804  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2025/05/17(Sat) 00:39:38 ID:d191ee06
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『かくして、実用性を失った刀剣が美術品として残ったように』

『剣友会ももはや実用性を失った美しい名誉職として残ったんだ』

『実用性がないからこそ、マフィアにも諜報組織にもならないしなれない』

『故に名誉は美しく保たれ、冒険者としての理想は遠くなった』


『それを象徴するのが、エーリヒ氏の愛剣「送り狼」だろう』

『これは恐らく、魔法兵器としての魔剣が跋扈する未来社会において』

『「何の魔法力もないただの剣」であればこそ、逆に価値あるものとして博物館に飾られている』

『魔剣ではないただの剣一本で身を立てたエーリヒ氏の偉業を讃えるためにね』

『それはもう、誰も越えられない不朽の偉業だ。・・・エーリヒ氏はいわば剣一本で身を建てられた「最終世代の冒険者」だから』

『冒険者が消えてしまったからこそ、皮肉にもエーリヒ氏の偉業は誰にも塗り替えられることなく半永久的に輝き続ける』

『そして博物館に飾られてるのも皮肉だ。もはや実用品ではない飾り物だという何よりの証拠だろう？』

『剣友会と同じくね』