【やる夫リレー】第六回やる夫リレー準備室【雑談兼相談所】
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名前:普通のやる夫さん[sage] 投稿日:2016/12/25(Sun) 19:15:01 ID:ab188d5d
◆これまでのあらすじ(一回戦(翠星夫編) 二日目~延長戦、レス番341まで)
【本スレのレス番341:ttp://bbs.yaruyomi.com/test/read.cgi/ban/1482320861/341】
・普通野市 神原邸にて
不慮の呪いにより爆発した《エーテル財団》のヘリコプターは、『神原邸』に墜落する。
投げ出される翠星夫。しかし彼が目を覚ました時、その身は神原邸 内部にあった。
そこに現れたのは【黒王】を名乗るフードの人物。
初代クネヒト・ループレヒト、ブラックサンタをかたる偽りの伽藍洞は
翠星夫を罰しリア充を廃滅すること、そしてクリスマスを中止することを宣言した。
だが、扉を蹴破りその場になだれ込む者たちがいた。
天才少年探偵を自称する【夜神月】が、翠星夫の仲間たちとサンタ一派を伴って現れたのである。
神原邸を取り囲むクネヒト兵士は、ライトの父とリーリエの母の説得により投降。
駿河の行方を追っていたエースも合流し、ここに役者は揃い踏む。
しかし初代クネヒトは咆哮する。矛盾を抱えた翠星夫を糾弾し、
神原駿河を人質にとり、リア充撲滅への不退転の意志を現した。
血気に逸る翠星夫。刹那、そこに響く待ったの声。
声の主、ライトは語る。駿河、エース、そして初代クネヒト。その行動の食い違いを。
翠星夫は自らがとるべき行動を悟り駆けだす。しかしライトは最後の黒幕の正体を訝しんでいた。
―――事の顛末は以下である。
発端は、初代サンタと、ある男性が結婚したこと。
二人を愛する初代クネヒトは、それが許せなかった。
初代クネヒトは自棄になり、暴走の限りを尽くす。
見かねた初代サンタは、双方の引退を提案。こうして一度、事件は解決を見たはずだった。
だが嫉妬に駆られた初代クネヒトは、この年のクリスマスにおいて、リア充の撲滅を企てる。
ソレを察知した初代サンタは、自ら「クリスマス中止宣言」を発布することで先手を打った。
初代サンタ自身が、初代クネヒトの名を借りることによって。
その後、初代サンタの協力者である神原駿河が、初代クネヒトに襲撃される。
平和的な解決が失われたことを知った初代サンタは、宣言の実行の舞台を『普通野市』へ移す。
一方、神原駿河を逃がした初代クネヒトは焦っていた。
しかし対抗手段として、駿河の逃走に協力したエースを見つけるため、
サンタ工場の面々を利用し、エース捜索のアルバイトをでっち上げる。
そして初代クネヒトは、翠星夫と螢光燈に接触。
こうして彼らの、トナカイを探す、ハリボテの冒険の幕が上がった。
工場長にして「格闘サンタ」、スレイヤー。2代目サンタ、シャドームーン。
ジ・エーストナカイ、ウルトラマンエース。これはサンタ、クネヒト双方と普通野市を巻き込んだ、
本物の初代クネヒトをおびき出すための、壮大な大芝居であった。
だが、はじまりは単なる行き違い。
ボタンのかけ違いと些細な意地が招いた、哀しい愛の物語であった。
ところ戻って、『神原邸』。
翠星夫は初代クネヒトに啖呵を切った。絶対にクリスマスを中止になどさせないと。
それを受けて一行の思惑を悟った偽初代クネヒトは、自ら事態の幕引きを図る。
だがその時、ついに黒幕は正体を現した。
それは初代サンタこと【ニャル子】の「クリスマス中止宣言」を利用せんとする、
本物の初代クネヒト。今まで翠星石、螢光燈と行動を共にしてきた、クー子だったのである。
しかし、それと同時にニャル子の目的は果たされた。
ニャル子はクー子を誘導するため、その場を離脱。クー子もまたソレを追った。
そう、ようやくここに事態は収拾した。
安堵するライトとサンタ・クネヒト一派の面々。
時は既にクリスマス。彼らはプレゼントを配るため、持ち場に帰ろうとする。
だがサウザーたち、翠星夫のクラスメイトは肩を落としていた。
彼らはこの日、クリスマスパーティーを計画し、翠星夫たちを探していたのである。
それを見た翠星夫は、スレイヤーに提案する。
バイトの報酬として、一つだけプレゼントを貰えないか、と。
・エピローグ ~サンタさんからのプレゼント~
翠星夫の願いに、スレイヤーは拍子抜けしつつも、プレゼントを快諾する。
そしてリーリエの《エーテル財団》による手配により、
普通野市 某所でクリスマスパーティーは幕を開けた。
飲酒未遂騒ぎ、セクハラ騒ぎ、女装騒ぎと、盛り上がる一同。
しかし年末の祭典に使う諸費の足しにはならなかったと、螢光燈は溜息をつく。
だがそんな彼女の元に現れた、サンタクロースたちがいた。
それは初代サンタことニャル子と、初代クネヒトことクー子。
彼女らはニャル子の旦那に追い返され、クリスマスプレゼントを届けにきたのだった。
翠星夫が頼んだのは、「祭典のカタログ」。
彼と螢光燈の為のそのプレゼントは、年末の彼らの行動を決定するに十分なものだった。
一方。スレイヤーとエースは、クリスマスパーティーの様子を見守っていた。
サンタクロースが届けるのは笑顔。相手を想い、自分を想う、笑顔。
人それぞれカタチは違えども、彼ら彼女らのリアルは、充実していたのではないだろうか。
見届けた二人は、自らの責務を果たすため、出立する。
今宵はクリスマス。すべてを許す聖なる夜。
プレゼントを待つ、世界中の子供たちのため。
こうして翠星夫、螢光燈、クー子の、誰しもの思惑をすら乗り越えた冒険は結末を迎えた。
だが物語は終わらない。そう、この奇妙な冒険ですら“前夜祭”に過ぎないのである。
次の舞台は年末年始。主人公は二人の男女。
あるおしどり夫婦を取り巻く物語はどのような展開を見せるのか。
それは、神のみぞ――――いや、サンタのみぞ知る。
【第六回 一回戦】翠星夫のクリスマス【やる夫リレー】 あらすじ ~終~