やる夫で学ぶ「法学者の統治論」

レス数:960 サイズ:1501.54 KiB 最終更新日:2025-07-03 22:40:18

903  名前:◆sSLW7aecKk[] 投稿日:2025/07/03(Thu) 19:26:35 ID:bb10a7fc
>>900続き
これはやや本論のネタバレになるのですが、2000年代以降のイラクは法学者の統治によるイスラーム革命が放棄されていきます。
すなわち、イラクにおいて主要な政治関心が、①米軍の撤退or米軍との協力か、②国内の宗派主義、民族分断の克服、③中央集権か地方分権か?になったのです。

これらの問題を克服するための戦略として、スンナ派の人々、クルド人政党との協力、地方の部族の取り込みが必要になります。
そうなれば、シーア派色が強いと思われる「法学者の統治に基づくイスラーム革命」政策は、他派との連携に非常に邪魔なものになります。
ダアワ党にせよ、イラク・イスラーム革命最高評議会にせよ2000年代にはそうした政策を放棄していくようになります。

彼らにとって重要なのはイラク国家をどのように保つかということだからです。
当然、法学者の統治を掲げないサドル派も同様です。