デス恋愛短編勝負電流金網デスマッチ ~ 感想・投票用スレ

レス数:401 サイズ:416.81 KiB 最終更新日:2018-04-28 03:38:03

120  名前:◆KyumznUF4s[sage] 投稿日:2017/05/30(Tue) 22:56:41 ID:729aedfc

恋愛短編祭お疲れ様でした。
このようなイベントに参加させて頂き、非常に楽しかったです。
投票させていただきます。

ただ、投票するよりかは多少面白いことやった方がいいだろう、ということで、
投票基準の明確化をして感想を書こうかな、と。

【投票】
②-3 「 あばたもえくぼ、ダジャレも愛嬌 」 ( ◆Z4Yx5FFCeT2Hさん )
①-2 「 人工庭園 」 ( ◆eQb8Zmb0JIさん )
③-8 「 幸子の彼はどんな人? 」 ( ◆MTQOdBCgMAさん )


【投票基準】
1.恋愛を主題とした作品
2.恋愛+アルファを主題とする作品
3.恋愛を主題としない作品

上記三項目にそれぞれ該当する作品から一つずつ選出

【感想】
[1.恋愛を主題とした作品]
②-3 「 あばたもえくぼ、ダジャレも愛嬌 」 ( ◆Z4Yx5FFCeT2Hさん )

この作品は劇的なドラマチックな展開はありませんでした。
燃え上がるような愛で駆け落ちをすることもなく、命を賭けて愛を獲得したわけでもなく、
二人が同じ酒場で、お酒を飲んで、話をして、そのまま恋に落ちただけ。
とはいえ、恋をするのにそれ以上のことはいらなくて、
そういう点においては、現実世界に近い内容であるのかな、と思いました。
美人さんが声を掛けてくれて、仲良くなれることが現実世界でありうるのか、ということはさておき、
奇抜なことはせず、ただ雰囲気を表現する表現力と、心情の描写、キャラクターの魅力で、
見事に恋愛を表現できていたと思います。

文句なしに恋愛を主題にし、恋愛を描いた作品であると思いました。


・次点
甲乙つけがたし


[2.恋愛+アルファを主題とする作品]
①-2 「 人工庭園 」 ( ◆eQb8Zmb0JIさん )

恋愛とその他の要素の二本柱として構築した作品の中で、
私自身の中でトップになったのがこの作品でした。

ポストアポカリプスの見事な世界観の構築と、秀逸なストーリー。
人類なき世界を放浪する機械の旅は、多くの人を魅了したかと思います。
特筆すべきは、それだけに終わらず、「恋愛」が話の核として存在している点です。
人ならぬロボットが人工的に作られたクローンに恋愛感情を抱き、
その感情とままならぬ現状が故に「remove」を望むという展開は、
愛が持つ強いエネルギーを感じました。

彼ら、彼女らにremoveをもたらした主人公のロボットが何を思ったのか、
泣くことを覚えたロボットがこれから一人でどんなことを考えながら放浪するのか。
あのロボットの果てに、ロボット自身にremoveしてくれる相手がいるのか、
そういったことが読んだ後にブアーって頭の中でよぎって大変でした。

良い作品、ありがとうございました。


・次点
②-12 「 この想いは、ヴェネツィアの空と海に似ている 」 ( ◆o2mA/XxBawさん )

非常に完成度の高い作品で、情緒溢れるヴェネツィアという、ある意味卑怯な舞台設定、
魅力的な脇役、王道で安心感のあるストーリー、どれもこれもが高レベルの作品でした。
作者のこだわりが随所に垣間見え、地力の高さと丁寧さが心憎い演出を産んでいました。

どちらに投票するか、非常に悩みに悩みましたが、
上記投票した作品と比較して、恋愛と言う要素が若干薄いかな、と感じたことが分かれ目でした。



3.恋愛を主題としない作品
③-8 「 幸子の彼はどんな人? 」 ( ◆MTQOdBCgMAさん )

このジャンルでの作品はどんな作品があっただろう、と考えたとき、
まず最初に思い浮かんだのが、あのAAでした。
そして、それが脳裏から全く離れず、頭からこびりついてしまいました。
たった一種のAAで、話を一つ成り立たせ、強烈すぎるインパクトと、
読み終わった後の「一体なんだったんだ……」という気持ちを強く抱かせる、
まるで嵐のような短編でした。


・次点
③-14 「 香しの奥つ城 」 ( ◆bHK5FIB8/cさん )

これもまた度肝を抜かれた作品でした。
話の序盤からほのぼのとした空気の裏に、なんとなく感じる不穏な空気のまま、
急転直下の話が動き、ラストシーンに至る。
読み終わった後、何故これが恋愛なのだろうか、と考えたとき、
確かにそれらしく感じられるフシがありつつも、そのことは作中で明言されておらず、
断片的な考察でしか、考えられませんでした。

逆に考えてみると、この作品が恋愛短編祭に投下されたことこそが、
メタ的な視点での恋愛作品なのではないか、と思いました。
恋愛短編祭という場に投下されなければ、恋愛に関連性を感じる感想は
思い浮かばなかったかと思います。
恋愛短編祭に投下されることによって、語られなかった恋愛という要素が、
逆に読者によって模索される、そういった作者さんの思惑なのではないか、と。

ひょっとしたら私の考え過ぎかもしれません。
そうであったのならばただ赤っ恥ですが、しかし、
そう考えさせるほどの特異な作風を持った作品だと思いました。



以上になります。
なんか妙に長いし、熱に浮かされて変なことを書いている感がひしひししていますが、
時間が押しているので、恥を忍んで投下しました。