やる夫で学ぶ「法学者の統治論」その2
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名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/29(Tue) 15:52:07 ID:dffa530e
>>268
これまで見てきたように、イランもハマースもヒズブッラーその世界観として抑圧者/被抑圧者の視点を持っていて、イスラエルは前者に該当します。
そして、パレスチナのイスラエルからの解放、それぞれにとってこの戦いの中心的課題として捉えられています。
そのため、イランやヒズブッラーにとっては、直接イスラエルと戦うのがはばかられる場合でも、ハマース支援だけで、自分たちは戦っていると言えますし
ハマースにとっても、イスラームからの支援はどこであれ、イスラームの大義を掲げるのに必須なものです。
さて、イラン以外はどうなのか?といったときに、アラブの春・シリア内戦以前においては
イラン、シリア、スーダン、リビヤ、ヒズブッラーから支援を受けており、エジプト・サウジアラビア・トルコ・クウェートなどとも関係を有していたと言われます。
サウジアラビアやクウェートといった諸国がハマースを支援するのは、それがパレスチナ解放という大義達成に加えて、
ハマースを飼いならすことで自国の安全保障を防ぐつもりだったと思われます(=本当に崩壊してパレスチナ難民がなだれ込んでも困る)。
また、適度な支援を与えることで、イラン側にハマースがいかないようにするためでもあるでしょう。
しかし、2010年代以降にアメリカ・イスラエル接近が、対イランのためにも経済発展にもよっぽど役に立つことに気づいたのでしょう。
そのため、現状カタールを除けばスンナ派諸国で支援している国はまともにいないと言っていいでしょう。