私談・楚漢銘々伝

レス数:1000 サイズ:1080.26 KiB 最終更新日:2018-04-28 03:38:18

175  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2017/08/31(Thu) 08:22:33 ID:c5bba5fe
>>171再自己レス

斛と石が音読みで同じ「コク」で(ピンインでは全く違うが)、1石の穀物と1斛の穀物の重さが近かったので、
もしかして1石の穀物の量を基準にして体積単位をつくったのかと思ったら別にそんなことはなかった。
というか、wikiの「前漢」の単位の記述がかなり怪しいことになってしまった・・・。

穀物が度量衡の基準では?という直感そのものは下記の文献によると、どうも正しかったらしい。
ttp://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170831070748.pdf?id=ART0002608678
質量の基準は1200粒のキビの重量、容積の基準は1200のキビの容積、長さの基準は100粒のキビとなっている。
それぞれ約7.4g、10ml、23.1cmとなる。
だが、これでいうと、1石は約27kg、1斛は約20リットルである。wikiの記述はおかしくね?というか、
だいたい穀物1石27kgの容積が34リットルになるので、そこを混同させたものと思われる。

いずれにしても、これで換算すると、1斛=0.74石であり、穀物単価を一石あたり100~150銭とした場合、
1斛は74銭~111銭となる。
そもそもwkiの記述が信用ならんので、ということで漢代の穀物価格の文献を調べたら以下のようなものがあった。
ttp://www.seijo.ac.jp/pdf/faeco/kenkyu/193/193-akashi.pdf
これでいうと武帝期の穀物最低価格は1石あたり30~80銭なので、まぁ1石100銭~150銭程度というのがそんなに的外れとは思えない。
穀物価格は時代や場所によってもかなり上下するのでなんともいえないけど。