やる夫で学ぶ「法学者の統治論」

レス数:759 サイズ:1212.17 KiB 最終更新日:2025-05-11 23:51:39

752  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/05/11(Sun) 18:59:46 ID:b79dd676
>>749
一言で言えば、民主的要素もある寡頭制という言い方が近いかもしれません。
政治的な責任と義務に関しては、本稿ではあまり触れなかったのですが、『イスラームと国家の基礎』に以下のようなヒントがあります。

合法的な国家の一部が無知によってイスラームに反している場合
→民衆は国家に対してイスラームの在り方を説明しなければならない。しかし、国家がその説明に納得できなくても
 合法的な権力であればその命令に服さなければならない


政府が故意にイスラームに反している場合(イスラームからの逸脱)
→ムスリムは内戦をさけつつも、この政治権力を代替・廃止するようにしなければならない。
→代替・廃止が不可能な場合は、イスラーム規定に沿って、イスラーム法上の不法行為を防ぐことが許される
→ムスリムは政府に対する服従の義務がなくなる ただし、国家の危機(戦争等)の場合は、逸脱に関わらず共同体を防衛する義務がある

つまり、政治的な責任を「イスラーム的国家の設立と運営」と見なすならば、その義務が果たせないときに、抵抗権・革命権は認めていることは確かです。