塔について II
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名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2018/06/24(Sun) 01:43:58 ID:4dd373f0
「あるとき不幸な事件が起こり、私と友人の間の固い友情に決定的な亀裂が走った。
我々の身に降りかかったのは、およそ人が経験しうる悲劇の中でも最大のものだった。
予感はあった。 当事者の誰の胸のうちにも予感めいたものがあった。 しかしそれに
も関わらず、事態は避けがたく進行してしまった。 気がつけば我々は、まさかこうは
なるまいと信じていた最悪の結末の中へと放り込まれていたのだ。 大切なものが
そこでことごとく打ち砕かれた。 もう二度とは返ってこないという形で。」
、 ,ィ 「その後友人は制止する私をふり払って、一人で塔へと
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l.ヘ .|/`////! 入っていった。 私は何年ものあいだ塔のふもとで友を待ち
|/ヘ. .|'// |/,|_
\.| ,ィ //,| |////ア 続けた。 はたして、彼は帰ってきた。 その表情から怒りは
、.....ノ } l/l/!  ̄´ ___
ヾ::: / '゙,.-イ //>'"´ すでに消えうせていたが、一方で、私に対する一切の関心も
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ヽ: ヽ__/ .::/´ また失われていた……。
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// 》='ヾ、 我々はそこで別れて以来、一度として顔を合わせていない。」
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