【短編】XinphoniX XholiX【AA制作】

レス数:651 サイズ:2154.07 KiB 最終更新日:2022-02-20 09:03:38

643  名前:L_icE◆BeEFQCm8dk[] 投稿日:2022/02/15(Tue) 21:09:04 ID:???

【転】
別日
兄が部屋の鍵を開ける
ただいまの声はない
明らかに疲弊している
「バレた」
青ざめた顔をする兄を心配して駆け寄る妹
「殺しの瞬間がカメラに写っていた」「警察署から逃げ出してきた」「すぐにここにも警官がくる」
「逃げよう」兄は妹の手を引き、外に出る
しかし警察はすでに家の前までやって来ていた
「お兄ちゃんは悪いことしたの?」「お巡りさんは悪い人を捕まえるんだよ」
兄は答えない
兄の手に手錠がかけられる
警察官は血にまみれた妹の服を見て、すべてを察し妹も任意同行で警察署へと連れていく

【結】
兄は警察官の質問には何も答えない
妹は肉の正体も兄がそれを取ってきたことも知っているが、食べることに罪悪感はないので、それが悪いことだとは知らない
警察官は2人の扱いに困り、とりあえず保護房へと一時的に2人を一緒に閉じ込める
自殺防止のために兄弟の持ち物は最低限の衣服以外はすべて没収される
房の扉が閉まる
妹の腹が鳴る
人間以外を食わない妹は警察署で出された食事を一口も食べていなかった
妹は房の中で飢えに苦しみだす
腹の減った妹が自分の舌を噛みちぎってしまわないように付けていた口枷も今はない
妹の口から血が滴る
兄は妹を抱きしめ、呟く
「お兄ちゃんは悪い肉だ」
END