73  名前：◆azhg5NPVcLD4[sage] 投稿日：2017/05/29(Mon) 16:17:29 ID:0b4488a6
募集を見て枯れ木も花の賑わいとばかりに数合わせで参加したものの
出来る事なら全部に感想付けたいくらいな良作ばかりで三つに絞るのは大層悩ましかったです。


投票と感想

②－14　「 新しい世界 」 （ ◆GlTeuVPbWgさん ）
圧巻。主人公になれない主人公のみっともなくも必死な四苦八苦、叶えられない哀訴嘆願。
サボロー先輩は他でもない我々読者であろう。物語の傍観者、哀れな脇役、叫んでも戻らない無力感。
主人公に表情のない（或いは誰でもない）サボローのＡＡを持ってきたところに作者の人の悪さとセンスを感じる。
880の絶叫は最期に見たヒロインの決意と信頼と無慈悲な拒絶によるキャパシティー・オーバーを知らせるものか。
闊達な言葉選びが時に主人公を読者から突き放し、引き寄せ、滅茶苦茶に振り回しながらラストに
残酷極まりない想像の余地を残す、甘ったるい想像を奪うショッキングな謎のオノマトペ。
サボロー先輩、待ってるって言ったんだからちゃんと待っててくれよ頼むよほんとに。

③－５　「 地獄の恋歌 」 （ ◆9jgFp8odSAさん ）
地獄、地獄、地獄。ヘドロの水面で身を捩りながらぐるぐるとただ回転している。
体力は果て思考能力は鈍り判断力は曖昧に掠れながら
ただ何かを成さねばならぬという焦燥感だけが沈み掛けた身体を突き動かす狂気。
エゲツない。主人公やヒロインが可笑しな自分を俯瞰で自覚してるからこそ救い難い。
駄目な方に突っ走っていく自分を止めようもない二人が
互いに互いのブレーキになれるかもしれない、という微かな希望が提示されて終わる世界。
どうか血の池地獄で溺れる二人に確かな寄る辺をと願います。

③－９　「 薔薇乙女達との恋愛４コマ集 」 （ ◆R96.Xb.jW.さん ）
やったぜベイビー、僕は君のような人を探していた。
懐かしさすら感じる軽快なテンポと底抜けの明るさ。そうそうこういうのがいいんだよ。
単純明快で一目で分かり易い画面も、台詞のインパクトがどんどん過激になっていくところも
天丼で絞める下らなさ（つまらない、でなく）がまたお約束的にしょーもなくていい。
何度読んでも安心して「くっだらねぇ～」と笑える品性ある信頼感がたまらなく好きです。
ただ、翠星石（姉）と蒼星石（妹）の順番が逆になってるのが何かの伏線なのかな？と思っていたけど
特にそういう風でもなかったので、ローゼンメイデンファンとしてちょっと気になりました。