【真・女神転生 デビルサマナー】 ― 学園の悪魔使いたち ― 18
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名前:◆YSURRq7QiM[sage] 投稿日:2017/03/17(Fri) 07:24:16 ID:???
●ザ・ヒーロー
偵察を終えた後、ニュートラライズは大部隊を編成し、カリフォルニアに強襲を敢行する。
特に悪魔召喚師の飛び抜けた実力で順調にカリフォルニアを制圧し、
ザ・ヒーローとヒロインは、街を統括していた【天使】を討つためにヴァンデンバーグ旧米軍基地へと乗り込む。
わずか2、3撃であっさりと【天使Lv.80】を倒すが、そこで彼の口から、ここまでの展開がすべて罠だったと知る。
メシア教団はニュートラライズの襲撃を掴んでおり、核爆発により、市民もろともザ・ヒーローとヒロインを消し去るつもりだったのだ。
ザ・ヒーローは最も脅威になる【英雄】としてメシア教団に認知されており、最優先排除目標のひとつだった。
ニュートラライズの動きを把握していることと、核爆弾の存在が彼らに悟られないために、
あえてテンプルナイツ一般部隊と一般市民にはこのことを一切公表せず、普段と変わりない生活を送らせていた。
当然、数万の市民は逃げ遅れ、ザ・ヒーローと共に滅びることになる。これを「尊い犠牲」と称し、高笑いしながら消滅する天使。
核爆発のカウントダウンが始まる、部隊の撤退をヒロインは通達し、ザ・ヒーローと共に施設を脱出しようとするが、間に合わない。
ザ・ヒーローはヒロインにトラポートで脱出するように促すが、彼女は、時代に必要なのは自分ではなく彼であると断じて、
全ての魔力をもってしてザ・ヒーローを核爆発の有効半径から脱出させる。
気が付くと白い空間に立っていた、目の前にいるのは、スティーブン。
死神にふさわしい最期を迎えた俺を笑いに来たかと吐き捨てるが、彼は助かっていることがスティーブンから語られる。
また、私はそのような個人的な感傷で誰かに会うことはないのだ、とも。
スティーブンは彼に、自ら貫こうとしている中立の決意が、どこまで固いのかを問いただす。
例え何があろうとも、何が目の前に立ちふさがろうとも、そのすべてを己の理想のために葬れるのかと。
それに対し、敵をすべて殺しつくしてでもという決意は変わらないと、ザ・ヒーローは語る。
その姿を見たスティーブンは、ひとつのプログラムを彼に渡す。
それは、実体を持つ人間が、精神生命体の住処である魔界と天界に、
特定のターミナル(悪魔と天使の地球上の本拠地、つまりゲート)から入り込むことができるプログラムなのだと言う。
それを使えば、精神生命体の悪魔たちを、その世界に息づく概念情報そのものを滅ぼし、永遠に消し去れるのだと。
ザ・ヒーローの中立もまた、あるべき中立の姿であると言い残して、スティーブンは消え去る。
白い空間から解放され、荒野に立ち尽くすザ・ヒーロー。もちろん隣に、ヒロインはいない。
これまで失ってきたものを噛み締め、悲壮で狂った決意を新たにしたザ・ヒーロー。
こののち、カテドラルの最終決戦でできない夫と交戦することになる。
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