91  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2022/01/30(Sun) 00:28:23 ID:c833527c

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『そこは穏やかな街だった』

『それは勿論素晴らしい』

『だが平穏とは簡単に手に入る安物ではなく、平穏を手に入れる過程は平穏とは程遠い修羅の道だ』

『誰かを助けるためには誰かが戦い傷つかなければならない』

『平穏の中で生きる人々のために盾となって倒れる者が必要だ』


『勿論、グリフォンリースたちも誰かの平穏のために戦ってはいる』

『だがそれは白い狼騎士団からすれば不十分なものらしい』

『この平穏な街で生きるついでに、盾として働いているに過ぎないと』

『死してもなお誰かのために戦い続けろと』

『実際彼らはそうしていた。命も、心も、人も捨てて、自らを剣として研ぎ澄まし』

『死してもなお戦い続けていた』


『あえて言えばアンデッドになるんだろうが、主人公殿からするとそういうファンタジー的な何かってわけじゃないらしい』

『魔法とかじゃなくて、生々しくありふれた、だが極限まで研ぎ澄まされた思念によって死後も戦い続けている』

『即身仏にも近いらしい』

『僕としてはマグサリオンにも似ていると思う。命とか心とか人とか色々捨てて研ぎ澄まし、意思だけで戦い続けているわけでね』