塔について II

レス数:345 サイズ:945.05 KiB 最終更新日:2019-05-31 21:40:29

288  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2018/06/24(Sun) 01:43:58 ID:4dd373f0



  「あるとき不幸な事件が起こり、私と友人の間の固い友情に決定的な亀裂が走った。

  我々の身に降りかかったのは、およそ人が経験しうる悲劇の中でも最大のものだった。

  予感はあった。 当事者の誰の胸のうちにも予感めいたものがあった。 しかしそれに

  も関わらず、事態は避けがたく進行してしまった。 気がつけば我々は、まさかこうは

  なるまいと信じていた最悪の結末の中へと放り込まれていたのだ。 大切なものが

  そこでことごとく打ち砕かれた。 もう二度とは返ってこないという形で。」



                         、      ,ィ           「その後友人は制止する私をふり払って、一人で塔へと
                  ト,    .lヘ  ./ l
                 l.ヘ    .|/`////!               入っていった。 私は何年ものあいだ塔のふもとで友を待ち
                     |/ヘ.  .|'// |/,|_
                    \.| ,ィ //,| |////ア         続けた。 はたして、彼は帰ってきた。 その表情から怒りは
                      、.....ノ } l/l/!  ̄´   ___
                       ヾ::: /    '゙,.-イ //>'"´     すでに消えうせていたが、一方で、私に対する一切の関心も
                       .l:: {   ./ ,...::> ̄
                     ヽ: ヽ__/ .::/´            また失われていた……。
                  ,,,,,.〉:::  __;:'
                   // 》='ヾ、                  我々はそこで別れて以来、一度として顔を合わせていない。」
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