191  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2019/03/17(Sun) 14:32:46 ID:358e4fdd
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～〈サンクチュアリ〉～

"　　　"　　;　　　,　　:　　　" ''－- ､ _　　　　　;　;;　　:
　　,　　　　　　　、　　"　　　''　　'　　　" ''－- ､;;_　　　,ィ',ィ' 　"　,,
　　　　"'　　;;.　　　　　"　　,,　　..　 "ﾞ　"　"''　　　" '''－. - ､_　''　　　　　　　　　「聞いたぞ、ナノハ。
　"'　　　　 .;:..;,　　　"　　'　　　、　　;　　　"　　' 　;;'':;　　ｨ　ｌ　 "''－-
　　"'　"　 ;':. ..;､　''　　"　　''　、　"　; ;''､　　 _,,,. .,;: . :;''"　ノ　"　　;;　　　　　　　ここのところカウンセリングに乗り気でないそうだな？」
:.、 　 　 . ;': :..　;,　,,　"　"　　"　''　 __;': ;.;､'''" .,,,..,; :;. ..:;''"
. ;.　　"' .;': : ... 　;,＿＿,,,,　-- '''''　__.,;'::; :. ;､'"~　.;:: . : . ;,　"　　　"　　.
: .ﾞ;'　,ィ,,: : :. .. .　 ;,--― ,'''''""￣　'';'; .;: :.　;, 　 .,;:: : .. ...;,　'''　　　"　　　　　　　　「バットマンさん、私はもう大丈夫ですよ。
. ; ';/ /;': :: .. . ..,　. :,　　,;':.'、"　､ ".;': :. . . 　 ;:　,; ::. :.. .　:;;　　　;;　　　"
:; 　;: 　''''';:',,:,.''il''''''　 .;: . . .;,　　　,;':: : .. .: . 　 ; 　''''''ll!;!l''''　　"　　　"　,　　　　　　はやく現場に戻らないと――
; ; 　;:､:.　..;'.. ﾞ;.,'＿　 .;.:::..　 ＿ . ;:' :: . .　:.　 　 ;;, 　 l!ｌ;,ｌ　　""　''　　、
;; : .　;.　 :;': ;.　';'l｣ |＿＿＿| lｪ|＿＿＿＿＿　　;、;;. :;　"''　"　　"　　,
: . .　 ':､;:' : ; ,.　';､/ / / / / / / / / / / / /ヽ'''ﾞ..　　 "　 ::'':;,,　　"　　　　　　　　「やはり君は日本人だな、そうやってすぐ痩せ我慢する。
;: :. : 　'､ :: : ;.　　;, / / / / / / / / / / / /三ヽ;::,、"; 　 ;; 　:;,　　　　"
: ; ; . . .:;, : :... ... 　 ;,/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/l三.ヨヽ .;;、:: ; : ;;　.:;,'''::: ..;;';､　　　　　　心配するな、時空管理局とはちゃんと話をつけている」
"ﾞ''::;'':;,,'　 ;; :: : . .　;ﾆ∠ニニム三三三三|; l　l;|:: .. .;;、: .. . ::　:;., .　;. . ;,
; :. , : ; .."':,,;,,..;; '''　.;,三|田田| l三三三三;|; l　l;|､ , . ;;、 :..::: .. ..:;,　.;':: . .;,




γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
..|　顔に出ているぞ。　　　　　　　　　　　　　|
..|　「こんな所で休んでいていいのか」　 　 .|
..ゝ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　|　「こうしてる間にも、誰かが助けを求めているのでは」　　|
　　　　　|　そんな事ばかり考えてるな？　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |
　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
　　 　 　 　 　 　 ヽ　＼　　　　　　＿＿＿　　 　 　 , - ―,ｲ
　　　　　　　　　＿_〉　 ｀ヽ. .　´: : : : : : : : : . . .　 ／　　／
　　　 　 　 .　': : : : : : ｀Y´: : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ-‐…‐-
　　　　 ／: : : : : : :=ﾆⅦ)ミ=‐: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヾ
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　　　/／: ／ 　 ./　　人ﾐ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: :}
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　　 ヽ: : :{　　　　　　 ＼{:l人: |:《弋zっﾀ　　　7ﾃﾐﾁ: :/: l: : : :./乂　　　　それは…………。
　　 　 ＼ﾊ　　　　　　 ﾘl: : :|メ、`‐-‐'　　 　 込ｿ'レ': : /: : :./
　　 　 　 ヾ｀丶 　 　 ノ.ll',:.:.l　　　　　　　　,　　 /／}: /l: : :/
　　　　　　　　　　　　　 | ヽ;ﾊ　 　 　 __ _　　 ノ|/　 l/ l}ﾊ/
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　　　 　 　 /　　　 　 　 　 `ミ二二二=彡　　｀ヽ
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　　　　　　　｀ﾄヽ:{:ｰ:´rく:::::::/:::∧
　　　　　　 　 ヽ:::ｊ_:＞'^~}:::::{::::::∧　　　　　　　　　　　　　　そういうやつを一人知っている。
　　　　　　　　　∨- ‐　 j:::人:{::i:::::.、
　　　　　　　　　八_:＿_,ﾉｲ:::/7/::::::::＼　　　　　　　　　　　人より優れた力を持ってるからといって、世の中全て背負った気でいる青い服のな。
　　　　　　　　　　／ﾉ::}:/:::::ﾚ'::::::::::::::ノ::≧s。.,
　　　　　　　 r-く＞'^~￣￣´ ￣￣￣´　　　｀ヾ
　　　　　　 ／｀V　　　　　　　　 /　　:　　　　　　　　　　　 とにかく今は治療に専念しなさい。
　　　 　 ,ィ{　/ﾚ　　):ﾄ..、　　 　 '　　　:.
　　 　 ,::::::ー'::::ー:':::::::::::ヽ　　　　:　 　 :.　　　　　　　　　　(まったく、こんなローティーンにもならない子にこれだけの重荷を……！)
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　 　 { )⌒V::＞'^ヾ{　　　　-=ﾆ二ム　　乂＿＿
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　　八　 ,.:　⌒　　　 　 ／　　　ノ　:|　　　 　 ,.:

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│そう愚痴りながらも私は、彼女の無茶や――――　　　　　　 　 　 　 │
│それを止めなかった周囲を非難する気にはどうもなれなかった。　　│
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彼女を突き動かしているものは、ある意味私と同じなのだ。

「トラウマ」――大切なものへの“喪失への恐れ”といってもいい。


この子は家族にもっとも愛されたかった時期に、それを喪いかけた事で。

そして私は同じ年頃に、その機会を永遠に奪われた事で。

消えない恐怖が今でも心に渦巻いているのだ。

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もっと彼女と話をしてみたい。

それは私自身も過去と向き合う事になるのかもしれないから――――



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