旅
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名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2019/09/09(Mon) 13:21:12 ID:59da99ae
我々は昼過ぎになるのを待ってから牢屋の前まで行くと、ネズミを鉄格子の前まで引き付けて、
その影を牢の前の床に映してから、連れてきた男の影を使ってネズミの影の手を引いた。
するとネズミの影はスルッとその本体から離れて、独立した一つの影となった。
影のネズミは床から浮き上がって立体的になり、人間の言葉をつぶやいた。
「酒が飲みたい。」
輪郭のぼやけたネズミはペタペタと音を立てて歩き、地下牢から出て一階へと上がっていった。
私が影を追う前に牢を振り返ると、本体のネズミは横に倒れて寝入っていた。
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