381  名前：無茶王 ◆T8n83RxOuU[] 投稿日：2020/09/16(Wed) 23:54:38 ID:0fcb702a
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『その幸福が続いていれば、ビジネスヤクザとして略奪する程度で、一生大人しく生きててくれただろう』

と言うのもひどい表現だが、実際暴走族時代に比べれば堅気視点から見ても遥かにおとなしいから困る。

『しかし殺島は暴走族に、破壊のための破壊に戻ってしまった』

『つまり、その幸福は長くは続かなかったということだ』


『殺島の奥さんは、元暴走族なんて幼稚な人間と結婚した割には』

『結婚して子供ができてからはいきなり掌を返したように堅実志向になり、娘に高額な教育を施そうとしたり、殺島に「大人に成れ」と言い始めた』

『いや、僕としては十分大人になってると思うんだけどね』

『ああ、さらに言えば進化心理学的に言えば何もおかしくないかもしれない』

『優秀なモテ男の遺伝子を頂いたら、今度は遺伝子ではなく育児リソースを求め始めたって訳だ。そして殺島の生き様は、それに比すればまだ不十分だったようだ。』

『故に育児性の違いから二人は離婚。最愛の娘の親権も奪われ、奥さんの再婚相手はなんと自分の組の親分！・・・サラリーマンが社長に奥さん寝取られたようなものさ』


『・・・この時点で、堅気でも十分絶望できるし不幸だよね？』

『ところが！殺島はそれでもなお、自分の人生を「まあいい」「悪くない」と受け止めていた！幸福だと寿ぎ希望を抱いていた！』

『妻子は組長の庇護下で不自由なく暮らせるだろうし、娘とも月一では面会できる。ならばあとは最愛の娘の成長を見守れればそれで十分だ！とね。』

『ままならない現実も受け入れて、足ることを知り、ただ我が子が幸福ならば自分も幸福だと悟れる！』

『堅気と比してもなお、大人度高い、高くない？』