普通のやる夫板短編所part24
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名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2024/06/14(Fri) 01:57:07 ID:018d113e
昔「トリビアの泉」という番組で、一番面白くない笑いを考えるという企画があった
そこで最終的に生まれた一番面白くない笑いは、「単純なダジャレを繰り返してからダジャレになってない「このセメント、セメント。」と言う」というもとだった
単純なダジャレの繰り返しは大して面白くはないが、何かのネタフリとしては機能する。オチのダジャレで笑わせると思わせておいて「最後はついにダジャレになってないだろ!」というシュール系コントのオチを持ってくる
するとそのオチをどう受け止めていいか分からず、笑えもしないが聞き流せもしない宙ぶらりんの精神状態になるという理屈だった
たぶんこの短編も同じ構造なのだと思う
「すべての擬音がうんこになる」という前提は、小学生がクラスメートに突然「……うんち!」と言ってゲラゲラ笑うタイプの笑いである
全部うんちwwwwwと言ってそれだけで笑う心境には普通の読者はなかなかなれないだろうが、それでも下ネタの笑いが始まった事は分かる
そこでオチに考えないとオチとして成立しない「擬音がウンコになるという法則が働いているのだから、擬音らしいドゴは擬音ではない」という難解なオチを用意する
うんこ!ゲラゲラ!でいくと思っていた読者は本当に困惑する。オチの意味が分からなければ意図が分からないと表現するしかない宙ぶらりんの精神状態になるわけだ
ただし、オチの意味が分かっても今度は「だから何?」の壁にぶつかる。今の俺だ。壁にぶつかって引っかかったままだからこんな直文を書いてしまった
ただ、言い換えるとここまで長文を書かせるくらい人の心を動かしたという意味では意図が分からないネタではないと思う
一番面白くない笑いで困惑させて心を揺さぶる、例えるなら「オチョナンさん」を読んだ後の心の不安をホラーではなくお笑い、喜怒哀楽の楽ベクトルから産み出すという高度な技に成功しているのだと思う
感想は以上です、とても興味深かったです