やる夫の彼女は『神』を名乗るカレー南蛮のバケモノと暮らしているようです
1
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[] 投稿日:2019/10/31(Thu) 08:48:29 ID:3acdde80
┌────────────────────────────┐
│ ・作者は、やる夫スレ超初心者です。 │
│ ・ルール違反等あったら言ってください。すぐに直します。 ......│
│ ・ハートフルギャグストーリーです。 ....│
│ ・初日はプロローグだけで、本日の夜から投稿し始めます。 ....│
│ ・時間等は決めてませんが、夜に投稿したいと思います。 .....│
│ ・できる限り、毎日投稿したいかな。 .│
└────────────────────────────┘
タンタンタラランタラランタララ~ン♪
タンタンタラランタラランタララ~ン♪
タンタタンタンタター…ターンタター♪
BGM『世にも奇妙な物語のオープニングで鳴ってるやつ』
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \
| (__人__) | ……あなたは、神を信じますか?
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
2
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:23:35 ID:3acdde80
____
/ \ うーん……
/ ─ ─\
/ (ー) (ー) \ 一発目がこれだと、大半の人がちょっと引くんじゃない?
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / 日本人の半分以上は、無神論者だって話もあるしね……
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
____
/ \
/ ─ ─ \ けどまあ、安心して欲しいお!
/ (●) (●) \
| (__人__) | やる夫はあんたを宗教に勧誘するつもりはないし
\ ` ⌒´ ,/
r、 r、/ ヘ 神の教えを説くつもりもまったくないお!
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | |
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. |
\. ィ | |
3
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:24:30 ID:3acdde80
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \ つまりっ!
| |r┬-| |
\ `ー'´ / これはただの、『確認作業』に過ぎないんだお!
ノ \
/´ ヽ あくまで、『信じる』か『信じない』かって聞いてるだけねっ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ ……えっ?
/ ::::⌒(__人__)⌒:::: \
| |r┬-| | 『やる夫、お前はどうなんだ』って……?
\ `ー'´ /
> <
( | / )
`| /'
| r /
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
4
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:26:45 ID:3acdde80
____
/⌒ ⌒\
/( ー) (ー) \
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ やる夫は『神を信じてる』……
| |r┬-| |
\ `ー'´ / と言うよりも、『知ってる』と言った方が正しいお
r´、___∩∩__, /
\__ ´人 ` _ノ
ヽ  ̄  ̄ |
| /
| r /
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (ー)\ まず、自己紹介するお!
/ ::::⌒(__人__)⌒:::: \ やる夫の名前は『やる夫』だお!
| |r┬-| | 身長は152センチで、平均より
\ `ー'´ / ほんのちょびーっとだけ低いお!
> < チンコの大きさはご覧の通り『並』、
( | / ) けっして小さくないお!
`| /'
| (u) / ボロン
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
5
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:29:16 ID:3acdde80
____
/⌒ ⌒\ 喧嘩やスポーツは苦手で、
(ヽ /( ●) (●)\ /) 好物はアイスクリーム、ラムレーズンが好き!
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i))) 趣味は映画鑑賞!
/∠ | |r┬-| |_ゝ\ やる夫は知的な映画画が大好きなんだお!
(___ `ー'´ ____ )
| /
| /
| r /
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
____
/⌒ ⌒\ 『トレマーズ』『バタリアン』『ムカデ人間』『ショーンオブザデッド』
/( ―) (―)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 『ギャラクシークエスト』『スパイダーパニック』
| |++++| 」_ キラッ |
\ `ー''´ l / サメ映画なんかも良いですなー
6
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:30:12 ID:3acdde80
____
// \\ 学校の成績は上の下……けど、やる夫の通う
/( ●) (●) \
/::::::⌒ 、_! ⌒::::: \ 『私立夜兎咲高校』は偏差値が高いから、
| 'ー三-' |
\ / 全国平均で言えば『勉強ができる』と言い切って良いお
* ____
+ 。 / \ /\ キリッ 学歴は勝ち組人生への第一歩!
/ (ー) (ー)\+ 。 *
/ ⌒(__人__)⌒ .\ だから、高校受験で脳みそパンクするまで
+ 。| |r┬-| | + 。
\ `ー'´ / 一生分の勉強をしまくったんだお!
\ ,,,, ,,, / + 。
7
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:30:53 ID:3acdde80
/ ̄ ̄ ̄ \
// \\ 夜兎咲高は古い伝統を誇る名門校で、
/ ( ≡) ( ≡) \
| /// (__人__) /// | 生徒の半分は小中学校からのエスカレーター式
\__ `ー ' ___/
/ ヾ、 // \ ヽフ 財閥や企業の一族など上級国民が多いですお……
ヽ_⌒)ハ // | レつ||)
i⌒l ミ゚Д゚,,彡⌒) ヽ_ノ  ̄ そんな高校に入れたやる夫も、当然上級国民の仲間入り
| | ヽ__"" ヽ_ノ| |
ヽ  ̄ ̄ ̄/ ヽ ヽ_ノ つまり、もう努力しなくても一生安泰なんだお!
 ̄ ̄ ̄ / /ヽ__)
(__ノ
8
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:31:59 ID:3acdde80
____
/⌒ ⌒\ 授業料もとっても高いけど、奨学金の枠も広いから、
/( ―) (―)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 一般のご家庭の生徒も三分の一ほどいるお……
| |
\ / やる夫のおうちも中流家庭だお
____
/ ⌒ ⌒ \ ……さて。自己紹介は、これくらいにして……
./( ―) ( ●) \
/::⌒(_人_)⌒::::: | 次に、やる夫の恋人の紹介に入ろうと思いまーす!
| ー .|
\ / そう、恋人……なんと、やる夫には彼女がいるのであーる
9
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:34:38 ID:3acdde80
___
/ ヽ、_ \ 長身美形で銀髪のセミロング
/(● ) (● ) \
/:::⌒(__人__)⌒::::: \ モデル顔負けのプロポーションに大きなおっぱい、
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L / スラリと延びた美しいおみ足……
ゝ ノ
/ /
____
/⌒ ⌒\ やる夫と彼女は、相思相愛!
/( ―) (―)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ お互い、完璧に好きあってまーす!
| |++++| 」_ キラッ |
\ `ー''´ l /
10
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:36:33 ID:3acdde80
___
/ \ ……えっ?
/ _ノ '' 'ー \ いや、これはやる夫の妄想じゃねえお?
/ (●) (●) \
| (__人__) | マジ話だお!?
\ ` ⌒´ /
___
/ ヽ、_ \ ……ちょっとノロ気が過ぎましたお
/(● ) (● ) \
/:::⌒(__人__)⌒::::: \ そろそろ本題に入るとしますかね
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L /
ゝ ノ
11
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:37:46 ID:3acdde80
____
/⌒ ⌒\ さて……今からパソコンで記す
/ ( ●) (●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 『これ』は、やる夫の『ひと夏の手記』になるお
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ カ
| l l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l カ タ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. タ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
____
/ u \ この、気が狂うほど暑い夏……やる夫が彼女と恋人になり、
/ \ /\
/ し (ー) (ー) \ 茶色くてグチャグチャした不気味なクリーチャーと知り合って、
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ / とある大事件を解決するまでの経緯をまとめたものだお
12
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:38:45 ID:3acdde80
____
/ \ ……うーん。もしかして、
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ これが『神にまつわる物語』というならば
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / これは宗教的なお話……
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | いわゆる、聖書の類になるのかお?
\ /___ /
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) まあ、宗教聖典の内容が一介の高校生の恋バナなんて
/ (─) (─ /;;/
| (__人__) l;;,´| ちょっと、低俗過ぎる気がしねーでもねえけど……
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
13
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:39:56 ID:3acdde80
____
/ \ ( ;;;;( 旧約聖書だって、アダムとイブの責任転嫁とか、
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (● /;;/ カインとアベルの兄弟喧嘩とか、セックスだらけの町がどーとか、
| (__人__) l;;,´|
./ ∩ ノ)━・'/ 爺さんが動物園作っただとか……そういうのばっかだしね?
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
____
/ ⌒ ^\ というわけで、宗教関係者に石投げられそうな前置きは
/ ( ●) (●)
/ ::::::⌒(_人__)⌒ヽ ここまでだお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ / ここから物語が始まるお!
14
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:40:39 ID:3acdde80
次回
第一章 真夏の分岐点
15
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/10/31(Thu) 20:41:04 ID:3acdde80
また明日の夜に続きします。
よろしくお願いします。
16
名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 12:08:38 ID:70f42d90
乙
17
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[] 投稿日:2019/11/01(Fri) 19:53:52 ID:3fe8da22
ありがとうございます。
また今日もやっていきます。
18
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 19:54:06 ID:3fe8da22
『第一章 真夏の分岐点』
ミィ~~~ン
ミンミンミンミンミンミン
ミィ~~~~
ミンミンミンミンミンミン
o=¥=o
~\ハ――ハ/~
∧ヘ三/∧
ノ||メ∀メY|ヽ
/|乂王乂|ヽ
|YY水YY|
VY人YV
V V
19
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 19:55:26 ID:3fe8da22
ミィ~~~ン
ミンミンミンミンミンミン
ミィ~~~~
ミィ~~……
……………
…………ミィ~~
ミンミンミンミンミンミン
o=¥=o
~\ハ――ハ/~
∧ヘ三/∧
ノ||メ∀メY|ヽ
/|乂王乂|ヽ
|YY水YY|
VY人YV
V V
20
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 19:57:15 ID:3fe8da22
____
/ノ ヽ、_\ あああーっ! 糞セミうっせえおーっ!
/( ○)}liil{(○)\
/ (__人__) \ いったん鳴くの止めてしばらくしてから
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| / また鳴くのがさらにムカつくおーっ!
┌───────────────────────────┐
│ 七月……その日は、一学期の終業式であった。 .....│
│ 憎たらしいほどの青空が一面に広がり、そこに浮くのは │
│ ジリジリ焼ける太陽と、真っ白な入道雲である。 ...│
└───────────────────────────┘
21
名前:スレ主削除[スレ主削除] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:00:42 ID:3fe8da22-DEL
スレ主削除
22
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:01:17 ID:3fe8da22
\ │ /
/ ̄\
─( ゚ ∀ ゚ )─
\_/
/ │ \
__ r;;;l ,___r::l
.|:::|∧i , ,:r;;;;;i .,!|:::::| , , .|:::|::|;;;;
:|:::|::| 合合 |:::::::| ii|;l;l;l| 合合 |::::|::|:::::
""'''' ""'''"''"'"''"''" ,.;:;'' "':,"'''"''"''"'""''"""
┌───────────────────────────────────┐
│ 時間は、正午ぴったりだ。 .│
│ 故に、天空から降り注ぐ日差しは影の大きさを最小限にし、 ....│
│ 容赦なく茹だるような熱気と陽炎を、生きとし生けるものに ....│
│ あまねく提供あそばしていた……そんな、気も狂うほどに暑い夏の昼…… ......│
└───────────────────────────────────┘
23
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:02:14 ID:3fe8da22
┌────────────────────────┐
│ 夜兎咲高校の校舎裏に、やる夫は立っていた。 .│
└────────────────────────┘
ミィ~~~ン
ミンミンミンミンミ
ミィ~~~~
____
/ u \
/ / \\
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
____
/ u \
/ \ /\
/ し (>) (<) \
| ∪ (__人__) J | まったく……飽きずによく鳴くものだお!
\ u `⌒´ /
24
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:03:08 ID:3fe8da22
_-─―─- 、._
,-"´∪ \
/ し ∪ ∪ ヽ マジでクッソあっちぃお
/ ∪ _/::::::\_ヽ アイスクリームが食べたいお……
| :::::::::::::: ヽ 日差しがきつくて頭クラクラするお
l u ( ●)::::::::::( ●) 目に汗が入って染みるお……
` 、 し (__人_) / 肌も焼けてヒリヒリするお
`ー,、_ J/
/ `''ー─‐─''"´\
____
/ \
/ \ おかしい……今朝の天気予報では、
/ \
| \ ,_ | 「今日は一日、うす曇り! 涼しくて過ごしやすいでしょう!」
/ u ∩ノ ⊃―)/
( \ / _ノ | | とかなんとか言ってたはずなのに……
.\ “ /__| |
\ /___ /
┌──────────────────────────────┐
│ テレビの天気予報が当たらないのは、いつもの事である ...│
│ しかし、どんなに暑くても辛くても、やる夫はここから動けない。 .│
│ なぜなら……。 ..│
└──────────────────────────────┘
25
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:04:29 ID:3fe8da22
.____ .i^マ'フ
モジモジ ./⌒ ⌒\ レ' / 今朝、やる夫は、とある女子の下駄箱に
/( ―) (―) ./ ,イ ヽ、
//// .(__人__) ./ 、 /ーヘ_,.ヽ, 「放課後、校舎裏に来てください」と書いた手紙を投函したからだお!
| .´ ⌒` ./ 、\`ヽ´__ .`t
. \ .../ ヽ r'´_}__, { これからやる夫、その娘に「好きだ!」と告白するつもりなんですお……
./ {'T /`7/ _,ノ !
.-' `7'/ヽY´ |
___
/ \
/ \ やる夫はもう、好きな思いを伝えずにはいられないのです
/ ⌒ ⌒ \
| /// (__人__) /// | 好きなモノは好きだからしょうがない!
\ /
26
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:05:49 ID:3fe8da22
____
; /ノ|||| ヽ\; だがしかし、この暑さ……これが、予想外だったお!
; /( ○) (○)\ ;
, /::::::\(__人__)/::::: \; 告白のムードもへったくれもあったもんじゃねえ!
; | し | |r┬-| | |,,
′\ `ー'ォ U/´ 本日、まごう事なきクソ猛暑なんだおっ!
.. ____
/ ― -\ うーん、告白の場所を変えるべきか?
. . / (●) (●)
/ (__人__) \ 校舎内なら冷房効いてるだろうな……
| ` ⌒´ |
. \ /
. ノ \
27
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:06:56 ID:3fe8da22
___
/ \
/ _ノ '' 'ー \ でも……校舎裏に呼び出して、暑いので校舎に入りませんかって
/ (●) (●) \
| (__人__) | なんだかマヌケっぽいおなぁ……
\ ` ⌒´ /
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \ ……ま、別にこの際、なんでもいいお!
/:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ | どうせ告白したところで、上手く行きっこないんだお!
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /
┌──────────────────────────┐
│ やる夫は自嘲気味に笑った……それも無理はない。 ....│
└──────────────────────────┘
28
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:08:01 ID:3fe8da22
┌───────────────────────────────────────────┐
│ なにしろ、やる夫の呼び出した女の子は、誰もが一目で魅了されるような、 ...│
│ 類稀なる美少女だった……。 │
│ その上、人当りもいいし、スポーツ万能で成績も優秀 ...│
│ 入学以来の短い間に多くの男子が、、山ほど告白しては玉砕してきた。 .│
│ それは大企業の御曹司や全国的に活躍してるスポーツ少年、現役芸能人等、多岐にわたる。 ....│
└───────────────────────────────────────────┘
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
┌───────────────────────────────────────┐
│ 比べてやる夫は……背も低いし、顔も悪い、これといった取り得もない。 ..│
│ 『有名校に入るくらいだし頭は良いんじゃないか』と思われるだろうが、そうではない。 │
│ 受験勉強しかしてこなかったやる夫は、いわゆる『勉強のできるバカ』である。 .│
│ 高校受験からの入学組だから、家柄だって平凡そのもの……。 │
└───────────────────────────────────────┘
29
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:09:20 ID:3fe8da22
┌───────────────────────────────┐
│ これだけスペックに差があると、流石のやる夫も ....│
│ 『告白が上手く行く』だなんて、能天気に考えることができなかった。 .│
└───────────────────────────────┘
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ
/ _ノ ノ \ \ `、 ううっ……や、やっぱり、やめようかなぁ
( < (○) (○) | )
\ ヽ (__人__) / /
???「あら……何を、やめるの?」
____
/ \
/ u ノ \ ひぃっ!?
/ u (●) \
| (__人__)|
\ u .` ⌒/
┌─────────────────────────────┐
│ 驚いたやる夫は、慌てて振り向く。 ..│
│ すると五メートルほど離れた場所に、彼女が立っていた……。 │
└─────────────────────────────┘
30
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:11:55 ID:3fe8da22
,、r,===ミ とぅ、
/// ̄ ̄ヾ辷彡
,://| |\l | | | Y V!
|レ| |ナ \「「 | |}!
l:|.| vぅ えッ| |}!
. 从八 '__ | |i|!
/八: : > イr/ 从
\\_〉∨/7イ/イハ
,、‐{ {>只<} r}}冖~、
/ 「 /// / // r}V }
| /乂v-v-v-v-イノ |! }
}.{ 八 _,、
r- 、_,、イニ=- 、、彡 〈 ハ_ノ〉
¨「 /ニニニニニニ/ | |
,′/ニニニニニニ〈 | |
| 仁、、ニニニニΛ | |
l ニニニニニニニニ | |
| jニニ\ニニニニニΛイ⌒ヽ
|/ニニニ-\ニニニニΛ _ _/
. ,ニニ|ニニニヽニニニニ{ Λ
,ニニ|ニニニニニニニニ7⌒ V
,ニニニ|ニニニニニニニニ{ }
|ニニニ|ニニニニニ|ニニニ Jハj」
|ニニニ|ニニニニ|ニニニニΛ
|ニ|ニニ|二ニニニ|ニニニニニΛ
└-|二二|=ニ二二|へ二二二ニΛ
';::::::::::::| ',::::::::::::',
}:::::::::::| ',::::::::::::',
,:::::::::::::l ',::::::::::::',
┌───────────────────────────────────────────────┐
│ 枝垂ホタル .....│
│ スラリと高い背に、風になびく髪、制服のスカートから伸びる長い脚は健康的で、黒いタイフを履いている。 │
│ ブラウスの上からでもはっきりとわかる腰の細さ……胸の大きさは主張しすぎず、 .....│
│ それでいて健康的な色香と自信に満ち溢れている。 .│
│ 噎せ返るような真夏の校舎裏が、とたん華やかさに包まれた。本職のモデル顔負けである。 .│
└───────────────────────────────────────────────┘
31
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:13:12 ID:3fe8da22
___
/ \ 相変わらず、すんげえ美少女ぶりだお!
/ \
/ ⌒ ⌒ \ ……えっ。オレ、これからマジでこの子に告白すんの?
| /// (__人__) /// |
\ / えっ、これ無理ゲーじゃね?
┌──────────────────────────┐
│ ホタルはそんな彼の前までスタスタ歩いてくると、 ..│
│ その長身から彼の顔を覗き込んで、微笑を浮かべた。 ....│
└──────────────────────────┘
32
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:13:52 ID:3fe8da22
__
. .: ‐.ヘ (.: .: .: .: .: .:''~、、
/: .: .: .: .}k: .: .: .: .: .: .: .: .:`: .、
/: .: .:,、-=ニ二二ニ≧s。.,: .: .: .: .\
/: .: .,ィ゙ニニニニニニニニニミh。.,: .: .\
, ' .: ./ニ=‐''"´.: .: .: : .: .:  ̄´"'<二ミh、: .: `、
,: .: .:/ニ/:/ |.: .: .: /.: .: : .: .: .: .: .: .: :\ニニh,:,xへ‐-、
,: : : /=:゙ : / : |.: .: ./ !: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:寸ニく {⌒へ-、
,: .: .:/=゙: .: .: .: :|:|: :/ |: .: .: .: |: .: .: .: .: .: .: .:マく_ノ くけハヘ
/: .: :,=/.: .: .:./.: |.|:/ 、 : : : .|: .: .:|: .: .: .: .: .:气ヘ乂__ノりj
/: .,'气/: .: .: /.:. :.|. ゙、: .: : |: : : |: .: .: .: .: .: }刈乂_彡゙
/.: .:{ イ.:/ .: /.:/┼-ミ、 、: .: .|.:. .:.|: .: .: .∥ : |: .|く
/.:/.从 |/.: .: / | ヽ ゙ 、: .|: .: .|: .:. .:./!: .: |: .|\::.
`¨¨´ //: /ハ,/: .: .ィぅざ芸ミx \: -‐…;, ;,/ |.: : |: .| )::
:/: /.:/ |: .: : | ヽ ゞぅヅ _,、、、,_,,, レ:ルl: :| (::::....、
.:///: /|: |: .: . | `¨´ v苡ア ̄メv、 |.: .:||:.:| ::.\ ねえ、何をやめるの?
∥ |:./. |: |: .: . | , `¨´、xィヘ/: .: .∥从::. \\
{ l/:.从 | .: :. | くノ /: ./.: ./: .:| \:. \) やる夫君、私に何の用事かしら?
. __,、rァ''"´ l : .: .|ハ ` 、 _ _,、/.:..:/: . Y⌒Y \:.
r7「 ニニ゙ / l .: ./| \ ` ー --く¨ く__ \ \ー…=乂_ノ \:.
. / { { ニニ / l .:/: | \ \ } | / 〉 ト、:/ }
/ { l ニニ { / \:..:|\: ≧‐'''''"" じ / / Λ
{ { {ニ∥ / / }/ニくュ/ / // }
j {ニ{ { //〈/ // __/イ /
. `、{ニ{ 〈 (__/// |  ̄| ̄ ̄/ ̄ / /
{ \}ニ{// ヾ-‐'"/ // | | / __ {_ /
. Λ ヽ}ア /// /| | {__/-ミ、 ⌒\ /
/ )ヘ、 / , ′ / '゙ c/ l !/ / / / `'ヽ-く
/ / `¨´∥ / / / / / ′ |_ / / / } |
. 乂_/ /,∥ / / / / / / ,゙ |/⌒'~へ j__/!
/⌒¨´i{ j ,' 〈:/ /c ゙ ゙, ゙ーイ_/
. / ∥V ' / / ,゙ ゙, / /
/ ∥\\! / / ′ ゙, / /
八 \h、 ,:'c | } / /
\ `''~{ L 从 / /
33
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:14:31 ID:3fe8da22
____
/ \
/ _ノ ヽ、_.\ え、えっとぉ……?
/ (●) (●) \
| (__人__) |
/ `⌒´ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ チラッ
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ |
\ /
34
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:15:26 ID:3fe8da22
__
,、、.: '".: .: .: .: .: .: . ''~、
/: .: .,、-=ニニニニ=-__: \
/: .: ./ニ=‐''"´ ̄ ̄´"'‐=ニh、:V/rヘ-、 ハァ ハァ
. /: .:/ニ/:. | : : :. :. :. :. | :.| :`くニシ{しにぅ
/..:.:/ニ,イ :. : :.′.:. .:. .:. .: |: :|: : : :|:゙寸rヘ乂リ ハァ ハァ
. ゙: .:/ニ/:. :. :. / ´; : : : : : :|:八.:. .:.|:. :. く乂ソ
,゙ .: |ニ゙:.| :. 斗 '" ´;:\. : . ´「"'ー-|.:. :. .} ハァ ハァ
|:. : |ニ{:.|: // ___,,,, ´;._:\:.| |:. :. j:.j:. :.j:.j! ハァ
|:. :r‐、:.ィ笊¨゙f笥¨ ι 'f笥¨¨ミxイ: Λ ハァ
|:. :{ |:. : | ''''""" """'''イ : |:|くh ハァ ハァ
|: 人 |:. : |//// ヽ /////{:..:.|:| }/}
.从. |ノ|:. : | ιr―.....--......、 l : :|:| }/} ハァ
. |. .:|. |.: : |、 {::::::::::::::::::::::/ ι イ:. :.|:|//} ハァ
. 人: |: |. :. |.|\ ``'‐---‐ イ: |. :. |:|//}
ヽ|. :. |.| . }> イ:. :.|: :|. :. |j⌒"
|. :. |/{ `` ¨气.:|.: .:.|. :|. :. |
____
/⌒ ー、\ (うわっ……枝垂さん、めっちゃ息きれてるお……)
/( ○) (○)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ (汗まみれだし、もしかしてダッシュで来たのかお!?)
| |r┬-/ ' |
\ `ー'´ /
35
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:16:12 ID:3fe8da22
┌────────────────────────────────────────────┐
│ 長いまつげに彩られた大きな瞳が、期待するかのような光りを湛え、こちらをジッと見つめている。 .│
│ プレッシャー……っ! やる夫は、この場から走り去りたい衝動に襲われた。 ...│
└────────────────────────────────────────────┘
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ (ど、どうしよう……? 逃げたいおっ!)
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ (だ、だけど、やる夫だってオトコノコだおっ!)
/ o゚((●)) ((●))゚o \
| (__人__) | (ここで勇気を出さなきゃ、一生後悔するお……)
\ ` ⌒´ /
36
名前:スレ主削除[スレ主削除] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:17:04 ID:3fe8da22-DEL
スレ主削除
37
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:18:24 ID:3fe8da22
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ (涙を拭いて……やる夫は、やるお!)
/ /⌒) ⌒゚o \
| / /(__人__) |
\/ / ` ⌒´ /
____
/\ /\ ……キリッ
/( ●) (●)\
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ し、枝垂さん! 今日は来てくれて、ありがとなんだおっ
| |r┬-| |
\ ` ー'´ /
38
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:18:57 ID:3fe8da22
,、..:‐…‐-. .,
. _、. :. .: .: .: .: ,、.: .: .:`:. .、r-、r、,、_
,、.: .:`丶、: .: .: .: .;、 -==ニ=へΛ{へ)_
. /: .: .:/.: .: . ,、イニニニニニニニヽヘへノ
/: .: .: .: .:/.:/ニニニ>'"´ヽ: .: .: .: . ``'乂‐ァ゙
′: .: .:/.:/ニニ>'".: .: .: .: .:゙:,: .: .: .: .: .: ゙√
′: .: ./.: ./ニニ/:. :. :. l .: .: .: .: ゙; .: .: .: .:. .:.‘,
: .: .: .: .: /ニニX :,゙ .:. .: .:.|Λ:´; .: .:゙;.: .: .: .: .: .:.‘,
|: .: .: .: イ二/: .: | : : : : :.| :Λ:´; .: .゙;.: .: .: .: .: .: .:,
|: .: .: /ニニ/ : : .:|: .|.: .: .:|/ ゙:..\: ゙;. ト、.: .:| :|.: }
|:|.:.:./:.|ニ/:.:| :. :.|: .|.: .| .:! ゙:. .:\.:|.,:斗:.| :|.ノ
. 从: .: .:_.: .: .:| .: .:| :.|:.-|―…‐- \ .:'「_,,,;_;ノノ! (
//: .// `V|.: :.从:. :. |. ミzzxァ :. .:.|Vx どういたしまして!
/イ:. / { (ヘ, | : :.-ィxzzzィ彡' ! .: .:.| マハ
. |:i :. :.`ト 乂_, | : : :. 「. 、 ; :. .:.:| }/} ……やる夫君からお手紙なんて、初めてよねえ?
. |:|:. :. :.|.: .ゝ-:| : : :. | / ,: .: .:从//ノ
人乂.:. l:.|.:. .:. | : : :. | ,...-:ァ /≠-|:. :.V/
. |: .. :|.:. .:. | : : :. | :.. ゝ ;;;'゙ ,.:゙マヘ, |:. : :|(
. jハ:.:.|:..:Λ|:. :. :l:|ヘ >:.... ,、イヘノiiiヘ j.:/.:.|ヘ
}//乂! : : :l:| し'⌒):::厂7\\ V^)iii;イ:.:.:|八_
/⌒ ∥:. .:从 \ \,ィ/x-―-、V^)iii|:. :/ ⌒ヽ
/ /:. / \ /::::;{::」、::::::ノ V^)i|/
39
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:20:09 ID:3fe8da22
____
/_ノ ' ヽ_\
/(≡) (≡)\ う、うん
/ /// (__人__) ///\
| |r┬-| | 実はやる夫、枝垂さんにどうしても伝えたいことがあるんだお……
\ ` ー'´ /
,、: .: .: .: .: .: .: .: .:~、、
/.: .:>-‐====-、、.: .r-‐へ、_
. ,、.: .: /ニニ=-…-=ニニニノ「 rえヘハ
/:. :.,:'゙ニ+'゙.:.:.|. :. :. :. :.\.:` Yへ乂'"メj}
: .: .,ニ+゙ . :. :. |:. . :. :. :. :. ヽ.: ゝ-に二ノ
: .: ,ニ+゙:. :. :.: :.:从. :. :. :. :. :. :. :. :.ハ`「¨´ハ
: .: .,ニ゙ :|: :|: :. :/|\.:. :. :. : :l : : : :|:.|. :. l: :
|: .:.,ニ|: :|: :|/| / |.:. :.:\.:. :. :.| :. :. :|:.|. :. l:. :
. |:..:.:|ニ|:. l :_|:,_ 、:. :. :.:\ _;|_ : . :|.: :. :. .:
|: .: |ニ|: 从| |「 \.:从.:"´:ノ_jノ :ノ :|.:. :.l:. ::
: .: .: .: .X,.ィ=ニミx .,ィ=ニミx..刈:ハ .l:: :
|: .: .: .: . : : |.:|'r} .!:: :
|: .: .: |: .:.|⊂⊃ }! ⊂⊃.:|.:|ノ.:.| . :! あら……?
|: .: .: |: .:.|. ' |. :. :|.:. :.|. :l:!
|: .: .: |: .:.|:.:. |. :. :|.:. :.|. :|:! 何かしら? わくわくするわね
. 从:.|: .|. .:.|.:: .:>.、 ` ー ´ ./.:|. :. :|.:. :.|:. |:!
:. :|: .|. .:.|.: .: .rヘへ イ-v|.:|. :. :|.:. :.|: 从
乂:从 .: .: .:.〈¨ヘ-へ`´ r-、rヘノ .:|. :. :|.:. :.|:/ }
\\ :〈.: .: }\ } / / //:..:|. :. :|. :| |ハ{
). \〉イヘ::::\V/ / イ:::ノヘ| :. /.:/,/ }}
/ ,,、+''"::::::::r‐:r::::‐=、、 ノ/ 、__/ くノ
〈:::::::::::::::::::ノじノ、::::::::::::\ 「 ̄\
{:::::::::://⌒\::::::::::::::/
乂:/ /0Λ ゙'ー--''゙
/ / / ハ \\
40
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:20:52 ID:3fe8da22
┌───────────────────────────┐
│ ニコニコと微笑むホタルの顔を見ながら、 .│
│ やる夫は顔を真っ赤にして大きく息を吸い込み、叫んだ。 │
└───────────────────────────┘
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ し、枝垂ホタルさん!
/ ///(__人__)///\
| u. `Y⌒y'´ | 好きだおっ!
\ ゙ー ′ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ やる夫と……つ、つつ、付き合って欲しいんだおーっ!
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
41
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:21:18 ID:3fe8da22
┌─────────────────────────────┐
│ そして、頭を下げた。地面に視線を落とし、グッと唇を噛む。 .│
└─────────────────────────────┘
__、
,r´⌒ヽ,⌒ヽ,ヽ
(⌒)、 .人 λ\、 .
\. \ 、 ヽ./ ̄ ̄ ̄ ̄\
|\ \ ヽ./:: \
| \ \ /:::.. | バッ
|. \ | :::::... /|
. |. |.\_ノ\ /
. |. | | \_____/
. | ) .| . . ̄ ̄
. | | .|
| |.| .|
. | | .| .|
/ / / ヽ,
(__ノ ヽ、__つ
42
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:22:16 ID:3fe8da22
……ミィ~~~
ミンミンミンミンミンミン
o=¥=o
~\ハ――ハ/~
∧ヘ三/∧
ノ||メ∀メY|ヽ
/|乂王乂|ヽ
|YY水YY|
VY人YV
V V
┌──────────────────────────────────────────┐
│ また、蝉の鳴き声。 .....│
│ ……そのまま、数分が過ぎた。 .....│
│ 時間経過と共に、バックンバックン言っていたやる夫の心臓も、徐々に落ち着きを取り戻す。 ......│
│ だが、ホタルからの返答は……まだ、ない。 .│
└──────────────────────────────────────────┘
43
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:25:10 ID:3fe8da22
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ どうやら、やる夫の告白は、彼女を困らせただけのようだ…… ......│
│ やる夫の胸に失望が広がる。 │
│ 情けなくて怖くって、顔が上げられなかった。後悔で泣きたくなってくる。 .....│
│ しかし、そんな彼の目に涙が滲む前に、地面に何か黒い液体が、ポタリポタリと垂れて染みを作った。 │
└──────────────────────────────────────────────┘
__、
,r´⌒ヽ,⌒ヽ,ヽ
(⌒)、 .人 λ\、 ._____
\. \ 、 ヽ./ ー ー\
|\ \ ヽ./ ( ●) ( ●)
| \ \ / (__人__) \ ……?
|. \ | ` ⌒´ |
. |. |.\_ノ\ /
. |. | | \______/
. | ) .| . . ̄ ̄
. | | .|
| |.| .|
. | | .| .|
/ / / ヽ,
(__ノ ヽ、__つ
┌────────────────────────┐
│ 彼はそれを辿って、おそるおそる視線を上げる。 ......│
│ すると、そこには真っ赤な顔のホタルが…… .│
└────────────────────────┘
44
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:25:45 ID:3fe8da22
. .--. . . .
,、. :''": .: .: .: .: .: .: .: .: .: ~、
/: .: ._-=ニニニニ=-_: .: .\
'゙: . __-ニニ=-‐……-=ニニニ-__.r、r、-、
/: . ,、-ニ-:.: :.: ./: ./: /:./.:. .:|:⌒-ニ/ {乂ぅヘ、
′ /ニ/:/ .: .: /: .//Λ: .: .: .|: |: .: .乂乂こソア
∥: /=/: ./: .: .:./:.:.// { ゙:,:.:. .:.|: |: .: .: └く~rソ
. ∥ ;'ニ/: .: .: .: .: _// {: .:゙:, .: .: .|.: .: .: .: .: .「「´
. ∥: {ニ{: .: {: .: .: ./ ⌒ヾ ゙:, : .゙、:. .;;|_.: .: .:.|.: .:|:.|\
/: : lニ{:.: .:xif''"¨"'' 、、 \: .:\: ⌒ヾ:リ .: |:.| \、
. /: ./ヾ|: .: .| ぉ -‐-ミ:. .:/: .: .|:.| \、_
/.: : { 〈 |: .: .l x ,,, - ぉ ヾ:._:. /:.|! \(
/ィ : Λ |: .: .| / |/ |/ ヽ、.,, メ⌒´ソ/
∥: .: ヘ__|: .: .| j /| /| / イ.: :.:|: :|
∥ .: |: : : |: .: .| ノ^/^)、 ┃ /:|: .: .|: :|
l{: .:l: |: : : |: .: .l:、/ / / !ヘ /:.:|: .: .|: :|
八: .l: | : .: |: .: .|xi r,゙ /! j | ,.イ/ : :|: .: .|: :|
. ヽトヘ: ./.| | : |〈| ,゙ // ,゙ !, ::/: : /: |: :|: .: .|:l |
. ∨/| | : |ィ| レ゙ / .j :/: : /: : |: :|: .: .|:l |
、-'゙| | : |八 ├ー-气厂V:.: :.:从j
/ \ヘl: .:| /Λ |⌒ヽ V厂}/:/¨¨ヽ
. / ) \| ヽ::ハ |:::::::/ }厂}/ }
┌────────────────────┐
│ 鼻血をダラダラ流して立ち尽くしていた。 │
└────────────────────┘
45
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:26:52 ID:3fe8da22
__、
,r´⌒ヽ,⌒ヽ,ヽ
(⌒)、 .人 λ\、 ._____
\. \ 、 ヽ. / \ / \
|\ \ ヽ./ ( ○)}liil{(○) ちょ、ちょっと……枝垂さん?
| \ \ / (__人__) \
|. \ | |!!il|l| | ど、どうしたんだおーっ!!
. |. |.\_ノ\ lェェェl /
. |. | | \______/
. | ) .| . . ̄ ̄
. | | .|
| |.| .|
. | | .| .|
/ / / ヽ,
(__ノ ヽ、__つ
┌───────────────────────────────┐
│ 驚いたやる夫は、声を上げる。 .....│
│ ホタルは、しばし呆然としていたが、やがて胸の前で両手を組み、 ......│
│ うっとりした顔で呟いた。 .....│
└───────────────────────────────┘
46
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:27:52 ID:3fe8da22
__
,、、.: '".: .: .: .: .: .: "''~、
/: .: .,、-=ニニニニ=-__: \
/: .: ./ニ=‐''"´ ̄ ̄´"'‐=ニh、:V/rヘ-、
. /: .:/ニ/:. | : : :. :. :. :. | :.| :`くニシ{しにぅ
/..:.:/ニ,イ :. : :.′.:. .:. .:. .: |: :|: : : :|:゙寸rヘ乂リ
. ゙: .:/ニ/:. :. :. / ´; : : : : : :|:八.:. .:.|:. :. く乂ソ
,゙ .: |ニ゙:.| :. 斗 '" ´;:\. : . ´「"'ー-|.:. :. .}
|:. : |ニ{:.|: // ___,,,, ´;._:\:.| |:. :. j:.j:. :.j:.j!
|:. :r‐、:.ィ笊¨゙f笥¨ 'f笥¨¨ミxイ: Λ
|:. :{ |:. : | ''''""" """'''イ : |:|くh
|: 人 |:. : |//// ヽ /////{:..:.|:| }/} ああ、跳ねるカレー南蛮クリーチャー様ぁ……
.从. |ノ|:. : | r―.....--.┃....、 l : :|:| }/}
. |. .:|. |.: : |、 {::::::::::::::::::::::/ イ:. :.|:|从l! 私、夢みたいですぅ……!
. 人: |: |. :. |.|\ `'f r---‐ イ: |. :. |:|//,!
ヽ|. :. |.| . }>|{ イ:. :.|: :|. :. |j⌒"
|. :. |/{ `` ¨气.:|.: .:.|. :|. :. |
. ____|. :. | \ } ヽ : : |./|. :. !
.. r‐ヘ//Λ!.:.: | \ ___/ } ¨}77! : :|、_
く V/ハ.: : |\ /ヘrぅイヘ } |//! : ;′ }
{ \ ∨/乂.|| \/ 弋ツ \} |//!:./ /ヽ
. < ∨/r、 /''""´⌒`\ |//レ / }
\ ∨ \|⌒\:::::::::/と¨¨¨V/ / /
} \r 「\)ニニ∨/ニニ}ア }\ / ′
Λ { \|ニニニ{{ニニ(/ } ハ ′
. Λ 〈 --!ニニニ\ニニヘ_ノ},ヘ} ,′
Λ Λ ー-!ニニニニ}!ニ/,_,{ \ィ ,′
. Λ / `¨´ \ニニニ//^^Λ ,′
47
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:28:34 ID:3fe8da22
.. ____
/ ― -\
. . / (●) (●) 跳ねる…カレー…えっ
/ (__人__) \
| ` ⌒´ | な、なに……?
. \ /
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) (うおおっ……やべえお、これ!)
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| | (暑さで頭がおかしくなってるおっ)
\ lェェェl /
メ ,, -──- 、._\
メ/ u ゚ 。 \\ ご、ごめんお、枝垂れさん……
/ / ノ ヽ、 \\
! | o゚((●)) ((●))゚o | いますぐ保健室に連れてくお!
\\ (__人__) /く<
ノ メ/ ` ⌒´ ヽヽヾ
┌───────────────────────────┐
│ 慌てたやる夫は彼女の手をグイグイ引っ張った。 ...│
│ だが、ホタルはその手をしっかりと握り返し、首を振る。 ....│
└───────────────────────────┘
48
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:29:36 ID:3fe8da22
,、r,===ミ とぅ、
/// ̄ ̄ヾ辷彡
,://| |\l | | | Y V!
|レ| |ナ \「「 | |}! あっ……?
l:|.| vぅ えッ| |}!
. 从八 'i_ | |i|! ううん、大丈夫よ
/八: : > イr/ 从
\\_〉∨/7イ/イハ ちょっと興奮しすぎて、鼻血が出ちゃっただけだから…ズビッ
,、‐{ {>只<} r}}冖~、
/ 「 /// / // r}V }
| /乂v-v-v-v-イノ |! }
}.{ 八 _,、
r- 、_,、イニ=- 、、彡 〈 ハ_ノ〉
¨「 /ニニニニニニ/ | |
,′/ニニニニニニ〈 | |
┌────────────────────────────────────┐
│ ホタルは明るく笑うと、懐からハンカチを取り出し、鼻血を拭いてから言った。 .│
└────────────────────────────────────┘
49
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:30:36 ID:3fe8da22
,、..:‐…‐-. .,
. _、. :. .: .: .: .: ,、.: .: .:`:. .、r-、r、,、_
,、.: .:`丶、: .: .: .: .;、 -==ニ=へΛ{へ)_
. /: .: .:/.: .: . ,、イニニニニニニニヽヘへノ
/: .: .: .: .:/.:/ニニニ>'"´ヽ: .: .: .: . ``'乂‐ァ゙
′: .: .:/.:/ニニ>'".: .: .: .: .:゙:,: .: .: .: .: .: ゙√
′: .: ./.: ./ニニ/:. :. :. l .: .: .: .: ゙; .: .: .: .:. .:.‘,
: .: .: .: .: /ニニX :,゙ .:. .: .:.|Λ:´; .: .:゙;.: .: .: .: .: .:.‘,
|: .: .: .: イ二/: .: | : : : : :.| :Λ:´; .: .゙;.: .: .: .: .: .: .:,
|: .: .: /ニニ/ : : .:|: .|.: .: .:|/ ゙:..\: ゙;. ト、.: .:| :|.: }
|:|.:.:./:.|ニ/:.:| :. :.|: .|.: .| .:! ゙:. .:\.:|.,:斗:.| :|.ノ
. 从: .: .:_.: .: .:| .: .:| :.|:.-|―…‐- \ .:'「_,,,;_;ノノ! (
//: .// `V|.: :.从:. :. |. ミzzxァ :. .:.|Vx ……ねえ、やる夫君
/イ:. / { (ヘ, | : :.-ィxzzzィ彡' ! .: .:.| マハ
. |:i :. :.`ト 乂_, | : : :. 「. 、 ; :. .:.:| }/} 告白、どうもありがとうね
. |:|:. :. :.|.: .ゝ-:| : : :. | / ,: .: .:从//ノ
人乂.:. l:.|.:. .:. | : : :. | ,...-:ァ /≠-|:. :.V/ 私、とっても嬉しいわ
. |: .. :|.:. .:. | : : :. | :.. ゝ ;;;'゙ ,.:゙マヘ, |:. : :|(
. jハ:.:.|:..:Λ|:. :. :l:|ヘ >:.... ,、イヘノiiiヘ j.:/.:.|ヘ 今すぐ、お返事させてもらってもいいかな?
}//乂! : : :l:| し'⌒):::厂7\\ V^)iii;イ:.:.:|八_
/⌒ ∥:. .:从 \ \,ィ/x-―-、V^)iii|:. :/ ⌒ヽ
/ /:. / \ /::::;{::」、::::::ノ V^)i|/
50
名前:偽夏◆SwmrL16rIE[sage] 投稿日:2019/11/01(Fri) 20:31:07 ID:3fe8da22
____
/ \ あ、うん。
iニーヽ /─ ─ \
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \ でも、どうせダメなんだお?
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u |
⊂ ヽ∩ `ー´ _/ それはもういいから、とりあえず、保健室に行くお?
'、_ \ )
\ \ / /| あそこなら冷たい飲み物もあるし、エアコンも効いてるお!
|\ ヽ / |
┌───────────────────────────────┐
│ だがホタルは一歩も動かず、そんな彼の顔を真っ直ぐに覗き込み ..│
│ ……こう言った。 │
└───────────────────────────────┘