622  名前：◆NBJATnhEhM[] 投稿日：2019/05/19(Sun) 18:54:55 ID:3ebd3c64

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　　そうしたユーディットの言葉を聞くたびに、私の心は傷ついた。
　　
　　無性に自分が自分であることが悲しく、みじめな気持ちになった。
　　
　　不思議と嫉妬の念は湧かなかった。 すぐそこに横たわっているひげのおじさんのことは気にならなかった。
　　
　　ただ胸が苦しく、死んでしまいたかった。

　　世の中には叶わぬ想いというものがあるのだなぁ、と心底思った。
　　
　　長い沈黙が続いた。 それから私は十歳の女の子としては驚異的な忍耐力をもって辛さを耐え忍び、
　　
　　次のように言った。
　　
　　「ではせめて、あなたの友人でいさせてください。 友情を印すために、明後日は弓を引きましょう。」
　　
　　私はそれだけ言うと、返事を待たずに階下へ駆けた。


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