251  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:51:54 ID:d926fceb
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　 ⌒丶
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ニ／/　',　　　　、　　,　　　　　　　　　　　　　　｀　 、 　 .!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲﾆﾆ/　 、!　 　 　 　 おそらくこの攻撃であの全身鎧の防御を突破したのだろう。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /二／!　　 .l
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /／/　 ､　　 .l　　　　　　二人しかやられていなかったのは連射出来ないからだと思われる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.{　 {　　 ヽ　 .l　,
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　 ＼　　　.__,.ｨl　 　 _,. /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
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　　　　　　　　 　 ヽ | ー'- '- '-'ニニニニ二／ ヽ　　　l　　　.l／｀　、　　　　　　 , ' l 　 　 ｲ: : : :.＼
　　　　　　　　　 　 ',|/ﾆﾆニ二二二二二／: : : : : '､　 .l　　　　　　　　　　＿ 　 /　/　　,ｲ: : : : : : : :＼
　　　　　　　　　／,ｲニニニニニニ二／ : : : : : : : : '､　l　　　　　　　　　　　　 /　,.'--,ｲ: : : : : : : : : : : : ､
.　　　　 　 　 ／ ,ｲﾆﾆニニ二二二／: : : : : : : : : : : : ヽ.! 　 　 　 　 　 　 　 　 ｰ"　,ｲ: : : : : : : : : : : : : : : ヽ

252  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:52:30 ID:d926fceb
　　 l＞ｭ_　　　　 ＿　　 ＊＼＿　/.|　　┼　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈〉　／　./　　./　　l7　　　 _.. -'" イ/
＼　|　　｀'''､,　＊｀ぐ-tｭ.、　　＼_|　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　　/　　/ 　┼ 　 ／二＿_／ /
＊ﾞ¨¨ｌ、　　/＼　◇ヽ＿ﾑﾞ''-.　　｀'″　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ ＼/＿_/　　　　./　　 ,／＼／
､　　　 !　./ 　　＼　　.ヽ_　＼ヽ,　　〈〉　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !＊,i′ ./ l7　　 ./　 ／ .,,, -'"　◇ 　 _.. ．
.ヽ,＿＿|_l′　　　ヽ　　　｀ﾞ''- ､ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! ./ 　 /　 　 　 /,＞―'″　　　._..-'"゛
　 ﾞ'―　..,,_ ｀''-..、　｀'､　　　　　｀¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |./　／　　　　 .'"　　　　　,..-'"゛　◇_,,　‐
　　　　　┼｀ﾞ'''ｰ ﾐ＞..,ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 :l.／　 　 　ο 　 ┼　 ／ 〕　 .,.. -''"　_,, ‐
　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ'''㍉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／゛　 . く,´　._..-'"゛
＊　　　　ο　◇　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　.,..-'',ﾞ,,..／"　　＊
　　　　　　　　　__、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ﾞ_..ir‐'“'"´
　　　　_,,,　-‐'"゛ `'ﾐ,ﾞ''''ｰtｭ,,,_　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀￣
　＝ﾆ二二￣￣￣/ .''ﾆﾆ＝''″　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＜＞ 　 __　-―''¨´マ￣＞
　　　　　　　￣ﾞ¨¨¨"´￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-＜／￣
　　＜＞　　　　　　　　　　　　 　 　 光が収まると同時に氷柱も消えていった。　　　　　　　　　◇　　　┼　￣´
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
二,,_　　　 　_,,,..．,..-'"　　　　　　　　不可解な現象だが、これも魔法ということか。　 　 　 ﾆ二￣lﾆ￢＝ｰ､._
　　 ¨つ'"´_..-''"　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''―-tｭ∠_二＞―z＿＞ｭ、
　.,／ﾞ,..-'"　　　　　　_,,,.. -‐'''ﾌﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ'ﾞ‐'――¨｀￣
彡-'″　　　　l7　,厶＼_　.／
　　　　l7　　　 ,／／二／
　　　　　　　／_.. ‐'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀¨マ¨¨'￢rｰ
　　 ο　　 ''"¨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┼　＼／＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＊
　　　　　◇　. ,..;;'ﾞ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 v..,、
　　　　　 _..-'ﾞ / /　　 　 　 　 　 　 　 ／|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾞぐﾆ￢ｭ＿ 　　┼
┼　. ,／゛　 /　/　 　 　 　＊ 　 　 ／　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ◇　 ＼ ｀'-､　｀＞ 、
　.,ｒ'"　　 ./ 　./　　　　　　　　　.／　　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　｀'i.ｌ、　｀''
../ ﾞl、　_/　　/ 　 　◇ 　 　 ┼/゛＼,__r-/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 .｝..ｌ｀'-､
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253  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:53:01 ID:d926fceb
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:〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 流れ出す血と奪われた体温を
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:〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 体内のマイクロマシンが全力でカバーしようとするが、
　〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉
:〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 正直かなり危険な状態だった。
　〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉
:〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉―〈　 　 〉
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254  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:53:32 ID:d926fceb
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 アラートは鳴りっぱなし、予備エネルギーまでが枯渇寸前、

├　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 何より最大の武器である右腕がもう動きそうに無い。　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┤


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└　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┴　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┘

255  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:54:11 ID:d926fceb

.　　　　　　　　　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ヽハ
　　　　　　　　　　　/　｜　 　　　　　　|　　　　 }　|
　　　　　　　　　 　 　 　 、　　 　 　 　 |　　　　 |_,,|
　　　　　　　　 /　｝ 　 |　≧=-　　　‐　 ≧=　 ﾉ"”　　　　　　これで俺は両腕が使えなくなった。
　　　　　　 　 ,′　　 ∧ ＼　　　/　　 |　　　 |
　　　　 　 　 ,′　　 /:/|　　　　　　　　{　 　　|　　　　　 　 　 あとはもう背中を使うか、
　　 　 　 　 　 ＾}　 //　|　　 　 |　　　 　 　 ｝ |
　　　　　　　i 　 　 {/ 　|　　　　| 　 　 i 　 ./　|　　　　　 　 　 蹴り技だけでどうにかするしかない。
　　　　　　　|　　　 |　 /　　　 / ー　　　　　　|
　　　　　　　|　　　 |　,′　　　　　　　ﾉ　　/　{
　　　　　　　|　　　 | /　　 ､　 ヽ 　 　 　 　　 ‘，
　　　　　　　| 　 　 /　　 　 ヽ　　　　 　 / 　　 ﾊ　 　 　 　 　 ふらつく体を持ち上げて、
.　　 　 　 　！　　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 i‘
　　 　 　 　 ！ 　 ｛　　　　 　 □■□■　 　　 |｜　 　 　 　 決死の覚悟で相手を見据える。
　 　 　 　 　 ‘　　　＼　 　 　 ■□■□ 　 　 　 |
　 　 　 　 　 八　　 i　|　　　　□■□■ 　 　 　 |
.　　　　　 　 　 |ヽ__厂　 　 　 ■□□□ 　 　 　 |
　　　　　　　　｜ 　 　 　 ,' /　　　　　'. 　　　　　 |
　　　　　　　　,′ 　 　 　 /　　　　　　}　　　　 　 |

256  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:54:42 ID:d926fceb
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :!i!　　　　 　 / l　 　 　 /|　　　　　　 ／/|
　　　　　　　,,＿ミゞヾﾞﾞ~ﾞヾゞヾミヾm..,,_　　　/: : !i!　　　　　/　 | 　 　 ｲ八　 　 　 　 厂　|
　　　　ﾐミゞヾ｀　　　　　　　　　　≪　　｀~ﾞﾞ/: : :::! ヽ、　 ／　.: :!　　 / | 　 ＼_　 　 ｲT　｜
　　彡ﾞ~　　　　　　　　　　　　　　彡,,ﾝﾝ,,. （: : :::::i　 :i＼/.,_ 　: : |　Ν　|　　　｜_厶八|_／
￣彡　　　　　　　　　　　　　　　　´: ´: : : ,｣:==ミ|　　! 　 ｀丶、 　广＼|　　　├＜ 　 |
..彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　　　　 　 　 ┌く　　 └ヘ _八　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　　　　　 　 　 人　＼＿　　　＼|　rく　　＼
　　:::,　　　　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　　　　ヽ.,,r─く_　　　　　 　 　 　 ∨|　 ∨￣|
: : :/　　　　　　　　　　　　　　　　　彡:　　　　　　　ｰ-广　　　　　　/[/|　　　　〈八＿入厂
: :/　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : :彡: :　　　 　 --==＼＿,　ィＴ∨　　＼＿　　∨
　　　　　　　　　　: : : : : : : : : : : : : : :彡: : : : :{:｀ ﾐヽ.,, ＼　 ＼| |/　　　　└　＞┤　　　　だが、ここに来てようやく運が向いてきたらしい。
　　　　　　　　　 : : |: : : : : : : : : : : : : /彡: : : : :、:::ヾri＼｀　　　 　 　 ＼ 　　 ＼_|
　　　　　　　　　: : /i : : : 彡i|: : : : : /::::::ゞﾝ彡--ﾐt;; ＼ﾙ＼　　　 ,,＿＿〉　　　　　　　 　 血を吐きながら、巨大狼が弱々しく吠える。
　　　　　　　　 : :.//::《ﾉ从ﾉ/ i|:i/~::::::::::／::::::::::: : : : |＼＼ﾙ＼　　（:::::::::::）
　　　　　　　　: : /::::/:ﾚ巛ﾉ:i|（:::::::::::::::/::i::i:i:i::ii /ﾞ´ヾ!┃　 ヽ_ソ ヽ、＿_ｙ ´
　　　　　　　　: /::〃:::〃ﾉﾉ人::::::::::::i::::::从ヾ!ﾞ~　　　　’　　　　 ┃　　　　 　 　 　 　 　 　 その目から氷柱が生えていた。
　　　　　　　: :/::::::::::::::::::::ﾉ::::::::::::::::/从　　　　　　　　　　┃　　┃
　|　　　　　　: |/::::::::::::::::::::λ//ﾉ〃|　　　　　　　　 　 　 ┃　　 ’　　　　　　　　　　　　　 おそらく脳にまで達していると思われる。
　|　　　　　　: |〃|ヾ从〃~::::: : : : : |　　　　　　　　　　 　 ’

257  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 22:56:37 ID:d926fceb

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆━━……‥‥　　　　　　　　 　 ‥‥……━━◆

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 第1章　隻腕義手のスワンプマン

　　　　　　　　　　　　　　 　 /|i　　 /|l,　　　　　　　　　　　　　　　　 　 1-1　無彩色の左手、鎧の右手（３）
　　　　　　　　　　　ｘ　 　　/:::| i　　i |:::l
　　　　　　　　　　　　　　 /::::::| i　 i. |::::ｌ,　　　/|　　　＋　　　　◆━━……‥‥　　　　　　　　 　 ‥‥……━━◆
　　　　　　　＋　　　　　/|＼_　ﾞヾ/　|:::: 　　/|｜
　　　　　　　　　　　　 /　|　「 　 　 　 ~ﾞヾ ｨ　|/
　　　　　　　　　 　 ／|　 ∨|　　　ｉ　　 ／∧/　　　　　　x
　　　　　　　　　　/　∧＿]＼　　 |┌く_ｨ/　|　、　　　　　　　　　　　　　 口の中を血で一杯にして、
　　　　　　　 　 〃 /　 ＼＿Ｔ＞ｚ|∧＿|_／　 |
　　　　　　　　彡　 ii　　 ゝJ　　ｲ-ﾄ 　／ i|i.　 |　　　＋　　　　　　　　　 先程の攻撃で自滅した巨大狼が
　　　　　　　彡　　/ .i|　 〃i　 ヾ.! !〃| 　.|i i　 ハ
　　　　　　 〃　　彡　i| 　ﾍ l､ 　 i i　 |　 |i　|　 !　＼,へ　　　　　　　　　 ゆっくりと倒れ伏した。
　　　　　　（　　 　ｲ 　i|!　 i　 !､.ヾヨ /　|i　 |　　ヽ/ 　　 ＼
　　　　　　 i|　／￣￣￣~｀ﾞﾞヽ ｀￣´ 〃　 .|,＿　i|　　　　　＼
　 ￣｀~ﾞｰ-ゝｰ-u..,,,,,　　　　　 ＼iii//:::::::／　、　|　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　｀ヽ、　　　　＼;;;;;;;;;|　　　 i ,）::::::::::::: 　　 ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＼＼＼　|　　　 ヽ─--u..,,,,,　　 ）＼＿　　　　　　　　　　◆…‥　（４）に続く　‥…◆
　　　　　　　　　　　　　　　　＼,_人,从,,! ） |　| ヾゝ　　　　 ￣｀~ﾞｰ- ＼＼--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣　　　　　　　　　　　　 ￣｀~ﾞ

258  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 23:00:47 ID:4e128add
おつでした

259  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 23:01:27 ID:52b54ee7
おつおつ！
浸透勁トピックのところ笑ってしまったｗｗｗ

260  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/17(Thu) 23:07:55 ID:36d9ae4f
乙、ずっと全裸で戦ってるのか……

261  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/18(Fri) 04:27:00 ID:98c249b6
乙でしたー

262  名前：普通のやる夫さん[sage] 投稿日：2015/12/18(Fri) 05:50:41 ID:50e64c37
乙だお

263  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:07:22 ID:352d117a



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　　　　　　　　　 　 　 ┌────────┐
　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 -------------
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　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 ……………　　　　　　　　　>
　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　┌──┐
　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜無料｜
　　　　　　　　　 　 　 └────────┘　 ★★★★☆（15,738） 　 └──┘

　　　　　　　　　 　 　 ┌───────┬───────┬───────┐
　　　　　　　　　 　 　 │　 　 詳　 細　 　 ｜ 　　ﾚ ﾋ゛ｭ ｰ 　 　｜　 　 関 　連 　 　｜
　　　　　　　　　 　 　 └───────┴───────┴───────┘
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　　　　　　　　　　　　　　俺は『未知の言語解析アプリ』的なものを

　　　　　　　　　　　　　　インストールしておけばよかったと激しく後悔していた。

264  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:07:54 ID:352d117a

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　英語をはじめとした多言語辞書や
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　簡易の翻訳アプリならあるのだが、
　　　┌──〆 ┌──〆 ┌──〆 ┌──◇　 　 　 │
　　　｜和独｜ ｜和露｜ ｜和英｜　|Eｘｃｉte|　　　 　 ├───────────────────┰──────
　　　｜辞典｜ ｜辞典｜ ｜辞典｜ │翻訳｜　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　└──┘ └──┘ └──┘ └──┘　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　地球上に存在しない言語を解析して
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　リアルタイムで翻訳してくれるほど
───────────┬──────────┤
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　高性能なアプリは持ち合わせがない。
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　├──────────┼───────────────────┸──────
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
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265  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:08:37 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿｝　　　　　　　　　｛＿＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ──　　　　　　　　　　　──
　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　 　 　 　 ／　　　　＿_　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　_＿　　 　　＼
　　　　　 　 　 ／　 　 　／　　 ＼　　　　＼ヾ　　　　::::::.　　　　　　　〃／　　　　／ 　　＼　　　　＼
　　　　　　　 〈　　　　　 | 　 〇　 |　　　　　　　　　:::::::: 　 　　　　 ::: 　 　 　 　 　 |　 〇 　 | 　　　　　〉
　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＿__／　　　 　 　 ::::::::::　 　 　 　 　 　 ::::::::::　　　　 　 ＼__＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_彡　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ミ_
　　　　　　 　 　三三三三三三三三三　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 三三三三三三三三三


　　　　　　　　　　　　　　　　　というわけで、コミュニケーションに難航している。

266  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:09:17 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸いなことに、巨大狼を倒して満身創痍の俺に

　　　　　　　　　　　　　　　　　　襲いかかる更なる四人の強敵、という展開にはならなかった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 -‐ﾆﾆ.'　　　　　　　ﾞ,‐-｀.ヽ ／　 ＼
　　　　 　 　 ,. ‐　､　　　 　 　 　 　 　 ,'"ｒ;;;;;;;;;;/　　　　　　　　 ';;;;;;;;;） ）.　　　 ヽ.＿
　 　 　 　 ／　　　 ヽ.　　　　　　 　 　 ト､＼;;;;;!　　　rｉ　lll　r, 　 l;;;i r'　l　　　　　ﾞ;;;;;;;)ヽ
　　 ,. 'ニ/　　　　　　' ﾆ.ヽ. 　 　　　　ｒ'　 ヽ l;;l　　〈i, li, .|| 〃i〉　ｌ;;ｌ l　 ｌ,　lll　,, ,　l,. '"ｲl　　　　　　　 　 　 　 　 ,. -　、
　　l　(;;;;'　,.〈i　|| i〉.,,　';;;;} } 　 　 　 __ゝ'　__!_l;;!　　 ヾヾ ll./'/'　　l;;!_!　.li,_ ll.〃/　l .{　 {.）　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 ＼ ＿
　 ｒ､ ヽヽ ヾ, l! ll l!〃　.!;;ｌ i.).＿-ニ二ヽ. { Ｏ　 ￣￣￣￣￣￣￣ Ｏ｀/ニニﾆﾆ=-_￣!/ﾆ=-__　　　　-‐ﾆﾆ.'　　　　　　　ﾞ,‐-｀.ヽ
ィﾆ',　ｒ'"￣￣￣￣￣￣' ／ﾆニニ二二＼ 　 　 ト､ 　 ◯　　,.ｲ　　 ./二二ニニﾆﾆヽ仁ニニﾆヽ,'"ｒ;;;;;;;;;;/　　　　　　　　 ';;;;;;;;;） ）
ﾆ二ゝl, ° ﾄ､　Ｏ　.ノ!.／ニニニニニニ二＼　　ヽ　 ー-一 .ノ　　 ｲ二二二ニニニﾆ',ニニニニ',_ ＼;;;;;!　　　rｉ　lll　r, 　 l;;;i r'　l
ﾆニニﾑ 　 ヽ 二二ノ/ニニニニニ二二二二＼　　｀ ー一 ´　 ,.イ二二二二二二ニﾆi二二二ニi　ヽ l;;l　　〈i, li, .|| 〃i〉　ｌ;;ｌ l　 l
ﾆニニ二ヽ､_　　　　/ニニニニニニニニニニ二＼. ＿＿_ , イ二二ニニニニニニニﾆl二二二ニl　_,!_l;;!　　 ヾヾ ll./'/'　　l;;!_!　.l
ﾆニ二二二二二二{ﾆﾆニニニニニニニニ二二二ヽ二二二二二二二二二二二二二l二二二二l｛.Ｏ　 ￣￣￣￣￣￣￣ Ｏ｀/
ﾆニ二二二二二二lニニニニニニニニニ二二二二ヽ二二二二ニニニニニニニニニl二二二二ｌ、 　 　 ト､ 　 ◯　　 ｲ　　 ./.二
ﾆﾆ二二二二二二 |ニニニニニニニニニ二二二二二二二二二ニニニニニニニニﾆｌ二二二ニl　＼ 　 ヽ　 ー-一 .ノ　 　 ｲ 二
ﾆﾆ二二二二二二 |ニニニニニニニニニ二二二二二二二二二ニニニニニニニニﾆｌ二二二ニｌ　二＼　　｀ ー一 ´　 ,.イ..二二
ﾆﾆ二二二二二二 |ニニニニニニニニニ二二二二二二二二二ニニニニニニニニﾆｌ二二二ニl　 ニ二＼. ＿＿_ , イ二二ニニ
ﾆﾆ二二二二二二 |ニニニニニニニニニ二二二二二二二二二ニニニニニニニニﾆｌ二二二ニl　.二二二ヽ二二二二二二二ﾆ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　万全の状態ならそれも面白いのだが、

　　　　　　　　　　　　　満足に戦えないぼろぼろの俺では槍と槌矛で一方的に殺されるだけだろう。

267  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:09:57 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_. -⇒"￣
　　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ -⇒"´
　　　　　　　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ -⇒"´
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.　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_-ア´　 _　　-‐　 ¨¨￣￣￣￣￣￣￣￣￣㍉
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _.-ア,.｡s　´ 　 ＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　/
　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _-ﾆア´　　 , , , ///////｀　、
　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.-ﾆア´　　 ／/////////////,＼　 　 　 　 それは面白くない。
　i {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.-ﾆア´ 　 　 ,///////////////////:,
　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 _. -ﾆｨf"　　　　　'//／⌒i/////////////,ﾊ　　　　 俺は戦いが好きなのではなく、
　　　　　　　　　　　　　　　　 _. -ﾆア/, '　 　 　 　 {//(＿ ノ//////////////,}
､　　 、　　　　　　　　　　_. -ニア´ //　　　　　 　 '/////////////////////レ　　　 戦って勝つことが好きなのだから。
. ＼　 ＼　　 　 　 _.　-=ﾆﾆア´　 ,//　　 　 　 　　 '/////////////////_. ＜
＼　＼ 　 ー==≦ニニ=- ´ 　 .／ ′　　　 　 　 　 V///////////_.｡s≦
　 ｀ 　 ≧=-―　￣￣　　　　　　 j{　　　　　　　　　　＼////_.｡s≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　.,__　　　　　_,.　 -‐≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　一 ⌒　　　 ￣￣

268  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:10:59 ID:352d117a

.　　　　　　　　　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ヽハ
　　　　　　　　　　　/　｜　 　　　　　　|　　　　 }　|　　　　 　 四人はどうやら突如現れて
　　　　　　　　　 　 　 　 、　　 　 　 　 |　　　　 |_,,|
　　　　　　　　 /　｝ 　 |　≧=-　　　‐　 ≧=　 ﾉ"”　　　　　　巨大狼を捨て身の攻撃で倒した
　　　　　　 　 ,′　　 ∧ ＼　　　/　　 |　　　 |
　　　　 　 　 ,′　　 /:/|　　　　　　　　{　 　　|　　 　 　 　 　 全裸で隻腕で義手の男を敵ではないと判断したらしい。
　　 　 　 　 　 ＾}　 //　|　　 　 |　　　 　 　 ｝ |
　　　　　　　i 　 　 {/ 　|　　　　| 　 　 i 　 ./　|
　　　　　　　|　　　 |　 /　　　 / ー　　　　　　|
　　　　　　　|　　　 |　,′　　　　　　　ﾉ　　/　{
　　　　　　　|　　　 | /　　 ､　 ヽ 　 　 　 　　 ‘，
　　　　　　　| 　 　 /　　 　 ヽ　　　　 　 / 　　 ﾊ　 　 　 　 　 俺なら放置する所だが、
.　　 　 　 　！　　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 i‘
　　 　 　 　 ！ 　 ｛　　　　 　 □■□■　 　　 |｜　 　 　 　 随分とフィランソロピーに溢れた人たちのようだ。
　 　 　 　 　 ‘　　　＼　 　 　 ■□■□ 　 　 　 |
　 　 　 　 　 八　　 i　|　　　　□■□■ 　 　 　 |　　　 　 　 あるいは、不審者をそのままにできない事情があるのかもしれない。
.　　　　　 　 　 |ヽ__厂　 　 　 ■□□□ 　 　 　 |
　　　　　　　　｜ 　 　 　 ,' /　　　　　'. 　　　　　 |
　　　　　　　　,′ 　 　 　 /　　　　　　}　　　　 　 |

269  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:11:38 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　　　　　　｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　│　 　 ───────　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └───────────┐
　　　　　　　　　　　　└───────∨───┤　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　 　 ───────　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -　 　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　 ｀　、　　 └───────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '　　　 　 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿/　　　　　　　　　,＿＿
　　　　　　　　　　　　　 　 ｆ　,...-ﾞ　　,,　 !!　 ,, 　 　 ―i　.!　　 　 　 　 　 いずれにせよ、詳しいことまではわからない。
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ', .!::::l　〈ｌ lｉ　||. 〃/〉 　 i:::::! .l
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （l | |::::ｌ.　 k li　ll.〃〃　　_l::::l__l）　　　　　　　　なにしろ彼らが何を喋っているのか全く理解不能なのだ。
.　　　　　　　 　 　 　 　 ＿f,-､￣￣￣￣￣￣￣￣,-,ヽﾆ‐-_
　 　 　 　 　 　 　 　 ,.イﾆﾆl'ｰ'　 ト､　 ◯　　 ,.イ 　 ｰ /ニニﾆ＼
　　　　　　　　 　 ／ニニニヽ 　 ヽ.` ー一'" ／　 　 /ニニニﾆﾆヽ　　　日本語、英語、中国語、韓国語、
.　　 　 　 　 　 ,ｲニニニニニ＼　　 ｰ--一　　　_ イ二二二二ニニ,
.　　　　 　 　 /ニニニニニニニ＞　＿＿_,.　＜二二ニニニニニﾆﾆ　　ドイツ語オランダ語イタリア語フランス語スペイン語、
　　　　　 　 /ﾆﾆニニニニニ二二lニニニニニニニニニニニニニニ
.　　　 　 　 'ニニニニニニニニニｌニニニニニニニニニニニニニﾆ　　およそ脳内にちょっとでも語彙の心当たりがある言語のどれでもない。
.　　　　 　 'ニニニ二二二/ﾆニニｌニニニニニニニニニニニニニニl
　 　 　 　 'ニニニニニ二/ニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニl
　　　　　 'ﾆニ二二二二/ﾆニニニ!二二二二ニニニニニニニニニﾆl
　　　　　'ﾆﾆニニニニニニニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニl
.　 　 　 'ﾆニニニニニ,ニニニニニlニニニニニニニニニニニニニニl
.　　　　'ﾆﾆニニ二二/ニニ二二二lニニニニニニニニニニニニニニl

270  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:12:24 ID:352d117a

_,,.-ﾚ′`､ u　　　丶-ノ 　 /
　　　　　 ヽ　　ｰ＝＝‐　/
　 　 　 　 ! ＼ 　ー‐　 ,.'｀ヽ
.　　　　　　＿_＼＿_／＿__　＼
　__　 .,.-''"　　 　 　 　 ｀''-､〉　 '.,　　　　　　　 　 まあ聞き取れてないだけで
　　／　　　　　　　　　 ｀''-､}　　 .',
.／　　　　 　 　　 　 　 ｀''-､}　 　 i　　　　　 　 　 このうちのどれかである可能性もあるのだが、
　　 　 　 ／￣￣￣￣￣7 /　 　 |
　　　 .／　 　.l　　　　 　 `´　 　 ﾉ　　　　　　　　 とりあえずは全く未知の言語と考えて差し支えないだろう。
　 　 /　　　 ./　　　　　　 i　　 　 i
　　./　　　／　　　 　 　 /　　　　 ',
　 /　-‐''"　 ＼＿＿_.／　“¨¨ヾ　{
／　　　＿　 　 　 　 /　　　　　　}ｆ’
　　　 '´　　i｀ヽ　 _.ノ　　 　 　 　 ;l
　　　　　　/　　　/
　　　　　　　　　/

271  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:13:30 ID:352d117a

.　　　　　　　 　 　 　 　 ‐-
.　　　　　　　　　　..::´　　　　丶
　　　　　　　　 ／::: ::.　 　 　　　＼
　　　　　　 　 ':::::.　.:::
.　　　 　 　 /::::::　 .::::　　　　　　　　　ヽ
　　　 　 -‐　￣ヽ.::::::__　 〈7ﾊ　　 ｒ ､　　　　　　　　　　　　　 　 あちらでもどうにかして意思の疎通を図ろうと
_ -　´　 ._　 　 }　l::〈/ハ　 ﾏ∧.　 !/,! 　 ,
＿--､ ,'　.）　 .ｌ　ｌ::::: ﾏ,∧.　ﾏﾊ.　 !/l　;, .!　　　　　　 　 　 　 　 身振り手振りを使って色々やっているのだが、
ニニニ＼　　 l　.!:::::::. ヾ∧.　ﾏ,!　.l/l　ｌ'〉.!　_　-‐ 、
ニ二二二ヽ　l　.ｌ:::::::::.　 ヾ'､.　V　l'/ //　!;;;;;;;;;;;;:　!　　　　　　　どうにも上手くいかない。
二ﾆ＝-＿_,.ゝ---―　 ''"　￣￣￣　" ‐┴ ､;;;;;' /
ニニ三三/ .{ 〇 ー―‐　　''　　￣￣　 　 - ､＼'
二二二二＼.＼　　　　　　　　 ＿　　　　,.　.　ヽ.ヽ､_,...,_
＝＝=ﾆ二二＼｀　､　　　　　　`　､.ヽ　 {　　 ヽ　〈ニニﾆヽ
　　　　 ヽ　＼　＞　｀　 、　　　 　 ､　､ ヽ　　.ﾉ ,.ｲiニニニ}
　　　　　 ', ｏ　＼　　＞　_`　 _　　　、 ヽ　￣　.j .! !ニニﾆ{、
　　　　 　 }ー 、　＼　　　 ＞　_　　_.ヽ　　ー‐ ' ﾉ　!ニニニj
　　　　　 /　　　 ｰ　＼　　 　 　 ＞　_‐-　_￣ ´.／/Vニ-‐'、
　　　　 ,　　　　　　　￣＼　　 　 　 　 ＼　､ ＿ ,.ｲ　 ヽ　　　,

272  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:15:16 ID:352d117a

　　　　 f又アﾊ
　　　　 ｀弋夂入
　　　　　　　｀マヘ､
　　　　　　　　　｀マヘ､
　　　　　　　　　　　｀マヘ､　　　　　　　　　　　　　　しかし彼らは武器を地面に置く事で俺に敵意が無いことを示し、
　　　　　　　　　　　　　｀マヘ､
　　　　　　　　　　　　　　　｀マヘ､　　　　　　　　　　一人が背嚢にしまっていた包帯や軟膏などで手当を申し出てくれた。
　　　　 　 ┌─[[Oinｔmenｔ]]─┐ヘ､
　　　　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 ｜｀マヘ､
　　　 　　　| 　　　 [三]　　 　　｜ ┌────[[Bandage］]────┐
　　　 　　　| 　　　/　　ヽ　 　　｜ ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
　　　 　　　| 　 　 l＿ 　 | 　 　　|　│　 　 　 　 　 .,.-‐‐-､ 　 　 　 　 　│
　　　 　　　| 　 　 |＋}　 | 　 　 ｜ │.　　　　 　 ,"　　_　　丶　 　 　 　 │
　　　 　　　| 　 　 l￣ 　 | 　 　 ｜ │　　　　 　 l　　(Ｏ) 　 ,i;　　　　 　 ｜
　　　　 　 │ 　 　 ￣￣　 　 　｜ │　　　 　　 |丶._　 _,.. ｲ.!　 　 　 　 ｜
　　　　 　 └───────┘ │.　　　 　 　ﾞ､　　　 　 i:i　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　 　　　　`ー -－'' 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────┘ヘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀マヘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀マヘ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Y´尖ﾉﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨刃牟ﾉﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀弋マ勿ﾉﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀弋マ勿ﾉﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　｀"マ勿ﾉﾄ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ勿ﾑ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヾﾙ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀゛

273  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:16:45 ID:352d117a


　　　　　　　　　　幸い倒れていた二人も致命傷には至らなかったようで、

　　　　　　　　　　今は治療を受けながら休んでいる。


　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣＼　 　 ／￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　 　 　 　 　 ｜ 　──…… 　｜　 ｜　 ──……　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿　 ＿＿／　 　 ＼＿＿　 ＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨　 　 　 　 　 　 　 　 ∨

　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒ヽ.　　　　　 　 　 　 , '⌒ヽ.
　　　　　　　　　　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_
　　　　　 　 　 　 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.} 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.}
　　　　　　　　 　 　 　 　 l,.-――――-.l､　 　 　 l,.-――――-.l､
　　　　　　　　　　,. -=ﾆニ＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ,. -=ﾆ二＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ＞､
.　　　　　　　 　 /ﾆニニニ二＞ー‐＜二/ﾆニニニ二＞ー‐＜二ニニﾑ
　 　 　 　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二ニニニﾆﾑ
　　 　 　 　 　 /二二二二二二',ニニﾆ/二二二二二二',二二二ニニニﾑ
　　　 　 　 　 /二二二二二二二,ニニ'ﾆﾆニニ二二二二,二二二二二ﾆﾑ
　　　　 　 　 /二二二二ニニニニ,ニ/二二二二ニニニニ,二二二ﾆ二ニﾑ
　　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二ニニﾆﾆﾑ
　　　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾑ
　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二二二ニニﾆﾑ

　　　　　　　　　　その二人から弱々しい声で何かを言われたが、

　　　　　　　　　　意味まではとれなかった。

274  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:17:32 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　今、右肩に包帯を巻いてくれているのは六人の中で一番大柄な人物だ。

　　　　　　　　　　　彼は戦闘の後、兜を外して顔を見せてくれていた。

　　┌────────────────────────┐ 　 　 　 　 ／└─────┐
　　│　　　　　　　　　 ,.．ｰ'´`＾￣｀´`:‐､　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 　 　 　 ＼┌────┐｜
　　│　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : `‐､　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜│
　　│　 　 　 　 　　;': ;.:-､;.:_: : : : : : : : : : : : ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　┌─────────┘└────────────┐
　　│　　　　　　　 j : ;､: : : : ｀:'':": ´ﾞ:`ヽ : : : :}　　　　　　　　　　　　　|　│　　　　　　　　　　　　 ／'ﾄ＼__　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　│　　　　　　　 |: :|　`'‐-､;_;.:．-‐ ┐ : : : :!　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　│　　　　　　　　　,.　 ' ﾌ/ ｜　ヽ.｀ ヽ、　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　│　　　　　　　 !: ;'　　　　　　　　　i : : : : }__　　　　　　　　　　 　 ｜ │　　　　　　　／　　　i | 　 ! 　 | |　　　ヽ　　　　　　　　　　　 │
　　│　　　　 ＿ r'∨,-_､　　　 　 　　 ヽ: : :_,ﾍ. ￣￣ ｀ヽ＿　　　　　｜ │　　　　　　/oヽ　　, 'ﾉ､　 |　　i :､　　 <o>､　　　　　 　 　 　 │
　　│'77´￣　 　!　i ´ｨrﾐヽ　　=',三` 　i:.i´r' }ヾ. 　 　 　 | 　￣ ｀　　 |　│　　　　　 _iﾆ/　／'´　 ｀ ､／　 ｀ ＼___>ー=ｫ　　　　　　　　 │
　　│i {　　　　　iﾄ､i 　 `ﾞ´｀　　 ´ﾞ-'`　 ''´r' /　i|　 　 　 ｜　 　 　 　 |　│　　　　　|｀ ￣` '　　　　　　　　　,.　`　´　,､i| 　 　 　 　 　 　 |
　　│| |　 　 　　||　!　 　 　 　 　　　　　 _／　　ij 　 　 　 ! 　 　 　 　 |　│　　　　　,! 0　　　　` ―-┼‐ ' ´　　　　　`' !　　　　 　 　 　 .|
　　│| |　　　　　i|　i 　　　､ ,.　 　 　 　/ 　　　/' 　 　 　｜　　 　 　 ｜ │　　　　　L_　 　 　 　 　 　|　　　　　　_,. -‐f 　 　 　 　 　 　 │
　　│| |　　 　 　ヾ. ﾍ 　 __　　　　　　,.'　　 　,/　 　 　 　 !　 　 　 　 ｜ │　　　　　 | ｢`i‐‐-､_＿　　|　　　 ,.ｨ',.ﾆ､`||-l 　 　 　 　 　 　 │
　　│.! ! 　 　 　　ヽ. ﾍ. 　‐-￣`　 ／　 　 ／　　　　　　 |　　　　　　｜ │　　　　　 | ｢|j| i´ j ゝ._＞ｰ‐ '＜_ノ i _ j j||　|　　　　 　 　 　 │
　　│ﾍ ､ 　　　　　 ＼ ゝ._j＿ ,.．'　　　,．'´　　　　　　　｜　　　　　 │ │　　　　　 i ll iﾍ.｀´l´｀i　,. -=-､　!´｀l 　l´i｣='ﾄ､　　　 　 　 　 │
　　└────────────────────────┘ │　　,--―ﾚ'￣' jy',`ﾆ'‐' 　 O　ヾ｀ﾆ´ｪ'´ヘ.＿ノｰ-,　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　/　 ＼Y-- 　 i|'　　　 ,. --- ､　　　 |　　　　 _／ ヽ 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　最初は兜を被ったままだったが、　　　 　 　 　 　 │ﾍ､　　O/,`　　 ,.' ､　　/ 　 ! 　ヽ. 　,. ヽ. 　､<O　 ,　 'ヽ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　　 　 　　　 ＼ o,>､_＿|＿_, >､ o／　　 ヽヽ'´　 　 ＼　 │
　　　　　　　　　　　こうした方が意思疎通を図りやすいと判断したのだろう｡ 　　　　　　　 ＼　 o 　 o 　 ／　　　 　 ヾ 、 　 　　`､ │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　 　 　　　　　　　　 ＼＿＿_／　　　　　　　　〉〉　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 └───────────────────────┘

275  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:18:05 ID:352d117a


　　　　　　そんな益体もないことを考えているうちに　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,,,,_＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ
　　　　　　右肩の治療が終わった。　　　　　　　　　 　 　 　 , -ｰ- ．._　　　　　/　　　　　　{{_,,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,‐'　　　　　 ＼＿,,／　　　　　　　“で_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r´　　　 ,、 　 　;ヽ　　　　　　、____,.．''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞrr-'''" ヾ .ｒ 、　ヽ,　　　　　,,　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ /ｒ　　 ﾘﾒ、_ﾉ＝、　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀i　　　　　 }_,,__　　　／ 　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´ヽ''´ 　/ヽー―、i　　　　 |　　　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ヽ-´　ヽ　　　ヽ＿,,,,／　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　─　　　ﾄ√_彡}_} _,|__,,, ＿/ゝ　　__,,,,　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、__ノノ　ﾉ　ヽー――ﾌ＿__"'-,-'{＾~ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 ｀Ｖ¨´ 　 　 ゝ--、　|　　　　〔 ﾉ　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 　 　 ＼_i　　　　　　~"'''　‐- __〕　　/　 |

276  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:19:06 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜　 　 　 　 ありがとうございます　　　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　　　　　　　　　 ,.．ｰ'´`＾￣｀´`:‐､
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : `‐､
　　　 　 　 　 　　;': ;.:-､;.:_: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 j : ;､: : : : ｀:'':": ´ﾞ:`ヽ : : : :}　　　　　　　　　　　と言うと何となく謝意は伝わったのか男性はにっと破顔した。
　　　　　　　　　 |: :|　`'‐-､;_;.:．-‐ ┐ : : : :!
　　　　　　　　　 !: ;'　　　　　　　　　i : : : : }__　　　　　　　　　　 美形というわけではないが、笑うと愛嬌のある顔だった。
　　　　　　 ＿ r'∨,-_､　　　 　 　　 ヽ: : :_,ﾍ. ￣￣ ｀ヽ.＿
　　'77´￣　 　!　i ´ｨrﾐヽ　　=',三` 　i:.i´r' }ヾ. 　　　　 |
　　i {　　　　　iﾄ､i 　 `ﾞ´｀　　 ´ﾞ-'`　 ''´r' /　i|　 　 　 ｜　　　　　 　 ┌────[[Bandage］]────┐
　　| |　 　 　　||　!　 　 　 　 　　　　　 _／　　ij 　 　 　 !　 　 　 　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
　　| |　　　　　i|　i 　　　､ ,.　 　 　 　/ 　　　/' 　 　 　｜　　　　　　　│　 　 　 　 　 .,.-‐‐-､ 　 　 　 　 　│
　　| |　　 　 　ヾ. ﾍ 　､ ＿＿,　　　,.'　　 　,/　　　　　　 　 　 　 　 　 │.　　　　 　 ,"　　_　　丶　 　 　 　 │
　　.! ! 　 　 　　ヽ. ﾍ. 　　　　 　 ／　 　 ／　　　　　　 | 　 　 　 　 　 │　　　　 　 l　　(Ｏ) 　 ,i;　　　　 　 ｜
　　ﾍ ､ 　　　　　 ＼ ゝ._j＿ ,.．'　　　,．'´　　　　　　　 | 　 　 　 　 　 │　　　 　　 |丶._　 _,.. ｲ.!　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │.　　　 　 　ﾞ､　　　 　 i:i　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　 　　　　`ー -－'' 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 続けて、俺の左手を指さして、包帯を掲げている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 こちらにも巻いてくれるということだろう。

277  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:21:09 ID:352d117a

　　　　　　　　　 　 　 　 , ‐￣- !　_￡,.....　-＝ 、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　,/　　 ｿ　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ､!　　　i　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ L　 　 |　　　　,,, ヽ 　 　 |、
　　　　 　 　 　 　 　 　 |　ヾ-　.へ..._　 _..ン‐ﾄ　　、ヽ
　　　　　　　　　　　　　 |　l　- ‐‐　､　　 ,..　 !　　　;,ｨ　 　 　 　 お願いすることにして、左腕の断端を差し出した。
　　　　　　 　 　 　 　 　 l　i. l.　l.　　 ,　　　´Λ{{¨”
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i .| .i　7`ｰ ,　　　ノ　　　　　　　　　　　異様なまでに再生の速い傷口にやや驚いている様子だったが、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l. ! `__!　　.'　　 ´i.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ! l ,.　)￣　、　.ノ{　　　　　 　 　 　 　 すぐに処置にとりかかってくれた。
　　　　　　　　　　　 　 :::::::::::::::::i　 　 !　　::: '.
　　　　　　　　 　 　 　 :::::::::::::::::;,　　 ／　 ::::; '.
　　　　　　　　　　 　 　 　 |ヽ　ヾ:::::;;'　　　 :::; ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 i.. ヽ　`';'　　 　　:::; l
　　　　　　　　　　　　　　　!'' （　' ﾘ; ,　　　　::; i
　　　　　　　　　　　　　 　 i::　`ｰｨ;; ' ;: 　　　::; i
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i:;:;:. 　i;'.:::.. .　　　::; i
　　　　　　　　　　　　　　　 !:::.　' l:;::::::　 　 i ::; !

278  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:21:49 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　|¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨|
　　　　　　　　　　　　|∨￣￣￣￣￣￣∨|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　　　 　 　 　 　 《ｔ|　　　　　　 というか、それ以上の不可思議な治癒の技術を彼らは保有していた。
　　　　　　　　　　　　|《　 ＿　 ∧　 ＿　 》|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　≧∨∧∨≦　《ｔ|
　　　　　　　　　　　　|《　 ＞　《__》　＜　 》|　　　　　　 粘着性のある札、というかシール。
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　＼_八ll八_／　《ｔ|
　　　　　　　　　　　　|《　 　 　 　 　 　 　 》|　　　　　　 それを、左腕の断端を覆うように貼り付ける。
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　≪({{　　}})≫　《ｔ|
　　　　　　　　　　　　|《　 　 　 　 　 　 　 》|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　／¨∨∨¨＼　《ｔ|　　　　　　 じわりと熱が冷やされていくのを感じた。
　　　　　　　　　　　　|《　 ＞　《__》　＜　 》|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　≧∧∨∧≦　《ｔ|　　　　　　 もしかしたら痛みを和らげる効果もあるのかもしれない。
　　　　　　　　　　　　|《　 ￣　 ∨　 ￣　 》|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　　　 　 　 　 　 《ｔ|
　　　　　　　　　　　　|∧＿＿＿＿＿＿∧|
　　　　　　　　　　　　|＿＿＿＿＿＿＿＿|

279  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:23:41 ID:352d117a


　　　　　　　　　右肩や、他の負傷者にもこのシールは使われていた。

　　　　　　　　　どうやら止血や冷却、治癒力の促進効果があるようだ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒ヽ.　　　　　 　 　 　 , '⌒ヽ.
　　　　　　　　　　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_
　　　　　 　 　 　 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.} 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.}
　　　　　　　　 　 　 　 　 l,.-――――-.l､　 　 　 l,.-――――-.l､
　　　　　　　　　　,. -=ﾆニ＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ,. -=ﾆ二＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ＞､
.　　　　　　　 　 /ﾆニニニ二＞ー‐＜二/ﾆニニニ二＞ー‐＜二ニニﾑ
　 　 　 　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二ニニニﾆﾑ
　　 　 　 　 　 /二二二二二二',ニニﾆ/二二二二二二',二二二ニニニﾑ
　　　 　 　 　 /二二二二二二二,ニニ'ﾆﾆニニ二二二二,二二二二二ﾆﾑ
　　　　 　 　 /二二二二ニニニニ,ニ/二二二二ニニニニ,二二二ﾆ二ニﾑ
　　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二ニニﾆﾆﾑ
　　　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆﾆﾑ
　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二二二ニニﾆﾑ

280  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:24:53 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　|¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨|
　　　　　　　　　　　　|∨￣￣￣￣￣￣∨|
　　　　　　　　　　　　|ｔ》 　...,,, 　 　 ,,,..　 《ｔ|　　　　　　　　　表面には複雑な模様が描かれており（この世界の文字かもしれない）、
　　　　　　　　　 　,,　|《 '' ＿　 ∧　 ＿ '' 》|　,,
　　　　　　　　　,.'' 　 |ｔ》　≧∨∧∨≦　《ｔ| 　 ''.,　　　　　　それが淡く発光している。
　　 　 　 　 　 ,''　 　 |《　 ＞　《__》　＜　 》| 　 　'',
　　　 　 　 　 ;　　 　 |ｔ》　＼_八ll八_／　《ｔ|　　 　 ; 　 　 　 確証があるわけではないが、
　　　　　　　 ;'　　　　|《　 　 　 　 　 　 　 》|　　　　';
　　　　 　 　 .　 　 　 |ｔ》　≪({{　　}})≫　《ｔ|　 　 　 .　 　 　 これも魔法的な力を持った道具なのかもしれない。
　　　　　　　 ;,　　　　|《　 　 　 　 　 　 　 》|　　　　,;
　　　 　 　 　 ;　　 　 |ｔ》　／¨∨∨¨＼　《ｔ| 　 　　;
　　 　 　 　 　 ',,　 　 |《　 ＞　《__》　＜　 》| 　 　,,'
　　　　　　　　　'',, 　 |ｔ》　≧∧∨∧≦　《ｔ| 　 ,,''
　 　 　 　 　 　 　 ﾞ '' |《 ., ￣　 ∨　 ￣ ,. 》| '' ﾞ
　　　　　　　　　　　　|ｔ》　ﾞﾞ ''''　　　''''' " 《ｔ|
　　　　　　　　　　　　|∧＿＿＿＿＿＿∧|
　　　　　　　　　　　　|＿＿＿＿＿＿＿＿|

281  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:25:37 ID:352d117a
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:::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ//////////∧　{/////＞=＜/////}　.∧/////////,// ::::::::::::::::::::: :::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ///////////ﾍ///////////////∧/////////// // ::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ////////////////////////////////////////,.ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ∨/∨///////// 　,.:''" ﾞﾞ '':.,　 ///
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ(ﾊ　｀j:////////　.'　　　 　 '.　///,　 　 武装し、刃を飛び回らせ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑゞ＜ ﾄ､/////// :;　　　　　 ;:　///
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑi:i:i:i:|　ﾏ/////　'.　　　 　 .'　///,　　　氷柱を体内から弾けさせる光をはき出す巨大狼がいる世界だ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ:i:i:i､　{i:､///// ':.,, 　 ,,.:'　 ///}
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑﾐz=i:i:i:iﾊ////// ﾞﾞ '"　////,ﾊ:　　　何が起きても驚きはない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀ヽ:i:i:i{　∨///////////,∨　}:i:i
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ゝ.ム/|////////,|∨ムノ:i／ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ム:i:i,'　{////////,} .∨/〃 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ!　 ∨///////　 レ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヾゝﾁ＝＝＝ム彡 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

282  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:26:08 ID:352d117a

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　左腕を失った時とは違って、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　現在は情動制御アプリを常駐させている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　├───────────────────┰──────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　 　 　 　 　 ｜　　　　 ｜　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　）I> 　 　 ｜　　　　　　　　　┃
───────────┬──────────┤　　 　 　 　 　 　 　 〈_ 　 　 　 ｜　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　 　 　 　 　 つ ＿＿丿 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │ 　 　 　 　 　 　 Emotional-Emulater　　　 　 　 ┠──────
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 ━━━━━━━━┥　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　規定値以上の驚愕で行動不能になったりはしないから安心だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　├──────────┼───────────────────┸──────
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │

283  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:26:50 ID:352d117a

　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　│　 　 ───────　 　 ｜
　　　　　　　｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　└─────∨─────┘

　　　　　　　　　　　 ,.．ｰ'´`＾￣｀´`:‐､
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : `‐､
　　　 　 　 　 　　;': ;.:-､;.:_: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 j : ;､: : : : ｀:'':": ´ﾞ:`ヽ : : : :}　　 　 　 　 　 　 　 相変わらず男性が何か語りかけてくれるのだが、
　　　　　　　　　 |: :|　`'‐-､;_;.:．-‐ ┐ : : : :!
　　　　　　　　　 !: ;'　　　　　　　　　i : : : : }__ 　 　 　 　 　 　 　 全く意味はわからない。
　　　　　　 ＿ r'∨,-_､　　　 　 　　 ヽ: : :_,ﾍ. ￣￣ ｀ヽ.＿
　　'77´￣　 　!　i ´ｨrﾐヽ　　=',三` 　i:.i´r' }ヾ. 　　　　 |
　　i {　　　　　iﾄ､i 　 `ﾞ´｀　　 ´ﾞ-'`　 ''´r' /　i|　 　 　 ｜　　　　友好的なのは表情から何となくわかるのだが。
　　| |　 　 　　||　!　 　 　 　 　　　　　 _／　　ij 　 　 　 !
　　| |　　　　　i|　i 　　　､ ,.　 　 　 　/ 　　　/' 　 　 　｜
　　| |　　 　 　ヾ. ﾍ 　､ ＿＿,　　　,.'　　 　,/
　　.! ! 　 　 　　ヽ. ﾍ. 　　　　 　 ／　 　 ／　　　　　　 |
　　ﾍ ､ 　　　　　 ＼ ゝ._j＿ ,.．'　　　,．'´　　　　　　　 |

284  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:27:46 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　正直な所、騙しているような意識は少々ある。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿｝　　　　　　　　　｛＿＿＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ──　　　　　　　　　　　──
　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　 　 　 　 ／　　　　＿_　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　_＿　　 　　＼
　　　　　 　 　 ／　 　 　／　　 ＼　　　　＼ヾ　　　　::::::.　　　　　　　〃／　　　　／ 　　＼　　　　＼
　　　　　　　 〈　　　　　 | 　 〇　 |　　　　　　　　　:::::::: 　 　　　　 ::: 　 　 　 　 　 |　 〇 　 | 　　　　　〉
　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＿__／　　　 　 　 ::::::::::　 　 　 　 　 　 ::::::::::　　　　 　 ＼__＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_彡　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ミ_
　　　　　　 　 　三三三三三三三三三　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 三三三三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....::


　　　　　　　　　　　　　　　　　　彼らの態度は、俺が自らの身を省みず敵を倒し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　窮地を救ったように見えるからでしかない。

285  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:29:20 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　 _,..jヽγ:::::::::ヽ　　　　　 　 　 　 　 　 実際は見捨てるつもりで、なし崩し的に戦闘に突入し
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ,　　ヽ:::::::::::}　__,　-rｔ-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !_　　　..~ｰヽ.~　　_⊥_]入_　　　　　運良く勝ってしまっただけなのだが、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 !､　　　　　 .yｰ"　　 `'｝_]>=、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　 I　　 　 　 1　　　　 　ﾄ广~”　　　まあ言わなければいい事である。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　ヽ　　　 　{′　 　　　’
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,;一-､_　 _}　　　　 t
　　　　　 　 　 　 　 　 　 r'ﾞ 　 　 　 　 "''　　　〈
　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　 ｀'ｰ-;_,　 　 　 　 　 !　　　　　　　　 　 　 言っても伝わらないだろうし、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 `'ヽ､,　　｀'y､::::_/　 :::.:.1
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀'ﾌ 　 _ｿｰｔ　　 :: . ヽ　　　　 　 　 　 　 好人物だと思われていた方が色々と都合がいい。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾉ 　/ 　　 ｀`f,...::: . ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 .'i__,;ｨ 　　　　 ヽ　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 I,_-ｰ .|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 ..j
　　　　　　　´　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｛　　 ..l
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　I
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {,　 y'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ　i’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i　ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しー、｀'

286  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:29:55 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　ところで、ほとんど意味の伝わらないやりとりにもそれなりに収獲はあった。

　　　　　　　　　　　　　それはお互いの呼称だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　 …　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─∨─┼───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｜　 …　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └─∨─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　＼　　　　　　　　　 　 ┌───┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶.　　　｀　ー―-､　　　　　│　 …　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀7ｰ-　 ＿_,　　＼　　 　└─∨─┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ!　/　　 / , 　 　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　| /　　 ﾉ∨　　_　 ＼￣｀ ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　| ゝ、　　 } ／　　　　ヽ　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ゝ、　＞‐'/　　 　 　 /　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ ー一' ￣ {　　　 r-イ＿,　-―ｧ1､＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ＿ﾉ


　　　　　　　　　　　　　指さしと一単語だけの連呼でかろうじて成功した、

　　　　　　　　　　　　　数少ないコミュニケーションの成功ケース。

287  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:30:27 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺を治療してくれている大柄な男性は『キール』という名前らしい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひょっとしたら音が微妙に違うかもしれないが俺にはそう聞こえた。

　　　　　　　　　　　 ,.．ｰ'´`＾￣｀´`:‐､
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : `‐､　　　　┼
　　　 　 　 　 　　;': ;.:-､;.:_: : : : : : : : : : : : ヽ　　　ナ　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　 j : ;､: : : : ｀:'':": ´ﾞ:`ヽ : : : :}　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　 |: :|　`'‐-､;_;.:．-‐ ┐ : : : :!　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　　　　 キール　　 　　｜
　　　　　　　　　 !: ;'　　　　　　　　　i : : : : }_　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　 ＿ r'∨,-_､　　　 　 　　 ヽ: : :_,ﾍ. ￣￣ ｀ヽ.＿　　　　　　　　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　'77´￣　 　!　i ´ｨrﾐヽ　　=',三` 　i:.i´r' }ヾ. 　　　　 |
　　i {　　　　　iﾄ､i 　 `ﾞ´｀　　 ´ﾞ-'`　 ''´r' /　i|　 　 　 ｜
　　| |　 　 　　||　!　 　 　 　 　　　　　 _／　　ij 　 　 　 !　　　　　試しに呼びかけると、笑顔で頷いていた
　　| |　　　　　i|　i 　　　､ ,.　 　 　 　/ 　　　/' 　 　 　｜
　　| |　　 　 　ヾ. ﾍ 　､ ＿＿,　　　,.'　　 　,/　　　　　　　　 　 　 笑顔や頷きが否定的な意味を持っているのでなければ、
　　.! ! 　 　 　　ヽ. ﾍ. 　　　　 　 ／　 　 ／　　　　　　 |
　　ﾍ ､ 　　　　　 ＼ ゝ._j＿ ,.．'　　　,．'´　　　　　　　 |　　 　 　 これであっているはずだ。

288  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:31:24 ID:352d117a

.　　　　　　　　　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ヽハ
　　　　　　　　　　　/　｜　 　　　　　　|　　　　 }　|
　　　　　　　　　 　 　 　 、　　 　 　 　 |　　　　 |_,,|
　　　　　　　　 /　｝ 　 |　≧=-　　　‐　 ≧=　 ﾉ"”　　　　　　首を横に振るのが肯定を意味する文化圏もあるらしいが、
　　　　　　 　 ,′　　 ∧ ＼　　　/　　 |　　　 |
　　　　 　 　 ,′　　 /:/|　　　　　　　　{　 　　|　　 　 　 　 　 まあ人体の構造的に半々の確率だろう。
　　 　 　 　 　 ＾}　 //　|　　 　 |　　　 　 　 ｝ |
　　　　　　　i 　 　 {/ 　|　　　　| 　 　 i 　 ./　|　　 　 　 　 　 とりあえず正解だと考えておく。
　　　　　　　|　　　 |　 /　　　 / ー　　　　　　|
　　　　　　　|　　　 |　,′　　　　　　　ﾉ　　/　{
　　　　　　　|　　　 | /　　 ､　 ヽ 　 　 　 　　 ‘，
　　　　　　　| 　 　 /　　 　 ヽ　　　　 　 / 　　 ﾊ　 　 　 　 　 続けて俺も名乗る。
.　　 　 　 　！　　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 i‘
　　 　 　 　 ！ 　 ｛　　　　 　 □■□■　 　　 |｜
　 　 　 　 　 ‘　　　＼　 　 　 ■□■□ 　 　 　 |
　 　 　 　 　 八　　 i　|　　　　□■□■ 　 　 　 |
.　　　　　 　 　 |ヽ__厂　 　 　 ■□□□ 　 　 　 |
　　　　　　　　｜ 　 　 　 ,' /　　　　　'. 　　　　　 |
　　　　　　　　,′ 　 　 　 /　　　　　　}　　　　 　 |

289  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:32:12 ID:352d117a

_,,.-ﾚ′`､ 　　 　 丶-ノ 　 /
　　　　　 ヽ　　ｰ＝＝‐　/
　 　 　 　 ! ＼ 　ー‐　 ,.'｀ヽ
.　　　　　　＿_＼＿_／＿__　＼
　__　 .,.-''"　　 　 　 　 ｀''-､〉　 '.,　　　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　／　　　　　　　　　 ｀''-､}　　 .',　　　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
.／　　　　 　 　　 　 　 ｀''-､}　 　 i　　　　　　　　｜　　　 　ア キ ラ 。　シ ナ モ リ 、 ア キ ラ　　　　 ｜
　　 　 　 ／￣￣￣￣￣7 /　 　 |　　　　　　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　 .／　 　.l　　　　 　 `´　 　 ﾉ　　　　 　 　 　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　 　 /　　　 ./　　　　　　 i　　 　 i
　　./　　　／　　　 　 　 /　　　　 ',　　　　　　　 　 　 ┌
　 /　-‐''"　 ＼＿＿_.／　“¨¨ヾ　{　　　　　　　　　 　 　 口　　 木　 　日
／　　　＿　 　 　 　 /　 　 　　　}ｆ’　　　口頭だと 　　 口口　木木　日日　　　というユーモラスな
　　　 '´　　i｀ヽ　 _.ノ　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┘
　　　　　　/　　　/　　　　　　　　　　　　 図像的センスがわかっていただけないのが残念である。
　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ちなみにハンドルネームだ。渾身の出来だと自負している。

290  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:33:00 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　犇とか蟲とか姦とかも候補だったのだが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちょっと見栄えが悪いような気がしたのでこうなった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名前が蟲犇姦とか字面だけで全方位から嫌がられそうだし。
　　　　　　　　　　　 ,.．ｰ'´`＾￣｀´`:‐､
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : `‐､
　　　 　 　 　 　　;': ;.:-､;.:_: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 j : ;､: : : : ｀:'':": ´ﾞ:`ヽ : : : :}
　　　　　　　　　 |: :|　`'‐-､;_;.:．-‐ ┐ : : : :!
　　　　　　　　　 !: ;'　　　　　　　　　i : : : : }_
　　　　　　 ＿ r'∨,-_､　　　 　 　　 ヽ: : :_,ﾍ. ￣￣ ｀ヽ.＿　　　__　　　　　 というわけで、一人一人の紹介が行われた。
　　'77´￣　 　!　i ´ｨrﾐヽ　　=',三` 　i:.i´r' }ヾ. 　　　　 | 　　 ／/
　　i {　　　　　iﾄ､i 　 `ﾞ´｀　　 ´ﾞ-'`　 ''´r' /　i|　 　 　 ｜　 / /
　　| |　 　 　　||　!　 　 　 　 　　　　　 _／　　ij　　　 　 　 / /
　　| |　　　　　i|　i 　　　､ ,.　 　 　 　/ 　　　/' 　 　l^'; ／^Ｖ、
　　| |　　 　 　ヾ. ﾍ 　､ ＿＿,　　　,.'　　 　,/　　 　 |／/⌒`↓
　　.! ! 　 　 　　ヽ. ﾍ. 　　　　 　 ／　 　 ／　 　 　 (__/ /⌒ 、}
　　ﾍ ､ 　　　　　 ＼ ゝ._j＿ ,.．'　　　,．'´　　 　 　 ｜Ｙ'Ｖ ヽ ﾉ

291  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:33:44 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　[]┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　|｜ ┏────────────┓
　　　　　／::::::::::::::::／,.i Y:::::::::::: /,′:: ／｜７V:::::::ｉ:::::::}:::::::::::::::::::::: ＼　　└[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　 　 ─　ﾌ.:::::::Y.r' L-7:::::::/ ./7:::://　＼!7　∨:: | :::. !∨::::::::::::＼r-气. 　 　 ｜　 NAME 　 ：　カイン　　　　　│
　　　　　 /ィ:::::::八∨/:::}::::://}',;;! 〃　＿_{i≧ｘ i　7 ',　|　∨:::::|',:: , ＼ 　 　 　 ｜　 SEX　　　：　MALE　　　　　｜
　　　　　　 },:::::::::::::iヽ､::i| /i/ 　 }'　 　 ＼ 弋z:ﾝヾ{、 ', l　,zⅥ, !　､',＞Y　　　　│　 AGE　 　 ：　？？ 　 　 　 　 |
　　　 　 　 'j:::::::::::人　ゝ|′　　　　　 　 　 ￣　￢=ヾ　/ゞﾁ`　|', .!ヾ、 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　　　/ｲ:::::::./:::::::Y　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　,'.{Ⅵ ',{　　　　　　　┗─────┬──────┛││
　　　　　 　 }:::::./:　 :::::!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l 　 ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　　　　　 ﾘ::::/　　::::从　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　/　　　　　　　 　←───────┘
　　　　 rz=}イ　　　::::::::::::.　　　　　　　　　　　　　:::::::=' /
　 　 ／i´｛　　　　　:::: ﾞ､:::::ヽ　　　　　　___　　　 　 ′ '
_x＜ニﾆ　',　　　　　:::　 ﾞ､::::::＼　　 <￢-　￣　 ﾌ　, '
ニニニニ　',　　　　 :::　　 ﾞ､::::::::＼　　￣　 ─‐'　, '　　　　　　　　　　　　　負傷した二人はそれぞれ、カイン、テール。
二二二ニ,　',　　　　 ',　　　ﾞ､:::::::::::＼　　　　 　 /　,.ｨ
二二二二i　 ',　　　　 ',　　　 ﾞ､::::::::::::::>､ 　 　 /=ﾁﾆ|　　　　　　　　　　　　治療のため鎧を脱いでいるが、
ニニニニ=　　',　　　　　　　　 :::::::::/二二ー≦二二ニ≧=-､
ニニニニニ 　 ',　 　 　 　 　 .:::::::/V二二二二二二二二ニﾆ＼　　　　　　いずれもごく普通の成人男性の顔だった。
二二二二二　　',　　　　',　　::::':::{:! V二二二二二二二二二二ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 []┐
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　ｨ-――-. .､　　　　　　　　　　　　　 　 |｜ ┏────────────┓
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ヾヾヾ::i::/ 彡:.::ヽ　　　　　　　　　　　 　 └[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ミ､, -亠 --亠､ｲ::iミﾊ　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜　NAME 　 ：　テール　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　/彡'´　 　 　 　 　 |:.!､ミ}　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　SEX　　　：　MALE　　　 　　｜
　　　　　　　　　　　　　　{彡'　　　　 ｉ:　　　 |:| i:ミ}　　　　　　　　 　 　 　 　 │　AGE　 　 ：　？？　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　{彡､,,,,,,,,_　 i ,ﾉ_,,,,,,,|:|_,iﾐﾐ!　　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　　　　　　　　　　 i^Ｖ ｀､ｪｪ､:｀　´:;ｨｪｪ|:| i/^}　　　　　 　 　 　 　 　 　 ┗─────┬──────┛││
　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｖｉ　　 ￣'　:i　ヽ￣ i:| :ｲﾉ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ、　　　 ::ｉ_　　 　l:| .r'　　　 　 　 　 　 　 　 ←───────┘
　　　　　　　　　　　　　　　！ 　 　 ｀ ´　　　l:ﾚ'
　　　　　　　　　　　　　　 　 iヽ、 ｀￣_￣´ ,.ｲ!
　　　　　　　　　　　　 　 　 r|　 ＼　　　 ／ .||､　　　　　　　　　　　　　　　　 モンゴロイドのようでもありコーカソイドのようでもある。
.　　　　　　 　 ＿＿, ｨ＜￣|三三二ＴＴ二三!|::}｀＞ ､
　　　　　　　　|: : : :.:｀＞ ､: |三三{二　二}三||::|: : : :_:＞-t┐　　　　　　　 　 残りの三人の中にネグロイドに相当する人種もいるかもしれない。
　　　　　　　 〈: ヽ : : : : :.::.:｀￣†､ｉ三| |三r'†￣￣￣´: : : : ::ﾍ
.　　　　　　 　_〉: : : ＼: : : : : : :::.ﾊ三|_|三|: : : : : : : : : : : : :_:_: ＼　　　　　 　 何にせよ、元世界の人類に似ていた。
　　　, -- '￣: : :｀: : : : ｀: : ､: : : : :ﾊ三三ﾉ: : : : : : 彡: :´ : : : : : : :｀┬､_
　　/:＼: : : : : : : : : : : : : : : :｀ー- ┴‐‐┴ ' ￣: : : : : : : : : : : :.:::,イ |: : :ﾍ
　./: : : :＼ : : : : : : :: : : : : : : : 《　　　　　　》: : : : : : : : : : :::.:.:／／| |: : : :ﾊ

292  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:34:16 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　,...r──...､　　i!　,
　　　　　　　　　　　　　 ,r:::::::::::::::::::::::::;＞':ﾚ'彡
　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::＞. ´: : : : : : : :ミ　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 []┐
　　　　　　　　　　　　 l:::::; . :´: : : : n: : : : :l: : :ミ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |｜ ┏────────────┓
　　　　　　　　　　 　 _レ': : : : :,､:､: :.,r-､`''r､ 〈　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 └[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　 /: : : ,r､: :l`　∨　 ( ｡.`ﾟ、 ',　　　　　　 　 　 /￣ミﾐヽ.っ'-ｧ　　 　｜　 NAME 　 ：　トッド　　　　 　 .|
　　　　　　　　　　　川: : lfr､`′　 　 ￣r=､__〉-､　　　　　　 　 /　　　 ｀''/''´.;'　　　　｜　 SEX　　　：　MALE　　　　　｜
　 　 　 　 　 　 　 　 `川乂__　 　 (r‐' ¨´　　,,,,,,,,}　　　　　 　 /　　　 　 / / ;'　　　　 │　 AGE　 　 ：　？？ 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　 ＿／ ＼＼.､　 　 |　 ,.　,､¨´　ノ─､＿ 　 　/　　　　　/ /_ﾉ 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　　　　　／　　　　　｀ヽ丶__　ヾ´/ﾞ,.亠っ ヾ､　 　 `ー､.￣｀ヽ､,.../_ｿ''i　 　 　 　 ┗─────┬──────┛││
　　　　　　 rﾆフ‐- ､　　 　 　 ＼ `ーi'___　 　 〉　}}　　　　 ',　Y　　　 ＼_／l　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　　　 　 f　/ ./￣￣｀‐､_　　　 〉一´ 　 ヽ　ﾖ 　 }}、　　　 ',　l 　 　 　 　 /　　 ←───────┘
　　　　　　l　| /　　　　　　｀ ‐-./　　　　　　 i'　　 }}　':,　　　l　l　　　　　 /
　　　　　　l　| l　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 }　　 }}　　':,　　.|　　　　　／
　　　　 　 |{　l l　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　∥　 　 ',　ﾍー一　´　　　　　　二人の治療をしているのがトッド、マフス。
　 　 　 　 | ', 乂　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　.∥　　 　 ',　 ﾍ
　　　　 　 |　＼ `ー　　　　　　　　　　　／　　∠＿__ 　 　 ', 　 ∨ 　　　　 　 　 汗をかいた為か途中で兜を外していた。
　　　　　　|　　 ＼　　　 ＞─‐ｧ─一 ´ .|　_/:ミ:〉　　ヽ　　 ',.　　∨
　　　　 　 乂＿,.　-‐ ' ´　,.‐ '´　　　　　 |ノ/ 　.ii＼__r′ 　 .',　 　∨ 　 　 　 　 同じくごく普通の男性だ。
　　　　　　　|＿,.　-‐　'¨´─ ､＿_,. -‐ '´ /　　 l├'　　　　　 乂 　 .l
　　　　　　 /　　　　 |　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ |　　　　　　　　＼_」
　　. 　 　 /　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　ﾉ..|　　　　 　 　 　 　 |

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __
　　　　　　　　　　　　　‐=:.:.:.:.:.､ 　ﾉ､
　　　　　　　　　　　　　　__〉:.:.:..:.Ｙ:.:.::廴__　　　　　　　　　　　 []┐
　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 　 　 　 　 　 　 　 |｜ ┏────────────┓
　　　　　　　　　,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　└[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　　　　　　　ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　 ｜　 NAME 　 ：　マフス　　　　　 |
　　 　 　 　 --=ｧ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}　　　　　　　 　 ｜　 SEX　　　：　MALE　　　　　｜
　　　　　　＼_ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:从　　　　　　　 　 │　 AGE　 　 ：　？？ 　 　 　 　 |
　 　 　 　 　 ）:.:.:.:.:.:.:./.:.:.／/:.／.:.:.:./‐{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: て 　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　　　　ﾊ:.:.:.:.:.:.ムイ__/'′ムイ 　儿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:乂　　　　　　 　 ┗─────┬──────┛││
　　 　 　 　 ノイﾌ:从 ／⌒ヽ　　 ／⌒ヽ 〉.:.:.:.:.:.:.〈　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　　　　 　 　 {　ﾊ　　　　　　　　　　　　从夊ﾚﾍi{　　　　　　 ←───────┘
　　　　 　 　 　 ＼ﾑ　　　　 　,　　　　 　 /ｱﾉ
　　 　 　 　 　 　 　 }､ 　 ､　　 　 　 , 　 /イ
　　　　　　　　　　ノ个:.､　　 ‐―　　 ／:乂__　　　　　　　　　　　一人は俺よりも若そうに見えた。
　　　　　　　　　　{〕iト__}＼　　　　／}／i:i:i:/
　　　　　　＿　　/㌃￣≧=‐-‐=≦「￣㌃7　　　　　　　 　 　 　 少年と言ってもいいかもしれない。
　 　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:{{/￣¨＼_}=／￣￣　}}ﾘ=‐　 _
　 　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼＿__ノ⌒ヽ＿＿_ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:＼
　 ／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ii:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::.、

293  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:35:07 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 []┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |｜ ┏────────────┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 NAME 　 ：　アズーリア 　　 |
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　 ｀　、　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 SEX　　　：　？？ 　 　 　 　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '　　　 　 　 ヽ　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 AGE　 　 ：　？？ 　 　 　 　｜
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿/　　　　　　　　　,＿＿　　　 　 　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　　　　　　　　　　 　 ｆ　,...-ﾞ　　,,　 !!　 ,, 　 　 ―i　.!　 　 　 　 　 　 　 　 ┗─────┬──────┛││
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ', .!::::l　〈ｌ lｉ　||. 〃/〉 　 i:::::! .l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （l | |::::ｌ.　 k li　ll.〃〃　　_l::::l__l）　　　　　　　　 ←───────┘
.　　　　　　　 　 　 　 　 ＿f,-､￣￣￣￣￣￣￣￣,-,ヽﾆ‐-_
　 　 　 　 　 　 　 　 ,.イﾆﾆl'ｰ'　 ト､　 ◯　　 ,.イ 　 ｰ /ニニﾆ＼
　　　　　　　　 　 ／ニニニヽ 　 ヽ.` ー一'" ／　 　 /ニニニﾆﾆヽ 　 　 　 　 最後の一人、兜をつけたまま見張りをしているのは
.　　 　 　 　 　 ,ｲニニニニニ＼　　 ｰ--一　　　_ イ二二二二ニニ,
.　　　　 　 　 /ニニニニニニニ＞　＿＿_,.　＜二二ニニニニニﾆﾆ,　　　　　アズーリアというらしい。
　　　　　 　 /ﾆﾆニニニニニ二二lニニニニニニニニニニニニニニ,
.　　　 　 　 'ニニニニニニニニニｌニニニニニニニニニニニニニニｉ　　　　 全身鎧のせいで細かい体型は不明だが、
.　　　　 　 'ニニニ二二二/ﾆニニｌニニニニニニニニニニニニニニl
　 　 　 　 'ニニニニニ二/ニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニl　　　　 六人の中で一番小柄なのがこの人物だった。
　　　　　 'ﾆニ二二二二/ﾆニニニ!二二二二ニニニニニニニニニﾆl
　　　　　'ﾆﾆニニニニニニニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニl　 　 　 おそらく身長は150センチメートルより小さい。
.　 　 　 'ﾆニニニニニ,ニニニニニlニニニニニニニニニニニニニニl
.　　　　'ﾆﾆニニ二二/ニニ二二二lニニニニニニニニニニニニニニl　　　　俺との差は頭一つぶん以上である。
　　 　 'ﾆﾆﾆ二二二/ﾆニニニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニｌ
　　 　 'ﾆﾆﾆ二二二/ﾆニニニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニｌ

294  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:36:31 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 顔と名前を覚えるのが面倒だったのでARネームタグに登録しておいた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 テクノロジーは顔と名前を記憶し、一致させてくれる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　├───────────────────┰──────
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 ┏━━━━━━┓　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 ┃┌────┐┃　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　 　 　 　 　 ⊂⊃)｜拡現名札｜┃　 　 　 　 ┃
───────────┬──────────┤　 　 　 　 　 　 　 ┃└────┘┃　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 ┗━━━━━━┛　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　 　 　 　 AR Name tag 　 　 　 　 　 ┠──────
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 ━━━━━━━━┥　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　元々は相貌失認の人のために作られたらしいが、
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　それ以外でも何かと役に立つ便利アプリである。
　　　　　　　　　　　　　　　　├──────────┼─
　　　　　　　　　　　　　　　　│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │

295  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:37:33 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 []┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |｜ ┏────────────┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 └[] ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 NAME 　 ：　キール　　　　　|
　　　　r ､　　　 ,.-‐――― ､　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　 SEX　　　：　MALE　　　　　｜
　　　　|　　｀`<　　　　　　　__ ｀ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　│　 AGE　 　 ：　？？ 　 　 　 　 |
　　　　|　　　　 ｀ i　　　　 〈　 ヽ　ヽ. 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜┌┐
　　　　ヽ　ヽ　　 └‐- ､　　`ﾃ'´ﾞヽ. ヽ　　　　　　　　　　　　 ┗─────┬──────┛││
　 　,rｲ´ 〉　ヽ　 ﾉ　　　　｀`‐'　　O ﾚ-:i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　 　 　 　 　 　 　 └┘[]
　　 {｣／　 ｀ー'´　　,.　'　　　　　　ノ 　 !　　　　　　　　 ←───────┘
　　 |　`ー-----‐'´　　　　＿,.∠´　__ ,.|
　　　ヽ.　　　　　　　　 ／´__　　 |‐'´　　!
　　　　 i|｀ヽ、_ 　　／ j　〈__〉　〈 }　　　,ﾉヽ.￣￣ 〉
　　　　 ヾ｢j`ー`-'´ー' ,.-､ __　　｢`ー'´　　∠ -‐' |　　　　　　　　　　キールは俺の治療を終えると、
　　　　 _,〉､〈´ヽrt_｣ﾞヽ_､_ﾉ,L_〉　 } ヽ,. -‐'´　　 　 ,!
　　　 ｢`‐-､}`ﾆ｣　　 　 ￣　　ヽﾆ､ ｢i ,.-､　　　　,.'　＼　　　　　　　　何かを告げながら俺から離れていった。
　　　 |_O{ | ヽ._　,r‐― ､　 ／　／ | |｀-'_,. -‐'´　　 　 ヽ
　　　 |￣| |　｢`i | 　　　 ,＞､.／　　ﾄ､　　　　　　　　　 　 ＼　　　 　 向かう先は巨大狼の死体だ。
＿＿｣　 |　!　`._7｀:,-‐;.'　／　　 ,.､j_.|
　／　 　 〕‐ヽ. 　｀―‐‐'　　　<´.　　＼
｜　　 　/　j j‐-------― '´ヽ＼　　 　＼

296  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:38:14 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　 　 /|i　　 /|l,
　　　　　　　　　　　ｘ　 　　/:::| i　　i |:::l
　　　　　　　　　　　　　　 /::::::| i　 i. |::::ｌ,　　　/|　 　 ＋　 　 　 何をするのかと思えば、鎧をはぎ取っている。
　　　　　　　＋　　　　　/|＼_　ﾞヾ/　|:::: 　　/|｜
　　　　　　　　　　　　 /　|　「 　 　 　 ~ﾞヾ ｨ　|/　　　　　　　 　 トッドとマフスも治療が終わったのか、
　　　　　　　　　 　 ／|　 ∨|　　　ｉ　　 ／∧/　　　　　　x
　　　　　　　　　　/　∧＿]＼　　 |┌く_ｨ/　|　、　　　　　　　　 次々に巨大狼にとりついて作業を始める。
　　　　　　　 　 〃 /　 ＼＿Ｔ＞ｚ|∧＿|_／　 |
　　　　　　　　彡　 ii　　 ゝJ　　ｲ-ﾄ 　／ i|i.　 |　　　＋
　　　　　　　彡　　/ .i|　 〃i　 ヾ.! !〃| 　.|i i　 ハ
　　　　　　 〃　　彡　i| 　ﾍ l､ 　 i i　 |　 |i　|　 !　＼,へ　　　　　 　 　 　 　 　 なるほど、そもそも彼らがどういう集団なのかも
　　　　　　（　　 　ｲ 　i|!　 i　 !､.ヾヨ /　|i　 |　　ヽ/ 　　 ＼
　　　　　　 i|　／￣￣￣~｀ﾞﾞヽ ｀￣´ 〃　 .|,＿　i|　　　　　＼　　　　　　 　 　 よくわかっていなかったが、
　 ￣｀~ﾞｰ-ゝｰ-u..,,,,,　　　　　 ＼iii//:::::::／　、　|　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　｀ヽ、　　　　＼;;;;;;;;;|　　　 i ,）::::::::::::: 　　 ﾍ　　　　　　　　これは狩りめいた行為なのだろうか？
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＼＼＼　|　　　 ヽ─--u..,,,,,　　 ）＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　＼,_人,从,,! ） |　| ヾゝ　　　　 ￣｀~ﾞｰ- ＼＼--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣　　　　　　　　　　　　 ￣｀~ﾞ

297  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:39:27 ID:352d117a


　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒ヽ.　　　　　 　 　 　 , '⌒ヽ.　　　　　　 　 　 　 , '⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_　　　 　 　 _　 /.,, ｉi. ,, ',　_
　　　　　 　 　 　 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.} 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.}　 　 　 　 { ｌ-ﾄ､ヽl!// l-!.}
　　　　　　　　 　 　 　 　 l,.-――――-.l､　 　 　 l,.-――――-.l､　　 　 　 l,.-――――-.l､
　　　　　　　　　　,. -=ﾆニ＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ,. -=ﾆ二＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ＞､-=ﾆニ＼　ﾄｰ‐ｲ　／ﾆ＞､
.　　　　　　　 　 /ﾆニニニ二＞ー‐＜二/ﾆニニニ二＞ー‐＜二ニニﾑ二二二＞ー‐＜二二ニﾑ
　 　 　 　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二
　　 　 　 　 　 /二二二二二二',ニニﾆ/二二二二 　　　統一された全身鎧は軍隊を思わせるが、
　　　 　 　 　 /二二二二二二二,ニニ'ﾆﾆニニ二二
　　　　 　 　 /二二二二ニニニニ,ニ/二二二二ニ　　　狩人のような職業に就いているのかもしれない。
　　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二
　　　 　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二
　　　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二　　　いや、仮に軍人であったとしても
　　　　　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二
　　　　　/ニニ二二二二二二二/二二二二二二 　 　　勝利者の略奪、戦利品の分配はして当然という気もする。
　　　　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二
　　 　 /ニニ二二二二二二二/二二二二二二二二二二二二二ニニニニニﾆﾑ二二二二二ニニニニﾆﾑ
　　　 ,仁ﾆニニニニニニニ二,仁二二二二二二二二二二二二二ニニニニニﾆﾑ二二二二二ニニニニﾆﾑ

298  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:40:24 ID:352d117a



　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　 。
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/　　　　　　　　　　　　　　　　鋸やナイフのような道具で手際よく解体作業は進められていった。
　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　'　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 あの恐るべき爪状の刃は勿論取り出され、
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　長く鋭い牙はペンチとハンマーで抜かれていく。
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　 　o
　　　　　　 ゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　 ・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　 　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、 ・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
　::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''"

299  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:41:45 ID:352d117a
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ 　 _ 　 _ 　 _　_ _ _ _ __ __ __ ___ ___ _____＿＿＿＿＿＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ‐　　‐　　‐　‐ ‐ ‐ ‐‐ ‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐‐‐‐─────========================
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ￣　￣　￣　￣ ￣ ￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 － － ─────===============================
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ‐　－ －────====================




　　　　　　　　　　　感心しながら眺めていると、

　　　　　　　　　　　横合いから布のようなものが投げつけられた。

　　　　　　　　　　　首と、前のあわせに留め具が付いている厚手のマントだった。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ‐　－ －────====================
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 － － ─────===============================
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ 　 _ 　 _ 　 _　_ _ _ _ __ __ __ ___ ___ _____＿＿＿＿＿＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ‐　　‐　　‐　‐ ‐ ‐ ‐‐ ‐‐ ‐‐‐ ‐‐‐‐‐‐─────========================

300  名前：言理の妖精語りて曰く、[sage] 投稿日：2015/12/31(Thu) 19:42:16 ID:352d117a

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　 ｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '　　　 　 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿/　　　　　　　　　,＿＿
　　　　　　　　　　　　　 　 ｆ　,...-ﾞ　　,,　 !!　 ,, 　 　 ―i　.!
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ', .!::::l　〈ｌ lｉ　||. 〃/〉 　 i:::::! .l　　 　 　 　 　 　 　 　 マントが飛んできた方を見ると、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （l | |::::ｌ.　 k li　ll.〃〃　　_l::::l__l）
.　　　　　　　 　 　 　 　 ＿f,-､￣￣￣￣￣￣￣￣,-,ヽﾆ‐-_　　　｝｝　　　　 　 見張りに立っていたアズーリアという一番小柄な人物が
　 　 　 　 　 ｛｛　 　 ,.イﾆﾆl'ｰ'　 ト､　 ◯　　 ,.イ 　 ｰ /ニニﾆ＼
　　　　　　　　 　 ／ニニニヽ 　 ヽ.` ー一'" ／　 　 /ニニニﾆﾆヽ　　　　　　　首の所で何かを留めるような仕草をしている。
.　　 　 　 　 　 ,ｲニニニニニ＼　　 ｰ--一　　　_ イ二二二二ニニ,
.　　　　 　 　 /ニニニニニニニ＞　＿＿_,.　＜二二ニニニニニﾆﾆ,
　　　　　 　 /ﾆﾆニニニニニ二二lニニニニニニニニニニニニニニ,　　　　　 これを着ろということだろう。
.　　　 　 　 'ニニニニニニニニニｌニニニニニニニニニニニニニニｉ
.　　　　 　 'ニニニ二二二/ﾆニニｌニニニニニニニニニニニニニニl
　 　 　 　 'ニニニニニ二/ニ二二ｌニニニニニニニニニニニニニニl