やる夫で学ぶ「法学者の統治論」その2

レス数:324 サイズ:662.48 KiB 最終更新日:2025-08-11 01:09:14

270  名前:携帯◇sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/29(Tue) 15:33:46 ID:dffa530e
>>267
共同主権が認められるかどうかということでしょうか?
イスラーム法においてダール・アル=イスラームとされるには、ようはイスラーム法が施行されているかどうかがポイントになります(つまり、国家元首がムスリムでなくともよい)

その意味において、共同統治の例は存在します。
7世紀のキプロス(ビザンツ帝国、ウマイヤ朝)
899~1956年の英埃領スーダン(イギリス・エジプト)
1920~1970年のサウジ・クウェート中立地帯(サウジアラビア・クウェート)
1960~1980年のハドフ村(オマーン・アジュマーン首長国)

ここにおいて、重要なのは非イスラーム地域と共同統治した上2つの事例でしょう。
キプロスの事例においては、イスラーム法が執行されたとは言い難く、精々がダール・アルスルフ(和平の家)という平和条約が結ばれた地という程度でしょう。
スーダンの事例においては、確かに、イギリスが支配に立ち、彼らの指導の下で脱イスラームが進められていた側面もあるでしょう。
とはいえ、多少のイスラーム法が存在しており、現地の指導者層やウラマーに権限が委譲されていました。