31  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2021/05/09(Sun) 03:48:32 ID:f36e1826
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「まあそういうわけで、礎の奪い合いという全面戦争ではなく」

「もうちょっと平和的な限定戦争・局地戦にアレンジしたものが」

・宝盗りディッター：領地の礎を守る模擬戦から始まった競技。各領地の実力を見せつけ合う貴族院の領地対抗戦でも行われていた。
具体的なルールは、
１，陣を設定する（貴族院の領地対抗戦などで行われる場合、各領地の採集場所が陣とされていた）。
２，他領に奪われてはならない宝とする魔獣を狩ってくる。
このとき、魔獣は魔石に変えてしまってはならず、倒してしまうと敗北になる。
３，宝を守りつつ他領の宝を奪うか、倒して魔石に変えてしまえば勝利する。
（領主候補生を宝とした本の販売権の争奪戦では、宝を陣の外に出した時点で勝敗が決した。）
宝である魔獣を殺されたり奪われたりしないように攻撃用の魔術具や罠などの使用が認められている。
危険度は低～高。イメージ的には格闘技～戦争演習。 一冬の貴族院で2～3人くらい死者が出ることもある。

「宝取りディッターになる」

「魔法契約の遵守は求められるとはいえ、敗者が失うのはそれくらいだ」

「礎を奪われた時のように、領地も命も何もかも奪われるってことはない」

「それなら、敵味方共に必死になって殺し合うほどではないし、少なくとも勝者の粛正で死人が大量発生する心配はないわけだ」


「とはいえ、まるっきり危険が無いわけではなく、一冬で二～三人の死者は出るそうだが」

「まあそれでも全面戦争よりははるかに犠牲は少ないだろう？」


「それでいて、ちゃんと魔法契約で紛争を解決できるし、示威行為にもなる」

「何しろ、礎の代わりに魔物を使った攻防戦だからね。平和的ながら本格的だ」

「これで勝てるってことは、個人武勇、組織力、戦術眼、いずれでも優れているという証明になる」

「そして個人武勇・組織力・戦術眼が優れているならば、本物の戦争でも、礎を奪うディッターでも通用する本物の武力を持っているという証明になるだろう？」