やる夫で学ぶレンティア国家

レス数:631 サイズ:779.42 KiB 最終更新日:2018-04-28 03:38:19

400  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/10/25(Wed) 21:21:01 ID:8c69bfaa

>>394 >>395
④まで行っているのはイランだと言っていますが
このイランの例では……まず経済的な政策を巡って以下の6つの立場があります。
そして、この立場にはそれぞれ支持者…つまり、サイクル理論における「新興階層」があるわけです。
おおよそ5年~10年周期で、イランにおけるこの権力層は変わっており、ある意味でサイクルしているわけですね。


・社会主義的な政策を通じて公平な分配の実現を目指す「急進派」 ※一部ウラマー・革命防衛隊・貧困層支持 後に消滅
・経済自由化容認 政治の自由化非容認「現実派」 ※世俗主義的教育を受けたエリート・テクノクラート支持
・イスラム国家体制の護持を掲げる「保守派」 ※軍部、宗教諸財団、伝統的バザール商人勢力支持 後に革命防衛隊も支持
 →内部に他派の協調を図る「穏健派」と図らない「強硬派」が存在。
・急進派から衣替えして政治的・経済的自由化を目指す「改革派」 ※企業家、経済諸官庁のテクノクラート支持
 →内部にさらに自由化を推し進める「急進改革派」も存在


イラン・イスラーム革命以降の「新興階層」の移り変わり
①「急進派」による社会主義的政策の時期(1979~1989年)→急進的な改革の失敗により、「保守派」と「現実派」によって消滅させられる。
②「保守派」と「現実派」提携時代(1989~1995年)→「保守派」の勢力拡大。「現実派」の勢力後退。
③「改革派」時代(1996~2002)→「急進派」の生き残りが他派の一部も吸収して、「改革派」として登場。
④「保守強硬派」による資源ナショナリズム時代(2002~2013)
→「改革派」対する態度から「保守派」が分裂。「保守強硬派」が資源ナショナリズムの影響もあって影響拡大。
⑤「保守穏健派」時代(2013~)→欧米の制裁の疲弊から、「保守穏健派」が「改革派」と「現実派」の支援もあって権力獲得。


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