やる夫で学ぶ「法学者の統治論」

レス数:1000 サイズ:1551.19 KiB 最終更新日:2025-07-08 00:34:46

967  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/04(Fri) 22:34:43 ID:eed2c5f7
翻って、近現代のウラマーは自殺をどのように考えているか。
例えば、スンナ派最大規模の数、ファトワーを出していたカラダーウィーからいくつか引っ張ってきましょう。

自殺はイスラームにおいて原則禁じられている行為である…なぜならば以下のようにクルアーンに記載があるからだと。
「自らの手で自らを破滅に追い込んではならない」「自らを殺してはならない」「アッラーが神聖視した命を奪ってはならない」

しかし、特定の事情において自殺することを許しているファトワーがいくつかあります。

①拷問によって敵が情報を入手することで多数のムスリムが殺害されることが予測される場合(敵に情報を渡さず他のムスリムや共同体を守るため)
②レイプや姦通を強要され、自身を守るために結果的に死んだ場合(自分の生命、家族、財産を守って死ぬのは自殺ではない)
③パレスチナなどで独裁者や植民地主義者と戦うための自衛手段

これらに共通する概念は1つ、自殺は大きい罪であるものの、公益(共同体とか家族とか)を守るためには、自殺することが許容されることがありうるということです。