貧困層救済」は、天然資源の国際価格下落によって恩恵を受けれないと思った人々の
( ●)( ●) |
(__人__) | ../} 国家への忠誠などが消えてしまわないようにしてしまう政策なんだが……
_ ヽ`⌒ ´ | / / __
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ これをしてしまうことで、富の分配自体が大きな政治問題になってくる。
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ /
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / / イランの1960~70年代 他産油国の1970後半~80年代の時期にこれが起きる。
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄)
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
.
384
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:45:56 ID:d03d594c
第3段階 「新興階層」への批判と 特権を放棄しない「新興階層」
/7
//
//
__ // そして、3段階目。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 富の分配自体が大きな政治問題になっていくなることで
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 「新興階層」の敵対勢力(共産党、聖職者、バザール職人、学生、一部世俗的エリート)が
l // ./ これを問題視して、「新興階層」の特権を批判するようになる。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
.
385
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:49:01 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | しかし、軍やテクノクラートが 自分の特権を放棄すわけもないし
(__人__) |
(`⌒ ´ | そもそも敵対勢力に関しても、民衆の利害をすべて代表する組織はないし
. { |─、 あっても政府に潰される。
{ ノ `ヽ
ヽ__ ノ \ そのため、富の分配問題は解決されず、民衆に不満が溜まる。
/ /\ / / ヽ
/ / / /, ──'' ) イランでいうところの1970年代後半 イラン・イスラーム革命前の状況だな。
⊂ ノ ⊂ ノ(_____ ^⊃
.
386
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:52:11 ID:d03d594c
第4段階 「新興階層」の滅亡
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) そして、最後の段階。テクノクラートと軍が実権を失う段階だ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ これはさっき言った、敵対勢力が利害関係をいったん置いて大同団結する。
| }
ヽ ノ それによって、「新興階層」を中心的な政府を倒す…つまり革命やクーデターってわけだな。
r―n|lヽヘ イ─── ヽ
\\\.` ー‐ ' .// l ヽ
. \ | |
. \ _ _|_ ._. |
/, /_ ヽ/、 ヽ__
\ // /< __) l -,|__) >
\. || | < __)_ゝJ_)_>
\. ||.| < ___)_(_)_ >
\_| | <____ノ_(_)_ )
.
387
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:54:01 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \
_ .| (● ) (⌒ ) .|
| ! | (__人___) | まあ、こうなると、「新興階層」の中心であるテクノクラートと軍人は
| ! | ` ⌒ ´ .|
| ! ,.-,| | 国外逃亡するか、特権を失った上で妥協を強いられる。
._,ノ ┴、/ ,/ .| /
.r `二ヽ ) i ヽ / …イラン・イスラーム革命以降のイランなんかその典型例だな。
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ |
.
388
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:56:30 ID:d03d594c
レンティア・サイクル理論に基づく社会変動
①レンティア国家の誕生と「新興階層」の誕生
②「新興階層」による貧困層政策による、冨の分配の政治問題化
③冨の分配を巡る敵対勢力との対立
④敵対勢力の団結によって、「新興階層」が力を失う。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ と……つらつら言ってきたが、
|:::::: (● ) )
. |::::::::::: (__人) まとめるとこんな感じだな。
|:::::::::::::: `⌒´ノ ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
|:::::::::::::::: \ ノ::ノ
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
.
389
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 15:58:45 ID:d03d594c
., ──‐、
/ \
. .| _ノ ヽ ここで、いったん注意しておきたいのは
| ( ●) (●)
| (__人__) , -―ーっ ③・④の段階まで行ったのはノレングによれば、イランしかいってなくて
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } ゙| ̄'| それ以外の国では精々②のレベルに収まっている点だな。
/⌒ヽ、 ノ .|, | つまり、イラン以外にこのモデルを完璧に適用できるものじゃないってことだ。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫
| | / / r_____ ∬
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
390
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 16:01:12 ID:d03d594c
,, -─- 、._
/ ヽ
| |
| ノ ヽ、 .| というわけで、ノレングのこのレンティア・サイクル理論は
| (●)(●) |
| (__人__) | 「新興階層」は、レンティア国家の利益分配における特権的な地位を獲得するが、
ヽ `⌒´ ノ
/ .,_,, ' ヽヽ, )) そのうち他のグループはとの対立が激化し、その特権を失うというものだ。
"( ( ( ヽ /./l
\ \ ゛// | ただし、本人が言っているように、歴史的個別的条件の違いでこのサイクルが直線状に
ガサゴソ… / / ヽ ~ \ `ヽ~\ 行くわけではない…つまり一般的なモデルじゃないという点だけは注意してほしい。
| |
| /
ヽ______/
.
391
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 16:04:22 ID:d03d594c
水島 多喜男.2008.「変容するレンティア国家:湾岸アラビア諸国における民主化の理解をめぐって」
福田安志編『湾岸、アラビア諸国における社会変容と政治システム -GCC 諸国、イラン、イエメン-』 ジェトロ・アジア経済研究所, 149-192.
※ネットPDFで読めます。
Noreng, Oystein .2004.“The Predicament of the Gulf Rentier State,” Heradstveit,
Daniel & Helge Hveem ed., Oil in the Gulf, London: Ashgate Publishing Limited.
元の著作。上述の日本語をよめばエッセンスは理解できるのでいらないといえばいらないかも。
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / _ノ \
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) じゃあ、最後に今回の参考文献を乗せておくぜ。
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } ぶっちゃけ、今回の内容は水島さんの読めば分かると思うぜ。
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
.
392
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 16:07:38 ID:d03d594c
/ ̄ ̄\
. ./ _ノ ヽ
| ( ●) (●) ということで、今回はここまでだろ
| (__人__) ∫
| `⌒´ノ ∬ 次回は「開発独裁国家」と「レンティア国家」の違いだと思う。
. ヽ } | ̄|
ヽ ノ |_|) ……短い内容ですまないな。
____/ イー┘ |
| | / / ___/
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
.
393
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/22(Sun) 16:09:52 ID:d03d594c
ということで、第五・五話終了になります。
内容としては大分薄い内容でしたが、レンティア国家がどういう社会になるのかをというのを見ていく上では
このような議論を踏まえることも重要かと思います。
次は、概念として似ていると良く間違われている「開発独裁」と「レンティア国家」この2つの違いについてになります。
いつもどおり質問もいつでも待っています。
次回は2週間程度を目安に
394
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/22(Sun) 16:13:50 ID:ad6f0663
乙
④の後は、敵対勢力なりが「新興階層」になって①に戻るのかな
参考文献を読んでみます
395
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/22(Sun) 17:07:07 ID:be161324
乙です
サイクル、というには④のあとは①に戻る?
396
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/22(Sun) 17:33:22 ID:810f2499
乙です
他の産油国が将来③、④に至る可能性はどうなんだろう
397
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/24(Tue) 03:49:55 ID:66700af2
乙ー
次は開発独裁国家との対比か、面白そう
398
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/25(Wed) 17:45:56 ID:d0c7d2e8
レント自体は変わってないから4から2に戻るんじゃないか?
399
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/10/25(Wed) 18:13:39 ID:9ecc47c2
外因性がなくてもオランダ病みたいなケースがあるんやねえ
してみると国民の年金に活用するって形で北海油田運営してるノルウェーのケースは研究対象として面白そうやな
400
名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/25(Wed) 21:21:01 ID:8c69bfaa
>>394 >>395
④まで行っているのはイランだと言っていますが
このイランの例では……まず経済的な政策を巡って以下の6つの立場があります。
そして、この立場にはそれぞれ支持者…つまり、サイクル理論における「新興階層」があるわけです。
おおよそ5年~10年周期で、イランにおけるこの権力層は変わっており、ある意味でサイクルしているわけですね。
・社会主義的な政策を通じて公平な分配の実現を目指す「急進派」 ※一部ウラマー・革命防衛隊・貧困層支持 後に消滅
・経済自由化容認 政治の自由化非容認「現実派」 ※世俗主義的教育を受けたエリート・テクノクラート支持
・イスラム国家体制の護持を掲げる「保守派」 ※軍部、宗教諸財団、伝統的バザール商人勢力支持 後に革命防衛隊も支持
→内部に他派の協調を図る「穏健派」と図らない「強硬派」が存在。
・急進派から衣替えして政治的・経済的自由化を目指す「改革派」 ※企業家、経済諸官庁のテクノクラート支持
→内部にさらに自由化を推し進める「急進改革派」も存在
イラン・イスラーム革命以降の「新興階層」の移り変わり
①「急進派」による社会主義的政策の時期(1979~1989年)→急進的な改革の失敗により、「保守派」と「現実派」によって消滅させられる。
②「保守派」と「現実派」提携時代(1989~1995年)→「保守派」の勢力拡大。「現実派」の勢力後退。
③「改革派」時代(1996~2002)→「急進派」の生き残りが他派の一部も吸収して、「改革派」として登場。
④「保守強硬派」による資源ナショナリズム時代(2002~2013)
→「改革派」対する態度から「保守派」が分裂。「保守強硬派」が資源ナショナリズムの影響もあって影響拡大。
⑤「保守穏健派」時代(2013~)→欧米の制裁の疲弊から、「保守穏健派」が「改革派」と「現実派」の支援もあって権力獲得。
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