やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
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名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/05/11(Sun) 20:55:40 ID:b79dd676
長々と説明しましたが、
ホメイニーは法学権威が単独で国家を運営すること「目的」にしているのに対して、
サドルは法学権威が国家を運営することを「手段」として捉えている傾向が強いと思います。
ホメイニーは、イスラーム革命を起こし法学権威が国家を運営する形式が整えば、それすなわちイスラーム的であるとしているのに対して
サドルは、単に革命を起こし、法学権威が国家を運営する形式のみならず、その後どうすればイスラーム的になりうるかを提案している。
だから、ホメイニーは反イスラーム的とされる民主主義を批判することに力点を置けばいいのですが、
サドルは単に批判するだけでなく、如何に民衆をイスラーム体制に取り込むかという部分にも力点が置かれているのでしょうね。
イスラーム思想研究者の間では、サドルの評価が高いのも頷けます。
ホメイニーは卓越した運動・革命家ではありますが、思想家としてはサドルの方が広範かつ緻密な議論をくみ上げています。