東北メガテン~遠野編~其の弐

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144  名前:ウルフ◆ctc7aDbxwM[] 投稿日:2019/04/21(Sun) 22:17:07 ID:ecdd8183

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   同時に、かつての遠野の人々は、動物も人間と似た感情を持つ
   畏敬すべき存在なのだと考え、そこには崇高な精神関係があった。
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                 │  一昨年の『 遠野新聞 』にもこの記事を載せたり。      .│
                 │                                      │
                 │   上郷村の熊という男、友人とともに雪の日に六角牛に   .│
                 │  狩に行き谷深く入りしに、熊の足跡を見出でたれば、  ..│
                 │  手分けしてその跡をもとめ、自分は峯の方を行きしに、 .│
                 │  とある岩の陰より大なる熊此方を見る。             .│
                 │                                      │
                 │  矢頃あまりに近かりしかば、銃をすてて           .│
                 │  熊に抱えつき雪の上を転びて、谷へ下る。           │
                 │                                      │
                 │  連れの男これを救わんと思えども力及ばず。       .│
                 │                                      │
                 │  やがて谷川に落ち入りて、人の熊下になり水に      │
    ___________│  沈みたりしかば、その隙に獣の熊を打ち取りぬ。     │
   {\              │                                      │
     \\              │  水にも溺れず、爪の傷は数ヶ所受けたれども         .│
      \\          .│  命に障ることはなかりき。                   │
        \\        .│                                      │
         \\       .│                      柳田國男「 遠野物語 43 」より │
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             \ソ三三三三三三三三三三ミ彡三三三三三三三三三ヘ
               `く三三三三三三三三三三入三三三三三三三三三三ゝ

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                                        遠野物語を読むと、決して人間たちが
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