350  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2021/02/26(Fri) 01:19:20 ID:0f2353b8
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そしてそこに、不変なる善を奪われ、只人に・・・いや、人形に堕ちたはずの兄の祈りが注ぎ込まれる。

・・・ああ、言い忘れていたが、スィリオスは覇道神でありながら、解脱もできそうなくらい人間としてまともな感性も持っている。

人形劇である真我の世界において異物であるということは、神であるというだけでなく、人形だらけの世界の中で彼一人だけが「本物の人間」であったということでもある。

ローマ的には面白いかもしれない。解脱できるほどの真人間属性と、神格適正の二重属性は。



想いは奪われようとも後から後から沸いてくるものだとばかりに、

スィリオスは愛を奪われたことを気にもせず、恥知らずの勝者である勇者ワルフラーンを讃え、友情を築き

そして実際、奪われたはずの愛を溢れ出させた。

隣人を愛し苦しんでいれば手を差し伸べる。

そんな愚直な覇道の果てにあるはずの、誰も泣かずに済む世界を祈った。

何しろここには、勇者（偽）が居るのだから！

凡人である自分にはできずとも、勇者（とも）ならばできるだろうと！


・・・「勇者」の座を奪われ、「みんな」の祈りが届かなくなったナーキッドに、

兄のそんな祈り（脚本）だけは届いたとすれば、

さてどうだろう？

「誰か脚本をくれ！」という渇望にぴったり嵌らないか？