208  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2024/10/14(Mon) 00:33:44 ID:5ea5b216

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『また、エーデルガルドは初代皇帝の直系子孫であると同時に傍流でもあった』

『紋章貴族制の中で、最も恵まれた者であると同時に、虐げられし「持たざる者」でもあった』

『何しろ、彼女は正妻の子供ではない「妾腹」な上に、十兄弟のうちの8番目の子供でしかない』

『彼女の母親からして、彼女を産んで直ぐに皇室から追い出されるレベルで地位が低かったようだ』

『本来的には後継ぎに成れる出自じゃないし、母親の顔も見れてない時点で冷遇もされてただろう』



『だが、彼女にとってきつかったのはそこじゃない。』

『そんな皇位継承権が低い出身なのに、彼女が後継ぎに成らざるを得なかったことだ』

『つまり、彼女より上の、正妻が産んだ子供たちが、アガルタの人体実験で廃人と化してしまったから』

『彼女が皇帝の座を継承するしかなくなっていた。勿論、彼女自身も人体実験の犠牲者で、「成功例」でもある。』

『皇族だが、妾腹の妹で、人体実験の犠牲者。「持たざる皇族」だろう？』

『そしてその人体実験というのは、紋章の移植だ。そりゃ紋章を恨みもしよう』

『そしてなぜ彼女と兄弟姉妹は人体実験の犠牲者に成ったか？』

『父帝が中央集権化を進めようとして、銀英伝風に言えば「門閥貴族」に逆支配を食らい、実権を失ってアガルタに乗っ取られたからだ』

『そりゃ、貴族制を恨みもしよう』

『だから彼女は初代皇帝が遺した紋章も貴族もぶっ壊してやろうとしている。』

『皇帝という権力の頂点にありながら、何も持たない無敵の弱者という矛盾した立場で』