やる夫で学ぶ「法学者の統治論」その2
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名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/08/03(Sun) 11:14:27 ID:a4f56fce
>>315続き
また、より具体的に政治家(ネタニヤフ)への信頼度を上げる効果が存在するのかを実証したのが以下の論文。
Shingo Hamanaka.2024. "Survey Experiment on Political Use of Force: The Case of Operation Guardian of the Walls in May 2021"
Democracy and Security 20(3):295-314.
この論文によれば、ネタニヤフによる軍事作戦が、彼個人の政治生命を守るための行動だと理解しているイスラエル国民ほど
ネタニヤフの指導力を評価するというデータが出ています。
また、この論文著者の浜中は、攻撃作戦ではなくアイアンドームやミサイルなどの防御的な軍事整備や攻撃が
陽動理論や旗本結集効果を引き起こすかを検証していますが、実際には遺憾の意の表明程度の薄い効果しかないことを示しています。
つまり、ネタニヤフが自身への支持を引き付けるには、より強硬な軍事作戦でのみ行いうるということになります。
このことをネタニヤフがどこまで自覚して、行動を起こしているかは不明です。
しかし、Roni Tiargan-Orや浜中の研究からは、ハマースやヒズブッラーやシリアやイランへの攻撃は、ネタニヤフの出し得状態であろうことには違いないです。
常に、大規模な軍事作戦を実施し、紛争に勝利し続ければ、自身への支持率は高いままで維持できるのですから