やる夫短編集七周年企画 七つの大罪祭 投下所
201
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:05:50 ID:20a258cf
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20分程歩いた頃だろうか……
雪の入り込んだ靴下の冷たさにうんざりしていた私を
道端の空地に作られた雪だるまが静かに出迎えてくれた
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202
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:06:12 ID:20a258cf
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きっと、近所の子供達が作ったのだろう
この寒い中、楽しそうに雪だるまを作っている子供達の姿を思い浮かべると
先程までの鬱蒼とした気分が和らいでいく
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203
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:06:29 ID:20a258cf
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ゝ （__人）
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実家に辿り着いた私は 両親への挨拶もそこそこに こたつへと潜り込む
どうやら私には 雪だるまを作っていた子供達のような元気はないようだ
こたつの暖かさが私を眠りへと誘ってゆく……
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204
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:06:38 ID:20a258cf
⌒, ' ／o三｡三゜＼ヽ ﾟ o" 。
, ' ／三三三三三｡＼ヽ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ゜
⌒, ' ／｡三三.三゜三｡三三＼ヽ ﾟ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ヽ o" O"
, ' ／三三三｡三三三三三ﾟ三＼ヽ "⌒ " o ⌒ 。 ⌒ヽ . ､┃,
, ' ／三｡三三三三三｡三三三三三＼ヽ"" ⌒ ⌒ ⌒ ヽ。 ｡.. ヽ┃/
' ／o三三三三三o三三三三三三三三＼ヽ｡ ｡ ⌒ ヽ⌒ ⌒⌒ヽ ヽ｡ .┃/_/
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）｡三三三|lｌ |￣|￣|￣|￣||l |三三三三三＼) |.| |.| |||＼ヽ ヽ 。 ヽ....ヽ┃/__/_／
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）三｡三三|lｌ | | o.| 。| ||l |.三三ﾟ三） ゜ ｡|l￣|￣ｌ| | | | ..|| ｡ .||ヽ__┃_/__／
）三三｡三|lｌ | | | |◎||l |三ﾟ 〔日） ￣￣￣。 ｡..|| _ __ || ┃
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）三三｡三|lｌ |＿|＿|＿|＿||l |三三｡||_.） / （● ー ||ﾟ.｡.ノ__ノ||| ⌒
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1月3日……私の正月休みも今日でおしまいである
またあの雪道を歩かなければならないのかと思うと少し気が滅入る
まぁ、もう1度雪だるまを眺めてから帰るのも悪くないだろう
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205
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:06:47 ID:20a258cf
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しかし、私が目にしたのは無残にも破壊された雪だるまの姿であった
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206
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:06:54 ID:20a258cf
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雪だるまは腕を折られ、頭を落とされ、執拗なまでに踏み潰されていた……
恐らく心無い輩が面白半分に壊してしまったのだろう……
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207
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:05 ID:20a258cf
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あの雪だるまを作った子供達は
壊された雪だるまを見て何を思うのだろう……？
そのことを考えると、駅へと向かう足取りはますます重くなる
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208
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:13 ID:20a258cf
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∧ ∧ || ;; ,: ~i| ∧ , ノ 、 ∧
| :| | :| i| 田 舎 : || | : / （● ● | :|
二二二二二 || : inaka ; |i 二 ゝ （__人） 二
| | | | || : ;; , |i | ﾊ ヽ | | |
二二二二二. |i￣￣~￣￣゛￣￣" || 二 し |) 二二
| | | | || || | | し Ｊ | | |
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こうして、私の初めての帰省は
しょんぼりとした気分で終わったのである
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209
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:21 ID:20a258cf
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210
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:33 ID:20a258cf
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12月30日
1両編成の列車が 雪の降る田舎の線路を 突き進んでいた
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211
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:40 ID:20a258cf
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都会の会社に就職してから 2度目の帰省
満員電車での通勤に嫌気が差していた私にとって
客のほとんどいないこの静かな空間が とても心地よく感じられた
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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212
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:07:46 ID:20a258cf
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| :| | :| i| 田 舎 : || | :| ● ー） ヽ | :|
二二二二二 || : inaka ; |i 二二 （人__） ノ 二
| | | | || : ;; , |i | / ヽ | |
二二二二二 |i￣￣~￣￣゛￣￣" || 二 （| し' 二
| | | | || || | | し Ｊ | | |
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だが、そんな気分は駅に降り立った瞬間に一瞬で消え去ってしまった
寒 い ‥‥‥
久しぶりに訪れた故郷は、今年も一面の雪で私を出迎えてくれたのである
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213
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:00 ID:20a258cf
ﾟ 。 ゜ ﾟ 。 ゜ ﾟ 。 ゜
゜ ｡ 。 ゜ ゜ ﾟ ゜ ｡ 。
゜ ｡ 。 ゜
ﾟ 。 ゜ ゜ ｡ 。 ゜ ﾟ 。 ゜ ﾟ 。
゜ ｡ 。 ゜ ゜ ｡
。 ゜ ゜ ﾟ ゜ ｡ 。
゜ ｡ 。 ゜ ｡ 。 ゜ ゜
ﾍ l ﾉ r ゝＹイｿ。 ゜ ﾟ 。
゜ ゜ヽＹソ ヾｖﾉ／ ゜ ｡ 。 ゜
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゜ ｡ 。 ゜ ゜ ..: . .. .:.o:.. . .. , -- 、 ‐'゛ . ,,'' ゜ ﾟ
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し Ｊ
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田舎の無人駅には、やはりタクシーなんてものは存在しない
自宅までは徒歩で帰るしかないわけだが、
今年は雪用靴を履いてきたので、昨年よりは雪道を歩くのも楽なはずだ
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214
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:08 ID:20a258cf
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',',',',',',',',',',',',',',',',' ﾟ ｡ O',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',' GL _ィ^ ○ ',',',',',',',',',',',',',
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除雪のされていないあぜ道を 黙々と進んでいく
ふと、去年 私を出迎えてくれた雪だるまのことを思い出した。
子供達は今年も雪だるまを作ったのだろうか……？
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215
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:18 ID:20a258cf
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i |ノ （) `＾´ O |／＿／ /つ､__） ノ
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i | {ヽﾌ く_ノ ^|,」 〈 /《ン
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^ ＞_r‐＞＿ノ ^~⌒^~⌒^ ` （_／ ^~⌒^~⌒^~⌒
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去年、雪だるまが作られていた空地まで 足早で向かうと
そこにはピカチュウの雪だるまが作られていた
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216
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:27 ID:20a258cf
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i |ノ （) `＾´ O |／＿／ ヽ.（人__） ノ
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いやはや、よく出来ている……
特に耳や尻尾まで詳細に再現されているのに感心する
去年の雪だるまからずいぶんと進歩したものだ
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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217
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:34 ID:20a258cf
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,i'⌒ヽ シ ''':‐-,‐‐''' ⌒^~
,（ ）ο // ο ° ""'⌒-- ,, , ;; ,,, ,,,;;
＼ | ゛-、 /./ --
＼`ｰ' ＼／／ ο ° ο
`\ ",ノ
ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 ο °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） °
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο
\ i,／／´ Α
i ／ - － 、 | `ー- 、
i | r ⌒ ⌒） ヽ ﾉ・． ・ 二l＞＿ °
i |ノ （人__） ノ （) `＾´ O |／＿／
/ο i / ヽ / l ノ |> >
i | (| , し' {ヽﾌ く_ノ ^|,」
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~ ^~ ヽ(＿ﾉ ^~ ⌒^~⌒^ ＞_r‐＞＿ノ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣ ￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
こんなに凝った雪だるまは都会ではまず見られらない
私は少しだけ幸せな気分に浸りながら 家路についたのである
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218
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:41 ID:20a258cf
┼┼┼┼|| ||┼┼┼┼┼┼||:::::|
┼┼┼┼|| o ||┼┼┼┼┼┼||:::::| o 。 ゜
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┼┼┼┼|| |o ‐┼┼┼┼┼||:::::|
土土土土||＿＿＿ || ｡ 土土土土土||:::::|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣] ｡ﾟ ○
￣|iｌ||￣￣￣￣￣|llii|￣￣￣￣￣|iｌｌ|￣´ 。
^^ ⌒ ⌒⌒｀⌒ ⌒´｀ ⌒⌒｀⌒
, -‐丶 ﾉ ＿＿ .... ....
/ （● ● ／ ヽ o
ゝ （__人 ::::! ⌒ ○
/ 二つi ...:::::::i|
/ （ ） ヽ ......:::::::::／
（__／ .`´ ￣￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
実家に辿り着いた私は 両親への挨拶もそこそこに 庭へと向かった
あのピカチュウに触発されて 私も雪だるまを作ってみたくなったのだ
両親の冷たい視線を浴びながら、私は雪玉を転がしていく
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219
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:08:48 ID:20a258cf
⌒, ' ／o三｡三゜＼ヽ ﾟ o" 。
, ' ／三三三三三｡＼ヽ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ゜
⌒, ' ／｡三三.三゜三｡三三＼ヽ ﾟ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ヽ o" O"
, ' ／三三三｡三三三三三ﾟ三＼ヽ "⌒ " o ⌒ 。 ⌒ヽ . ､┃,
, ' ／三｡三三三三三｡三三三三三＼ヽ"" ⌒ ⌒ ⌒ ヽ。 ｡.. ヽ┃/
' ／o三三三三三o三三三三三三三三＼ヽ｡ ｡ ⌒ ヽ⌒ ⌒⌒ヽ ヽ｡ .┃/_/
~ ）三｡三三l）｡三三三゜三o三）三三三三＼ヽ＝＝＝＝＝＝＝'ヽ ヽ ヽ 。ヽ .＼ヽ┃__/_/
）｡三三三|lｌ |￣|￣|￣|￣||l |三三三三三＼) |.| |.| |||＼ヽ ヽ 。 ヽ....ヽ┃/__/_／
）三三三｡|lｌ | | | |.o ||l |三｡三三） ｡. |l￣|￣ｌ| || .|| || . ||⌒⌒⌒_||ヽ__┃_/__／
┌―┐ ｡三三|lｌ | | o.| 。| ||l |.三三ﾟ三） ゜ ｡|l￣|￣ｌ| | | | ..|| ｡ .||ヽ__┃_/__／
L＿_」-､ 三｡三|lｌ | | | |◎||l |三ﾟ 〔日） ￣￣￣。 ｡..|| _ __ || ┃
＼.（・ _ ・ .）'／ 三|lｌ |。 | |ﾟ ｡| ||l |｡三三||゜） 。 ゜ , ノ 、 ｡||__）ヽ）ヽ.|| ^^_⌒⌒
Y .Y 三｡三|lｌ |＿|＿|＿|＿||l |三三｡||_.） / （ー ー ||ﾟ.｡.ノ__ノ||| ⌒
i ..::::i ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ ゝu （__人） ⌒⌒⌒⌒⌒⌒
__.ヽ､...::::::ノ .i ⌒＿＿＿⌒⌒ 。 " ﾊ 'ミ〕 o 。
（J人_ ┐ﾉ
‘ｰ´|___）
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1月3日……私の正月休みも今日でおしまいである
明日からまた仕事が始まるのかと考えると、筋肉痛と相まって帰りの足取りも重くなる
あの雪だるまを眺めたらこの気分も少しは和らぐだろうか……
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220
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:03 ID:20a258cf
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ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 ο °
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i |ノ ゝ （__人） （) `＾´ ヽ、_.,,
/ο i ﾊ ヘ__ / l ノ |
i | ξﾉ〉 ヾζ {ヽﾌ く_ノ ,:"
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^ （__／ ＼_） ~⌒^~⌒^ ＞_r‐＞ ; ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣ ￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
だが、雪だるまは昨年と同様、無残にも破壊されていた
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221
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:09 ID:20a258cf
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,i'⌒ヽ シ ''':‐-,‐‐''' ⌒^~
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ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 ο °
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i ／ , -‐ノ 、 | ` ,
i | r / （● ● ﾉ・． ; °
i |ノ ゝ （__人） （) `＾´ ヽ、_.,,
/ο i | ､/ ) ヽ / l ノ |
i | `ー ′ .|) {ヽﾌ く_ノ ,:"
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^ し' Ｊ ⌒^~⌒^ ＞_r‐＞ ; ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣ ￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
何度も何度も蹴られたのだろう……
雪だるまには無数の靴跡が残っており、
私が感心した耳と尻尾も粉々に砕かれてしまっていた
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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222
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:29 ID:20a258cf
ｏ ο ｡
ﾟ ° Ｏ
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あの雪だるまを作った子供達は
今年も雪だるまが壊されてしまったことをどう思うのだろう……？
そのことを考えると、駅へと向かう足取りはますます重くなる
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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223
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:35 ID:20a258cf
。 o 。 ゜。 o
。 o 。 。 。
o 。 。 o 。 。
。 o 。 。 。 o o
。 。 o o 。 。
＿,,＿__.＿,＿＿,,＿
∧ ∧ || ;; ,: ~i| ∧ , ノ 、 ∧
| :| | :| i| 田 舎 : || | : / （ー ー | :|
二二二二二 || : inaka ; |i 二 ゝ （__人） 二
| | | | || : ;; , |i | ﾊ ヽ | | |
二二二二二. |i￣￣~￣￣゛￣￣" || 二 し |) 二二
| | | | || || | | し Ｊ | | |
￣~￣"゛￣￣￣｀´⌒⌒~￣"゛￣￣￣~￣⌒⌒"゛￣￣￣｀´￣~￣"゛
┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─
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wWww wWww wWww⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽWww wWww;:⌒⌒⌒ヽwWww
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
こうして、私の2度目の帰省も
どんよりとした気分で終わったのである
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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224
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:45 ID:20a258cf
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225
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:09:53 ID:20a258cf
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ｏ ο ｡ / /
l| ﾟ ° / . Ｏ ／
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ﾟ ゜。 l| / ◯ ／
。 ﾟ l| ° / /|:|／ 。°｡
Ｏ °。 |________________/___./__|:|
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｡° |--''"￣ / ｡ ゜ ﾟ゜ o
ｏ ゜ -┬┬- /|| / / .|:|
┌┴〒￣〒┴┐ ||/ Ｏ ｡
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゜ ｏ ||_____||____||_____|| || ο Ｏ
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rロ､. |.｡○.| !-! |.○｡|. || |:| _,;;-''
-v''ﾍ-､__,,､___ ﾞコビ. ﾞtｪｪｮ|===|ｪｪｮ/__,,_||_,､_____,,､, ,.|:|ﾉ-''=''" ::::::
::::::::::::::::::::::::::::::￣!-|-!~ﾞ''"`''￣`''E|三三|ﾖ" :::!!::::::::::::::::::::::!:!:::::::::::::::::::::::::
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─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
12月30日
1両編成の列車が 雪の降る田舎の線路を 突き進んでいた
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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226
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:10:00 ID:20a258cf
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|:|!|＿＿＿＿_|;|l| .|;|!|＿＿＿＿_|;|l|
lﾆl ￣￣￣￣.|ﾆl lﾆl ￣￣￣￣.|ﾆl
| l| l:l.l| | l| l:l.l|
／´／｀l l. ||＿＿＿＿_|| l|; .／´／ , － - ＿＿＿_|| l| .／´／｀l
／ .／ | . ~~￣￣￣￣￣~~ ／ .／ / .（≡ ≡ ￣￣￣~' .／ .／ |
／ .／ |ニニl._, ／ .／ ゝ （__人） ／ .／ |ニニl.__
／ .／ ／ .:::::::／|＿＿＿_／ .／ |! ､＿（ξ) ＿＿_／ .／ ／ .:::::::／|＿
_ l＾l＾l .／ .::::::::／ ／ l＾l＾l .／ ゝ __|. | ＼ l＾l＾l .／ .::::::::／ ／
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￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
都会の会社に就職してから 3度目の帰省
満員電車での通勤にうんざりしていた私にとって
客のほとんどいない この静かな空間がとても幸せに感じられた
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
227
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:10:08 ID:20a258cf
。 o 。 ゜。 o
。 o 。 。 。
o 。 。 o 。 。
。 o 。 。 。 o o
。 。 o o 。 。
＿,,＿__.＿,＿＿,,＿
∧ ∧ || ;; ,: ~i| ∧ - －、 ∧
| :| | :| i| 田 舎 : || | :| ⌒ ⌒）uヽ | :|
二二二二二 || : inaka ; |i 二二 （人__） ノ 二
| | | | || : ;; , |i | / ヽ | |
二二二二二. |i￣￣~￣￣゛￣￣" || 二 （| し' 二
| | | | || || | | し Ｊ | | |
￣~￣"゛￣￣￣｀´⌒⌒~￣"゛￣￣￣~￣⌒⌒"゛￣￣￣｀´￣~￣"゛
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─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
まぁ、そんな気分は駅に降り立った瞬間に一瞬で消え去ってしまうわけだが……
相変わらず寒い‥‥‥
久しぶりに訪れた故郷は、今年も一面の雪で私を出迎えてくれたのである
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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228
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:10:34 ID:20a258cf
ﾟ 。 ゜ ﾟ 。 ゜ ﾟ 。 ゜
゜ ｡ 。 ゜ ゜ ﾟ ゜ ｡ 。
゜ ｡ 。 ゜
ﾟ 。 ゜ ゜ ｡ 。 ゜ ﾟ 。 ゜ ﾟ 。
゜ ｡ 。 ゜ ゜ ｡
。 ゜ ゜ ﾟ ゜ ｡ 。
゜ ｡ 。 ゜ ｡ 。 ゜ ゜
ﾍ l ﾉ r ゝＹイｿ。 ゜ ﾟ 。
゜ ゜ヽＹソ ヾｖﾉ／ ゜ ｡ 。 ゜
|i| ||i。 ゜ ﾟ 。
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:.:.:.｡.. . .. .:.o:.. . .. . ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡..ﾞﾞﾞﾞ''''''''''‐-- ､,,,,,_ .~ﾞ"'ｰ-. . ..:.:.:.｡.. ..:.:. .ﾟ.Ｏ.:.:..｡.. .. .
:.:. . ｡ 。 ゜ ゜ ﾟ ゜ ｡｀ﾞ''ｰ-、 。 `'‐.､,,
゜ ｡ 。 ゜ ゜ ..: . .. .:.o:.. . .. , -- 、 ‐'゛ . ,,'' ゜ ﾟ
:..｡. . .. . :. .ﾟ.Ｏ .:.:..｡.. .. ._,,.- / ヽ ,,-‐'゛
。 ゜ ｡ 。 ゜ .ゝ ノ . ..:.:. . ゜ ﾟ ゜
｡ 。 . .:.o:.. . .. . ..:.:. .。 （| |）
| |
し Ｊ
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
今年も雪だるまを見ることはできるのだろうか
何も無い田舎の無人駅を眺めながら
私は雪だるまのことを思い出していた
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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229
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:10:50 ID:20a258cf
ｏ ο ｡
ﾟ ° Ｏ
O ｡
◯ _,,,...:-‐‐= o,,,_ °｡ o
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:::..... ｏ ゜ -‐" "'' -‐‐‐-,..,,.
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::::;;; ゜ :,,::::::: ::::; ;;;;:: :::::::::: ｏ /...::::.::::;;;;:;;;;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :: ο ;;;; （人__） ノ ;::::::;;Ｏ :::...,,,
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',',',',',',',',',',',',',',',',' ﾟ ｡ O',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',' GL _ィ^ ○ ',',',',',',',',',',',',',
(___/｀ー'
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─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
一生懸命作ったであろう雪だるまを 2年続けて壊されてしまったのだ
子供達はもう、雪だるまを作るのが嫌になってしまったのではないか……
除雪のされていないあぜ道を進みながら、雪だるまのことについて考える
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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230
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:00 ID:20a258cf
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ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） ° |＼__|｀‐´｀‐／|__/|
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ / ヽ-､＿__ ,-r' ヽ - －、
i | r | ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| ○ ○） ヽ
i |ノ | .| （人__） uノ
/ο i ο | | （つ につ
i | 'i _ ノ' ／ ／ゝ 〉
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~ ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~ (__/ (___/ ^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
だが、そんな考えは杞憂だった
何故ならキングスライムの雪だるまが私を出迎えてくれたのだから
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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231
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:09 ID:20a258cf
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,i'⌒ヽ シ ''':‐-,‐‐''' ⌒^~
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＼`ｰ' ＼／／ ο ,∧､ ° ο
`\ ",ノ r-‐i'''''''''''i''''‐-､
ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） ° |＼__|｀‐´｀‐／|__/|
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ / ヽ-､＿__ ,-r' ヽ - － 、
i | r | ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| rヤ● ●）uヽ
i |ノ | .| ヽ.（人__） ノ
/ο i ο | | | ヽ
i | 'i _ ノ' | し'
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~ ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~ し Ｊ ⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
それにしても大きい……3メートルはあるのではないだろうか
これだけの大きさにするのに、一体どれほどの雪を集めたのか……
いやはや、とんでもない雪だるまを作ったものである
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
232
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:19 ID:20a258cf
° _,,--⌒^``:､ ο
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,i'⌒ヽ シ ''':‐-,‐‐''' ⌒^~
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＼`ｰ' ＼／／ ο ,∧､ ° ο
`\ ",ノ r-‐i'''''''''''i''''‐-､
ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） ° |＼__|｀‐´｀‐／|__/|
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ - － 、 / ヽ-､＿__ ,-r' ヽ
i | r ⌒ ⌒） ヽ | ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| °
i |ノ （人__） ノ | .|
/ο i / ヽ | |
i | (| , し' 'i _ ノ'
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~ ヽ(＿ﾉ ^~⌒^~ ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
とにかく今年も雪だるまを見ることができて本当に良かった
なにより、子供達がめげずに また雪だるまを作ってくれたことが
とてもとても嬉しかった
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
233
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:29 ID:20a258cf
|;. | ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ.|| || ||
| .:|⌒ﾟ⌒ﾟ⌒ﾟ⌒ﾟ⌒ﾟ⌒ﾟ⌒ﾟ⌒||==||==||==
|. i| ﾟ o ゜ 。 ||＿||＿||＿
:.:.::|;. | 。 ゜ ﾟ o ||￣||￣||￣
:.:::::|l i| ｡ ゜ ﾟ ｡ o . ||==||==||==
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:.:.::::::::::::| ;i| ﾟ 。 o ｡ ||￣||￣||￣
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:::::::::::::::::| |＿＿ / ヽ ＿___.||￣￣￣￣
;;;;;;;;;;;;;;;;;|;i |三二三 ゝ ノ 三ニ||＿＿＿＿
::::::::::::::::::::: （| |） .:.:::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::: | | .:.::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::: .:.::: し Ｊ .:.::::::::::::::::::::::::::
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
実家に辿り着いた私は 両親への挨拶もそこそこに雪だるまについて考える
雪だるまはまた壊されないだろうか
両親の不審げな視線を背に 私は外を眺める
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
234
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:39 ID:20a258cf
⌒, ' ／o三｡三゜＼ヽ ﾟ o" 。
, ' ／三三三三三｡＼ヽ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ ゜
⌒, ' ／｡三三.三゜三｡三三＼ヽ ﾟ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ヽ o" O"
, ' ／三三三｡三三三三三ﾟ三＼ヽ "⌒ " o ⌒ 。 ⌒ヽ . ､┃,
, ' ／三｡三三三三三｡三三三三三＼ヽ"" ⌒ ⌒ ⌒ ヽ。 ｡.. ヽ┃/
' ／o三三三三三o三三三三三三三三＼ヽ｡ ｡ ⌒ ヽ⌒ ⌒⌒ヽ ヽ｡ .┃/_/
~ ）三｡三三l）｡三三三゜三o三）三三三三＼ヽ＝＝＝＝＝＝＝'ヽ ヽ ヽ 。ヽ .＼ヽ┃__/_/
）｡三三三|lｌ |￣|￣|￣|￣||l |三三三三三＼) |.| |.| |||＼ヽ ヽ 。 ヽ....ヽ┃/__/_／
）三三三｡|lｌ | | | |.o ||l |三｡三三） ｡. |l￣|￣ｌ| || .|| || . ||⌒⌒⌒_||ヽ__┃_/__／
）三｡三三|lｌ | | o.| 。| ||l |.三三ﾟ三） ゜ ｡|l￣|￣ｌ| | | | ..|| ｡ .||ヽ__┃_/__／
）三三｡三|lｌ | | | |◎||l |三ﾟ 〔日） ￣￣￣。 ｡..|| _ __ || ┃
）｡三三三|lｌ |。 | |ﾟ ｡| ||l |｡三三||゜） 。 ゜ , － - ｡||__）ヽ）ヽ.|| ^^_⌒⌒
）三三｡三|lｌ |＿|＿|＿|＿||l |三三｡||_.） / （ー ー ||ﾟ.｡.ノ__ノ||| ⌒
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ ゝ （__人） ⌒⌒⌒⌒⌒⌒
⌒＿＿＿⌒⌒ 。 " ﾊ 'ミ〕 o 。
（J人_ ┐ﾉ
‘ｰ´|___）
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
1月3日……私の正月休みも今日でおしまいである
雪だるまが壊されていないか気になって仕方がない
私は足早に雪だるまのある空地へと向かう
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
235
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:48 ID:20a258cf
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,i'⌒ヽ シ ''':‐-,‐‐''' ⌒^~
,（ ）ο // ο ° ""'⌒-- ,, , ;; ,,, ,,,;;
＼ | ゛-、 /./ --
＼`ｰ' ＼／／ ο ,∧､ ° ο
`\ ",ノ r-‐i'''''''''''i''''‐-､
ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） ° |＼__|｀‐´｀‐／|__/|
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i , － - / ヽ-､＿__ ,-r' ヽ
i / u （○ ○∩ | ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| °
i ゝ （__人）丿 | .|
/ο / ニつ／ | |
i （ ） 〈 'i _ ノ'
ｰ.^ﾉ､..... `´ ヽ_） ^~⌒^~ ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
なんと、雪だるまは壊されていなかった
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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236
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:11:54 ID:20a258cf
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` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ , － - ヽ-､＿__ ,-r' ヽ
i | r / （● ● ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| °
i |ノ ゝ （__人） .|
/ο i ﾊ ヽ |
i | し |) _ ノ'
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~ し Ｊ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
今年は雪だるまを壊そうとする輩は現れなかったのだろうか？
いや、雪だるまをよく見てみると蹴った跡が無数にある
どうやら壊さなかったのではなく壊せなかったようだ
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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237
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:12 ID:20a258cf
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ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
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` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ , － - ヽ-､＿__ ,-r' ヽ
i | r /u （● ● ′' ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| °
i |ノ ゝ （__人）^） ´ .|
/ο i ⊂ /／ ｶﾝ! ｶﾝ! |
i | （ 〈 'i _ ノ'
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^ `～ ヽ_） ~ ｀''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
水でもかけて凍らせたのか、雪だるま とてもとても 硬かった
これだけ硬くて大きいものを壊すには、道具でもなければ不可能だ
そうか……だからこんな巨大な雪だるまを作ったのか
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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238
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:22 ID:20a258cf
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`\ ",ノ r-‐i'''''''''''i''''‐-､
ｏ | /ﾟ ,i'⌒ヽ、 o| ｏ! .ｏ i ｏ !o °
ﾞ､＼_ﾉ i ｏ （ ） ° |＼__|｀‐´｀‐／|__/|
` 、ﾞ ﾉ ／`;;;;;_ノ ο |_, ─''''''''''''─ ,､ / _
\ i,／／´ , '´ （・） （・） ｀‐､
i ／ - - 、 ヽ-､＿__ ,-r' ヽ
i | r / (≡ ≡）ヽ ﾉ｀'ｰ--‐‐'´ヽ .| °
i |ノ ゝ（_人_） ノ .|
/ο i |, /^)（ヽ | |
i | |｀ｰ' ｀ｰ'| _ ノ'
ｰ.^ﾉ､.......,iｰ.⌒^~⌒^~ し Ｊ ''─ ＿ ＿ ─''´ ^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒^~⌒
￣￣
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
去年、一昨年と雪だるまを壊されたのが よほど頭にきたのだろう
この巨大な雪だるまからは
「壊せるものなら壊してみろ！」という子供達の強い怒りを感じる
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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239
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:31 ID:20a258cf
ｏ ο ｡
ﾟ ° Ｏ
O ｡
◯ _,,,...:-‐‐= o,,,_ °｡ o
,r'":: :: ::＼,,....., ｏ
,,r'"::ﾟ :: :... ゜。 ::: . ::; :::.`'::.､ ◯
。 ,:r'::: :: .::: :: ﾟ :: :; °:: `':.､ 。°｡
,r'":::.. ..: Ｏ..:::. .... : °。 :; :: ::. ::`'::､_
,r'":::: ...::: :...::: o ;,,, - ο''':‐-,, ,, ｡ ° ::`'::､_ ｏ __,, - ''""
,r'".ο .. ......::::: " ''''‐- ,..,,,... __,, -‐- ,. O .-‐‐''''"
,r'":::,,,,,, :::::......:::｡° ｡ ゜ " `'' -,.. ﾟ゜ o
:::..... ｏ ゜ -‐" "'' -‐‐‐-,..,,.
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::::;;; ゜ :,,::::::: ::::; ;;;;:: ミ.ゝ （__人） ;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :: ο ;;;;;;;;;;;; :::://:;::::::::::;;;::::::;;Ｏ :::...,,,
WWWwwwjij,,.、,、,,,v ｀ミ_⊃ |） jyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijiｏ yviiijwiijijywWw
',',',',',',',',',',',',',',',',' ﾟ ｡ 〉 ヽ ',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
（_／ ＼_〉
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWwji
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″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″
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あの雪だるまを作った子供達は
壊されることのなかった雪だるまを見て何を思うだろう……？
そのことを考えると、駅へと向かう足取りは軽やかになる
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
240
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:40 ID:20a258cf
。 o 。 ゜。 o
。 o 。 。 。
o 。 。 o 。 。
。 o 。 。 。 o o
。 。 o o 。 。
＿,,＿__.＿,＿＿,,＿
∧ ∧ || ;; ,: ~i| ∧ , － - ∧
| :| | :| i| 田 舎 : || | : / （≡ ≡ | :|
二二二二二 || : inaka ; |i 二 ゝ （__人） 二
| | | | || : ;; , |i | ﾊ ヽ | | |
二二二二二. |i￣￣~￣￣゛￣￣" || 二 し |) 二二
| | | | || || | | し Ｊ | | |
￣~￣"゛￣￣￣｀´⌒⌒~￣"゛￣￣￣~￣⌒⌒"゛￣￣￣｀´￣~￣"゛
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wWww wWww wWww⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽWww wWww;:⌒⌒⌒ヽwWww
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
こうして、私の3度目の帰省は
晴れやかな気分で終わったのである
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
.
241
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:49 ID:20a258cf
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￣￣￣￣￣￣￣￣｀i''i~7ﾆﾆﾆﾆﾆﾆi~i''!´￣￣￣￣￣;i''i~7ﾆﾆﾆﾆﾆﾆi~i''!´￣￣￣￣￣￣￣￣
|.lｌ | l | | |.lｌ | l | |
|:|!|＿＿＿＿_|;|l| .|;|!|＿＿＿＿_|;|l|
lﾆl ￣￣￣￣.|ﾆl lﾆl ￣￣￣￣.|ﾆl
| l| l:l.l| | l| l:l.l|
／´／｀l l. ||＿＿＿＿_|| l|; .／´／ , － - ＿＿＿_|| l| .／´／｀l
／ .／ | . ~~￣￣￣￣￣~~ ／ .／ / .（≡ ≡ ￣￣￣~' .／ .／ |
／ .／ |ニニl._, ／ .／ ゝ （__人） ／ .／ |ニニl.__
／ .／ ／ .:::::::／|＿＿＿_／ .／ |! ､＿（ξ) ＿＿_／ .／ ／ .:::::::／|＿
_ l＾l＾l .／ .::::::::／ ／ l＾l＾l .／ ゝ __|. | ＼ l＾l＾l .／ .::::::::／ ／
_ |:ｌ|ｌ:| ／ .::::::::／ ／ .|:ｌ|ｌ:| ／ .::::::::／(___l ､__) .|:ｌ|ｌ:| ／ .::::::::／ ／
_ |:ｌ|ｌ:|. ／.::::::::::／ ／ ／|:ｌ|ｌ:|. ／.::::::::::／ ／ ／|:ｌ|ｌ:|. ／.::::::::::／ ／
ﾆ|:ｌ|ｌ:|ニニl_,／ ／ _,lニニ|:ｌ|ｌ:|ニニl_,／ ／ _,lニニ|:ｌ|ｌ:|ニニl_,／ ／
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￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣
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さて、次の帰省には どのような雪だるまが 見られるのだろうか……
─ ── ───────────────────────────────────── ── ─
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242
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:12:59 ID:20a258cf
l| / /
ｏ ο ｡ / /
l| ﾟ ° / . Ｏ ／
O l| /_ ｡/ ／
◯ o l| °｡ ┌ナ|:|￣/ ／ o
l| ｏ / |:| ./ ／
ﾟ ゜。 l| / ◯ ／
。 ﾟ l| ° / /|:|／ 。°｡
Ｏ °。 |________________/___./__|:|
o ο | ` ｡ ° / / ｏ
ο | ____／___`_ﾒ_､/__/ |:| O
｡° |--''"￣ / ｡ ゜ ﾟ゜ o
ｏ ゜ -┬┬- /|| / / .|:|
┌┴〒￣〒┴┐ ||/ Ｏ ｡
h===.|r--i|===i|. || ﾟ°
゜ ｏ ||_____||____||_____|| || ο Ｏ
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rロ､. |.｡○.| !-! |.○｡|. || |:| _,;;-''
-v''ﾍ-､__,,､___ ﾞコビ. ﾞtｪｪｮ|===|ｪｪｮ/__,,_||_,､_____,,､, ,.|:|ﾉ-''=''" ::::::
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とても とても 楽しみだ
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243
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:13:12 ID:20a258cf
──―――― Ｆ i n ───――─
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244
名前：◆v./Sewc9uaZq[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:13:26 ID:20a258cf
以上で投下を終わります。
テーマは「憤怒」になります。
245
名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:20:23 ID:f57fa81e
乙です
ホラーかと思ったらちょっとほっこりでよかった
246
名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:30:33 ID:598e69a6
乙でしたー
なかなか次のコマが気になる短編だった
247
名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/28(Mon) 23:44:11 ID:4ce16840
乙
248
名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/29(Tue) 00:24:52 ID:76cb2727
乙
テーマに反して優しい気持ちになれた
249
名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/29(Tue) 09:20:18 ID:5e89e7ba
乙
キングスライムと見せかけてメタルキングだったか・・・
250
名前：◆AsWS3m/eyQ[sage] 投稿日：2015/12/29(Tue) 13:20:22 ID:cdc2bef9
では始めます。
タイトルは
高垣楓の推理ノート 「殺人には復讐を」
テーマは「憤怒」です