【やる夫リレー】第六回やる夫リレー準備室【雑談兼相談所】

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224  名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2016/12/31(Sat) 00:16:35 ID:1391286a

◆これまでのあらすじ(二回戦(やる夫と翠星石編) 一日目、レス番551まで)
 【本スレのレス番551:ttp://bbs.yaruyomi.com/test/read.cgi/ban/1482320861/551】


・プロローグ

歳暮、とか、新春、とか、年末年始を表す言葉は多く辞書にある。
それだけ人は古来から、一つの時間の終わり、始まりというモノを気にかけてきたのだろう。

また、時間は限りあるモノだからこそ、人はソレを大切にするのだとも。

そんな有限の時を無為に、しかし有意義に費やす夫婦が一組。
【やる夫】と【翠星石】。この二人は仕事の終わった年末をダラダラと過ごしていた。

二人の、息子とその友達である【翠星夫】、【螢光燈】、【クー子】はとある季節の超即売会へ。
お隣さんの【やらない夫】と【水銀燈】は、自分たちと同じ人種だと二人は推して量る。

暇した二人はお互いへのプレゼントなどを考えるが、これも特に思いつかない。
であればと、思い立つ。これから楽しく年末年始を過ごし、素敵な思い出を作ろう、と。

かくしてやる夫と翠星石の年末年始は始まった。
だが二人は知るよしもない。諸人が織り成すスクロール、時と熊をめぐる今年最後の冒険を。


・富士山 中腹にて

三つの山脈を眼下に望む大山岳。あるいは霊験あらたかな大霊峰。
その峰々の威容を、愛着と畏怖を抱いて人はこう呼ぶ。『富士山』、と。

12月30日。そんな富士山の土をやる夫と翠星石は踏む。
なんと大晦日の前日であるこの日から、山頂で昇る初日の出を拝むために。

しかし二人がこの山で初めて出会ったのは、人ではなく、【くまのプーさん】だった。

その場は事なきを得るも、訳知りの人物【クリストファー・ロビン】と【秦こころ】は語る。
何故か今の富士山には、熊が大量発生していると。

そこに合流したのは、翠星夫の担任【ペテルギウス・ロマネコンティ】と、知人【夜神総一郎】。
彼らは、昨日に『普通野エーテル動物園』から脱走した熊を捕まえるためここまで来たという。

次いで園の熊の一匹である【アオアシラ】は富士山の占拠を宣言し、山頂に立てこもる。
また、熊捕獲のクライアントは大金持ちの《エーテル財団》。やる夫と翠星石は依頼を快諾した。

だがそのよそで、クリストファー・ロビンは確信していた。富士山一帯、それ以外の場の異変。
すなわち“下界の時は2016年12月30日で止まっている”ことを。

そもそも秦こころは知っていた。現在の本当の日付は、2017年1月30日であると。
二人が推測する、年をまたいだ四日間のループ。これに対処するため、各々は動き出す。

一方、警察官の総一郎は、ある人物を探すためにも富士山を訪れていた。
だが突如、響き渡る絶叫。空から落ちる人の影。
その主こそが、総一郎たちの尋ね人、【シャドームーン】だった。

2代目サンタクロースでもある彼は、自分の身に起こった出来事をこう語る。
25日の未明。プレゼントを配り終えたら、またプレゼントを配り続けていて、今に至ると。

そこで事態を把握したクリストファーは、熊退治への協力を申し出る。
聞いて総一郎が取り出したのは「モンスターボール」。これがあれば熊を捕獲できるという。

さらにそこに現れたのは、熊出村の巫女【ナコルル】。
彼女は二人の訪問者をクリストファーの元に連れて来たのだった。


・熊出村にて

今回の事件の情報を知るナコルルは、『熊出村』で待機していたが、その村を訪れた
事件や怪奇現象を求めるメイド少女【嵐山歩鳥】、その付き添いである【フウ】と出会う。

とはいえナコルルは、外部の人間に詳細を話していいものかと判断をしかねる。
なので判断をクリストファーに仰ごうと、彼の元を訪れたのだった。


・普通野市 某所にて

異常なコトばかり起こる町でおなじみの『普通野市』。

その街角に、『風都』の探偵【左翔太郎】、その相棒【フィリップ】こと園崎ライト、
【仮面ライダーBLACK】(BLACKRX)の正体である【南光太郎】は集結していた。

曰く、三人はそれぞれの人探しのため普通野市を訪れたところ、
件の普通野エーテル動物園の脱走事件に出くわしたのだという。

事件がひと段落したところで、翔太郎はフィリップの能力“地球(ホシ)の本棚”による
尋ね人の特定を提案。結果、三人の尋ね人は、いずれも富士山にいると判明する。

そして光太郎の自前の車「ライドロン」に乗り、一行は富士山へと向かった。

しかし“地球の本棚”で情報を得たフィリップは訝しむ。
終わらない12月25日、ループし続ける四日間、そして一部の人間が迎えている1月30日を。


・再び富士山 中腹にて

一方『富士山』では、ナコルルから連絡を受けた
熊出村在住の熊【クマ井ナツ】と、同じく村の次代のくまみこ【雨宿まち】、
さらに陸軍所属を名乗る陰陽師【あきつ丸】もその場に到着。

その時、一行の頭上を横切った、一つの小さな影がいた。
それは時をかける妖精【セレビィ】。こころとあきつ丸は、彼女こそが事件の元凶ではと話す。

しかし彼女を呼び止める声があった。それは彼女と知己であるシャドームーン。
彼の助けに応じたセレビィは語る。時間を司る伝説の存在、【ディアルガ】。
それが汚染され、星の停止をもくろむ存在“闇のディアルガ”こそが、諸悪の根源だと。

だが次の瞬間、空を切るは、赤と白のツートンカラーで構成された掌大の剛速球。
セレビィは、通りがかった【女性トレーナー】の「モンスターボール」によって捕らえられてしまった。


・富士山 洞窟にて

富士山のどこかと思しき洞窟の中に響く、自己弁護の声があった。

僕は悪くない、僕は悪くない。そう繰り返すのは、セレビィに語られたディアルガその人。
ディアルガこと【球磨川禊】は、ただ一つの目的のために一連の事件を起こしていると宣う。

彼の仲間であるプーさんとアオアシラは忠告するが、禊は意に介さない。

そう、球磨川禊はこの一ヶ月、幾度にも渡って時の巻き戻しを繰り返していた。
そして彼の野望は、今まさに成就せんとする。

―――出し忘れた年賀状。正月に執り行われる親交確認の儀、その通行手形の作成を。


・普通野市 オークゥ&フルの自宅にて

屋内に鳴り響くテレフォンコールに、【オークゥ・ミラー】は受け応える。
それは富士山に座する球磨川禊からの、ループ作業終了を告げる電話だった。

そう、この一ヶ月間、ディアルガによる四日間のループを手伝っていたのは、
ディアルガの仲間にして、翠星夫の友人の一人こと、
時間をループさせる能力を持つ【フル・J・ラスヴィッツ】その人だったのである。


・三度、富士山 中腹にて

富士山の一角に、物語の登場人物たちは続々と集結する。

やる夫、翠星石、ペテルギウス、夜神総一郎。
クリストファー、秦こころ、あきつ丸、ナコルル、クマ井ナツ、雨宿まち。
シャドームーン、左翔太郎、フィリップ、南光太郎、嵐山歩鳥、フウ、女性トレーナー。

さまざまな思いが交錯する中、一行は下山する者、山頂へ上る者に分かれ
この日の物語は最後の段階へと突入する。


・富士山 山頂にて

名実ともに日本最高峰の山である富士山、その山頂。
神話に彩られた遺跡の柱が屹立する中で、ついに一行と球磨川禊は相見えた。