やる夫で学ぶ「法学者の統治論」
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名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/03(Thu) 20:42:00 ID:bb10a7fc
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◎イスラームはどういう立場か
「真にイスラーム的な立場は不正と圧政の状況を変革するために行動する路線を支持する。弱者であることは解決を妨げる要素ではありえないし、
躊躇・弱さ・敗北を正当化する口実ともなりえない ただ、段階的戦略(明確な対峙姿勢を明らかにしないこと)に基づく場合は別であろう」
小杉1992 p102
「人間に抵抗の能力がある限りは神の前では逸脱は正当化されえないからである」
小杉1992 p104
「続いてクルアーンは、力をもって弱者を迫害する強者たちに対する弱者の抵抗の方法は、神が人間生活に定めた自然の道に合致するものであることを確認する
―中略―つまり、これは自由と社会生活の敵と戦い、彼らの命を奪うことを法的にも節理としても正当化するものである
それが、公正な秩序に立脚する社会生活を樹立、継続するための現実的な道だからである」
小杉1992 p108
「被抑圧者が不正に対して自己防衛する過程で生じることの結果については責任を問われないことが言及されている」
「革命的義務の中に,強力なイスラーム的立場を見出すことができる。この立場は,人間が不正と圧政と対峙する力の道を歩み,
すべての場において積極的で断固とした態度を採り,あらゆる消極的態度から遠ざかることを求めている。
消極的な態度の中には,信徒が中立的な立場を採って,不正をなす者とその不正を受ける者の中間でじっとしていることも含まれている。
イスラーム的観点からは,ムスリムの責任はイスラーム法の規定を自分で守るというだけに留まらないのである。
むしろその責任は,イスラーム社会全体において正義の確立に参加し,不正に抵抗する義務にまで及んでいる。
それは,たとえ変革の行動の必要から示威的な力を行使しなければならない場合をも含んでいる」
小杉1992 p116
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. {- /\/::/::: /:::⌒/ |:::::: | _、 ''゛ ̄/ / _ノ厂>―┘ では、イスラームは不正等に対して自らをどういう立場なのか?
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|::::: |:〈(|人乂 tリ =ミ:::ノ| ___、 ''゛ {_{  ̄ ファドルッラーは不正は許されないとしたうえで、
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|::::: | ::: |::::::| {__ノ }ノ/ _、 ''゛ 不正と戦うこと、抵抗することはイスラーム的義務であると主張します。
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/::::::::/:::: /:: }/只___//厂 /_、 ''゛ 消極的な態度でいることは自体も不正であり
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. \|∨| L><_厂 / 弱者であるという理由で戦わないことは免除されないというのです。
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