やる夫で学ぶレンティア国家

レス数:631 サイズ:779.42 KiB 最終更新日:2018-04-28 03:38:19

601  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:33:56 ID:93efeb3c
☆投下スレ
普通のやる夫板 様
場所を貸していただきありがとうございました。


☆まとめサイト
やる夫が人生でいいじゃない 様
やるバウト様
まとめていただきありがとうございました。


☆読者の皆様見ていただきありがとうございました。

602  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:34:34 ID:93efeb3c
今回使用したした参考文献について


☆民主主義について
シュンペーター, ヨーゼフ. 2016. 『資本主義・社会主義・民主主義 Ⅰ』大野一訳, 日経BP社.
―――. 2016. 『資本主義・社会主義・民主主義 Ⅱ』大野一訳,日経BP社.

ダール  ロバート. 2014. 『ポリアーキー』高畠通敏・前田脩訳, 岩波書店.

☆レンティア国家について
松尾昌樹. 2010. 『湾岸産油国 レンティア国家のゆくえ 』講談社選書メチエ  講談社.

松尾昌樹. 2016. 「グローバル化する中東と石油 レンティア国家再考」松尾昌樹・岡野内正・吉川卓郎編『中東の新たな秩序』  ミネルヴァ書房, 59-79.

細井長.2005.『中東の経済開発戦略-新時代へ向かう湾岸諸国』 ミネルヴァ書房.

603  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:35:08 ID:93efeb3c

☆古典的中東研究と中東例外論
Michael C. Hudson.1977.Arab Politics: The Search for Legitimacy. CT: Yale University Press.

Hudson,MichelC.1995.“The Political Culture Approach to Arab Democratization:
The Case for Bringlng It Back In,”in Rex Brinen et.al eds. Polilical Liberalization&Democratizationinthe
Arab Wbrld.Boulder:RiennerPublisher,61-7.

Anderson,Lisa.1995.“Democracy in the Arab World:ACritique of the Political Culture Approach,”in Rex Brinen et.al eds. Political
Liberalization & Democratization in the Arab world.Boulder:Rienner Publisher, 77-92.

Bromley,Simon.1995.“Middle Eastexceptionalism-mythorreality?,”in David Potter et.al. eds. Democratization.Cambridge:PolityPress,321-344.

Huntington,SamuelP.1991.The Third ofTbve:Democratizationin theLate TWentieth Centu7y.Norman:University of Oklahoma Press.
※邦語 サミュエル, ハンチントン.1995.『第三の波――20世紀後半の民主化』坪郷實・中道寿一・藪野祐三訳, 三嶺書房.
Huntington,SamuelP.1996.The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order. rder.NewYork: Simon & Schuster.
※邦語 サミュエル, ハンチントン.1998.『文明の衝突』 鈴木主税訳, 集英社.

604  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:35:47 ID:93efeb3c


☆レンティア国家論について
Mahdavy, Hossein.1970.”The Patterns and Problems of Economic Development in Rentier States : The Case of Iran”, In M.A. Cook, ed.,
Studies in the Economic History of the Middle East : From the Rise of Islam to the Present Day, London, Oxford University Press.

Theda heda Skocpol.1982.”Rentier State and Shi’a Islam in the Iranian Revolution”, Theory and Society, 11(3).

伊能武次.1994.「中東諸国の政治と国家へのアプローチ」 伊能武次編『中東における国家と権力構造』アジア経済研究所,3-31.

Beblawi, Hazem and G. Luciani,(eds).1987).The Rentier State,London: Croom Helm

Michael L. Ross.2001. Does Oil Hinder Democracy ?, World Politics 53, 325-361.
Michael L. Ross.2009.“Oil and Democracy Revisited” UCLA: mimeo.

Benjamin Smith.2004. ”Oil Wealth and Regime Survival in the Developing World, 1960-1999”, American Journal of Political Sciences, 48(2).232-246.

Morrison, Kevin. 2009. “Oil, Nontax Revenue, and Regime Stability.” International Organization 63:107-138.

Okruhlik, G.1999. “Rentier Wealth, Unruly Law, andthe Rise of Opposition : The Political Economy of OilState,” Comparative Politics.

Brynen, R., B. Korany, and P. Noble.1995. “Introduction :Theoretical Perspective on Arab Liberalization and
Democratization,” in R. Brynen, B. Korany, and P. Noble eds., Political Liberalization & Democratization in the
Arab World, Boulder : Lynne Rienner, 1(4).

浜中新吾.2007.「中東諸国における非民主体制の持続要因 -レンティア国家論の計量分析-」 『国際政治』 148:43-58.

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605  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:36:19 ID:93efeb3c

☆資源の呪いについて
Sachs, Jeffrey; Warner, Andrew .1995. ”Natural Resource Abundance and Economic Growth”. NBER Working Paper (5398).
Richard, M.1993. Sustaining Development in Mineral Economies: The Resource Curse Thesis. London: Routledge.

Michael L. Ross.2012.The Oil Curse: How Petroleum Wealth Shapes the Development of Nations Princeton: Princeton University Press.
邦訳 マイケル・ロス.2017.『石油の呪い 国家の発展経路はいかに決定されるか』  松尾昌樹・浜中新吾訳, 吉田書店.


☆レンティアサイクル論に関して
水島 多喜男.2008.「変容するレンティア国家:湾岸アラビア諸国における民主化の理解をめぐって」
福田安志編『湾岸、アラビア諸国における社会変容と政治システム -GCC 諸国、イラン、イエメン-』 ジェトロ・アジア経済研究所, 149-192.

Noreng, Oystein .2004.“The Predicament of the Gulf Rentier State,” Heradstveit,
Daniel & Helge Hveem ed., Oil in the Gulf, London: Ashgate Publishing Limited.

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606  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:37:36 ID:93efeb3c

☆開発独裁論に関して
岩崎育夫.1994.「ASEAN諸国の開発体制論」岩崎育夫編『開発と政治――ASEAN諸国の開発体制』 3-48.
末廣昭.1994.中津和津次編『講座現代アジア 2近代化と構造変動』東京大学出版会, 209-237.
鈴木佑司.1988.『新版・東南アジアの危機の構造』勁草書房.
谷浦孝雄.2004.「「開発独裁」の再検討」『共栄大学共栄大学研究論集2003』 29-46.


☆湾岸エスノクラシーについて
松尾について上述

Longva, A. N..2005." Neither Autocracy Nor Democracy But Ethnocracy: Citizens, Expatriates and the
Socio-Political System in Kuwait, In Monarchies and ]\匂tions:Globa}jzation and
Identity in the Arab States of the Gulf", edited by Dresh, P.and J. Piscatori, pp.114-135,London: 1. B. Tauris.

Mazrui, A. A..1975." Soldiers and Kismen in Uganda: the Making of a Military Ethnocracy," Beverly Hills: Sage.

☆アゼルバイジャンとレンティア国家について
立花優. 2013. 「ポストソ連期アゼルバイジャンの政治変容 : 旧ソ連地域における政治体制の事例研究」博士課程論文, 北海道大学.

Franke, A and A, Gawrich and G, Alakbarov. 2009. ”Kazakhstan and Azerbaijan as Post-Soviet Rentier States: Resource Incomes and
Autocracy as a Double 'Curse'in Post-Soviet Regimes” Europe-Asia Studies 61(1) : 109-140.

O'Lear, Shannon .2007.Azerbaijan's resource wealth: political legitimacy and public opinion
The geographical journal 173 (3): 207-223.


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607  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:39:09 ID:93efeb3c
ということで、このやる夫で学ぶレンティア国家に関しては完結とさせていただきます。
最後がやや駆け足気味ではありましたがご容赦のほどを

見ていただきありありがとうございました。

608  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:40:27 ID:93efeb3c
質問等はもちろん受けさせていただきます。1週間ほど置きますのでなにかあればぜひ。
最後の方は投下期限を守れず、ここまで……(汗)

609  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:43:22 ID:93efeb3c
前作よりは多少ストーリー要素や遊び要素を入れましたが、それでも見にくくかったかなと思います。

また、来年もう少しわかりやすくした学ぶスレをできればと思います!
その時はよろしくお願いします。

それでは皆様良いお年を!

610  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 18:44:04 ID:ea3c4f26
乙ー
移民の扱いは、どの国にとっても21世紀前半の最重要課題になりそうだなぁ

611  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 19:30:13 ID:c6213f4b

脱毛剤(砒素入り)には驚いたわ

612  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 19:33:06 ID:83c7f154

やっぱ国別の事例とか見てみると楽しいっすね
同じレンティア国家でも対応がさまざまですっごい興味深い

613  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 19:37:50 ID:e1d161cc

614  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 19:48:19 ID:9bb51e0b
完結乙でしたー

普通に読みやすいし面白かったけど
誤字脱字が少し気になったかな

615  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/12/31(Sun) 20:14:04 ID:beb74a8b
そこらへんは芸風だと思って割り切って読んでたw

616  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/01(Mon) 17:25:32 ID:eb535d64

風呂が汚いのはわかった

617  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/01(Mon) 17:35:42 ID:6c3337e8

前作より断然読みやすかったです

618  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/01(Mon) 22:32:54 ID:176ed9d4
最近起きたイランの反政府デモで王政懐古なシュプレヒコールがあったみたいだけどこれはどう解釈すればよいのでしょうか。

619  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/02(Tue) 01:45:34 ID:c31a6bd3
>>618
それ自身はいわゆるノスタルジーであり
東ドイツやソ連やユーゴの例を見ても、前時代の回帰を本気で主張しているのではなく
昔はよかったという郷愁に過ぎないと思われます。


ただ、今回のイランのデモがいつもと違うのは、
体制自体の批判と大アーヤトッラーのハメネイ師批判につながっている点です。
イラン・イスラーム共和国体制が、アメリカと和解したにも関わらず経済状態が上がっていない。
そんな状態が、体制批判につながっているのかもしれません。

620  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/02(Tue) 01:47:15 ID:c31a6bd3
レンティア国家との絡みで言うならば

イランの人口はここ数年で年100万人ほど伸びを見せています。
これは単純に考えると、(レントの全体量が変わらなければ)1人あたりのレントの配分がすくなくなるということです。
これは1人当たりの実質GDPが、もっとも厳しい経済制裁を受けていた2007年と2017年がほぼ同じことから
レントの配分が少なくなっていることが伺えます。

また、国民の経済状態が厳しいのは失業率10%越え、インフレ率が10%越えという状況からも伺えます。

621  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/02(Tue) 01:48:00 ID:c31a6bd3
このような状況が怒る場合、湾岸諸国はレント配分の減少を「湾岸エスノクラシ―」という方法で、隠しました。
しかし、イランには湾岸エスノクラシーの重大な要素である「自国民より多い移民」が存在しません。
また、少数民族等も、イスラームの名の下に平等が守られているため、スケープゴートにできません。

また、「湾岸エスノクラシ―」の十八番である公的部門の拡大による政府の予算として無理なことは
財政収支が2012~2017年で大幅な赤字をしていることからも分かります。

622  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/02(Tue) 01:48:31 ID:c31a6bd3
※修正
このような状況が起こる場合

623  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/02(Tue) 01:49:08 ID:c31a6bd3

つまりレンティア国家論的に今回のデモを見ると……

イランでは、レントの配分が限界に来ている。
しかし、それを改善(あるいはごまかす)方法がない。
また、政治改革に関しても(体制そのもの構造の限界ゆえに)提案できないため、様々な不満が噴出してデモに至るということになるかと思います。

レントを増やすかレントの配分を見直さない限り、イランという国は危機的な状況になっているのかもしれません。

624  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/02(Tue) 10:20:25 ID:1e5884bf
>>508
宮崎駿が湾岸戦争の時に
「クウェート救済ったってクウェートも移民を奴隷にしてた国でそんな国助ける大義なんてあんのか」
とちょい発狂ぎみだったっぽかったのはそいういうわけだったんですね。

625  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/02(Tue) 13:31:21 ID:2c414e7e
>イランの人口はここ数年で年100万人ほど伸びを見せています
これは移民(の子孫)の影響を除いた、レント分配の対象となる旧来のイラン国民だけで増加してるってことですか?

626  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/02(Tue) 14:05:51 ID:9b5c5e80
イランはイラン・イラク戦争で就労人口がごっそり減った後に増やす政策を立てて、増加率がヤバくなったのをなんとか抑制したって状況だったはず

627  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/03(Wed) 18:38:26 ID:c7d4ccae
乙でした。
レンティア国家の概念が分かりやすかったです。

628  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/03(Wed) 23:04:35 ID:873b09fb

イランの移民に関しては270万人ほど、人口からみれば1/25ほどでしょうか。
これには多くのイラク難民やアフガン難民も含むデータではあります。
しかしながら、最盛期の移民が500万弱いたことを考えるとこれはむしろ減っています。

イラクもアフガンも一時期の最悪期を脱しているので当然と言えば当然かもしれません。


人口政策に関しては>>626さんが指摘した通り、まさしくそのとおりであります。
しかし、こちら(ttps://www.populationpyramid.net/ja/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3/2016/)を見ると
90年代~2000年代初頭は人口抑制政策がうまく機能していたことが読み取れますが
しかし2005年以降はむしろ増えていっていることが読み取れます。

これは90年~2000年代の人口抑制政策から政府が政策転換していることと
最も人口が多いゾーンが出産適齢期に入っている事とは無関係ではありません。
発展のためには継続的な人口増加が必要な一方で、レント配分を考えると、
そう簡単に増やせば良いものではないのが現在のイランです。

629  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/03(Wed) 23:35:42 ID:257f8012
増やすにせよ減らすにせよ、人口の調整なんて、そう都合よくできるもんじゃないってことだなぁ

630  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2018/01/04(Thu) 10:00:18 ID:68725d5e
過去作ネタで申し訳ないですがディズニーマジックキングダム国はレンティア国家になる可能性はあったのでしょうか

631  名前:◆gKNcHiCsig[] 投稿日:2018/01/08(Mon) 18:27:33 ID:85c340de
>>630
あの国はキプロスをモチーフにしています。
天然ガス等があるのではないかという話もありますが
どちらにせよ1960年代の技術で採掘できるものではなく、あの国がレンティア国家になる余地はありません。