やる夫で学ぶ「法学者の統治論」その2
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名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/12(Sat) 11:15:12 ID:46dad60e
①確かキリスト教マロン派有利な議会構造をヒズボラが内戦に勝って対等にしたのまでは理解したが、その後レバノン国内はどうなった?
→レバノン内戦とその和平合意でもあるターイフ合意の結果は、複雑なので本編では省きましたが、レバノン政治で重要なものをいくつかあげていきましょう
・レバノン議会の宗派別議席を キリスト教・イスラームで5:5になるように変更 ttps://imgur.com/a/x7d85sK
・行政権を大統領から首相(あるいは内閣全体)に一部移管(閣僚の任免、一部公務員の任免、首相指名時の議会協議義務等)
・議会議長の任期の延長(1→4年)
・全ての民兵の武装解除(ただし、対イスラエルの関係上ヒズブッラーは武装解除を拒否し、政府も黙認)
・シリア軍の駐留期限を2年後に設定 ※ただし守られない
このように、ターイフ合意は内戦の原因とされたマロン派キリスト教徒(=大統領)の権限を削除し、
スンナ派(=首相)、シーア派(=議長)の権限を強化するものでした。これを3つの宗派が相互に権力を監視する「トロイカ」体制に変化したと言われます。